『ふう、来年の種籾はこれくらいでいいかな、野菜も備蓄があるし』
エンリは作業を終え腰を降ろそうと椅子に座る 。
『仕事終わったッスか?』突然背後から声を掛けられ驚くエンリ
『もう!いつもそうやって驚かせるんだから、辞めてくださいルプーさん』
ルプスレギナは嬉しそうに
『いやーエンちゃんはビックリしてくれるから楽しいッス』
振り返りルプスレギナを見ると服装がいつもと違う事に気が付き
『何処かの制服ですか?』と訊ねるエンリにルプスレギナは
『流石エンちゃん、良く気づいてくれたっスね、実は学校ってトコで勉強しに行くんすよ』
ルプーは赤紫のブレザーと同色のスカートをヒラヒラさせてクルッと廻ってみせる、フワリとスカートが広がり褐色の腿が見えた。
『学園ですか?凄いですね、服も似合ってますよ』と褒める。
『で、エンちゃんとは少しだけ会えなくなるっすから挨拶に来たっすよ』
『でも、いつか帰ってくるんですよね』
『帰って来たら又一緒にご飯をたべましょうね。』
『わかったっす、ゴールデン芋のスライスが良いっす』
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『な、なんだと!』
アインズはミイの言葉に反応する
『はい、この前の試合で自分の力の無さを知らされました』
『このナザリック以外の知識、世界を知りたいと思います。』
『ナザリックと違い外の世界には、危険な男とかお前を騙そうとする男とかいるんだぞ』
何故か男限定に話しをするアインズだったが
『あの時(世界に目を向けろ)と言われましたが』ミイが反論する。
(あの時は言ったかも知れないがそれはそれ、話しの流れで)
とアインズは試合後の会話を後悔する。
『アインズ様、発言ヲオ許シクダサイ。』
コキュートスが口を挟む、事の始めはコキュートスからミイが話したい事があると言われ二人を呼んだのである。
『ミイ様ハマダ計リ知レナイ潜在値ガ有リマス』
『ソレヲ開花サセテアゲタイノデスガ』
『ウム、しかしだな世間を知らな過ぎる者を世に送るのはリスクが伴う(この場合は『危険』と言う意味の『リスク』だと読み取りましたので『伴う』かと)と心配しておるのだ』
『仰ル事ハ解リマス、デハ誰カ人間ヲ知ル者ヲ付ケテハ如何デスカ?』
(このままでは、私がいい加減な事を言った悪者にされてミイに嫌われるのも嫌だしな)
少し考えてから
『では、セバスでどうだ?お前の保護者だし』
(安全牌のセバスを付ければ悪い虫も寄り付かないだろ)
と どうしても男から遠ざけたいアインズであった。
『父は今、忙しく他の者達の陣頭指揮を取っていますので迷惑は掛けたくは有りません。』
(確かにセバスには部長職を与えて店の運営に当たっているセバスの代わりは居ないからな)
『ルプスレギナを連れて行っては駄目ですか?』ミイが訊ねる。
『ルプーだと、あの駄』
(駄目犬か 、 しかし見た目も人間だしカルネ村の一件より成長してキチンと報連相も出来てるみたいだからな)
『解った。ルプスレギナを付けるとしょう』
アインズは本日の当番メイドを呼ぶ
『直ぐにルプスレギナ いやユリ・アルファを呼んでくれ』
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『良いですか、くれぐれもナザリックの名前を出してはいけません』
『そして、ミイ様を命に代えてもお守りするのですよ』
ユリは懇々とルプスレギナに話して伝える。
アインズ様からミイ様の供回りにルプスレギナを指名され困惑したが
アインズ様の決めた事は絶対であるやるしか無いのだ。
『大丈夫、わかったっす。』ルプスレギナは深く頷きユリを見る
『それと(報連相)を忘れずにするのですよ今度ミスをしたら直ぐに連れ戻して部屋で監禁して食事も散歩も禁止にします』
まるで、教師が出来の悪い生徒を叱る様に説教する。
『えー!食事と散歩を禁止されたら死んじゃうっすよ』ルプスレギナが文句を言うと
『ではそうならない様に努力しなさい』
ユリはきっぱりと言い切る。
『ユリ姉はホント怖いっす』
帝国の魔法学園への入学はアインズがジルクニフに頼み手を回し転入生として許可を貰った、ミイと同じ年代の者達と触れ合いアインズの目の届き易い場所を選んだのだった。