『ジーン、アレは持って来たんだろーな』
ジーンと、呼ばれた少年はビクビクしながら3人の少年を順番に見ると
『アレは父さんの物だから勝手には持って来れないよ』
と怯えながら答える、すると胸倉を掴まれ
『なんだと、殴られたいのか』
と目の前に拳を突き付けられる。
『助けて欲しいの?』
少女がジーンに声を掛ける、
とジーンは目で訴える。
タッカーは少女を睨んで
『怪我したく無かったら向こうに行ってろ!』
と怒鳴るが後方から胸倉を掴んでいた右拳ごと握り潰され声を上げて振り返る
『イタタ、は、離せよ』
それは赤毛の褐色の肌の少女だった、身長はタッカーと変わらないくらいだかその握力はタッカーの拳を白くなるまで握っている。
『離さないっす、ミイに刃向かうヤツは排除するっす、でないと散歩と食事抜きになってしまうっすよ』
『お前らには関係ないだろ!』
と言うタッカーの言葉に
『そう言われたらそうっすね』
と力を抜き掛けるルプスレギナにミイは
『困っている人が居たら助けるのは当たり前』
とルプスレギナとタッカーに言い放つ
ルプスレギナは
『だそうです』と再び力を入れる。
ダッツとコウがミイに向かい
『何言ってんだ』と掴み掛かるがミイはダッツに掌底を打ち込みクルリと腰を捻りローキックをコウの脚に叩き込む。
ルプスレギナが手を離してやると気絶しているダッツをタッカーとコウが抱えて逃げて行く。
『覚えてろよ!』
遠くで捨て台詞が聞こえた。
ジーンがお礼を言うとミイは
『別に、当たり前の事をしただけだ』と去って行く。
『上級生かな?、見た事無い人達だ』
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『ちくしょう、まだ手がジンジンするぜ』
タッカーは右手を抑えながら二人に当たり散らす。
『俺だってまだ頭がフラフラするよ、』
ダッツが顎を抑え タッカーを見る。
『俺なんて足腫れて来たんだぜ、女のくせになんて重い蹴りなんだよ』
三人は各々のに愚痴や不満を漏らすが始業のチャイムと共に話しを辞めて席に戻る。
クラス担任のデニスが入って来るとその後ろから二人の女性が続く。
教室が少しザワ付くとデニスは
『級長号令を』と挨拶を促す。
このクラスの級長イリヤが返事をすると号令を掛け担任に対し礼をする。
『今日からこのクラスに二人の転校生が皆と学ぶ事となりました。』
担任の言葉にクラス18名の視線が二人に刺さる
『では、自己紹介を』
デニスはルプスレギナを見る。
『ルプスレギナ・ベーターっす、ルプーでいいっす、ミイと一緒に来たっすよ』
余りの砕けた紹介にデニスが『
コホン』
と咳払いをするがルプーには通じ無いようで愛想良く手を振っている、デニスは諦めミイを見る
『ミイ・ニーニャです、ミイと呼んで下さい。カルネ村の近くからきました。』
するとそれまでルプーとミイに熱い視線を送っていた生徒達がざわつき始め口々に
『村?』『カルネ村ってドコ?』『村だってよ』と
お互いの顔を見合わせて話し始める。
するとそれを確かめるべくイリヤが手を上げて立ち上がり
『村人が編入されたのですか?』と質問をする。
民主差別とかヘイトでは無くこの帝国魔法学院は厳しい試験を突破し優秀と認められた者か、貴族階級で多額の金銭を支払いそれなりの試験を受けた者しか入学出来ないのである。例えば教科書はかなり高価な紙を使っているし、魔法道具、武具なども揃えなければならない。
ましてや編入試験更は超難関な試験で入学試験よりも難しいとされ殆ど例を見ない。
『この2名はフールーダ・パラダイン様が直接試験官を担当され、学園長の立会いの元 SSの及第点で合格しました。』
担任の説明にイリヤが
『SSですって!しかもフールーダ様が自ら試験官をなさるなんて』
フールーダ・パラダインはこの学園を立ち上げ今も魔法省のトップに立つ者である、しかも学園長のお墨付きでSSランクの最高得点と言われれば納得するしかない。
『では、二人は空いている席へ』
『ミイ・ニーニャは前にルプスレギナ・ベーターはその後ろに座ってください。』
ミイが窓際の前から二番目の席に座るルプスレギナが後ろに座ろうと
ミイの横を通り過ぎ様とすると反対の席から足が伸びる、ルプスレギナばそのまま足を踏み付け席付く。
『ウギャー!痛いー!』
足を伸ばして来たタッカーは悲鳴を上げ机にうつ伏せ涙を堪える。
『タッカー・ザンブルグ静かに』デニスが注意し言葉を続ける。
『2週間後に行われる模擬試験の案内を配ります、各自目を通し速やかに班編成を行い、各班でリーダーを決めて準備に取り掛かってください。』
『級長のイリヤ・ダルタニアスは班の編成表とリーダーを確認して私まで持って来て下さい。』
『転校生の二人も班に漏れる事無く仲良くしてあげてください』
『この後講堂にて学園から模擬試験の説明会が有りますので講堂に集合する事』
イリヤの号令で担任に礼をする、イリヤがミイに近づいて話し掛ける
『誤解なさらないで欲しいですわ、転校生が珍しいので確認したかっただけです。』先程の質問を詫びる。
『別に気にする事は無い、疑問は解決されたならそれで良い』
ミイは素っ気なく答える。
『良かったわ話しの分かる人達で、もう一つ良いかしら?』
ミイは怪訝な顔でイリヤを見る、(何に興味があるんたろ?自分が知らない事があるのが気に入らないのか?)
『どうぞ』と言うミイの返答と同時にイリヤが質問する。
『試験ってどんな試験を受けたの?』
ミイは改めてこの娘とは合わないと思い
『それは』と言い始めると後ろからルプスレギナが
『フレイムゴーレム』と口を挟むと同時にミイは
『ルプー』
と話しを止めるルプーは驚き口を抑える。
(フレイムゴーレム!まさかたった二人で倒したの? あり得ないわ、カッパークラスの冒険者でもチームで作戦を練って倒すモンスターなのに)
イリヤはSSの及第点という担任の言葉を思い返す。
『テスト内容は守秘義務なんだ』
『今のは聞かなかった事にして貰えないか』
とミイはイリヤに頼んでみる。
『守秘義務ってシーってことっすなんか?マズかったっすね、コイツラ殺すっすか?』ルプーがミイに耳打ちするとルプーの額にゲンコツが落ちる。
『解りました、私も先生方にチェックされるのは御免被りますので
聞かなかった事に』
『それよりも、先生に言われた様に模擬試験に向けて班を作ら無くてならないので、良ければ私達の班に入って貰っても宜しくってよ』
『因みに、夏の模擬試験はトップでしたけど』
『誘って貰ってありがとう、なら今回もトップを狙える様に願っているから辞退させて貰うよ』
と断り、話しを止めて立ち上がり講堂へと向かった。
『あ、あの ミイ・ニーニャさん』
ミイは呼ばれた方へ振り返る。
先程のジーンがたっていた。
『何?用事?』
ジーンはオドオドしながら、
『君達二人だと模擬試験に出られないから誰かと組んだ方が良いと思うよ』
と配られた案内をミイに見せる
『3人以上で班を組まないとダメなんだ』
ミイとルプーは顔を示し合わせるすると
『んじゃ、アンタでいいっす、今日から同じ班っす』
と言われたジーンは唖然としながら
『ぼ、僕でいいの?』
と確認する
『何か問題でも?』
ジーンはハニカミながら挨拶をする。
『ジーン・クライスラー、宜しくお願いします。』
3人は連れ立って講堂へと向かった。
とこで切って良いかわからなくてダラダラと書いてしまいました。
次回は模擬試験が始まります。