仮面ライダーロワ ~歴史を守護する仮面の王~   作:名もなきA・弐

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 今年最後の投稿です。
 オリジナルミライダーが決まったので、今回は番外編です。


TIME??? ライダータイム2XXX

世界は、一つだけではない。

異なる歴史や文化が、あるいは技術を持った世界がそれぞれ存在する。それはまるでマルチバースのように、あるいは星の数だけ……。

『仮面ライダーロワの世界』はそんな並行世界と混ざり合い、その世界の仮面ライダーとの出会いや共闘を果たした。

観測された世界はクウガ~キカイまで。それは彼らが観測出来ない断絶された次元での記録と記憶によって定められた歴史。

だが、誰かが観測することでその世界と宇宙は初めて存在する。それは、これまでの世界観と異なる脅威によって晒されている。その世界にも、仮面ライダーが怪人から人々を守っているのだ。

本来なら異なる世界観を持つ仮面ライダーは仮面ライダーロワの世界と関わることはない。増して別世界の仮面ライダーと交わることなど、あり得ない。

……本来なら。

 

『あァ、参ったネ。本当に参ったヨ』

 

不気味なレプリカライダーがある装置に近づく。

全身から火花を散らしながら、壊れた箇所を抑えて身体を引きずるように移動していた。

他の世界とコンタクトをしてまで作り上げた『取って置き』のレプリカライダーを撃破され、自身も重傷を負った彼は己の敗北を受け入れる。

 

『だけド、これで確信出来タ。ボクはラッキー、本当に幸運だヨ……くひひヒッ』

 

そう独り言ちる彼に怒りや屈辱の感情はない。

あるのは異常なまでの探求心……このレプリカライダーが命を繋いでいるのは研ぎ澄まされた本能でも、生命力でもない。

狂気とも呼べる知的好奇心が、彼を突き動かしていた。

重い身体を引きずり、ようやっと装置に辿り着く。

 

『「ステラオブザーバー」……ボクの最高傑作。決して観れぬ星々を観測する、ボクのお姫様』

 

妖しく輝く無数の宝石が埋め込まれた卵のような形状の物体が、無数のチューブと機械に繋がれた物体を愛おしそうに撫でる。

キバの世界から異なるエネルギーの調整する技術を、ビルドの世界から世界を改竄する技術と計画書を、ウィザードの世界から魔宝石を、ロワたちがレプリカライダーと戦っている間に彼は様々な材料をかき集めた。

そして、異なるドライブの世界から重加速のエネルギーを一気に放出する技術を学び、ようやく完成した装置が、彼が待ち望んだ『星の観測者』。

機械には赤いスイッチがあり、如何にもな雰囲気はこのレプリカライダーの趣味だ。

 

『さぁさぁご照覧くださイ、お姫様。無数に光る星々を目に焼き付けテ』

 

恍惚とした声で、彼は拳を振り上げる。

高く伸ばしたところで腕を止め、ステラオブザーバーのスイッチに視線を止める。

その後は、すぐだった。

 

『人類の可能性を証明せヨッ!!』

 

振り下ろされた拳は、迷うことなくスイッチに押し込まれた。

瞬間、卵が淡い光に包まれる。

高速演算を開始したそれは膨大なエネルギーを生成し、数式で構成されたプログラムがとある現象を引き起こしていく。

埋め込まれた魔宝石は次元を超える『眼』となって更なる輝きを放ち、様々な光景を映し出すと同時に卵の形状をした物体に皹が入る。

 

────「特別授業と行こうか!」────

 

言の葉で戦う戦士、輝く頭部を持って巨悪を粉砕する戦士、電化製品を身に纏ったような戦士、聖職者とも死神とも取れる戦士、恐竜と武者が混ざり合った戦士。

 

────「勝利の元素で、染め上げる!」────

 

五大元素を宿した戦士、心の文字を力にした戦士が、絵具と動物を象った戦士が、漢字の力を宿した戦士が、それぞれの怪人と戦っている光景が映る。

皹は段々と大きく広がっていき、魔宝石の光が強くなる。

やがて。

 

パリン……。

 

呆気なく、砕け散った。

卵も、魔宝石も消滅し、膨大なまでのエネルギーが霧散する光景。

彼の実験は、失敗したのか。

 

『……はハッ』

 

違う。

ステラオブザーバーは使い捨ての装置。一夜限りの輝きを見せる姫君だ。

実験は、紛れもなく成功した。

それを証明するかのように、無数のレプリカウォッチⅡが彼の足元に散らばっている。

ようやく見れた。ようやく観れた。ようやく観測出来た。

 

『あっはははははははははははははハッ!ひひゃははははははははハッ!!』

 

彼は喜び笑う。

これは彼の悲願、彼の願い、王となってまで彼が望んだ欲望。

痛みを忘れ、ただ笑った。

 

 

 

 

 

────???の世界

「……?」

 

ふと、一人の少年が顔を上げた。

周囲を下がるように視線を動かす彼に語り掛けたのは、この場にいない誰かの『声』

 

『どうした勇士?』

「いや。何となく、誰かに見られているような気がして……」

 

「確証はないけど」と軽く頭を掻く少年に『声』は気配を探ろうとするが、何も感じない。

単なる考えすぎかと、少年と『声』は荷物をまとめて自宅に帰ろうとした瞬間に、『声』が再び彼に語り掛ける。

 

『テラーの気配だ』

「マジかよ、こんな時に」

 

うんざりしたような表情を見せた少年はすぐに表情を引き締めると、バッグに隠していた『ある物』を取り出して『声』の指示する場所へ走る。

 

「行くぜザンブ!」

『言われるまでもない!』

 

 

 

 

 

────???の世界

「彩樹君っ!」

「うわっと!?どうしたんですかニマさん」

 

スケッチをしていた青年が、後ろから声をかけてきた女性に驚いて振り向く。

数日前から居候している家の主は悪人ではないが、変人の類であるため嫌な予感を隠し切れない。

 

「さっき、星が降る夢を見たのよ」

「はぁ」

 

ドヤ顔の女性に青年は生返事をするが要領を得ない。

基本的に突拍子もないことを言うが、それでも無駄なことはしない彼女らしくない。

 

「その後、私の目に映ったのは動物たちが動いている光景!ねっ、これってどう思う?正夢になるのかな、それともついに私の悲願が……」

「夢は夢でしょ、続きは寝てみてください」

 

呆れたように笑った青年は彼女を部屋に戻してベッドに寝かせると、女性は瞬く間に寝息を立ててしまった。

寝つきの良さに驚きつつも、青年は自分がスケッチした光景を改めて眺める。

 

「……一体、何だろうこの人は」

 

無意識下で描いた時計のような戦士の姿を、彼はただ首を傾げて問い掛けることしか出来なかった。

 

 

 

 

 

────???の世界

「……っ!」

「ひゃっ!?」

 

とある事務所で、ソファで寝ていた一人の青年が急に起き上がった。

普段から仕事しないで寝てばかりいる彼に、事務所の一員でもある女性が驚く。

 

「令さん、急にどうしたんですか!」

 

食事すらも野菜スティックで済ませるほどの堕落しきった生活をする彼の反応に、彼女は声をかける。

青年は我に返ったように「あー」としばらく考えたような素振りを見せると、納得したように頷き女性の方を振り向いた。

 

「いや、お前の古臭いセンスが更にグレートダウンして石器時代に堕ちる夢をだな…」

「誰が一昔前の古い女だっ!」

 

あんまりにも失礼な物言いに女性からの強烈なローキックに「おうふっ」と言葉にならない呻き声を漏らしてソファを転がる。

「心配して損した」とお冠な様子で事務所を出た彼女を視界の端に入れながら、青年は思考する。

 

「予知夢、か?いや、『誰か』が俺を観たのか……痛って」

 

寝ている間に感じた妙な違和感の正体を考える。

それはそれとして、蹴られた箇所は痛かったので何度も撫でて痛みを誤魔化すのだった。

 

 

 

 

 

────???の世界

「ふぅ」

 

客のいなくなったバーでバーテンダーらしき青年がグラスを磨く。

店に来る人の気分や顔を見て、その日に相応しいドリンクを用意する……大変だが、やりがいのある仕事を今日も終えた彼は最後のグラスを磨き終えた時だ。

 

「……っ!?」

 

ふと視線を感じた。

無機質な、敵意もない奇妙な気配。

それでいて自分を見つめてくるような視線に青年は思わず懐から取り出したバックルを構える。

しかし、姿は見えない。それどころか、もう気配も感じない。

 

「気のせい、かな」

 

釈然としないが、今日はもう遅い。

戸締りをして、青年の一日は終わった。

 

 

 

 

 

世界は『観測』された。

もうこれらの世界は交わらぬ世界でも存在せぬ世界でもない。観測された世界は、あらゆる可能性や道筋が提示される。

多くの眼が彼らを記録した、多くの次元が彼らを記憶した。そうして異なる歴史の世界は、別の物語と交差する。

ようこそ、まだ見ぬ仮面ライダー諸君。

 

素晴らしき別世界へ。




 今回登場した仮面ライダーの世界は
・仮面ライダービリーバー
・仮面ライダーローダス
・仮面ライダーワイト
・仮面ライダーウィアード
・仮面ライダーカルマ
・仮面ライダーグラス
・仮面ライダーエクシード
・仮面ライダースケッチ
・仮面ライダーフレクト
・仮面ライダー獣覇
・仮面ライダーレイン
・仮面ライダーショウブ
・仮面ライダーハーゲン

 となっております(順不同)
 改めて、応募して頂いた皆様ありがとうございました!
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