仮面ライダーロワ ~歴史を守護する仮面の王~   作:名もなきA・弐

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 遅れました。
 今回は戦闘パートのみとなっております。


SPEED TIME2 二人の戦士はどうやって邂逅を果たしたのか

宣戦布告とも、挑発とも取れるドライブの言葉にガンズ・ロイミュードが感情任せに銃口を向けて無数のエネルギー弾を発射する。

 

『仮面ライダーァァアアアアアアアアアアッ!!』

 

眼前に現れた怨敵を蜂の巣にせんと叫ぶ。

それらは無謀な前進を始めた仮面ライダーを射抜き、いくつもの風穴を空ける結果に終わっただろう。

しかし、ドライブはスピードを極力落とすことなく走り続けており、すぐに二体のロイミュードとの距離を詰めていた。

 

「はっ!」

『ぐっ!?』

 

銃弾の雨を潜り抜けたドライブの放たれた拳がガンズの黒い身体を捉え、呻いたところを容赦なく追撃。

舌打ちと共にもう一体の進化態ロイミュードも応戦しようとするが、先ほどロワを捕えた能力を使用せずにレイピアのような細剣を振り下ろす。

その腕をドライブは難なく掴み、捻り上げてから体勢を崩すと横腹を蹴り飛ばした。

 

「来い!『ハンドル剣』つ!!」

 

そのコールと共にトライドロンから射出されたのは護拳部分に車のハンドルが取り付けた珍妙な剣……躊躇いなくそれを掴んだドライブはハンドル部分を回す。

 

【TURN!】

 

懲りずに乱射するガンズの銃撃を弾いてから距離を詰めて一撃。

更にハンドルを回転させてから体勢を立て直した二体目の進化態ロイミュードに横一閃し、シフトレバーを三回倒して能力を解放する。

 

【SP・SP・SPEED!】

 

瞬間、ドライブの動きが加速した。

肩に装着したスピードタイヤが激しく回転すると同時に赤い残像がガンズへと一直線に引かれていく。

 

「速い……っ!」

 

その速度はロワが思わず呟くほど。

風を切る音と共に高速の拳による乱打が銃器を象ったロイミュードの機械染みた身体を浮き上がらせ、強烈なストレートパンチによって大きく吹き飛ばされる。

このまま追撃が続くのかと思ったが、それを止めたのは貴族風の進化態ロイミュードだ。

 

『調子に乗るなよ、警察風情が……!!』

 

頭部の窓らしき眼を光らせた瞬間、ドライブの動きを阻害するかのように地面が盛り上がる。

同時に大蛇の如く蠢いた土の触腕が赤い戦士を絡め取った。

 

『このまま握り潰してくれるっ!』

 

更に瞳を光らせ、力を強めようとする。

苦し気な声を漏らしながらも、彼の余裕は崩れなかった。

 

「無理だな、俺には『仲間』がいるっ!心強い連中がな!!」

 

熱の籠った叫びに、ロワの近くにいたオレンジ色のシフトカーが駆ける。

唯一の自由が利く右手でそのシフトカー『マックスフレア』をレバーへと変形させ、何時の間にか外されていたシフトスピードの代わりに装填。

既にイグニッションキーを回して準備を完了させていたドライブは、レバーを一回倒した。

 

【TIRE KOUKAN! MAX FLARE!!】

 

すると、トライドロンから燃え盛る炎を象ったオレンジ色のタイヤが射出。

起き上がろうとしたガンズの身体を跳ね飛ばしながらドライブのスピードタイヤと入れ替わるように装備される。

 

「はぁぁぁぁ……はぁっ!!」

『ちぃっ!』

 

前進から迸る熱で土の触腕を焼き尽くし、炎で構成されたタイヤ型のエネルギーを蹴り飛ばす。

自身の能力を打ち破られた進化態ロイミュードは舌打ちと共に取り出した断崖絶壁の形状をしたジオラマ型の大鎌を取り出して相殺。

しかし、ドライブの猛攻はこれで終わらない。

 

【TIRE KOUKAN! FUNKY SPIKE!!】

 

今度はライトグリーンの刺々しい装飾を施したタイヤが装着され、再び捕えようとする土や蔓の拘束を粉々に破壊する。

再び距離を詰めて掴み掛かるドライブの攻撃に検討が付いた貴族風のロイミュードは大鎌をドライブの装着しているタイヤに突き出す。

瞬間、スパイク付きのタイヤが加速した。

 

『ぐっ、おぉぉおおおおおおっ!?』

 

刃の部分を削り取るように火花が散らされ、へし折ろうと凄まじい音が響く。

ロイミュードが行うべき動きは、相手を弾き飛ばすことぐらいだろう……しかし、それは一対一の場合に限ってだ。

 

『ガンズッ!』

『……っ!!』

 

ようやく動けるまでに消耗を回復したガンズ・ロイミュードが起き上がり、銃口を突きつける。

同時にロイミュードも空いた手でドライブの肩を掴んで引き寄せると、照準を狙いやすくするように姿勢を強引に固定する。

 

『同志バーンの仇、同志バーンの意志をぉぉおおおおおおおおおっっ!!!』

 

エネルギーをチャージし、両手に備えた二丁の拳銃で憎き仮面ライダーを粉砕しようと銃口を合わせる。

仲間である貴族風ロイミュードのことなど考えない、常軌を逸した行為だ。

そして、引き金を弾い同志の仇を討つ……はずだった。

 

【CHIKUTAKU SHOOTING!!】

『なっ、ごばぁああああああああああっ!?』

 

横っ面を叩かれたな銃撃がガンズの身体を吹き飛ばした。

「何っ」と貴族風の進化態ロイミュードが視線を向けると、そこにはジカンハカリバーを構えたロワの姿。

右肩には紫色のシフトカーが鎮座しており、力を貸すという意思表示なのだろう。

そのまま剣の形状へと変化させると鍔迫り合いをしていたドライブとロイミュードの間に割って入り、僅かに空いた隙間を縫うような蹴りを浴びせる。

同時に大鎌の刃は砕け散り、よろめいた貴族風のロイミュードは二人の仮面ライダーを睨む。

 

『ぐぅ……「テリトリー」ッ、もう一度援護しろっ!同志バーンの仇をっ、早急に!』

『馬鹿がっ!私の名前を口にするなと、作戦の前にあれほど言っただろう!?』

「なるほど。それがお前の名前か」

 

手袋を嵌め直すように掌を握ってい開く動作をしながら、ドライブが貴族の装いをした進化態ロイミュードの能力に気付く。

テリトリー……領域や国家の所有する土地などを意味し、このロイミュードは自分の周囲における土地を自在に変化・操作する能力なのだろう。

それらを連想させる装飾を纏う『テリトリー・ロイミュード』は手の内を晒さぬように立ち回っていたが、あろうことか手を組んだ相手の口からばれた。

特に仮面ライダードライブはロイミュードの討伐だけでなく、その事件の真相を多く解明してきた……シフトカーによる多種多様な戦法を含めて脅威度は高い。

故に名前を隠していたというのに……!

 

『もう良いっ。手の内が晒された以上、これ以上の戦闘は不要……引くぞっ!』

『まだだっ、同志バーンの仇を…』

『やかましい!そんなに復讐ごっこをしたいのなら、貴様だけでやっていろっ!!』

 

撤退を拒否するガンズを乱暴に振り払うと、テリトリーは能力を発動。

自身の隣に召喚させた巨大な洋風の扉を開き、その中へと入ってしまった。

瞬時に扉は消失し、残されたのは満身創痍のガンズのみ。

 

『おのれっ、おのれテリトリィー!!あの薄情者めぇぇええええええええっ!!!』

 

怒り狂い、何度も地団太を踏むロイミュードの様子が変わっていく。

罅割れた箇所から湯気のような煙が上がり、無機質な照準器の瞳が燃え上がる炎のような夕焼け色に染まる。

 

「何が……!?」

 

困惑するロワとは対照的にスピードタイヤに戻したドライブがハンドル剣を構える。

その瞬間だった。

 

『許さんっ、許さん許さんゆるさんユルルルルルサァアァァァァァァァンッ!』

 

怒りの咆哮、同時にガンズの全身が炎に包まれた。

しかし、それは焼き尽くすことなく包み込んでいき、彼の怒りを象徴するかのような装飾品の役割を果たしていく。

 

「……ロイミュードは人間の感情や願望を学習・進化していく。けど、自分自身でも抑えられないほどに感情が高揚した瞬間、自分の身を亡ぼす場合がある」

 

グローバルフリーズの際、ドライブは『彼』に言われたことを思い出す。

ロイミュードにとって人間の感情とは薬にも毒にもなるものであり、本来なら自我が失うほど暴走することなど在り得ないとも語っていた。

しかし、ガンズの持つ狂信的なまでの想いと比例するほどの怒りが通常の進化と異なる成長を遂げてしまったのだろう。

 

『カメンライダァァァァアアアアアアアアアアッ!』

 

照準を滅茶苦茶に動かしながら、ガンズが発砲する。

その銃弾には今まで以上の威力と熱が籠っており、宛ら炎の弾丸を撒き散らしているようだ。

 

「うわわっ!?」

「くっ!」

 

幸い、雪上車を模した白いシフトカーの『ロードウィンター』が早急な消火作業に当たっているため被害は抑えられているものの、これでタイヤコウカンによる使用は不可能。

ドライブが思案する中、隣のロワが「あの」と声を掛ける。

 

「あいつの炎をどうにかする方法、あります」

 

視線を向けたドライブにウィザードライドウォッチを見せたまま、言葉を続ける。

 

「後でしっかり話をします。だから今は、僕のことを信じてください」

 

「お願いします」と、僅かに震える手でライドウォッチを握り締めるロワの姿を見て、ドライブがしばらく黙る。

しかし、それもすぐのことだった。

 

「分かった。君の力を貸してくれ、同じ仮面ライダーとして!」

「はいっ!」

【WIZARD!】

 

それ以上の答えはいらなかった。

ドライブはバギーを連想させる黒いシフトカーを呼び出し、すぐさまシフトブレスに装填。ロワもウィザードライドウォッチを起動する。

そして、それぞれの方法で異なる形態へと変身する。

 

【DRIVE! TYPE-WILD!!】

【PLEASE! WI・ZARD!!♪】

 

右肩に巨大なタイヤを装着し、白銀のスーツに黒く無骨なアーマーと滾るパッションを纏った『仮面ライダードライブ・タイプワイルド』と、赤い宝石と魔法使いを象った『仮面ライダーロワ・ウィザードアーマー』の両者が並び立つ。

まずはロワがウォーターの魔法で周囲の炎を鎮火、それによって生じた蒸気に紛れてドライブが突貫する。

ガンズは銃を乱射するものの勢いは止まらず、そのまま強烈なタックルによって吹き飛ばされる。

すぐさまドライブはレッカー車を模した『フッキングレッカー』へとタイヤ交換。タイヤに取り付けられたフック付きのロープを思い切り投擲して動きを拘束する。

 

『コココンナモノノノデェエエエエエエエエッ!』

 

ガンズが全身に熱を放出し、ロープを焼き切ろうとする。

しかし、それだけで終わらない。

 

【FINISH TIME!】

『ッ!?』

 

ジカンハカリバーにウィザードライドウォッチを装填し、上段に構えたロワが落下してくる。

刀身には高圧の水流を纏っており、その周囲をロードウィンターが並走する。

そして、必殺技の発動と同時に剣が振り下ろされた。

 

【WIZARD! PITTARI SLASH!!】

「はぁっ!」

『ギィィヤァアアアアアアアアアアッ!!?』

 

強烈な斬撃はガンズの機体を裂き、罅割れた箇所を水流が流れ込んでくる。

だが、攻撃はこれで終わりではない。

 

「お願い、氷の車さんっ!」

 

ロワの声にロードウィンターがくしゃみのような音を鳴らしながら冷気を降らす。

完全に熱せられたガンズの身体は急激な温度変化に耐え切れず、激痛と共に蝕んでいく。

白い冷気を纏わせたロイミュードは文字通り、頭を冷やされたかのように激情が止むと遂に膝をついた。

 

「決めるぞ!」

「はい!」

【HISSA-TSU! FULL THROTTLE!!】

【FINISH TIME!】

 

シフトブレスにある赤いボタンを押し、フッキングレッカーのシフトレバーを倒す。

ロワも二つのライドウォッチを再起動し、ロックボタンの解除後にバックルを回転させた。

もう一度フックを投げてガンズを拘束したドライブが強引に中央へと叩きつける。

その間にロワは水のように滑らかな動きで跳躍し、激流を纏った飛び蹴りの態勢へと移行。

ようやく拘束が解けたガンズが起き上がるころには、怒涛の勢いで加速するドライブが背後に迫っていた。

 

【DRIVE! WRECKER!!】

【STRIKE! TIME STIKE!!】

「「はぁあああああああああああっ!!」」

 

青い魔法陣を潜り抜けたロワのキックがロイミュードを穿ち、皹を深くした黒い身体にドライブのタックルが炸裂。

プレス機の如き挟撃はガンズ・ロイミュードを圧壊し、やがて……。

 

『グッ、ギャアアアアアアアアアアッ!?』

 

爆発と同時に粉々に粉砕された。

その場で力なく漂う「031」の形をしたロイミュードのコアは呻き声を漏らす。

しかし、すぐに小さく爆ぜて消滅した。

ロイミュードの撃破を確認したドライブはタイプスピードへと戻り、ロワもウィザードアーマーを解除する。

言葉なく、互いの仮面を向け合う二人……。

異なる世界は繋がり、異なる歴史を歩む仮面ライダーとの邂逅が果たされた。

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