仮面ライダーロワ ~歴史を守護する仮面の王~   作:名もなきA・弐

8 / 41
 第三話です。今回はタイトルの通り『あのライダー』を模したレプリカライダーが通常怪人として登場します。
 でも、先駆者様が登場させているので差別化しました。
 それでは、どうぞ。


TIME2 ストップ&ゴー2014

僕にとって……姉さんは憧れで目標の人だった。

生まれた時からずっと一緒で、遊ぶ時も勉強する時も一緒だった「半身」と呼んでも差し支えない存在。

でも、姉さんは僕なんかよりも優秀だった……。

そんな姉と比べられるのが嫌で、いつからか僕は姉さんや周囲の視線から逃げるように離れた。

……それが、僕にとって最初の後悔。

 

 

 

 

 

気まずい空気のまま椋は事務所に設けられた席に腰を掛けていた。

あの盛大なハプニングの後、謝罪の言葉を連呼しながら逃げるように浴場から出て行き、予め渡された赤いジャージに着替えて戻ってきたのだが、それでも気まずさは晴れない。

 

(……綺麗な身体してたな……てっ!///)

 

脳裏に浮かんだ華やかな光景を首を振って消す。

どう考えても変質者一歩手前の自分に頭を抱える多感な十七歳に声を掛ける存在が……。

 

「あの…」

「ひゃいっ!?」

 

思わず変な声をあげてしまう。

そこにいたのはお風呂場でもばったり会ってしまった桃色の少女。

しかし、その服装は『DOLLS』の制服へと変わっており何となくだが『服に着られている』といった印象がある。

彼女も椋の声に驚いた表情を見せていたが、互いに軽く呼吸をして落ち着くと少女の方が先に口を開く。

 

「大丈夫、でしたか?」

「う、うん」

 

頭にたんこぶが出来ていたが、「仕方ない」と自虐気味に笑う彼に対して少女は本題を切り出す。

 

「…本当に、『男』なんですね」

「うん……黙っててごめん」

 

落ち込んだ表情で謝罪の言葉を口にする椋。

騙すつもりはなかったのが、それを伝えるべきタイミングがなかった……。

言い訳がましいセリフなのは、彼自身も分かっているが他の言葉が見つからない。

それは少女も分かっているのか慌てた様子で「気にしてない」と口にする。

またしても気まずい空気が流れ始めるも、そこでタイミングよく耳当てを装着した女性が入ってくる。

椋の素性を調べたのか、困った様子で一言謝罪し、「改めて」と言葉を続ける。

 

「ようこそ。芸能事務所『ドールハウス』へ。私は、所長秘書の『南田カナ』と申します」

「「芸能、事務所……」」

 

唖然とした様子で声を重ねる二人に、カナは笑う。

 

「秘密基地かと思いましたか?期待を裏切っちゃってごめんなさい……」

 

穏やかな雰囲気に、椋と少女も自然と入っていた余計な力を抜く。

そんな少女にカナは驚きの表情を見せる。

個体差はあるが、本来なら短い時間で感情が戻るというのはあり得ないケースらしい。

そう説明されるが、少女は不安げな表情と共に声を震わせる。

 

「でも、何も思い出せないんです……自分の名前も、自分が誰なのかもっ」

「えっ?それ、本当なのっ!?」

 

その言葉に、椋が慌てて黙っていた口を開く。

彼女の今までの様子から元に戻っていたと思っていたからだ。

彼の問いにゆっくりと首を縦に振る。

 

「それについては、私が話そう」

 

二人の疑問に答えるように入ってきたのは、最初に出会った黒髪のスーツの女性。

頭を下げるカナの隣まで歩いた彼女は二人に視線を向けると、凛々しさのある声で話を始める。

 

「私は班目。このドールハウスの所長を務めている」

 

そうして彼女…班目は二人に襲い掛かった怪物『ピグマリオン』についての説明を始める。

三年前、突如東京に現れた理性のない化け物であること、都内に出現しては人々を食らっていること。

そのピグマリオンを殲滅するために設立されたのが『DOLLS』だということ。

表向きは芸能活動に勤しむアイドルグループだが、実態は『国土調査院・特別課』という政府直属の国家機関であるということ。

そのためには、国土から出土した未知の遺物『ギア』を少女の心臓に穿つことで『ドール』へと転生した人間とは異なる存在を運用することなのだ。

 

「ドールになると、元々の感情と記憶を代償に超常の力を得る…と言われています」

「それだけではない。ドールになった時、君の存在は世界から消える」

「ど、どういうことですかっ?」

 

カナと班目の説明に、少女は震える声で問う。

ドールが記憶と感情を失うように、ドールになる以前の関係者…親友や家族さえも思い出せなくなるという。

だからこそ、班目は少女に投げ掛けたのだ。

『人形として無様に生きるか、人として尊厳を持って死ぬか』……。

 

「待ってください!」

 

その説明に声をあげたのは椋。

震えている少女を労るように少しだけ視線を向けてから、口を開く。

 

「僕は彼女のことを覚えています!彼女がDOLLSのライブに行ってたことも、彼女と話していたことも!」

「こんな言い方したくはありませんが、それは君が異常なの……」

 

辛い表情で口にするカナに、何も言うことが出来なかった。

普通とは違う……その言葉に反応してしまったからだ。

黙り込んでしまった椋を横目に咳払いをすると、少女の方に目を向ける。

 

「とにかく、君の個体名は『サクラ』とする。今後はそう名乗ると良い」

「サクラ…それが、私の名前」

 

与えられた名前を、覚えるように何度も口にする。

一先ず、少女…サクラの今後についてはドールハウスが保障してくれるようだが問題がもう一つある。

 

「僕、ですか……」

「そう。君は『私たち』の事情を知ってしまっただけじゃない。変身した姿についても聞きたいことがあります」

「……もちろん、知っている範囲で構わない。だが、我々もピグマリオンを使役した存在については認知する必要がある」

 

班目の出した結論としては、一先ずの身柄は預かるということ。

ドールの権利は彼女が握っているが、椋は一般人…もしこのまま野放しにしていれば噂を嗅ぎ付けた政府の関係者に拉致、実験材料にされてしまう危険もある。

既に彼の両親からは事情を説明し、保護下に入っているらしいのだが……。

 

「まさか、君の母親に挨拶代わりの一本背負いを受けるとは思わなかったよ」

「すいません…うちの母が」

 

部屋に入ってきた早々、班目に一本背負いを浴びせた挙句更なる追撃を行おうとしていたのだが、彼女の夫…つまり椋の父親が彼女の首を絞め落としたため免れたとのこと。

腰を摩る彼女に椋はただ頭を下げることしか出来なかった。

 

 

 

 

 

その男性は、苛立たしげに手に持っていた記事を投げ捨てた。

ペンと紙で悪と戦う……。

それが彼『比留間進一』の志した正義でありその理念が揺らいだことは一度だってない。

今回も、自分の書いた記事が悪を挫くことが出来ると信じていた。

だが相手が悪かった…彼の書いた記事を上司は握り潰し、真実が闇へと葬られてしまったのだ。

無論、抗議はしたがそれを聞き入られることはなく「別の事件を探せ」と言われる始末……今まで真実を事件被害者や多くの人に伝えてきた彼には耐え難い屈辱と悔しさだった。

 

「俺に…俺にもっと力があれば……!!」

 

その怒りを吐き出すように、壁を叩いたその時だった。

 

「あ、ああっ!あなたっ、とても良いっ、良いですよっ!!」

 

突如現れたのはハイカラな赤い眼鏡をかけ、赤い髪を肩まで伸ばした少女……華奢な容姿と不釣り合いな豊満なスタイルは十人中十人が「美少女」と呼んでも仕方がないだろう。

しかし、可愛らしい顔立ちは何処か恍惚としており何かに興奮しているように息を荒げている態度が、その魅力をマイナスまで下げてしまっている。

あからさまに不審な少女に進一は『大人』の対応を見せる。

 

「君は……?」

「わっ、わわ私はワールドハックの『トゥエム』……ととと、突然ですけどっ!私と契約しませんかっ?」

「契約…?」

 

一般企業でしか聞かないであろう単語に首を傾げるが、少女…トゥエムは「はうっ」と驚く。

 

「け、契約といっても『ふふっ、俺の言う通りに動けよ雌犬』とか『そのだらしない身体で精々満足させろ』とかっ!?ふふ、ふしだらなものじゃありませんよっ!!じゅるっ、そうっ。歴史を変える『力』をっ、ああああ与えるということ、ですっ」

 

恍惚とした表情で自身の妄想を人目もはばからず爆発させる彼女は、ブランクウォッチを取り出す。

一瞬、詐欺か何かかと思ったが周囲の景色が止まっていることに気づき、それが彼女の妄言や嘘ではないことを理解してしまう。

 

「…力が手に入れば、俺は自分の正義を貫けるのか?」

「もももっ、もちろんですよっ!『王』になることを対価にっ、ああああっあなたに正義を実行するだけの力を与えますっ!!じゅるりっ」

 

息を荒げて興奮した様子で答えるトゥエムに進一は、はっきりと口にした。

 

「契約する。この事件だけは、真実を世に広める必要と義務があるっ!」

「じゅるっ、そそ、それなら契約成立ですっ!」

 

彼女の歓喜に震えた言葉と共にブランクウォッチは骸骨とレース用ヘルメットの仮面を混ぜ合わせたようなマークがイラストされたレプリカウォッチへと変化し、スイッチを押す。

 

【DRIVE……!!】

「ぐぅっ!?ああ……!!」

 

そしてそれを彼の背中へ埋め込むと紫色のエネルギーが肉体を覆い隠し、青白い風のようなエフェクトの後に変身した姿が現れる。

 

「れ、れれ歴史を変える存在……今日からあなたも、かかっ『仮面ライダードライブ』ですっ」

 

怪人に身を落としてでも叶えたい願いのため、異形へと姿を変えた人間にトゥエムは興奮した様子で息を荒げるのであった。

 

 

 

 

 

気まずい……。

本日何度目かの考えに見慣れた景色の外を歩きながら、椋は隣を歩く少女『ミサキ』に視線を向ける。

夜空を模したような青色で可愛らしいポニーテールを揺らし、目に泣き黒子がある冷たくも凛々しい表情の彼女は椋の方を向くと、軽く警戒してそっぽ向く。

それに落ち込んだ表情を見せる椋の肩に、軽く手を乗せて宥めるのは透き通った薄緑色の髪と翡翠の瞳を持った少女『シオリ』。

 

「これって、本当に親睦会になるのかなぁ」

「大丈夫ですよ『マスター』。もっと自信を持ってください」

 

マスター……。

その馴染みのない単語にまたしても項垂れそうになる。

DOLLSの全メンバーと改めて顔を合わせていたところ、カナから告げられたのが『マスターとしてドールハウスに所属すること』だった。

それは日本政府からの決定事項であり、つまり一般人である自分に拒否権はないということ。

その代わり、両親や自身のクラスメイトの安全は保証するということだったためその要求を呑むという選択肢しかない。

だが、それに納得のいかないメンバーも当然いるわけで……ミサキはその一人だったりする。

ドールとは違う力…それもレプリカライダーと同じ力を使っていることで警戒しているのだろう……ちなみにお風呂場での一件も謝罪したが、顔を真っ赤にして涙目で睨まれたため恐らくそれを理由の一つに入っているのだろう。

その後は、両者の仲を深めるためとして自由時間が設けられたがミサキはこちらに顔を合わせようとしない。

サクラとは話をしているが、自分に話しかけてくれる様子はない……椋がネガティブな考えになり始めた時…。

昼に相応しくない爆発音が聞こえた。

周囲の人が騒ぐ中で椋は音の発生源の方へと走り、ミサキたちも慌てて彼の後を追う。

 

 

 

 

 

やがてその場所まで向かうと、そこには炎を上げている高級車と逃げ回る人々、そして腰を抜かした男性に狙いを定めて近づく一体の青い異形……。

厳密に言えば、白と青のツートンカラーの装甲なのだが胸部はフロントウイングやカウルが突き出すように、両腕にも小型の黒いタイヤが壊れた手錠のように装着されている。

まるで破損して使い物にならなくなったF1レーシングカーを分解して出来たパーツを無理矢理アーマーとして身に纏ったような姿をしている。

それを表すように身体のあちこちにはスポンサーロゴを模したシールが張られており、特に目を引いたのが右脚に「DRIVE」、右側のフロントウイングに「2014」と黒で記された黄色いシールだ。

塗装の禿げた黄色いヘルメットで顔を隠してこそいるが、罅割れた個所からは剥き出しになった歯と正面から見たタイヤのような瞳がはっきりと見える。

『レプリカドライブ』は男性の襟首を掴んで無理矢理持ち上げると、恐ろしい形相で睨みつける。

 

『真実を話してもらうぞ……!!』

「ひぃっ!?な、何なんだよお前っ!!……がっ!」

 

慌てた様子で声を荒げる彼を投げ飛ばして地面に叩き付けると、彼は衝撃で意識を失ってしまう。

しかし、レプリカドライブは無理矢理意識を覚醒させようと再度彼の元まで近づき、危害を加えようとする。

その行動を止めたのはミサキと椋だ。

 

「やめ、ろぉっ!!」

 

椋が体当たりを行い強引に男性との距離を離すと、ミサキとサクラが保護をする。

そしてシオリが周囲の被害を抑えるべく、鍵を胸元へと差し込んでテアトルを展開する。

 

『何だお前ら?邪魔をするなら子どもでも容赦しない』

 

そう口にしたレプリカドライブは自身の下僕にしたピグマリオン…戦車や車ような赤い怪物『ウィーラー』を呼び出し、けしかける。

標的を目にしたミサキは「サクラ」と彼女に声を掛けると予め着込んでおいた紫の装飾に黒いドレスへと変えると、両手剣を構えてウィーラーへと迫る。

一方のサクラはドールハウスに設けられたシミュレーターである程度の経験を積んでいたのが功を制したのか、召喚した銃でミサキのサポートをするように狙撃する。

結果的に一対一へと持ち込めた椋は改めてレプリカドライブへと対峙する。

そして、ここで乱入者が登場する。

 

「ふんっ、妙な気配があると思ってきてみれば…」

「颯太」

 

仮面ライダーレクスこと颯太がバイクと共に現れる。

ロワの所持するバイクと同型だったが、青を基調とした白いカラーリングのバイクから降りると椋の隣に並び、ジクウドライバーを取り出す。

 

「行くぞ」

【REX!!】

「うんっ!」

【LOI!!】

 

腰にジクウドライバーは装着した両者は、己のライドウォッチを起動してスロットへと装填し、ベルトの解除ボタンを押して構えを取る。

 

「「変身っ!!」」

【【RIDER TIME!】】

【KAMEN RIDER! LOI!!♪】

【KAMEN RIDER REX!!♪】

 

ロワとレクスへと変身した二人はジカンハカリバーとジカンザックス・ノクスを召喚してレプリカドライブへと迫るが左手のブレスレットにあるレバーを三回倒すと、風を切る音と青い残像を共に姿を消す。

「消えたっ」と驚くロワの背後に強烈な一撃が浴びせられ、レクスの鳩尾に不意打ちによるパンチが叩き込まれる。

吹き飛んだ二人を見下ろすように、レプリカドライブがその姿を現す。

 

「まさかっ、目にも止まらないスピードで……!?」

『少し大人しくしてもらおうかっ!』

 

再び瞬間移動…超高速でロワへと迫るが正面からの単調な攻撃をジカンハカリバーで防御し、攻撃の瞬間に出来たその隙をレクスが狙う。

しかし、レプリカドライブは攻撃を躱して距離を取る。

テアトルで逃げ場こそなくしているが、自分が移動可能な範囲を縦横無尽に走り回っているため対処のしようがないのだ。

状況だけ見れば、ロワたちが不利に見えるだろう。

しかし、レクスに「諦める」という選択肢はなかった。

 

「ちょこまか動くなら……!」

【EX-AID!!】

 

ピンクと黄緑でカラーリングされたライドウォッチのベゼルを回転させ、スイッチを押して起動。

そのまま『エグゼイドライドウォッチ』を反対側のスロットへ装填し、ベルトのロックを解除してからドライバーを回転させた。

 

【ARMOR TIME!】

 

左手を腰に当て右手を突き上げるポーズを取って召喚されたアーマーを蹴り飛ばすと、それはすぐにパーツ状となって走り回っていたレプリカドライブへと直撃し、妨害する。

高く跳躍したレクスはそのままアーマーを装着した。

 

【LEVEL UP! EX-AID~!!♪】

 

逆立った髪の毛のようなピンク色の頭部パーツに、両肩にはグリップと長い端子のようなゲームカセットを模したアーマーが装着される。

両腕にはゲームパッドのような「A」・「B」と書かれたピンクと黄緑のボタンがある白いハンマーのような装着型武器『ガシャコンブレイカーブレイカー』を身に着けている。

 

「はぁっ!!」

『ぐっ!何っ!?』

 

「EGUZEIDO」の白い複眼を光らせながら、『仮面ライダーレクス エグゼイドアーマー』はジャンプを活かした攻撃で敵を翻弄する。

レプリカドライブは攻撃に移ろうとするも、召喚されたブラウンのブロック…チョコレートを連想させるような障害物に制限されてしまう。

 

「僕もっ!」

【WIZARD!!】

【ARMOR TIME!】

【PLEASE! WI・ZARD!!♪】

 

ウィザードライドウォッチでウィザードアーマーへと変身すると、ハリケーンの魔法を見に纏って空中を高速で飛行する。

地上戦ではレプリカドライブが有利だが、空中戦では二人のライダーが圧倒的に有利であろう。

ダブルライダーの強烈な一撃を受け、レプリカドライブは火花を散らしながら地面へと転がる。

その隙を逃がすことなく、それぞれのライドウォッチを装備して必殺技へと移行する。

 

【CRITICAL! TIME CRUSH!!】

【STRIKE! TIME STRIKE!!】

「はぁっ!!」

 

バックルを回転させ、エネルギーを解放させると先陣を切ったレクスはゲーム画面のようなピンクと黄緑のエフェクトと共にガシャコンBBによる拳のラッシュ『クリティカルタイムクラッシュ』を叩き込んでから、アッパーカットで吹き飛ばす。

そして、ドラゴンの幻影を纏ったロワの飛び蹴りがレプリカドライブへと直撃した。

 

「やあああああああっっ!!」

『ぎゃああああああああああああああああっっ!!!』

 

爆発を起こしたレプリカドライブは地面に叩きつけられたと同時に、人間の姿へと戻るとドライブの力を模倣したレプリカウォッチが転がる。

それを回収すべく、レクスが動き始めた時だった。

 

『っ!?』

 

カチリ、と全ての動きが止まる。

ピグマリオンのウィーラーも、戦っている途中のドールも、テアトルの空間までもが止まっているのだ。

だがライダーの力を持つ者とドールである彼女たちは辛うじて意識だけは保っている。

 

「はぁっ、はぁっ!あ、あんな刺激的な攻撃で昇天するなんてっ、羨まし…じゃなくてっ!仕方ないですねっ、じゅるるっ!!」

 

そこを悠々と歩くのは赤髪の少女トゥエム。

ゆっくりと気を失っている進一の元へ近づき、レプリカウォッチを押して再起動する。

 

【DRIVE……!!】

 

再び、彼の身体へと埋め込んでレプリカドライブへと変身させると時間停止を解除して仮面ライダーたちの方へ向き直る。

一方のレクスは目の前の少女に、仮面からでも分かるほどの殺気と敵意をぶつける。

 

「お前……っ!!」

「あ、ああっ!!私たちの邪魔ばかりかっ、そそそそんな刺激的なことまでしてくるだなんてっ!そんなのっ、そんなのっ!!」

 

そんなの彼の声と闘志に気にすることなく、ただただ身体を震わせるトゥエム……。

やがて、その恍惚とした顔を上げた。

 

「ベストマッ~~~~~~~~チッッッ!!!!」

【BUILD……!!】

 

その瞬間、彼女の身体は無機質なプレス機に挟まれるとその姿を変える。

爆弾で全身が焦げたようなボロボロの黒い身体でところどころ赤と青が見えている。

目に当たる部分は青い戦車と赤い兎のような装飾……しかしそれらは動脈と静脈のように不気味なカラーリングとなっており、まるで人体実験に失敗した兵器を思わせる。

腰には回転式レバーと赤い装置、二つのボトルをセットしたベルトのような器官が浮き出ており妙に浮いているようにも見える。

自らの世界で歴史を変えた『王』の一人……トゥエムこと『レプリカビルド』は衝動に身を任せるように歓喜の雄たけびを震わせるのであった。




 今回登場したワールドハックのメンバーは女性の『トゥエム』……様々な変態キャラの要素を取り込んだ結果、こうなりました。
 ワールドハックは『王』を擁立することではなく、自分たちのような『王』を作り出すことが目的です。ピグマリオンも使役できる彼らにも注目してくれたら嬉しいです。
 今回はドライブがモチーフですが、見た目はタイプフォーミュラにしました。コンセプトは壊れてブレーキの利かなくなったレーシングカーです。
 ではでは。ノシ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。