もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話   作:ジョーカー:ゼノ

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魔の大陸、到着す

 魔の大陸に到着した、勇者一行達。周囲は暗く、空気が冷えきってる感じがする……

「ここが、魔の大陸……」

「何だか不気味な所だな……嫌な気がウヨウヨいるぜ……」

 ルカもヴィクトリーも、目を鋭くして周囲を見る。

「澄んだ空気が心地良いな。やはり故郷とはいいものだ……」

 一方でアリスは、懐かしむように目を細めていた。そう言えば彼女は、この大陸の生まれだったか。

「ともかく……ここから先は徒歩で行くぞ。ガルダに乗るのは、目立ちすぎるからな。」

「それはいいとして、ガルダはどうするんだ?」

「いや、同じ魔物だから俺達が居なけりゃ誰にも襲われる事はねぇと思うぞ。な、ガルダ?」

「くえぇ……!」

 ガルダはヴィクトリーに頷くと、何処かに飛び去ってしまった。そういうわけで、ここからは徒歩というわけだ。

「でも、現在地点はどこなんだ……?」

 ルカが地図を開き、ヴィクトリーもそれをのぞき込む。だが、何も分かりそうにはない。不本意だが、ここは地元民であるアリスを頼るしかなかった。

「ここは、大陸の最南端といったところだな。ここから数日ほど北上すれば、魔王城に到着するはずだ。……だが、その前に行きたいところがあるのだが……」

「行きたいところ……?」

「ドコなんだ?」

 アリスは真剣な面持ちになり、二人を見た。

「レミナだ。」

「レミナ、か……」

「レミナって……あの大虐殺があった……今は人も魔物も住んでねぇって……」

「あそこで何があったのか、調べておく価値はあるだろう、と思ってな……」

 ……確かに、行く価値はあるだろう。百聞は一見にしかず、百見は一触にしかず──実際にその場に立てば、パッとするものがあるかも知れない。

「ん?これは何だ……?」

 地図の中で、大陸東にある奇妙な場所が目に留まった。そこには、『罪人の封牢』と記してあるのだ。

「罪人の封牢……?こんな魔物だらけの大陸に、牢屋があるのか……?」

「余もよくは知らんが……かつて大罪を犯した人間の魂が、イリアスによって封じられているのだとか。決して転生しないよう、厳重に封印を施されているという。」

「ひ、ひえぇ……おっかねぇな……一体、どんな奴が封印されてんだ……?」

 おそらく、イリアス五戒に背いてしまったのだろうが……魔の大陸に魂が幽閉されてしまうなど、ただ事ではない。

「何か気になるなぁ……行ってみようかな?」

「ドアホめ、ここまで来て寄り道か?興味本位で時間を費やしている余裕があるのか、ドアホめ。」

「興味本位っていうか、何だろう……なぜか、そこに行かなきゃならない気がするんだよ……」

 導かれるような、そんな不思議な感じ。なぜだか僕は、その場所に心を引かれてしまったのだ。

「面白そうだな……行ってみようぜ!」

「これは貴様らの旅なのだから、余は口を挟む気など無いが……ドアホめ。」

 呆れた様子で、アリスがため息を吐いた時だった。

 地鳴りのようなものが鳴り響き、不意に周囲を揺るがしたのだ。

「なっ……!?」

「これは……地震!?」

 いや、地震では無さそうだ。今のは、巨大な魔物の足音か──そう思った時だった。

 巨竜娘が現れた。

「でッ……でけぇ〜〜〜ッッッ!!?」

「な、なんて大きさだ……!!」

 まるで、太古の世界から来たかのような超ギガサイズのドラゴン。山と見違えるほど巨大な魔物を前に、僕達は思わず呆然としてしまう。さすがは魔の大陸、こんな常識はずれのモンスターが存在するなんて……

「……?」

 巨竜娘は、どうやら僕達を発見したようだ。視線を落とし、そしてじゅるりと舌なめずりをする。

「人間……おいしそう……」

「ぐっ、戦うしかないか……!」

「……戦えんのか……?」

 かつて、俺達もこの世界に来て巨大なモンスターとは何度も戦っている。

 最初に浮かぶのは……南海のクラーケンさんと北海のポセイドネスさん。3mはゆうに超えるサイズから繰り出される触手攻撃は圧巻の一言であった。特にポセイドネスのあの電撃攻撃と言ったら……そりゃあ、シビれるほど強烈だったのが記憶にある。実際に、痺れている。

 次に浮かぶのは、ヤマタノオロチ……俺の全身を、16の目でジロジロ見てたエロババア……巨体の癖に、圧倒的なスピード。目からの破壊光線……何よりはその凄まじい生命力で、俺達を窮地に追いやっていた……

 その次に浮かぶのは……ゴーレム?魔道科学のグランゴルドが誇る、最高技術の結晶だ。凄まじい攻撃力で、俺達を圧倒したのが濃厚に覚えている。

 極めつけはアレだ……サンドワームだ。覗いている身体だけで20mはあった。当時、風の力しか使えなかったルカと界王拳の倍率が低かった俺とで、かなりの苦戦を強いられた記憶がある……

 この世界に来る前だってそうだ。大猿のベジータ、大猿のベビー、スラッグ、メタルクウラ……上げればキリがない。

 だけど……目の前にいるそいつは、そいつらの倍以上はでかい。

「か、勝てんのか……!?」

「戦う前から弱気か……?ヴィクトリーらしくも無いな……」

 ヴィクトリーはルカのその言葉で目を鋭くし、嗤う。

「……いいや、やってやるよ……!!」

「そう来なくっちゃ……」

 二人は気を全開放し、構えた。

 巨竜娘はその巨大な足でヴィクトリー達を踏み潰しにかかった。

「あぶねぇっ!」

「くっ!?」

 何とか二人は避け、ヴィクトリーが仕掛けた。

「だりゃあああーっ!!」

 見事に巨竜娘の顔に飛び蹴りを放ち、頬に直撃させた。

「んむ……」

「……なにっ!?」

 巨竜娘の頬の弾力により、飛び蹴りの威力が殺される。

「……えい。」

 巨竜娘は、ヴィクトリーを叩き落とした。

「うわぁああーっ!?」

「くそっ!」

 ルカは飛び込み、地面に激突する寸前でヴィクトリーを抱える。

「さ、サンキュ……」

「く……!」

 ルカはヴィクトリーを下ろしてから巨竜娘に切りかかった。

「いたい……」

「い、一応効いてるのか……!」

「じゃあこいつはどうだっ!!」

 ヴィクトリーはまた飛び、今度はその顎を打ち抜いた。

「あ……!?」

 彼女はグラリと揺れ、ダウンした。

「おおぉっ!」

「やっぱりな……!頭部は人間と同じ作りか!」

 人間同様、アゴが揺れれば脳も揺れるらしい。

「うぐ……」

 巨竜娘は立ち上がり、ブンブンと頭を振ってから二人を見る。

「……えい、えいっ」

 そして、二人を踏み潰しに進撃した。

「うわわわわわっ!?」

「や、やべぇ……!!」

 踏み潰しをかわしながら反撃のスキを伺う。

「よっしゃあ来いっ!」

 ヴィクトリーは突然立ち止まり、構えた。

「……えい。」

 巨竜娘は、そこで構えてる彼を踏み潰す。

「ヴィクトリーっ!?」

「ふんっ……!!」

 彼は彼女の足を受け止め、踏ん張っていた。

「があぁーっ!!」

 そして力押しで、その足をぶっ飛ばした、

「っ……!?」

「うおおおおぉっ!」

 飛び上がり、彼女の顔面に来てから廻し蹴りを放った。廻し蹴りは、顎にヒットする。

「……っ」

 未体験の衝撃を顎にくらい、揺らいで倒れてしまう。

「はぁあ……っ!!」

 その顔に、ルカは剣技を放った。

「……死剣・乱れ星。」

「きゃあ……!!」

 彼女の顔面に無数の斬撃が走り、大ダメージを与えた。

「む、むぐぐ……」

 しかしながら、再び立ち上がり、二人を睨む。

「い、行ける……!」

「勝てるぜ、俺達……!!」

 二人は闘志爆発し、一気に決める準備を整えた。

「……ぐ……!」

 巨竜娘は走り出し、二人にタックルをしてきた。

「うわっ……!?」

「ぐっ……!?」

 二人は何とか避ける。

 巨竜娘はそこそこ大きな岩に当たり……岩が粉砕した。

「ひ、ひえぇ……!」

「な、なんだあいつの馬鹿力……!!当たったら全身がバラバラになっちまうぞ……!!」

「……」

 巨竜娘は再びこっちを向き、またタックルを仕掛けてきた。助走の距離は先ほどより短く、なおかつ威力は凄まじく。

「ま、まずい……もう避けれないぞ……!」

「やるか……っ!」

 ヴィクトリーはそこら辺の木に両の足をつける。

「な、何を……!?」

「見てな……!!」

 そして、その木を蹴って巨竜娘にタックルした。

「ーーーっ!!!」

「……!?」

 タックルの威力は、完全に互角。

 巨竜娘の巨大によるパワー、ヴィクトリーの技術によるパワーは、完全に互いの力を消し合っていた。

「ふんっ……!!」

 先に行動したのは、ヴィクトリーだった。

 腕に力を入れ、何かしようとしていた……あれは──背負い投げ!?

「無茶だ……!いくら何でも無茶だ!!」

 巨龍娘は、自分達よりも何十倍も大きい。その体重も、凄まじいハズだ。

「できるわけがない!!そんな相手に、背負い投げなんて──」

「うるせぇ!」

 そう言いながらヴィクトリーは力む……すると、巨竜娘の体が浮いてきたではないか。

「がぁあああっ……!!」

 次の瞬間、ヴィクトリーから物凄い気が発せられた。

「うぉおおおおおおっ……!!」

「……!?」

 完全に、巨竜娘を投げつける準備ができた。

「行くぞ……っ!!」

 その時、ヴィクトリーの髪が逆立って凄まじいパワーが溢れてきた。

「だぁありゃぁああああーーっ!!!」

 その凄まじいパワーで、巨竜娘を思いっきりぶん投げた。

「やれーっ!!ルカーっ!!」

「うぉおおお……!!」

 ルカは宙を舞う巨竜娘に飛び乗り、次々と斬撃を体に叩き込み、高く跳躍した。そして──

「てやぁーっ!!」

 巨竜娘に一閃し、その巨体を縦に真っ二つに斬った。

「もうだめ……」

 巨竜娘の体が消散し、大きなカメの姿に封印される。

「な、何とかやっつけたぞ……!」

「ハァッ……ハァッ……!!」

「思えば貴様らも、ずいぶんと強くなったものだな。あれほどの魔物を、倒してしまうとは。」

 アリスが僕達の背後に現れ、言う。ルカは振り向き、彼女にがっついた。

「それ、ほめてくれるの!?うふふふ……えへへへへっ……」

「相変わらず……う、ウザっ!」

「キモッ!」

 ……などと、敵地であまり馬鹿をやっている余裕はない。のんびりしていて、また厄介なモンスターに襲われるのは御免なのだ。早急に目的地を決め、移動しなければ……

「最終的には、魔王城に行くわけだな……」

「でも、レミナにも行っておきたいって所だよな。」

「うむ……魔王城の近くでありながら、余はレミナに行ったことがない。この目で、調べておきたい事があるのだ。」

「それに、罪人の封牢って所も気になるな……」

「行くべき所がたくさんあるな……う〜ん……」

 目的は多数。

 勇者一行は、この魔の大陸を練り歩く事にした。ここで、一体何を待ち受けているのか……!?

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