もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話 作:ジョーカー:ゼノ
ルカとアルマエルマの戦いが終わり、ヴィクトリーとたまもの戦いが始まった。
「……」
体はちっちぇのに、凄まじい威圧感だ……まるで、でけぇ山が目の前にあるみてぇな……
「狐の一族は、月が力の元なのじゃ。今日は満月、ウチもふるぱわーじゃぞ!」
「奇遇だな……サイヤ人も満月で強くなるんだぜ……!」
二人は気を解放した。たまもの体には大地の息吹が宿り、ヴィクトリーの体は筋肉が張り、完全に戦闘態勢になった。
「ウチのちっちゃな体から溢れるぱわーは、普通の人間では受けきれんぞ……」
「分かってるって……!」
俺は、普通の人間なんかではない。サイヤ人だ。
ヴィクトリーとたまもは構え、互いを見据えた。
「……たぁっ!」
ヴィクトリーは地面に踏み込み、たまもの顔面にパンチを放とうとした──
「ふっ!」
その時、彼女の背後に回ってからその背中を殴りつけた。
「ふっ……」
「……なにっ!?」
たまもは不敵に笑いながら、ヴィクトリーの拳を掴み、止めていた。
「……くっ!」
跳び退き、バク転してから何度も彼女の周りを移動して、正面から殴りかかった。
「……っ!?」
次の瞬間、彼は何故か彼女から飛び退いた。
「……ほう。」
「くっ……!?」
自分が何故飛び退いたかも、分からない。しかし、身体が勝手に動いた。たまもから、本能に届くまでの危険信号が伝わってきたのだ。
「ふふふ、流石は武闘家じゃな……勘が冴え渡っておるわ。」
たまもはくすくす笑いながら、彼を舐めるように見る。
「今、ちょいと反撃してやろうかと思ったのじゃ。そう思ったらお主は跳び退きおってのう……これも、武闘家としての本能というやつか……?」
「ちっ……!」
ヴィクトリーは構え直し、たまもに向かう。
「ふんっ!」
たまもは地面を蹴り、超スピードでヴィクトリーに迫ってから、その顔面にパンチを放った。彼はそれを、ギリギリで避けた。
「くそっ……!!」
心の底から、「当たらなくて良かった」と思ってしまう。それほどに、本能に訴えかける恐怖があった。
「何を怖がっておる。幼子の細い腕から放たれる拳の何処が怖い……?」
たまもは、じりじりと詰め寄ってくる。
ヴィクトリーは構えながらも、彼女から退く。そうしていると、その背中に壁が当たった。
「はっ!?」
「そこじゃっ!」
たまもはヴィクトリーに駆け寄り、その土手っ腹に殴りかかった。彼は、何とかそれを躱す。
たまものパンチで壁が粉砕し、部屋中が地震のように揺れた。
「なにっ!?」
「むふふ、バレてしまったようだの……」
「土の力を得意とするおめぇのパンチ……食らったら、ただで済む筈がねぇだろ……!」
「それじゃあ、こいつはどうじゃ!」
たまもはヴィクトリーの眼前まで跳び上がり、尻尾をなぎ払った。
「っ!!?」
何とか、ガードは成功した。完璧なタイミングでガードした筈なのに、全身にビリビリと衝撃が伝わってくる。
「ほれっ!ぼでぃぶろーじゃ!」
たまもは着地し、ヴィクトリーの腹にボディブローを放った。ドズッと彼の体に拳が命中し、思いっきりぶっ飛ばされた。
「うわぁああっ!!?」
「くりーんひっとじゃ!」
たまもは、無邪気にガッツポーズをとった。
「も、モロだ……!!」
ルカも驚きながら、思わず腹を押さえる。
ヴィクトリーの体がゴロゴロと転がり、指で床をガリガリと削りながら止まった。
「が、がはっ……ガハッゲホッ……!」
ヴィクトリーはせき込みながらも、立ち上がってから構える。
「まだまだなのじゃ!とりゃっ!」
たまもは助走して駆け寄り、彼に飛びついた。
「くそぉっ!!」
それをバク転で避けてから、たまもと距離をとるヴィクトリー。そして、彼女の頭が、床にごつんとぶつかった瞬間、凄まじい衝撃で部屋全体が揺れた。床に無数の亀裂が走り、一気に崩れ出す。
まるで隕石が落ちたかのようなクレーターが、そこに形成されたのだ。
「と、とんでもねぇパワーだ……!!」
こんなの、かすっただけでもただじゃすまねぇぞ……!!
「ほれほれーっ!」
たまもの尻尾が巨大化し、ヴィクトリーをなぎ払った。
「わっ!?」
ヴィクトリーは間一髪、倒れるようにそれを避けた。目標を逃れた尻尾は柱に当たり、大理石の円柱を一気にへし折った。その衝撃は壁や天井さえ砕き、広間の一角を破壊してしまう。
「く、くそっ……!!」
ヴィクトリーは両手にエネルギーを溜め、たまもにフルパワーエネルギー弾を連射した。だが彼女は無傷のまま、彼の前にぬっと進み出た。
「な、なんだと……!?」
「大地のパワーを宿したウチの体は、悠久の巨山の如し。そんな豆鉄砲など、通用せんのじゃ。」
「……」
通用しねぇっ!この俺が!俺がこの世界で積み重ねた全てが!
ヴィクトリーは震えていた。そして、歓喜していた。
こんな敵が、こんな所に居るなんて……!
「それそれー!大暴れじゃー!」
たまもは尻尾を全身に纏ってから球体のようになり、ゴロゴロと床を転がった。
「ほいっ!」
ヴィクトリーはそれを避ける。だがたまものローリングによって床が削れる。もう彼女のせいで、この部屋はめちゃくちゃだ。
「ちょっと、たまもちゃん。調子に乗って、城を壊しすぎよ。」
「……誰が城を直すと思っているの?」
アルマエルマとエルベティエは並び、たまもにそう言う。
彼女は、そんな二人に、にぱっと笑った。
「当然、ヴィクトリーじゃ。ウチがヴィクトリーをやっつけて奴隷にしたら、修復作業をやらせるのじゃ。」
「え、えぇ……」
なるほど、じゃあ早くたまもをとっちめねぇと……!
「それっ!ちょこまか動けんように、拘束してやるのじゃ!」
たまもの尻尾が伸びて、ヴィクトリーの体にぎゅるぎゅると巻きついてきた。
「ぐぁっ……!?」
彼女の尻尾は、強靭な力を持って彼の体を絞めあげてくる。ミシミシと体が軋み、全身がメキメキと圧迫される。
「うぎゃあああーーっ!!!」
「捕まえたのじゃ!こうなったらもう勝ち目はないから、降参するのじゃ!」
「だ、誰が……そんな事っ……!!」
尻尾が更に力を込め、ヴィクトリーを絞めた。
「んぎゃあああーーーっ!!ぐぁあああーーーっ!!!」
「ヴィクトリーっ!!」
ルカは前に出て、ヴィクトリーに向かって叫ぶ。
「降参しろ!!土の力が無いお前じゃ無理だーっ!!」
「う、うるせぇっ!!死んでも、降参なんてするもんかぁああーーーっ!!!」
彼は、絞め上げらながら絶叫する。
「早くせんと、骨が折れてしまうぞ……降参せい。」
更なる力をもって、身体を絞めてくる。あと少しすれば、肋骨がへし折られそうだ。
「たまも……!!このままおめぇがフルパワーになれば、一瞬で勝負がつくだろうな……!!だけど、おめぇは一つ重大なミスを犯した!」
「およ……?」
そうだ、俺はサイヤ人だ……戦えば戦うほど、強くなる!
「10倍界王拳だぁああああーーーっ!!!」
ヴィクトリーの全身から迸る紅蓮のエネルギーが、たまもの尻尾を吹き飛ばした。
「ぬおぉ……!ウチの、もふもふしっぽがぁ……!」
ちぎれた尻尾は、大量の毛へと変わっていく。その一本一本がたまものお尻に集まり、また新たな尻尾が形成された。
「ギガントウェポンを俺に当てつけたのは間違いだったな……もう俺は、あの戦いの時とは比べ物にならねぇほど強くなってるんだぜ!」
「それじゃあ、その言葉がハッタリではないか確かめてやろう!」
たまもは走り、パンチを放った。
「だぁっ!どりゃあっ!!」
しかしパンチが形になる前に、ヴィクトリーはワンツーラッシュで腹と頬を打ち、牽制した。
「なるほど、言葉に嘘はないようじゃな……」
「俺はサイヤ人……戦えば戦うほど、強くなるんだ……!!」
ヴィクトリーは構え、たまもと向かった。
「では、ウチも本気で戦うとするかのう……!!」
たまもは気を爆発させ、構えた。
「どうじゃ?これがウチの本気じゃ!」
「あぁ……見りゃ分かる!」
二人は激突し、ぶつかりあった。
「だりゃあーっ!!」
「あうちっ!」
たまもはヴィクトリーの直突きを顔面にくらい、鼻血を出しながらぶっ飛んだ。
「……本当に、やるようになったものじゃ。土の力なしで、土の力のこもったウチのぼでぃに、ダメージを与えるとはのう……」
「ああ……俺もそう思う。」
たまもは、ヴィクトリーの顎を思いっきりアッパーした。
彼はそのアッパーをくらいながら、彼女の腹に膝を叩き込んだ。
「ぐふっ……!!」
「がはっ……!!」
二人とも、上方向にかちあげられる。しかし、同時にグルグルと回りながら着地し、またぶつかり合った。
「あだだだだだだだ……!!!」
「ほれほれっ!その程度か!?」
たまもは両手と九つの尻尾でヴィクトリーに猛攻する。彼はそれらを腕二本だけで対応していた。
「はぁああああーっ!!」
あまつさえ、圧倒までしてみせた。
「ぐ、ぐぬぬぅ……!?」
たまもは跳び退き、尻尾を揺らめかせ……
「九つの月!」
九本の尻尾で、ヴィクトリーを打ち据えようとした。
「魔閃烈衝壁っ!!」
ヴィクトリーは腕をクロスさせてバリヤーを張り、そのバリヤーを纏いながらたまもにタックルする。
「ぬおぉっ!?」
九本の尻尾に打ち据えられながらも、お構い無しに突進してくる。たまもは、それに驚き、回避が遅れてしまう。そのまま直撃し、壁に叩きつけられた。
「やるのうっ!」
しかし、壁を蹴り、弾丸のような速度で迫り、渾身の力を込めてぶん殴った。
「ぐああっ!!」
彼はぶっ飛び、地面にダウンする。
「その程度かっ!?」
そこに彼女が飛び上がり、踏みつけにかかった。
「ぐっ!」
彼は何とか、それを避けて立ち上がる。
「かめはめ波っ!!」
そして両手にエネルギーを溜めて、かめはめ波を放った。
「ぬおぉ!?」
たまもはそれに直撃し、大ダメージを負った。
「ぐ、ぐぐぅ……!!」
視線を戻し、ヴィクトリーの方を見たが、そこに彼は居なかった。
「こっちだっ!!」
「はっ!」
たまもの背中に、強烈な飛び蹴りが飛んできた。彼女はそれによってぶっ飛び、壁に叩きつけられた。
「むむむぅ……まさか、ここまで苦戦するとはのう……」
たまもは手を合わせ、精神を集中する。すると、たまもの体からみるみるうちにダメージが消えた。
「……そう来なくちゃ、がっかりする所だったぜ!」
ヴィクトリーは足を天に向けてから地に踏ん張り、たまもに突撃した。
「だあああーっ!!」
「とりゃああーっ!!」
たまもとヴィクトリーの拳の一撃がぶつかり合い、凄まじい衝撃が周囲に駆け巡った。
「ふふっ……!」
「にひひっ……!」
たまもとヴィクトリーの拳が疾風のように飛び交い、凄まじい猛攻を繰り広げた。
「だぁあっ!!」
ヴィクトリーの拳がたまもの頬をぶん殴り、仰け反らせる。
「とぉっ!」
たまもは彼に思いっきり頭突きを放ち、反撃した。
「ずだぁっ!」
彼のハイキックが彼女の顎を打ち抜き、その体が宙に舞う。
「だりゃあっ!」
「ふぎゃっ!?」
更に、その幼体の胸に足刀を放ち、ダメ押しする。
「まだまだぁっ!!」
髪を掴んで彼女を手繰り寄せ、顎を打ち抜いた。
「かっ……!?」
「だだだだだだっ!!だりゃあああーっ!!」
腹に何度もパンチを連打し、顔面を蹴っ飛ばした。
「ぬおおっ!!?」
たまもはぶっ飛び、ダウンした。
「おっしゃああーっ!!」
ヴィクトリーは、すぐさま飛びかかる。
「そこじゃっ!」
しかし、宙に舞っていた身体を、尻尾でぐるぐる巻きにされてしまった。
「うぉっ!?」
「今度は、逃がさないのじゃ!」
たまもはギュウウッと力を込め、その身体を絞める。
「なんのぉっ!!」
彼は尻尾の一本を吹っ飛ばし、あっさりと拘束から抜けた。
「な、なんじゃと……!?」
「だりゃあああーっ!!」
そして、回し蹴りを顔面に叩きつけた。
「ぐぁあっ!」
「くらえっ!!」
ヴィクトリーは飛び上がって一回転し、リベリオントリガーを放った。
「ぬ……!?」
リベリオントリガーは見事直撃し、たまもに大ダメージを負わせた。
「ぐ、ぐぅ……!!な、なんという力じゃ……!」
「まだだっ!!」
ヴィクトリーは、彼女の胸に正拳突きを直撃させた。
「がはっ……!?」
避ける間もない、猛攻に彼女は揺らぐ。
「究極龍翔拳ーっ!!」
そして龍の如き力で、アッパーカットした。
「ぐっはぁ……!!!」
それで放物線を描くように宙を舞ってから倒れ、ダウンした。
「よぉおおっし!!」
「ぐ、ぐぅ……!」
たまもは立ち上がり、ヴィクトリーを見る。
「ウチがここまで追い詰められるとは……仕方がない、ここは大技じゃ!」
たまもの尻尾が天井を一撃し、大穴を開けた。
「なんだ……!?」
「何をするつもりだ……!?」
ルカもヴィクトリーも、割れた天井を見る。そこからは夜空が覗いており、月が見える。そしてこの広間に、月の光が差し込んだ。
「ウチのすぺしゃる奥義、見せてやろうぞ!」
たまもの九本の尻尾が、放射状に広がった。それぞれの尻尾から、月光を吸収している。
「そういう事か……だったら……!!」
ヴィクトリーは踏ん張り、ボッと気を解放してから、かめはめ波を放つ体制になった。
「10倍界王拳のかめはめ波だっ!!!」
二人の凄まじい気が周囲を揺らし、凄まじい気の嵐が吹きすさんだ。
「か……め……は……め……!!!」
「ウチの最終奥義は絶対に食い止められんぞ!」
二人の大技の発射体制が整った。
「月光きゃのんじゃーーーっ!!!」
「波ぁああああああーーーっ!!!」
迸る閃光とエネルギー。伸びる、蒼き波動と月光色の波動。それはお互いの
そうして、たまもの月光きゃのんと、ヴィクトリーの10倍界王拳かめはめ波がぶつかり合った。二つのエネルギー波がぶつかり合い、バチバチと押し合う。
「な、なにっ!?ウチの月光きゃのんを受け止めおった!?」
「ぎぎぎぎ……!!!!」
受け止めたとはいえ、月光きゃのんが僅かに押している。このままでは、まずい。
「ぐっぐぐぐぐぐ……!!!!」
「おぉおおおおお……っ!!!!」
そして、ヴィクトリーが押し負ける寸前の事だった。
「20倍だぁああああーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!」
ヴィクトリーは界王拳を20倍に引き上げ、たまもの月光きゃのんを押し返した。
「なにぃっ!?お、押され……!!?」
月光きゃのんが消し飛び、20倍界王拳かめはめ波が押し勝って、たまもに直撃した。そのかめはめ波は大爆発を引き起こし、物凄い衝撃を周囲に巻き起こした。
「はぁっ……はぁっ……!!」
「……あ……あう……ぱわー切れ……じゃ……」
たまもはボロボロになりながら、床に倒れた。
「ぎぶあっぷじゃ……もうこれ以上は、無理なのじゃ……」
「……!」
放たれた敗北宣言──ということは──
ヴィクトリーは、たまもに勝利した。
「や、やった……やったぜ……!!」
「むぎゅぅ……本当に、強うなったのう……もう、ウチではかなわんわい……」
たまもの尻尾は小さくしぼみ、しょんぼりと頃垂れている。さっきまで壁や床を破壊していた面影は全くない。
「本当かぁ〜?全力出してねぇだけなんじゃねぇのか〜?」
ヴィクトリーはクスクス笑う。彼女も、それに応えるように笑顔を向けた。
「ウチの村は、けっこう人と魔物が仲良くしておってのう。お主達の理想に賭けてみるのも、悪くないわい。」
「あぁ……任しとけ!」
たまもも、認めてくれた。ルカの理想と、その実現のための信念を……
こうして、ルカに続いて二人目の四天王にも勝つことが出来た。残る四天王は、あと二人……
「ルカっ!いぇーい!」
「あ、あぁっ!」
ルカとヴィクトリーがハイタッチをしようとした時だった。二人の間に水圧レーザーが走り、ハイタッチが遮られた。
「なっ!?」
「何だっ!?」
見ると、そこにはエルベティエが冷たい眼光を向けていた。
「なっ……!?」
「エルっ……!?」
次の瞬間、ヴィクトリーにメルトシュトロームが放たれた。
「うわぁっ!?」
彼はバク転してそれを避け、エルベティエはヴィクトリーの前に立った。
「休憩なんかさせないわ……次は私と君の番よ……」
「おいおい、マジかよ……!!」
なんと、俺だけ四天王と連戦するらしい。
「ヴィクトリーっ!手を貸すぞ……」
「必要ねぇっ!!」
ヴィクトリーは、こっちに来ようとするルカを制止した。
「こいつは、俺を指名したんだ……だから、俺一人でやる!」
ヴィクトリーは胴着の帯を締め、気合を入れ直す。
突如として乱入するエルベティエ。乱入の意味とは……?そして、何故ヴィクトリーを狙ったのか……?
流血表現
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もっとする
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このままでいい
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しなくていい