もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話   作:ジョーカー:ゼノ

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ifストーリーです。


外伝:早すぎた覚醒1

 四天王を倒した二人。しかしその二人呼ぶように、突如として凄まじいエネルギーが響き、魔王の間の扉が開いた。

 その扉を抜け、通路を抜けた先……魔王の間。そこで待ち受けていたのは、やはりアリスだった。

 自らの破滅を望むアリスは、勇者達の反対を殺し、構えた。

「勘違いするな、決して八百長に転じるつもりはないぞ。貴様らの攻撃に迷いがあれば、返り討ちにしてくれる。実力で余を打ち負かすほどでもなければ、この世界は任せられんからな……」

 そう言い、魔王と勇者のラストバトルが始まった……

 その戦いは、死闘を極めた。しかし……

「貴様らは全力で戦うと言っておきながら、まだかなりの余力を隠している……」

「バレちまったか……」

「……」

「それを考えに入れても……余が本気を出せば、貴様らなど簡単に捻り潰せる……」

 アリスは宣言通り全力になり、二人の勇者を圧倒的なパワーで追い詰めていった。

 

 そして……異常は起こった。

「終わりだッッ!!!」

 アリスの渾身の一撃が、ルカの腹に炸裂した。

「がッッ……は……!!?」

 彼はぶっ飛び、壁に叩きつけられて床に倒れた。

「る……ルカーっ!!!」

 ヴィクトリーはそのルカに駆け寄ろうとしたが……

「ふん……」

 アリスが指先からビームを放ち、ヴィクトリーの足を撃ち抜いた。

「ぐぁああっ!!」

 直撃し、倒れ込む。

「く……そ……!!!」

「……終わりだな。」

 そう言いながら指をクンッと上げ、二人に紅蓮の業火を放った。炎が二人を巻き、その後に大爆発した。

「ぐぁあああああッッ!!!!」

「うわぁああああッッ!!!!」

 二人は倒れ、戦闘不能に陥ってしまった。そう、勇者は魔王の前に倒れたのだ。

「……やれやれ、本当に情けない奴らだな……」

 アリスはそう言い、戦士達を見て何か呪文のようなものを唱える。すると、この魔王城の周囲が不思議な雰囲気に包まれた。

 外の気が感じられなくなり、外界と隔絶されたような状態……精神と時の部屋を思い浮かべれば、大体そんな感じだ。

「な、何をしたんだ……?」

「何だよ、こいつは……!」

 戦士達は命からがらながら、アリスに視線を向ける。

「……この部屋に、解除不能の局所結界を施した。もはや中に入ることも、外に出ることもかなわん。」

「な、なんだと……!?」

「そ、そんな……!」

 アリスの力でさえ、解除不能の結界が張られてしまったようだ。そんな空間に、ルカとアリス……そしてヴィクトリーが、三人きりになってしまった。

「これで魔王は、この世界から滅びた。しかし勇者も相打ちとなり、帰らぬ人となった……そういう風に、シナリオを修正するとしよう。これで世界も満足する筈だ。」

「ふざけんな……俺はともかく、ルカには帰る所が……」

 アリスは尻尾をヴィクトリーの腹を踏みつけるように乗せた。

「そんなものは、無い。この隔絶された空間で、余と貴様らは永遠に過ごすしかないのだ……」

「ふざけん……な……!!ふざけんなこの……」

 ここで彼は尻尾でぶっ飛ばされ、壁に叩きつけられた。

 その壁は結界の影響で頑強になっていた。

「が……がはっ……」

 ヴィクトリーは床に伏せ、壁の方を見る。一方アリスは、ルカを巻き上げていた。

「さぁルカ、余と交わるのだ。互いの体を貪り合い、永遠の時間を過ごすとしよう……」

「で、でも……僕は……」

 そうこうしている内に、ルカとアリスは行為に及んでしまった。

「……俺だけでも、ここから出ねぇと……!」

 ヴィクトリーは最後の根性を振り絞って立ち上がり、壁に手をつく。

「だぁっ!!」

 そして壁をぶん殴る……が、結界は破れなかった。

「その結界は、解除不能だと言った筈だ……物理的な力でどうにかなると思っているのか?」

「ふぁあ……アリス……」

 行為をしながら、アリスはヴィクトリーに言い、そのまま続ける。

「ぐっ……!ぐっ……!!」

 ヴィクトリーは両手で何度も壁をパンチし、意地でも結界を破ろうとしていた。しかし、壁はビクともしない。そして、拳から血が垂れてきた。

「く……そ……!!」

 それでもヴィクトリーは壁を殴るのを止めなかった……

 

 ……そして……

「あぅ……アリス……すきぃ……」

 ……何時間経っただろうか。

 ルカは堕ちてしまい、魔王との交わりの最中で失神してしまったようだ。

「ふふふ……情けない奴め……目が覚めたら、また可愛がってやろう……さて……」

 アリスはヴィクトリーに目線を向ける。彼は、四つん這いになって、息を切らしていた。拳からは血がドクドクと溢れ、腕は震えている。どうやら、諦めずにずっと壁を殴り続けていたらしい。

「いつまで無駄な努力をしているつもりだ?」

「うる……せぇ……」

「ふん……」

 アリスはヴィクトリーの髪を掴み、ルカの方へ頭を向けさせた。その目線の先には、失神しながらも恍惚に満ちていた彼がいた。その姿に、既に勇者としての誇りはない。

「貴様も、ああなるのだ……さぁ……」

「ふざけんな……!」

 ヴィクトリーはアリスの手を払おうとする。それが彼女の癇癪に障ったようで、彼を尻尾でぶっ飛ばした

「ぐぁああ……!!」

 彼は倒れ込み、完全に床に伏せてしまった。

「ぐ……」

 顔を上げると、ルカがすぐそこに居た。

「……ちくしょおぉ……!!!」

 俺が無力だから、ルカはこうなってしまった。本当に……本当に俺は情けねぇ……!!

「ぐ……ぐぐ……!!!」

 ヴィクトリーは拳を握り、床をぶん殴った。

「……まだ、そんな事をする気力があるのか……大したものだな、異世界の戦士は……」

「ぐっ……!!!」

 ヴィクトリーが、一瞬だけ光った。

「俺が……俺が……!!」

「……!?」

「……俺が、貴様を倒してやるッッ!!」

 ヴィクトリーのエネルギーが、グングンと跳ね上がる。

「これは……!!?」

「ううぅ……!!!」

 彼は立ち上がり、アリスの方を向いた。髪が揺らめき、金色に変色しかけている。

「はぁあああああああ……!!!!!」

 気を高めている最中に、ルカの顔が目に入る。それと同時にこの世界に来たことや、ルカとの冒険の思い出が蘇ってきた。そして、我儘なアリスへの、そして自分の無力さへの怒りが湧き上がってきた。

 アリスの我儘で、俺が無力だから、ルカは……!!!俺が、こいつの仇をとるんだ!!

 その時、ヴィクトリーの何かがプツンと切れた。

「うぁああああああああーーーッッッ!!!!!」

 ヴィクトリーの髪が金色になって逆立ち、凄まじいエネルギーが溢れた。

「な……な……!!?」

「……」

 ヴィクトリーはアリスを睨む。その眼光で彼女は硬直する……が、すぐに息を吐いて構えた。

「ふん……まだ戦う気力があったか……いいだろう、貴様に付き合ってやろうではないか……」

「……」

 ヴィクトリーはまず、ルカを魔王の間の隅っこに置く。そしてアリスに突進し、顔面に肘打ちした。

「……ッッ!!?」

 はやいっ……!!?

「うぉおおっ!!」

 ヴィクトリーは飛び上がり、彼女の顔面を思いっきりぶん殴って、床に叩きつけた。

「がっ……はぁ……!!?」

 衝撃が、魔王の間を揺るがす。アリスは体制を整え、ヴィクトリーの方を向いて立ち上がった。

「……なかなか出来るようだな……」

「……ルカに代わって、俺がおめぇをぶっ飛ばす。覚悟しろ。」

「ふん……貴様ごときが、余を……?笑わせてくれる……貴様ひとりで余を倒せるわけが無いだろう……」

「……」

 アリスは両手にエネルギーを溜め、フルパワーのエネルギー波を連射した。エネルギー波が次々と彼に直撃し、大爆発が連続する。

「はぁ……はぁ……!」

「……」

 しかし、彼は無傷で立っていた。

「なに……!!?」

 そして、驚くアリスに手を向け、気合砲でぶっ飛ばした。

「ぐあっ!!?」

 ぶっ飛ぶ彼女の尻尾を掴み、床に叩きつけた。

「でやぁああ……!!」

 そして思いっきりぶん回し、天井へと投げ飛ばした。

「くっ!!」

 アリスは浮かび、床の方を見る。だが、彼の姿は無い。

「こっちだ。」

「なにっ!?」

 アリスは振り向き、ヴィクトリーの姿を確認する。

「ふっ……」

「がぁっ!!」

 そして拳を握り、彼に殴りかかった。

「ふんっ!!」

 しかしアリスの拳が届く前に、ヴィクトリーの拳が彼女の顔面に命中した。

「ッッ……!!」

 アリスは歯を食いしばり、ヴィクトリーと猛スピードの猛攻を繰り広げた。

「だりゃああっ!!」

「くっ!」

 ヴィクトリーからの渾身の蹴り上げを、彼女は何とか躱して距離を取る。

「くらえっ!」

 そして彼に指を向け、ビームを放った。しかし、それは高速移動によって、避けられた。

「よ、よけた……!!?くそっ!!」

 アリスは、ビームを連射した。しかし彼は、純粋なスピードと野生の勘(ワイルドセンス)だけで、全て避けた。

「くそっ!!」

 アリスは手を合わせ、凄まじいエネルギーボールを生成する。

「これで……どうだぁああーっ!!」

 そして、それを投げつけた。見事に彼に直撃し、大爆発を巻き起こした。

「……やったか……!?」

「……」

 ヴィクトリーは少し仰け反った状態で、浮かんでいた。そして、ゆっくりとアリスの方を見る……

「……勇者は壊せても、たった一人の武闘家は壊せないようだな……」

「そ、そんな……余が全力でやったのだぞ……!!?貴様、いったい何をした!!?」

「……前に話しただろ?窮地に追い詰められてもうダメかと思った時に覚醒した伝説の戦士……」

「す……スーパー……サイヤ人……!!?」

 宇宙の帝王と呼ばれていた存在を、倒したというスーパーサイヤ人……まさか、こんな形で敵になるとは……!!

「……終わりだ。アリスフィーズ。」

 ヴィクトリーはそう言って、かめはめ波の構えをとった。

「……ふっふふふ……ふっふっふ……」

「……何がおかしい?」

「覚醒するのが、遅すぎたようだな……余を殺したところで、貴様もルカもここからは出れない……そもそも、余は貴様には殺されん。しかし、余もただでは死なんぞ……」

「スキにしろ……俺はおめぇを倒したら何とかここを脱出するつもりでいる……」

「何度も言ってる筈だ。脱出は不可能と……!!!」

 そう言いながらアリスは両手を掲げ、禍々しいようなおぞましいような、闇のエネルギーが籠ったエネルギーボールを生成した。

「今、ここで貴様らは余と共に消えるのだからな!!!」

「!!」

「この結界内にあるもの全てを消す!!!」

 そう言って、この魔王の間の中心にそのエネルギーボールを投げつけた。

「しまったぁ!!!」

「吹っ飛べ……!!!!」

 エネルギーボールが着弾した瞬間、魔王の間が闇に包まれ、全てを消し飛ばした。ヴィクトリーが超サイヤ人になった事により追い詰められたアリスは、全てを消し去った……かに思われた……

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