もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話 作:ジョーカー:ゼノ
アリスとの激闘の最中、ルカは倒れた。そして魔王の間には結界が張られ、外部とは隔絶されてしまったのだ。
自分の無力を嘆くヴィクトリーは、超サイヤ人へと覚醒した。そして、アリスを圧倒したが……
「この結界内にあるもの全てを消す!!!」
追い詰められたアリスは、この魔王の間の全てを消し去ろうとした。
「しまったぁ!!!」
「吹っ飛べ……!!!!」
ヴィクトリーが超サイヤ人になった事により追い詰められたアリスは、全てを消し去った……かに思われた……
「く……!!!」
「……!!!」
ヴィクトリー達は消えていなかった。アリス、ヴィクトリー……そして、ルカも居る。
床の殆どが吹っ飛ばされただけであった。どうやら威力が全てを消し去るのには不十分だったらしい。
「……失敗したなアリスフィーズ。おめぇは死の恐怖を恐れてパワーを抑えすぎちまったようだ。おかげで俺は命拾いしたがな……」
「……命拾いだと……?ふっ……はははははは!こんな所でも能天気なのだな、武道家……」
「……!?」
見ると、結界がほんのり赤くなっている。そして、空気が張り詰めてきた。どう考えてもマズイ雰囲気が、結界内に走っているのだ。この結界内に、何か起ころうとしている……絶望的な何かが──
「この結界の禁術式を発動させた……残り五分で、この結界の中は消し飛び、全てがチリになる……」
「なに!?」
ヴィクトリーは驚いたが……ニヤリと笑った。
「なんだよ、タイムリミットが付いただけかよ……五分もあれば充分だ。おめぇを倒し、ここから脱出する。」
「……脱出は不可能と、何度言わせるつもりだ……?」
アリスは気を溜める体制になり、ヴィクトリーの方に向いた。
「こうなれば見せてやろう!魔王である余の真のパワーを!!」
アリスの気が爆発し、おぞましい魔力が全身に纏わりつく。
「がぁあああああ……!!」
アリスのおぞましい魔力が跳ね上がり、辺りに凄まじいエネルギーが溢れる。
その時だった。
「やめるのじゃ魔王様!!フルパワーを出してはならん!!」
たまもの声が響いた。結界が特殊な状態になった事で、とりあえず外界の気が感じられるようになっていた。
「たまも……!?あんた、どうやって話してる!?」
「お主たちの脳内に直接話しかけておる!!他の四天王はこの結界の解除に専念させている!だからヴィクトリー、今すぐそれをやめさせるのじゃ!!取り返しのつかん事になるぞ!!」
「はぁあああ……!!!」
見ると、アリスのパワーが凄まじく高まっている事が感じられた。
「ちっ!!」
ヴィクトリーは突進しようと、踏み込んだ時だった。
「がぁっ!!!」
アリスは両手を突き出し、彼を気合でぶっ飛ばした。
「ち……!!」
ぶっ飛びながら体制を整え、何とか彼女の方に向く。
「驚いたか……!?今のでざっと余の70%の力だ!そして……次に見せるのがお待ちかねの100%だ!!!」
「……」
ヴィクトリーは鼻血を拭いながら、全力になろうとする魔王を見る。
「なぜ今になって、フルパワーを……?分かっているぞ。それを使うとお前の体がもたないからだ……」
「そ、その通りじゃ!!だからやめさせるのじゃ!!魔王様を止めるのじゃ!!」
たまもの訴えに対し、ヴィクトリーは止まったまんまだった。
「……気が膨れ上がって充実していく……遂に、フルパワーのお出ましか……」
そう呟きながら、ただアリスの術を見つめるだけだった。
「な、何をしておる!?早くやめさせるのじゃ!!聞こえんのか!?」
「……」
「ヴィクトリーっ!!ウチの声が聞こえない筈が無かろう!!早く……」
「聞こえてるよ、たまも……」
脳内に響くたまもの声に、ようやく反応するヴィクトリー。しかし、次の言葉は意外なものだった。
「こんなチャンスは二度とねぇんだ……魔物の中の頂点のフルパワーを拝見するチャンスはな……」
「な、なに……!?ヴィクトリー、お主は自分の言っている事が分かっているのか!?」
「アリスフィーズ16世との本気の戦い……そして、勝つ!」
たまもの横から、アルマエルマが割り込んでくる。
「ヴィクトリーちゃん!!これは試合なんかじゃないのよ!!ヴィクトリーちゃん!!ヴィクトリーッッ!!!」
「ルカのカタキを討つんだ!!!!」
ヴィクトリーはアルマエルマの声を遮り、そう叫んだ。
「ルカはいいヤツだった……俺がこの世界に来てから、一番初めに出来た友達だったんだ……こんな所に閉じ込めて、失神するまで凌辱しやがって……!!!!」
「……だったら、わざわざ魔王様がフルパワーになるのを、待つ必要なんて無いのに……なんで……」
ヴィクトリーはアルマエルマの声を聞き流し、アリスの方を見た。
「がぁあああああ……!!!」
彼女はもう、九割近くパワーを解放しているようだ。フルパワーになるのも、もうすぐだろう。
「……アリスフィーズ……貴様がフルパワーになるのを待っているのは……最高の貴様を叩きのめしたいからだ……戦士として悔いのないようにな……貴様だって、俺にやられるんだったら本望な筈だろう?じゃなかったら例のアレを自分に撃って終わりにしてるはずだ……」
「……くっくっくっく……!!!」
外界では、四天王が結界解除を頑張っているらしい。
「……ヴィクトリーちゃん……」
アルマエルマの肩を、たまもがぽんと叩く。
「……奴はもうヴィクトリーではない。怒りの戦士、スーパーサイヤ人じゃ……」
……何だか、そんな会話が聞こえた気がした。
「はぁああああーーーッッ!!!」
アリスの気と魔力が、爆発した。
「……これが余のフルパワーだ……!!!」
アリスの全身の筋肉が盛り上がり、凄まじいパワーが宿ったと思える。放たれている気も今までとは段違いで、凶悪で邪悪な、凄まじい気だった。
「待ってたぜ……」
二人は構え、対峙した。
「時間がねぇんだ……とっととカタをつけようぜ……」
「余のフルパワーで決着をつけてやる……一分、いや三十秒でな……!!」
二人はぶつかり合い……最初にヒットさせたのはアリスだった。
「ぐっう……!!?」
腹へのパンチが埋まり、ヴィクトリーは悶絶する。
「がぁっ!!」
そして尻尾で全身を巻き付け、彼を拘束した。
「うわ……!!?」
「だだだだだだだぁ!!!」
そこに拳を乱打させ、最後に顔面をぶん殴った。
「ぐっはぁ……!!?」
「ふんっ!!」
尻尾から彼を解放し、また尻尾でぶっ飛ばす。こうして彼は、壁に叩きつけられた。
「はぁあああああああ!!!」
アリスはそこに高速移動し、尻尾と拳で乱打した。
「はぁ……はぁ……どうだ武道家!!今のは、ほんの準備運動だぞ!!」
彼それを聞き、壁から抜け出しながら、ニヤリと笑う。
「……だろうな……そんな程度だったらガッカリしてたぜ……」
「……!!」
ヴィクトリーは、アリスの胸に正拳突きをした。
「ごっ……!!?」
彼女の胸がメキメキと音を立て、ダメージが刻まれる。
「究極龍翔拳ーっ!!!」
更に思いっきりアッパーカットして、天井近くにまでぶっ飛ばした。
「がっ……はぁあ……!!!」
胸が拳で抉られ、顎には脳天を貫通するような衝撃が駆け巡る。
「うぉおおっ!!!」
そんな彼女の正面に高速移動し、拳にエネルギーを込めて思いっきりぶん殴った。彼女はぶん殴られ、思いっきり柱に叩きつけられ、瓦礫に埋もれてしまった。
「がぁあーっ!!!」
しかし気を爆発させて瓦礫を吹っ飛ばし、腕をクロスさせてから、手を向けた。
「凍てつけ!!この世界と共にな!!」
そして、大気をも凍らせるような冷気が圧縮したエネルギー弾を放った。
「だったら俺もっ!!バーニングアターック!!」
ヴィクトリーはそれに、熱量を込めた気弾をぶつけた。
冷気と熱気がぶつかり合い、相殺された。
「なにっ!?」
「うぉあぁーっ!!」
ヴィクトリーがアリスの所に飛び、その顔面をぶん殴った。
「ぐぅっ!!」
彼女は踏みとどまり、殴り返す。
「おらぁっ!!」
彼は反撃に、脇腹に思いっきりパンチした。
「がぁっ!!」
彼女は彼の頭を掴み、頭突きした。
「だぁああっ!!!」
「がぁああっ!!!」
互いの拳がぶつかり合い、衝撃が魔王の間に波動した。
「なるほどな……!!確かに強いな……スーパーサイヤ人……!!!」
「ぐっ……!!!」
二人は拳を離し、距離をとった。
「……この部屋の寿命も、残りは三分弱といった所だ……焦るだろう?スーパーサイヤ人……」
「……」
アリスは思いついたような顔をして、また口を開く。
「……このまま、四天王が結界を解除するまで耐久するつもりか?」
「耐久だと……?そんな事をする必要はない。きさまを倒す。これからここで……」
アリスは、苦笑いするしかなかった。こんな時まで、余を倒す事に拘るのか……
「……貴様らしいな、武道家……!!」
「……」
アリスは飛び上がって、ヴィクトリーにエネルギー波を放った。
「こっちだ。」
直撃の寸前に彼女の背後に高速移動し、パンチを放つ。
「かかったな!」
「なにっ!?」
アリスはそのパンチを避け、彼の腕を掴み、思いっきり床を目がけてぶん投げた。
「くっ!」
ヴィクトリーは、何とか空中で留まった。
「……」
そして、かめはめ波の構えをとった。
「ふ……!!」
アリスは闇のエネルギーを全身に纏い、両の拳を突き出してそのまま突進してきた。
「くたばれアリスフィーズーーーッッ!!!!」
ヴィクトリーはそのアリスに超かめはめ波を放った。アリスと超かめはめ波はぶつかり合い、押し合う。
「うぉおおおお……!!!!」
「ぐっぐぐぐ……!!!」
アリスはその押し合いの最中、ニヤリと笑い、かめはめ波から脱出した。
「なっ……!!?」
「はぁあーっ!!!」
アリスの突進が、ヴィクトリーの脇腹に命中する。それで、彼はぶっ飛ばされた。そうして思いっきり床に叩きつけられ、床が粉砕して瓦礫に埋まった。
「はぁっ……はぁっ……!!どうだスーパーサイヤ人!!余の力を思い知ったか!!」
「……ハァ……ハァ……」
ヴィクトリーは瓦礫を押し退けて床に立ち、アリスと同じ目線にまで浮かんだ。
「……ふん、なかなかにタフではないか……いいだろう、早く決着をつけて、最期は余の中で果てさせてやろう……あの偽勇者のようにな……」
「……あの偽勇者のように……?ルカの事か……」
ヴィクトリーの怒りがふつふつと沸騰する。そして……
「ルカの事かぁああああーーーッッ!!!!」
怒りが爆発し、凄まじい気が魔王の間に吹き荒れた。
「!!!!」
ヴィクトリーは彼女の頬をぶん殴り、胸に蹴りを乱打し、思いっきり廻し蹴りをかました。
「ぐっあ……!!」
「だぁっ!!どりゃあっ!!あだだだだだだだだだぁ!!!」
更に顔面を蹴り上げ、思いっきりパンチし、腹に拳を連打した。
「だりゃああっ!!!」
そしてトドメに顔面に両足蹴りをして、ぶっ飛ばした。
「ぐぅあぁっ!!」
「行くぞぉ!!」
ぶっ飛ぶアリスを追いかけ、高速移動でぶっ飛んだ先に回り込んで腹に肘打ちする。
「ぐっ!?」
「だだだだだだだ!!どりゃあっ!!だぁっ!!」
更に攻撃を連打し、腹に膝蹴りして、パンチを放った。しかし、そのパンチが当たる寸前にアリスは消えた。
「なにっ!?」
「ふんっ!!」
そして背後から、尻尾で彼の首を絞めた。
「ぐぅっ!?」
「がぁあっ!!」
そして、背中を殴りつけた。
「がっ……はぁ……!!?」
彼は、目を見開いて吐血する。
「うぉおおおおおっ!!!」
彼女は、容赦なく背中に拳を連打した。
「ぐ……ぐぐ……!!」
彼は、背に拳を連打されながら……なんと、尻尾を噛んだ。
「ッッ!!?」
突然の痛みに彼女は尻尾を解き、掌底で彼をぶっ飛ばす。
「くっ……!!」
尻尾の噛まれたところを舐め、フーッと息を吹く。彼は、したり顔でそれを眺めていた。
「……貴様っ!!」
アリスはそのヴィクトリーの顔面に気弾を放った。彼はそれを弾き飛ばし、突撃する。
「うぉおっ!!」
「だぁあっ!!」
互いの拳が互いの頬を打ち抜き、見事なクロスカウンターが決まった。
「う……ぐ……!!!」
「ぐっ……!!!」
二人は離れ、距離をとった。
「……」
「……結界の魔力が凝縮し始めた……全てが消えるのに、あと二分もないだろう……」
「……だろうな……」
ヴィクトリーはそう言い、床に降り立った。
「来いよ、地上戦だ……一気にケリをつけてやる!!」
「どうやら……本気で余と決着がつけたいようだな……!!」
アリスも床に立ち、構えた。
もうここからは、本気の本気……超本気のバトルだ。
遂に、閉ざされた魔王の間で、伝説の戦士と魔王の決着を付ける時が来たのだ。果たして──
流血表現
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もっとする
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このままでいい
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しなくていい