もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話 作:ジョーカー:ゼノ
超サイヤ人に覚醒したヴィクトリーと、禁術を使ったアリスは激闘を繰り広げていた。
「……結界の魔力が凝縮し始めた……全てが消えるのに、あと五分もないだろう……」
「……だろうな……」
両者は床に立ち、完全に決着をつける為に対峙した。もうここからは、本気の本気……超本気の決戦だ。遂に、閉ざされた魔王の間で、伝説の戦士と魔王の決着を付ける時が来たのだ……
「はぁっ!!」
「ふんっ!!」
両者は突っ込み、激しい攻防を繰り広げた。アリスの肘打ちがヴィクトリーにヒットし、彼はぶっ飛ばされる。
「もらった!」
そこへすかさず突っ込み、その顔面にパンチを放った。
「はぁっ!!」
しかし、そのパンチが届くより先に、彼は頭突きをしてぶっ飛ばした。
「くそっ!」
鼻血を拭いながら、彼女はヴィクトリーの方を見る。しかし、彼は、そこには居なかった。
「いない……うしろかっ!?」
後ろを向いても、いなかった。
「上だっ!!」
次の瞬間、アリスの脳天に踵落としが直撃した。
「ぐっ……!!!」
彼女は踏ん張り、彼の足を掴んで床に叩きつけた。
「ぐぁあ……!!!」
「はぁっ!!」
そして、顔面にパンチを打ち下ろしにかかった。
「ちぃっ!」
ヴィクトリーは、それを避ける。アリスのパンチで、床が粉砕した。
「くらえっ!!」
アリスは尻尾をしならせ、彼の脳天に振り下ろした。
「っ!!」
ヴィクトリーは腕をクロスし、それをガードした。
「もらったぁ!!」
彼の腹に、アリスの拳がめり込んだ。
「っぐぅあ……!!?」
「うぉおおおおっ!!!」
そのまま、その全身に攻撃を連打した。
「だぁああっ!!!」
そして、顔面にパンチを連打してぶっ飛ばした。
「ぐぅっ……!!!」
「まだだぁ!!!」
ぶっ飛ぶ彼に追いつき、強烈な一撃を何度も追撃した。
「ぐぁあっ!ぎゃあっ!うぐぁっ!ぐはぁっ!がはぁっ!ごはぁっ!!」
「ほぉらっ!!」
更にその体を掴み、思いっきり床に叩きつけた。
「がっはぁあ……!!!」
「終わりだ!!」
アリスは膨大なエネルギーを右腕に込めて、ヴィクトリーの胸で爆発させた。エネルギーは至近距離で大爆発を起こし、彼に全エネルギーをぶつける形となった。
「はぁ……はぁ……焼き加減はどうだ!?スーパーサイヤ人!!」
「……の……か……」
「……んん?」
ヴィクトリーはアリスの顔面を掴み、握力を込めた。
「この程度かって聞いてんだよ……!!!」
「ーーーッッ!!!」
立ち上がり、アリスを突き飛ばして前蹴りをかました。
「がはっ……!!」
「あだだだだだだだだだだだだだだだだ!!!!」
そしてアリスに突っ込んで、攻撃を乱打した。
「ぐぐぐ……!!ぐぐぐぐ……!!!」
アリスは何とかそれに対応するが、凄まじい猛攻により確実にダメージは重なる。
「ぐっ……!!がはっ!?ぐぐぅ……!!ぐふっ!ぐ……!ぶっ!?」
「だだだだだだだだだだだだ……!!!」
「ちっ……はあああああぁーーーッッ!!!」
「ッッ!!?」
突如、彼女は超爆発波を放った。魔王の暴虐で、周囲が消し飛ばされる。
「はぁっ……はぁっ……!!」
「こっちだぁ!!」
「なにっ!?」
ヴィクトリーは瞬間移動でアリスの背後に回り込んでおり、彼女を蹴っ飛ばした。
「ぐぅっ!!」
彼女は踏ん張り、振り向きざまに彼に肘打ちした。
「っ!!」
彼はお返しと言わんばかりに、彼女の顎を膝で蹴り上げた。
「ぐぅっ!!」
アリスは歯を食いしばって、拳にエネルギーを込めて、渾身の一撃をヴィクトリーの顔面に放った。しかし彼はそれを避け、渾身の拳を彼女の腹に叩きつけた。
「がッッ……はぁッッ……!!!」
大量に吐血する。しかし、ヴィクトリーの頭に拳骨をして、尻尾でぶっ飛ばした。彼はぶっ飛びながら体制を整え、壁を蹴って彼女に飛び蹴りした。彼女はそれを避けるが、彼がそこで静止した。
「なにっ!?」
「ふんっ!!」
すると、もう一方の足で彼女を蹴っ飛ばし、着地した。
「ぐぅ……!!」
アリスは起き上がり、顔を上げる。
「……はっ!」
既にヴィクトリーはアリスの背後にいた。そして彼女に肘鉄し、背中を蹴り上げ、ぶん殴ってぶっ飛ばした。
アリスは尻尾の力で跳躍し、グルグル回ってから着地して、彼に向かった。
「ハァッ……ハァッ……!!」
「……」
ヴィクトリーは構えを解き……口を開いた。
「……やめだ。」
「なにっ!?貴様……!」
「自分で気付かねぇのか?貴様はフルパワーを発動した事により、一時は実力で俺を上回った……だが、今はピークを過ぎてパワーが落ちてる……それにフルパワーの影響からか知らねぇけど、精神が蝕まれて、正常な判断が出来なくなっている……これ以上やっていてもキリがねぇ。」
「っ……!っ……!!」
「俺の気はもう済んだ。貴様の身も心も、もう既にズタズタだろう。今の怯え始めた貴様を倒しても、意味はねぇ。」
そう言ってヴィクトリーは超サイヤ人を解いて、部屋の隅に向いた。
「だから、二人でとっととこっから出る方法を探そうぜ。ルカも命には別状は無さそうだし、今ならギリギリ間に合いそうだ。」
そう言い、アリスから背を向けて歩いた。
「……っ……まだだぁ!!まだ余は戦えるッッ!!中途半端な真似は、遠慮させてもらうと言った筈だあぁーーーっ!!!」
そう言ってアリスは、超高密度のエネルギーボールを放った。
「……っ!」
ヴィクトリーは頬を掠らせながら、それを避けた。掠った所から、血が垂れる。エネルギーボールは静止して、留まった。
「……どうしようもねぇ、馬鹿な奴だ……そこまでして、俺達に殺されたかったのかよ……!!!」
ヴィクトリーは再び超サイヤ人になる。
「ふんっ!」
アリスは、静止したエネルギーボールをヴィクトリーに向かわせる。
「……」
ヴィクトリーは、アリスの所に突っ込んだ。
「ほう、ルカの時のようにギリギリで躱そうというやつか!?無駄だっ!!」
彼は、アリスと接触する寸前に上空へと飛んだ。
「はぁっ!」
エネルギーボールも上空へと飛んで、彼に追従した。
「ふんっ!!」
彼は、そのエネルギーボールにパンチし、弾き返した。
「なっ!?」
アリスはそれを避け、ヴィクトリーはまた彼女の前に降り立つ。
「……そんな下らねぇ技で望みを繋ぐようなお前は見たくなかった……」
「ならば……これでどうだあああぁーーー!!!」
アリスは両手を合わせて、巨大なエネルギーボールを生成し、ヴィクトリーに投げつけた。おそらく、これが彼女の全身全霊を込めた一撃なのだろう。
「……か……め……は……め……」
ヴィクトリーはそう呟きながら直立していた。そして、エネルギーボールが目の前まで迫ってきた時……
「波あああぁーーーッッッ!!!!」
巨大なエネルギーボールを、更に巨大なかめはめ波で押し返した。
「そ、そんな……!!?うわぁああああ……!!!」
かめはめ波は直撃し、大爆発を起こした。
「が……かはっ……」
アリスは倒れ、床に伏せた。どうやら、これで戦闘不能になったらしい。
「……悪あがきが損を成したな……」
「ぐ……ぐふっ……がぁぁぁぁ……」
アリスの筋肉が萎み、あの禍々しい魔力も消散して、普通の体に戻る。そして、気絶してしまった。
決して、殺した訳ではない。殺すんならもっと思いっきりやってた……
「……」
それでも、虚しさしか残らなかった。結局、こうするしか──
「聞こえておるか……?ヴィクトリー……」
「たまも。」
たまもの声が脳に響く。
「……やったのじゃな。魔王様を……」
「殺しちゃいねぇ筈だ……それより、結界の解除は?」
「……」
たまもは黙ってしまった。
「……そうか。あと何分ある?」
「……せいぜい、30秒ぐらいじゃ…………すまん……本当に…………」
「……そうか。」
ヴィクトリーはすぐにルカを抱え、結界を蹴破ろうとした。
「ちっ!壊れろ!壊れろ!!」
何度も攻撃を加えて破ろうとするが、まるで効果はなかった。
「だったら……かめはめ波ーーーっ!!!」
片手で、全力のかめはめ波を放ったが……案の定だった。
「………………」
結界のエネルギーが凝縮し、揺れが激しくなってきた。
もう……もう助からないだろう。
「……消滅する……」
この魔王の間と……俺も、アリスも、ルカも……
「……ちくしょおおおお!!!ちくしょおおおおおおおおおーーーっ!!!!」
そして……全てが光に包まれた。
「ヴィクトリーっ!!魔王様ーっ!!!」
外にいるたまもが、そう叫ぶのが聞こえた……気がした。
………………
………………………………
……?
「……消えて……ねぇ……?いやっ……」
ふと、上空から柔らかな光が差してきた。
そこから……イリアスが拍手をしながら降臨してきた。
「よくぞ魔王を討ちましたね……勇者ヴィクトリー。」
「……」
イリアスが何か変な魔術でも使ったのか、結界は消散していた。
「さぁ、トドメを刺すのです。この卑しい魔王の命を断つのですよ……」
「……これで……全てが変わるのか……?」
「えぇ……これで、全て私の思い通り……勇者は魔王を討ち、世界が平和になるのです。」
「ルカは……ルカはどうなるんだ?」
「……あれは、もう勇者ではありません。勇者のメンバーの一人は、魔王に籠絡され、邪悪な意志に身を委ねた……あなたを裏切ったのですよ。」
「……ルカは、そんな奴じゃ……」
「早く。」
ヴィクトリーの言葉を遮り、イリアスは笑いながら冷酷に告げた。
「……」
ヴィクトリーは拳を握り、そして大きく振りかぶる。
「……だぁあああーーーっ!!!!」
そして、思いっきりパンチをした──イリアスの顔面に。
「……ッッッ!!!?」
イリアスは鼻血を出しながらぶっ飛び、壁に叩きつけられた。だが、すぐさま立ち上がって鼻血を拭い、ヴィクトリーに向いた。
「ぅ……ぐ……!!?ヴィクトリーっ!!?手元が滑ったのならば、今すぐにそう言って謝罪するのです!!」
「滑っちゃいねぇよ……」
そう言いながらヴィクトリーはボキボキを指を鳴らし、イリアスに歩み寄る。
「……元はと言えば、おめぇのせいでこうなったんだ……おめぇをぶっ飛ばす!!!」
「真理に反します……!!」
「おめぇの言う真理なんか、全部ぶっ壊してやる!!!」
「うぐ……!!!」
このイリアスに、地上の人間が触れた……!!?いや……あの世界には、サイヤ人は極まれば神にもなれるという伝説がありましたね……ならば、有り得る!!この男が、潜在的に神の力を宿しているのならば!!
「……ぐ……!!」
「おやおや、女神様の顔面をぶん殴る人間が居たとはな……空前絶後じゃないか?」
ヴィクトリーの背後……そこには、例の海藻の匂いがする赤髪女が立ってた。立派に、スカウターをつけて。
「おめぇは……!!」
「私はプロメスティン、智の求道者。かつて、ヒトに火を与えし者……それが超サイヤ人とやらか……興味深いな……」
プロメスティンはそう言った後、イリアスに目を向けた。
「それで、イリアス様。実行してもいいのか?」
「ええ……」
イリアスは下衆い笑みを浮かべ、浮かんだ。
「この魔王城を、第二のレミナとしましょう。魔物共と仲良く滅亡の道を歩みなさい……汚れし勇者ルカも、そしてあなたも。」
そう言い残し、イリアスは消えた。
「ちっ……!!」
次の瞬間、激しい揺れが魔王城を揺るがした。
「な、なんだ……!!?」
「ここに私の作品と、天使が攻め込んで来たのだ……ほぉら、すぐそこに二体来てるぞ……」
魔王の間に飛び込んできたのは……二体のでっかい化け物だった。
「なっ……!?」
「ツクヨミとアンフィスバエナか……貴様らで、こいつを何とか出来るのか?」
「ええ……タイマンだったら、難しそうだけど、二対一なら……」
「うふふふ……楽しませて頂戴ね……」
「へっ……!」
ヴィクトリーは構え、気を解放した。
「うぉおおおお……!!!」
「な、なに……!?」
プロメスティンのスカウターが爆発する。そして、ヴィクトリーは思いっきり息を吸った。
「ぶっ飛ばされてぇ奴から、かかって来やがれ!!!」
「……な、生意気な……」
「行くわよ……!!」
「うぉおおおおおおおおーーーっ!!!」
そして咆哮しながら走り、ツクヨミとアンフィスバエナに向かって行った……
結論から言おう。ヴィクトリーは負けた。
アンフィスバエナとツクヨミの猛攻が激しかったのもあるが、流石に連戦の疲れが出たのだろう。
魔王城は半壊。そして例の精霊結界も施されてしまった。世界は大混乱に陥ってしまった……
「うぐ……!!ぐ……!!」
激戦により、片腕を失ってしまったヴィクトリー。懐を探ると、何かあった。
「……仙……豆……?」
……そう言えば、腹を満たすために……あるいは何かあった時のため、何粒か持っていったっけ。何個も食ってて……もう残りは二粒しかないのか。
「……ぐ……!!」
体を引きずりながら、ルカやアリスのもとに向かう。二人は……一応、生きている。激戦の中、こいつらだけは守り切ったのだ。
「ぐ……!!」
ヴィクトリーは仙豆をそれぞれの口に含ませて、喉の奥に突っ込み……そして、倒れた。
これで、希望は繋がれた筈だ……これで──
流血表現
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もっとする
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このままでいい
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しなくていい