もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話 作:ジョーカー:ゼノ
魔藻の力を解放したプロメスティンと、ヴィクトリーが対峙する。アリスとルカは離れ、それを観戦する事に徹した。
「……おめぇには聞きてぇ事が山ほどあるんだ……」
グランゴルドの地下で得たあの情報──何故俺が別の世界の出身と知っているのか──そのために、たまもの制止を振り払って、ルカを追いかけたんだ。
「ふふん……っ!!」
プロメスティンは床に踏み込み、パンチを放った。ヴィクトリーは、それを掌でガードした。
「……っ!!」
掌がジ〜ンと痺れる。なるほど、マジでパワーアップしているらしい。
「はぁっ!!」
次に彼女は、ハイキックを放ってくる。それを避け、高速移動で彼女の背後に回り、裸締めをした。
「よし……!」
「ふふ……」
プロメスティンはその状態のまま走り、ジャンプして壁に足をつき、背を床に向けて跳んだ。
「がぁっ!」
そして、彼の顔面目がけて、肘打ちを落とした。凄まじい衝撃で、煙が舞う。
ヴィクトリーはというと、肘打ちを食らう前に消えていた。
「ほう……」
プロメスティンのスカウターがピピピと鳴り、相手の位置情報を示す……
「だっ!!」
「そこか。」
煙の中から飛んできたヴィクトリーの拳は、あっさりと止められた。
「なにっ!?」
「スカウターのポイントをお前にセットした……もう逃げられないぞ……」
「……ああ、逃げるつもりもねぇ!」
ヴィクトリーはそう言うと界王拳を使い、パンチを放った。
「ぐっ!?」
彼女はそれを掌で受け止めるも、凄まじい衝撃で、腕全体がビリビリするような感覚に襲われた。
「だぁっ!!」
続けざまに超高速の足払いを放つが、それは跳んで回避された。
「ふんっ!」
そして、彼の顔面に、反撃の両足蹴りを放った。
「ぶっ!!?」
ヴィクトリーはぶっ飛んで、よろめく。
「はぁっ!」
プロメスティンは走り、飛び蹴りを放つ。
「かかったな!」
ヴィクトリーは、その彼女の足首を掴んだ。
「なにっ!?」
「だりゃあああーっ!!!」
そしてグルグルとぶん回し、壁へとぶん投げる。
「ふんっ!」
プロメスティンは体勢を整えてから壁を蹴り、矢のような速さで両足蹴りを放った。
「うおぉっ!!」
ヴィクトリーはガードし、何とか踏ん張った。
「……な、なんて戦いだ……!」
「つ、強い……!余と戦った時より……!」
ルカとアリスの二人は、その戦いを見ながら息を飲んだ。
「なるほど、流石はサイヤ人……戦えば戦うほど、強くなるというは本当のようだな……」
「あぁ……そして、戦いの中で強くなる!それがサイヤ人だ!」
「だが私には勝てない……」
プロメスティンは、ニヤリと笑う。
「んだとぉ〜!?」
ヴィクトリーはバッと手を広げ、エネルギー弾を連射した。
「ふん……」
プロメスティンは指先からレーザーを出して、エネルギー弾をなぞり、全て消し飛ばした。
「かめはめ波ぁっ!!」
「ふん……」
ヴィクトリーがかめはめ波、プロメスティンが、エネルギー波を放つ。二つのエネルギーがぶつかり合い、相殺される。
「こいつならどうだ!?」
今度は気円斬を、プロメスティンに飛ばしてみる。
「無駄だ!」
プロメスティンはまた指先からレーザーを放ち、気円斬を切って消し飛ばした。そして、彼の方に視線を向ける……
「……ん?」
ヴィクトリーが、いない。気も消している。あいつ……何処へ……
「ぐぅっ!!」
プロメスティンは、いきなり
「うっ!?」
プロメスティンの背後にはヴィクトリーが居て、彼はその後蹴りをなんとか防御した。
「ち、ちくしょう……お、惜しいな……背後とる所までは良かったんだけど……」
「僅かに気が漏れていたな……ふふ……」
二人はまたぶつかり合い、肉弾戦に入る。
「だぁっ!!」
ヴィクトリーの足刀と、プロメスティンの足刀がぶつかる。
「ぐっぐぐぐ……!!!」
「……ふん。」
プロメスティンは、飛び退いた。
「あうっ!?」
ヴィクトリーはそれによって、体制を崩してしまう。
「はぁっ!!」
その彼の腹に、プロメスティンの足技が高速で打ち込まれた。
「がっはぁ……!!」
ヴィクトリーは血を吐きながらぶっ飛び、フラフラとよろめく。
「……」
彼女は、そんな彼に歩み寄る。
「だっ!」
ヴィクトリーは、その顔面に殴りかかった。
「ふっ……」
しかし、その手首が掴まれ、拳を止めた。
「な、なに……!?」
「ふんっ!」
次の瞬間、ヴィクトリーの肩の関節が外された。何か力が伝わり、無理やり外されたのだ。
「あがっ……!!?」
「はっ!」
続いて、肘の関節も外される。
「がっ……!」
「そぉら、もう一個……」
最後に、手首の関節が外された。
「うっぐぁああ……!!?」
彼は腕を押さえ、悶絶する。
「ヴィクトリーっ!」
「そ、そんな……!今、唯一まともに戦えるのはあいつだけなのだぞ……!」
ヴィクトリーは変な方向へ曲がってる腕を押さえながら、だらんと垂らし、息を切らす。
「ハァッ……ハァッ……!」
「そんな腕では戦えまい……さぁ、今すぐ楽になるか?それとも、私のモルモットとして後生を過ごすか?選べ……」
「ち……ちくしょう……確かに、こんな状態じゃ何も出来ねぇ……残念ながら、てめぇの勝ちかもな……!」
ヴィクトリーは弱気な声になりながら、続ける。
「死ぬにしても、おめぇのモルモットになるにしても、一つ聞かせてくれ……何でてめぇの機械の情報の中にカプセルコーポレーションのロゴがあったんだ……?」
「……」
プロメスティンは少し考え、口を開く。
「……いいだろう……どうせ勇者も魔王も貴様もモルモットになるんだ、教えてやろう……」
彼女はそう言うと、説明を始めた……
「まずあのカプセルコーポレーションの技術だが……確かに、私が君達の世界に行って盗んできたものだ。実に面白い道具がたくさんあったのでな……ホイポイカプセル、タイムマシン、宇宙船……そして目についたのがヒーロースカウターと呼ばれるものだった。」
「今、おめぇがその耳に着けてる奴か……」
「厳密には違うが、その通りとしよう。それを見てから、私はもう一度、君達の世界の過去に行くことを決意した……ふふ……ドラゴンボールと呼ばれる球を集める物語……なかなかに面白いものではあった……」
「……そりゃあどうも。」
「そして渡ったのが、天津飯という武道家が天下一武道会とやらで優勝した辺りの時代だったか……ピッコロ大魔王とやらが暴れてるのを横目に、カプセルコーポレーションとやらの技術をゆっくりと学ばせてもらったよ……」
……なるほど、グランゴルドのアレ──ちょっと昔のカプセルコーポレーションのマークだったのはそういう事だったのか。
「再び動いたのは、ベジータとナッパというサイヤ人が襲来した時だったか。」
「ベジータとナッパ……サイヤ人強襲編の時か。」
「そう……だが、動いたのはベジータというサイヤ人が逃げ帰り、地球の戦士も帰路についた時だった……幸運にも、ナッパというサイヤ人のスカウターが落ちていたのだ。」
「……」
あぁ、そう言えばナッパのスカウターだけ明確にどうなったって描写が無かったっけ……
「カプセルコーポレーションのヒーロースカウターの技術、そして旧型モデルのスカウター、私の技術……そうやって生み出されたのが、このスカウターだ。」
「……ちょっとやそっとじゃ壊れなくなってるみてぇだな……」
「それだけでは無いぞ……スカウターから発せられる魔力で装備者の肉体強化、何処が一番ガードが低いのか、相手を困らせるにはどうしたらいいか……そんな事が解析出来るようになっている。」
「……まんま、アサルトスカウターとサーチスカウターとディバイドスカウターだな……でも、まさかスカウターだけのために俺達の世界に来たわけじゃねぇだろうな……」
「もちろんだ。お前達サイヤ人の戦い方や、特性……そして超サイヤ人の伝説も調べさせて貰った。」
「……ちっくしょう……!!」
……何も対策されてなかった訳じゃなかった。完全に、俺の戦いが見破られていたようだ。
「や、優しいんだな……聞いてねぇ事まで答えてくれて……」
「サービスだ。まぁ、唯一何も掴めなかったのは超サイヤ人の事だけだがな……さて、他に質問は?」
「どうやって世界と世界を渡った……?」
プロメスティンは笑い、説明を始める……
「ふふっ……何だそんな事か。いいだろう、教えてやろう……私はイリアス様の命で、異世界への干渉方法を考えていた。そしてある日を境に、世界と平行世界を繋ぐ穴があると仮定し、そしてそれを発明したのが数百年前の事だったか。それをワームホールと名付け、その穴を具現化する魔導機械を作った……ほんのちょっとのサイズ、ポケットにも入るサイズのな。それでこの世界とあの世界を行き来していた。」
「……で、それは今どうなってる?」
「あれは、一回世界を行き来するごとにエネルギーのチャージに200年はかかる。だから、私が使う機会は例の二回だけだったかな。そうでなくても、地上の者はもちろん、他の天使に見られるのもはばかれるのでな……装置は廃棄。それに関する資料……ワームホールに関するものも含めて、全て消した……」
「……なるほど……」
「……ちなみに、イリアス様は一度その装置を使っておられる。まぁ、一度使ったらすぐに自爆するように設定しておいたがな……」
「……あ。」
ヴィクトリー、固まる。
そう言えば……
記憶を遡り、この世界に来た日……
「……ここが、私の世界です……」
「お、おぉ……」
イリアスの肩に掴まりながら、世界を展望する。
「あなたにはまず、イリアスヴィルという村に行ってもらいます。まずはそこで三日を過ごしなさい。」
「あそこに見える村がそうですか?」
見ると、小さな村がある。あそこで、とりあえずは三日待てばいいらしい。
「そして三日経った時──」
イリアスが説明を続けた次の瞬間だった。彼女の懐が爆発し、ヴィクトリーはぶっ飛ばされた。
「……な!?」
「……え!?」
イリアスの肩から投げ出され、宙を舞うヴィクトリー。彼女には傷一つなく、イラッとした表情を浮かべながら汚れを払う……
「あ。」
すっかりヴィクトリーに手を伸ばすのを忘れてたイリアス、そのまま落下するであろう彼を見る事しかできなかった。
「き、聞いてねぇーーーっ!!!」
そうして彼は、地上に落下し始めた……
「許しなさい、異世界の強き人……これも試練です……」
………………
「……」
「どうした?思い当たる節でもあったか?」
「……嫌な事思い出しちまっただけだよ……」
プロメスティンはふうっ、と一息ついてヴィクトリーを見る。
「……さて、今ここで殺されるか、モルモットになるかどっちがいい?」
改めて、その質問を投げた。
「……なるほどな。ようやく全てが合点いったぜ……」
ヴィクトリーはそう言って、腰を落とす。
「……ふんっ!!」
そして、関節が外れた腕で手刀を放った。その凄まじい遠心力で腕がハマり、手をグーパーさせる。
「なに……!?」
「おお……!」
「外れた腕が……」
「要約すると、今は現存しない変な機械で俺達の世界へと渡り、技術とサイヤ人の戦い方を学んでった……そういう事だろ?」
「それを喋らせるために、わざと……お前も随分と悪知恵の働く奴だな……」
「今のは人間の知恵だよ。天使のおめぇには分からねぇか……」
両腕を回し、首をゴキゴキと鳴らす。
「そんじゃあ、聞くべき事は聞いたんで……容赦なくやらせてもらうぜっ!!」
そう言ってヴィクトリーは10倍界王拳を使った。それにより、プロメスティンのスカウターの数値が急激にハネ上がった。
「な……!?」
「だりゃあっ!!」
次の瞬間、プロメスティンの頬にパンチがクリーンヒットした。
「ぐ……!!?」
「どりゃあっ!」
次にプロメスティンの鼓膜をつんざくように足刀が命中、彼女はそれで脳を揺らされ、ぐらつく。
「あだだだだだだっ!!だりゃあぁあーっ!!」
そしてその体にパンチを連打し、思いっきり床へと叩き伏せた。床は崩壊し、彼女は埋まってしまった。
「ぐっ……調子に乗るなっ!!」
すぐに床から飛び出し、両手にエネルギーを込めた。
「消えろっ!!」
そしてそのエネルギーをヴィクトリーにぶん投げた。
「がぁあああッッ!!」
彼はそのエネルギーを弾き飛ばしてから、手を向けた。
「弾き飛ばした!?」
「おめーが消えろ!!」
そう言って片手でかめはめ波を放ち、プロメスティンに命中させた。
「やったか!?」
「いや……」
アリスとルカは、プロメスティンの方を見る。
「……」
彼女は腕をクロスさせた状態で、浮いていた。
「……へっ!」
「……」
静かに降り立ち、ヴィクトリーを睨む。
「……なるほど、流石はアリスフィーズを倒しただけの事はある。だが、ここからが本当の地獄の始まりだ……その地獄を見てどんなに貴様らが泣き叫ぼうが、私は容赦しない……完全に、屈服するまでな。」
「へぇ……」
プロメスティンは人差し指を立たせ、ニヤリと笑う。
「私は、あと一回変身を残しているのだ……」
「なに……!?」
プロメスティンは今、海藻を全身に纏っただけの強化人間だ。それなのに……これ以上、変わるというのか……!?
「光栄に思うがいい、この変身を見せるのは……貴様らが初めてだ……!!」
そう言ってプロメスティンは気を解放する。凄まじい気が溢れ、周囲に嵐のようなエネルギーが舞う。
「こ、こいつ……一体どうなっちまうんだ……!?」
ヴィクトリーがそう言う眼前で、プロメスティンの体は更なる変異を始めた……
流血表現
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もっとする
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このままでいい
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しなくていい