もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話   作:ジョーカー:ゼノ

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猛攻、プロメスティン

「光栄に思うがいい、この変身を見せるのは……貴様らが初めてだ……!!」

 プロメスティンは気を解放し、真の実力を解放するようだ。

「こ、こいつ……一体どうなっちまうんだ……!?」

 ヴィクトリーは嵐のように舞うエネルギーに吹っ飛ばされそうになりながら、彼女を見る。

「がぁあっ!!」

 まず胸が膨らみ、更にボリュームが増す。

「ぉおおおおっ!!」

 腕が太くなり、植物へと変形する。こめかみが突き破れ、そこからも植物が生えた。

「す、すげぇ……アリス以上のすげぇ気だ……!」

 ヴィクトリーはそう言いながら、変異しゆく彼女を見続ける。

「はぁああああ……!!!」

 異様な植物器官が全身に侵食し、まるで魔物のような姿になった。

「そ、そんな……!」

「ぱ、パワーがグンと上がって……さっきとは比べ物にならないほどに……!」

 ルカとアリスも、驚きを隠せない様子だ。

「……さぁ、始めようか!」

 プロメスティンはそう言って、ヴィクトリーに飛びかかった。

 彼は高速移動でその場から離れ、上空に浮く……

「はぁっ!!」

「!!?」

 しかし彼女は高速で飛んで、彼の脇腹に膝を叩き込み、壁にまで叩きつけた。

「ぁが……!!」

「……」

 そして両腕を合わせ、スレッジハンマーでヴィクトリーを床へと叩き落とした。バァンッと床に叩きつけられ、彼は血を吐きながらバウンドする。

「……はぁああっ!!!」

 プロメスティンはそこへ急降下し、彼の腹に植物器官の腕を叩きつけた。凄まじい衝撃で、床に隕石が落ちたかのようなクレーターが発生した。

「がが……ぁ……うわぁああ……!!」

 大ダメージを負い、体をメキメキと軋ませながらもがき苦しむヴィクトリー。

「……ふん。」

 プロメスティンはそこから離れ、ルカとアリスに目を向けた。

「さて、次は貴様らの番だ……」

「そ、そんな……!!」

 ヴィクトリーが、あっさりと片付けられてしまった。多分、死ぬ事は無いだろうけど……

「や、やるしか……ないみたいだな……!」

「当たり前だ……!」

 ルカとアリスは構え、プロメスティンに向かって構えた。

 ヴィクトリーすらあっさりと片付けてしまう程のパワー、果たして僕達に太刀打ち出来るのか……

「いくぞアリスっ!」

「言われなくても!」

 ルカは、プロメスティンの顔面に両足蹴りを放った。

「……ほう。」

 彼女はノーリアクションで、それを受ける。

「だぁあっ!!」

 そこにアリスが、その顎にアッパーカットを決めた。ガツンとアッパーが直撃するが、彼女はアリスをギロリと睨むだけだった。

「アリスの攻撃が当たった……?」

 一部の例外を除いて、地上の者は天使には干渉できないのに……

「やはりな……その肉体の貴様なら、今の余の攻撃も通じるようだ。わざわざ魔物の肉体を背負い込み、弱点を増やすとは……貴様の実験は、大失敗だったようだな。」

「ふふっ……そう思うか……?」

 プロメスティンは、顔の汚れを払いながら笑う。

「なぜ強力な妖魔の遺伝子ではなく、原始的な魔藻を選んだと思う?即物的な力など、私は求めていない。私が追求すべきは、もっと根源に至るものなのだ!」

「わかめ博士め、何が言いたいのかさっぱり分からん……まぁいい、とりあえず叩きのめしてくれる!」

 ルカとアリスは、プロメスティンに怒涛の猛攻を仕掛けた。

「無駄だ!本来の力を失った貴様らが私に勝つ可能性は、ゼロだ!」

「やってみなきゃ、分かんねぇーっ!!」

 ヴィクトリーが、クレーターの中心から飛び出してきた。

「ほう……?」

「二人ともーーーっ!!攻撃だぁああーっ!!」

「ヴィクトリーっ!」

「わ、分かった!」

 ルカとアリスとヴィクトリーの一撃が並び、プロメスティンの顔面に叩きつけられた。

「……っ!」

 少し揺らいだ……が、すぐに持ち直し、三人を殴り飛ばした。

「ぐぁあっ!」

「ぐはっ……!」

「ぐ……!!」

 三人は、壁にまでぶっ飛ばされる。

「はぁあっ!」

 最初に持ち直し、突進したのはアリスだった。

「ほう……」

 プロメスティンは植物器官の腕を向け、無数のエネルギー弾を放った。

「うぉおおおお……!」

 アリスはそれを弾きながら両腕にエネルギーを込めて、投げつけた。エネルギーは直撃し、大爆発を引き起こす。

「ふっ!」

 彼女は大したダメージを受けた様子もなく、アリスに突っ込んだ。

「なにっ!?」

 そして、その腹に膝を叩き込んだ。

「がっ……!!?」

 更に顔面に一撃し、壁際にまでぶっ飛ばした。

「くそっ!」

 そこにルカが飛び込み、アリスを抱える。

「大丈夫か、アリス!?」

「す、すまん……!」

「魔王の心配をしている場合か……?」

 プロメスティンはルカの背後に迫り、腕を振り上げた。

「くっ……邪魔だぁっ!!」

 ルカはそこに、死剣・乱れ星を放った。彼女の体中に、無数の斬撃が走る。

「……っ!」

「はぁあっ!!」

 更にオール急所乱れ切りを叩き込んでから、顔面に両足蹴りを炸裂させた。

「うっ……小賢しいっ!!」

 彼女はルカの両足を掴み、アリスへとぶん投げた。

「ぐぁあっ!!」

「がはぁっ……!!」

 二人は、重なるように壁に叩きつけられる。

「寝てろ!」

 更には腕にエネルギーを溜め、二人に投げつけた。

「かめはめ波ーっ!!」

 そのエネルギーがヴィクトリーのかめはめ波によって、消し飛ぶ。

「……ほう?」

「はぁっ……はぁっ……!!!」

 彼は10倍界王拳を使い、消えた。

「……そこか。」

 プロメスティンは、すぐそこに裏拳をやった。すると、そこから顔面を打たれたヴィクトリーが現れた。

「ぐっ……!!」

 鼻血を出しながらヴィクトリーはまた消え、一撃を放つ。

「なっ!?」

 だが、一撃が当たる寸前で消えてしまった。と思ったら、今度は背中に肘打ちを落としてきた。

「が……ぁ……っ!!」

 彼は体勢を整え、彼女を凝視しながら離れた。だが、ドォンッと背中に柔らかい感触が当たり、止まった。

「な……な……!!?」

「……どうした、サイヤ人……その程度なのか……?」

 ヴィクトリーの背後に居たのは、プロメスティン。目視できないほどのスピードで背後に回ったらしい。

「ふふ……」

 彼女は豊満な胸を持ち上げ、彼の頭を挟み、むにゅむにゅと動かす。

「ほぉら、攻撃してみろ……」

「……〜〜〜!!!」

 その行為が、ヴィクトリーの怒りに火を付けた。

 彼はその顔面に、裏拳を放った。だがそれは避けられ、腕を向けられる。

「はっ!」

 そして、衝撃波で吹っ飛ばされた。

「ぎゃあっ……!!」

 ヴィクトリーは壁に叩きつけられ、吐血する。

「ふん……」

 プロメスティンは降り立ち、彼に向けて歩を進める。

「くそっ!」

 そのプロメスティンの前に立ったのは、ルカだった。剣を構え、彼女に切りかかった。

「はぁっ!」

「ふん。」

 それを避け、ルカをヴィクトリーの方に殴り飛ばした。

「ぐはぁっ!?」

「うわぁあっ!!?」

「……」

 プロメスティンは走り、ルカの腹にパンチを埋めた。ルカの腹に放たれたハズの衝撃が、ヴィクトリーの体にまでダイレクトで伝わってくる。

「が……がぁ……!!?」

「ぐぁ……ぁああっ……!!」

「はぁああ……!!」

 そのままアッパーし、彼らの体は持ち上げられる。

「ふんっ!」

 そして、二人を床に叩きつけた。

「ぐっ……ぁあ……!!」

「が……がはっ……!!」

「はぁあああーっ!!」

 そして床が断裂するほどの凄まじい力を加え、二人を地下の奥深くにぶっ飛ばした。

「ぐぁああああっ!!」

「うわぁあああーっ!!!」

「ルカっ!!ヴィクトリーっ!!」

「……」

 プロメスティンはアリスに目を付け、そしてつかつかと歩み寄る。

「ふふ……戦況は絶望的だな、魔王……」

「くそっ!!」

 アリスは両腕に気を溜め、エネルギー弾を連射した。

「うぉおおおおおおっ!!」

 この部屋全体が震える程の魔力のエネルギー弾の連射……だが、プロメスティンはそれに直撃しながら、アリスへと歩み寄っていた。

「な……!!?」

「ふんっ!!」

 そのままアリスを殴り飛ばし、一蹴する。

「ぐはぁっ……!」

「さて、そろそろか……」

 プロメスティンがそう言うと……

「はぁっ……はぁっ……!!」

「う……ぐ……ぅ……!!」

 床の断裂から、ルカを背負った上半身裸のヴィクトリーが出てきた。

「……っははははは!楽しませてくれる……」

「……ルカ、降りろ。」

「あ、あぁ……」

 ルカはヴィクトリーから降りて、倒れる。

「……くそ……!」

 防御力に優れたこの道着が、ボロボロになって全部破れてしまったのだ。まずい、流石に出し惜しみなんてしている暇はない……

「……20倍界王拳……!!」

 ヴィクトリーは、20倍界王拳を使った。

「ん……?」

「か……め……は……め……波ーーーっ!!!」

 そして、20倍界王拳のフルパワーかめはめ波……今の自分の最高技を放ったのだ。

「ふん……っ!」

 プロメスティンは自らそのかめはめ波の中に入り、その中を伝っていった。

「な、なにっ!!?」

「ふふ……」

 そしてかめはめ波から飛び出し、彼をぶん殴った。

「ぶっ!?」

 彼は仰け反り、揺らいだ。

「ふっ!」

 そしてその腹に膝蹴りをし、間髪入れずに背中を打ち下ろし、彼を壁へと叩きつけた。

「が……がはっ……」

 そこへ急降下し、とてつもなく重い蹴りを放った。

「ぐぁああああっ!!」

 全体重をかけた、とんでもない威力の蹴り。それによって、彼の体が壁に埋まる。

「ぐぁあ……あ……あ……」

 そして、ついに彼は首をガクンと下ろした。

「……か……ぁぅ……」

「……ふん、まぁよくやったと言ってやろう……サイヤ人。」

「く……くっそぉ……!!」

「ヴィクトリー……っ!」

 ヴィクトリーの戦闘不能により、かなり絶望的な状況に立たされてしまった。ルカとアリスも大ダメージを負っており、戦うには心もとない。

「……」

 ヴィクトリーの体が壁から剥がれ、床に倒れ落ちる。

「……残念だったな……超サイヤ人など、結局はただの夢物語だったようだな……」

 そう言って、プロメスティンは倒れているルカとアリスにも目を向けた。

「さぁ、私のモルモットになってもらうぞ……三人ともな……」

 彼女はそう言いながら、ルカに歩み寄る。

「……ちっくしょう……!!」

 ヴィクトリーが倒れたまま、拳を床に叩きつけた。

「く……そ……!!俺が……俺がもっと強ければ……くそぉ……!!」

 俺にもっと力があれば……こんな状況……魔王城の時だってそうだ……俺に力があれば、アリスの封印も、ルカの精霊封印も発動する前に阻止できた筈なのに……あのネクスト・ドールからも、グランべリアとアルマエルマを守れた筈なのに……それなのに……!!

「情けねぇ……俺が、俺が……弱いばっかりに……!!!」

 その時だった。

「……!!?」

 プロメスティンのスカウターが、異常な数値を叩き出した。数値の主は……ヴィクトリーだ。

「な……なに……?」

「うぐ……うぅうう……!!!」

 ヴィクトリーの瞳が碧く染まり、髪が逆立つ。

「くそぉ……くそぉおおお……!!!」

 そして、髪の色が金色へと変色し始める。

「こ……これは……!?」

 彼の変異につれて、戦闘力数値も格段に跳ね上がっていく。

「ば、馬鹿な……!?死にかけのあいつの何処に、そんな戦闘力が……!!?」

「うぉおおおおおおおおお……っ!!!」

 その体からスパークが放たれ、それが周りのものを破壊する。そうしながら、ゆっくりと立ち上がり、尚も戦闘力の上昇を続けた。

 プロメスティンのスカウターが遂にオーバーヒートし、爆発する。

「っ!!?」

「ヴィクトリー……っ!」

「こ、これは……!?」

 そして……遂にヴィクトリーの中で、何かがブチ切れた。

「うぁああああああああああーーーーーーッッッッッ!!!」

 凄まじいエネルギーが溢れ出し、その周囲の全てを吹き飛ばした。

「な……なんだと……!!?これは……!!」

「こ、これが……!!」

「ま、まさに……!!」

 ヴィクトリーの髪が金色に光りながら逆立ち、瞳は碧くなっている。その碧き澄んだ瞳で、プロメスティンを睨んだ。

「そ、それが……超サイヤ人なのか……?」

「……」

 相手は、自分の仲間すら実験台にする狂人。そんな奴に、負けるわけにはいかねぇ……!!

「興味深い……!その体、どんな手段を使ってでも頂くぞ!」

 プロメスティンが彼に手を向けた瞬間、その手がとてつもない握力によって握られた。

「っ……!!?」

「……」

 手を握っていたのはヴィクトリーだった。圧倒的すぎるスピードで、全く接近が見えなかったのだ。

「いい加減にしろ……罪のねぇ者達を次から次へと実験台にしやがって……」

「くっ……!!?」

 手が、離れない。持てる力全てを総動員させているのに、離れる気配すらない。

「だぁっ!!」

 彼女は残ったもう片方の手で、腹を殴りつける。だが、その腹筋はまるで鋼鉄のごとし。手応えなど、まるでなかった。

「おめぇ、いったいいくつの命を実験台にすりゃ気が済むんだ……!!!」

 彼はそう言って、パッと手を離す。

「おめぇはもう謝っても許さねぇぞ……このクズがぁあああーーーっ!!!!」

 そして、彼女の顔面をぶん殴ってぶっ飛ばした。

 殴られたその体は水平にぶっ飛び、叩きつけられた壁も派手に粉砕して、瓦礫に埋まってしまった。

「な……」

「……」

 アリスとルカは、ぽかーんと口を開けながらその光景を見る。

「……立てるか、二人とも。」

「立てるし……僕は戦える。」

「も、もちろん余もだ!」

 ルカの傷は瞑想で全て塞がっており、万全の状態だ。アリスの傷も再生し始めている。魔王という種族、様々な遺伝子を内包しているから傷の再生も早いのだろう。

「戦うぞ……あいつをこのまま生かしちゃおけねぇ……!」

「ああ……戦うぞ!」

「そうだ……余達は、絶対に負けてはならん!」

 謎の覚醒を遂げたヴィクトリー。その圧倒的な力を見た二人の士気も高まり、すぐさま臨戦態勢に入った。

 ここから、戦士達の大逆転が始まる。

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