もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話   作:ジョーカー:ゼノ

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とびっきりの最強対最強

 一度は窮地に追いやられた戦士達。だがここでヴィクトリーが覚醒、圧倒的なパワーアップを遂げた。

 その凄まじいパワーを目の当たりにした戦士達は士気を戻し、構えた。こうして、とびっきりの最強戦士ととびっきりの最強の敵との、戦いが始まったのだった……

「ぐ……ぐぐ……!!」

 プロメスティンは瓦礫から這い出て、肩で息をしながら立つ。

「な……何者だ……お前は……!?」

「とっくにご存じなんだろう……?」

 彼の中の感覚に、懐かしさとも言える感覚が漲っていた。そう、これは──間違いない。

「穏やかな心を持ちながら、自分への怒りで目覚めた伝説の戦士……超サイヤ人、ヴィクトリーだっ!!!」

 プロメスティンに、ルカに、アリスに衝撃が走る。

「そ……それが……超サイヤ人なのか……!」

「……ふ、ふふふ……だが、たかが髪の色が金色になった所で私には勝てまいっ!!」

 プロメスティンはそう言って、フルパワーでエネルギー波を連射してきた。

「避けろ二人ともっ!!」

「えっ!?」

「なっ!?」

 ヴィクトリーはその無数のエネルギー波に、巨大なかめはめ波を放った。

「わぁあっ!?」

「なんとっ!?」

 あまりのエネルギーにアリスとルカはぶっ飛ばされる。

「な……!!?」

 エネルギー波は全部消し飛び、かめはめ波がプロメスティン目掛けて飛び、直撃した。

「ぐ……ぉおおお……!!?」

 彼女の全身がボロボロになり、植物器官の殆どが消し飛んでしまう。

「今だアリスっ!ダークネスボールをお見舞いしてやれ!」

「おうっ!!」

 アリスは凄まじいスピードで這い、跳躍して両腕にエネルギーを込めた。

「ダークネスボールっ!!」

 そして、そのエネルギーをぶん投げた。プロメスティンはそれを右腕でガードするが──

「ぐぁあああっ!!?」

 右腕の植物器官が消し飛び、元の腕になってしまった。

「行くぞルカーっ!!」

「あ、あぁ……!」

 ヴィクトリーとルカが並び、猛攻を仕掛けた。

「ぐ……!!うぉおおっ!!」

 それに対し彼女は対応し、左手で二人を薙ぎ払いにかかった。

「ふんっ!」

「ぐぁっ!」

 ヴィクトリーは避けるが、ルカはそれに直撃し、ぶっ飛んでしまった。

「ぉおおっ!!」

 プロメスティンはそのルカに突進し、猛攻を仕掛けた。

「ぐ……ぐぐ……!!」

「ルカーっ!!目で見るんじゃねぇ!気で感じるんだ!」

 そうは言えども、ウンディーネのいない僕じゃあ無理だ……

「く……!!」

「くらえ……!!!」

 よろめくルカに、プロメスティンは左ストレートを放った。

「くっ!」

 ルカは目を瞑り……それを、流水の動きで避けた。

「な、なに……!?」

「い……今のは……!?」

 無心のままに、僕はプロメスティンの攻撃を回避していた。ウンディーネがいないにも関わらず、明鏡止水の心で……

「馬鹿な……精霊の力は封じた筈だ!」

「……」

「へへっ……」

 ルカの奴、面白ぇや。精霊と一緒に戦ってるうちに、ウンディーネの心得を自分の体に吸収しちまったらしい。

「ウンディーネが居なくても……その心置きは体が覚えているらしいな……」

 ヴィクトリーはルカの横に来て、その肩を叩いた。

「ああ……僕だって、戦える……戦うぞ、ヴィクトリーっ!!」

「絶対に、俺達が勝たなきゃなんねぇ!!」

 そして、背中を合わせて構えた。

「くそっ!!」

 プロメスティンは気を解放し、二人に突っ込んだ。

「はぁっ!」

 だがヴィクトリーの裏拳が顔面に直撃し、よろめく。

「ぐぁ……!」

「……」

 そこにルカの流水の動きによる斬撃が叩きつけられ、彼女はぶっ飛んだ。

「ぐっ!!精霊の動きを封じたのに、なぜその動きができる!?今のお前は、無力も同然のはず……」

 彼女はそう言いながら、体中の魔藻を揺らめかせ、触手のように二人に伸ばした。

「……」

「……」

 ルカは流水の動きで、ヴィクトリーは高速移動でそれを避けた。

「……何で、気付かなかったんだろう……」

「ん?」

 二人は攻撃を避けながら会話し始めた。

「こうやって心を落ち着かせれば、今でも水の流れが感じ取れるんだ。」

「……でも、まだ完全に力は戻ってねぇみてぇだな。」

「ああ、ウンディーネと居た時よりは緩やかだけど……確かに、僕の心は明鏡止水と共にある。」

 ルカは前に出て、迫り来る海藻を切り刻んだ。

「……ね?」

「……へへへ……!」

「馬鹿な、次から次へと理屈に合わん!いったい、何が起こっている!?」

「明鏡止水……最初から、失われてはいなかったんだ。そこにあったけど、気付かなかっただけ……」

「……くっ、何を言っている!?まるで意味が分からん!」

 彼女は動揺しながら、二人にエネルギー波を放った。ルカはそれを避け、ヴィクトリーはそれを弾く。

「数値しか見ねぇ理屈屋には分からねぇ世界がある……」

「くくっ……理にすがる貴様には、相性が最悪の相手だな。このドアホどもの底知れん天然ぶりは、計算も予測もまるで通じんぞ。」

 アリスもルカの隣に来て、ふふんと笑う。

「ふっ……だが……出でよ、ジルフィ!」

 プロメスティンは、風の精霊を召喚した。

「これならどうだ?精霊の恐ろしさ、お前らなら身に染みて分かっていよう……」

「……それがどうした。」

 ヴィクトリーはプロメスティンに踏み込み、腹に一撃した。彼女は回避が間に合わず、クリーンヒットを許してしまう。

「がっ……はぁ……!!?」

「はぁあ……!」

 次にルカのオール急所乱れ切りがクリーンヒットし、彼女は揺らいだ。

「くっ!!」

 だが体制を持ち直し、気を解放する。

「まずは、自由を奪ってやろう!」

 また、あの触手のような海藻が二人に迫った。だが二人はあっさりと避け、彼女を見る。

「な、なんだと……!?何故貴様らに、風の動きを宿した攻撃が見える……!?」

「プロメスティン、風の声は聞こえているか……?」

 ルカは構え、ギロリと眼前を睨む。

「理解不能な妄言を……風が声を放つ事などない!」

「それなら、お前は絶対に精霊なんて使いこなせないよ。風の声が、もっと吹き荒れたいって語りかけているのにな……」

「ぐっ……わけの分からない事ばかり!」

 ここでヴィクトリーが飛んできて、彼女の体に蹴りを乱打させた。

「ぐはぁっ……!?」

「精霊との絆が無けりゃ、精霊のフルパワーを出すなんて無理だ。もっとも、道具のように扱ってるおめぇらじゃあな……精霊なんて使ったことはねぇけど、こんな事は分かる。」

 そう言い終わってから、その顎を拳で打ち抜いた。

「がっ……!!?」

 彼女の脳が揺れ、体が揺らいだ。

「一気に決めるぞっ!!」

 アリスがそう言ってプロメスティンの腹を連打し、そして顎をアッパーしてから、タックルする。

「うごぉっ……!」

「ふん……」

 そして彼女に指を向け、無数のビームを放った。アリスのビームは、全て直撃した。

「ぐ、ぐぉお……!」

「今度は僕だ……!」

 まず彼女の懐に入り、魔剣・首刈りを放った。

「ぐぅええっ……!!」

「はぁあああ……!!!」

 そして走りながら剣を振り回して切り裂き、顔面に両足蹴りした。

「……はぁああ……!!」

 ルカは消え、そしてプロメスティンに背を向けるように現れる。

「な……!?」

「死剣・乱れ星。」

 そう言って剣を納めた瞬間、彼女の全身に斬撃が走った。

「ぐぁああ……!!」

「おぉおらぁあーーーっ!!」

 そこに突如としてヴィクトリーが飛んできて、その顔面をぶん殴った。

「ぶっ……!!?」

「だぁああっ!!」

 そして腹に膝蹴りし、髪を掴んで床に叩き伏せた。

「ぉぐぅ……っ!!がはぁ……!!」

「……降参しろ。おめぇじゃ俺達には勝てねぇ。」

「……くっ……くっ……くっくくくく……」

 プロメスティンは笑い、立ち上がって三人を見る。

「なるほど、イリアス様が危惧される訳だ……だがな……!」

 そうして腕にエネルギーを溜め、ヴィクトリー達に放った。

「うおっ!?」

「……」

 アリスは飛び避け、ルカは流水の動きで躱す。

「……」

 ヴィクトリーはそれに直撃する……が、ノーダメージだ。

 そして再びプロメスティンの方を見る……が、そこに彼女は居なかった。

「なに……?」

「逃げたか……?」

 次の瞬間だった。異様なエネルギーを感じ、三人はその方へ向いた。そこには彼女が、太陽のようなエネルギーボールを掲げていた。

「っ!?」

「な……!?」

「なんだ、アレは……!!?」

「エンジェリックプロミネンス……本来は上位の天使しか使えん超大技だ……!!」

 まさか、あのエネルギーボールを一瞬で……!?

「し、しまった……!」

 あのエネルギーはまずい。誰かが直撃しなければ、この大陸が消し飛ぶほどのエネルギーだろう。完全に、油断しすぎた……

「この大陸ごと……消えて無くなれーーーっ!!!」

 そう言ってプロメスティンは腕を下げ、エンジェリックプロミネンスを放った。

「お……終わっ……た……」

「くっ……!!」

「……」

 アリスとルカが絶望する中、ヴィクトリーは動じずに立っていた。

「はぁああああーーーっ!!!」

 そして、気を解放してエンジェリックプロミネンスを受け止めた。

「な、なに……!!?」

「……ぉおおっ!!」

「がぁあああ……!!!!」

 だが、ヴィクトリーが押されている。あのエネルギーボール、まともに受けたら僕もアリスも消し飛んでしまうだろう。もう、希望はあいつにしか残ってない!

「が、頑張ってくれ……ヴィクトリーっ!!」

「ぐ、ぐぬぬ……!」

「うっぐぐぐぐ……!!!この大陸は……魔王城は……落とさせねぇぞ……!!!」

 しかしヴィクトリーは押され、遂にその姿が埋もれてしまった。

「そ、そんな……!!ヴィクトリーっ!!」

「が、頑張るのだ!!まだ諦めてはならんぞ!!死んでもそれを跳ね返せーっ!!」

「ふっふふふ……無駄な事だ……これで超サイヤ人は消えた……魔王城も吹き飛んだ!はっははははは……!」

 プロメスティンが、そう言った時だった。エンジェリックプロミネンスが、押された。

「……な!?」

「ふんっ!!ぐぅあああ……っ!!!」

 ヴィクトリーが全力を込めて、押し返しているのだ。

「お……おぉっ!」

「そうだ、そのまま弾き飛ばしてしまえーっ!!!」

 彼は両腕を伸ばし……気を全解放した。

「どりゃああああーーーっ!!!」

 そして、エンジェリックプロミネンスを投げ返した。

「な、何だと……!!?」

 そして、そこを見ながら彼は、全てのパワーを両手に集め……

「超かめはめ波ーーーーーーッッッ!!!」

 フルパワーの、超かめはめ波を放った。その超かめはめ波は、彼女の放った大技に叩きつけられ、突き破り、消し飛ばした

「そ……そんな馬鹿な……!!?」

「おめぇの、負けだあああぁーーーーーッッッッ!!!!」

 そして、超かめはめ波は直撃し、凄まじい大爆発を巻き起こして、全てを吹き飛ばした。そして爆発の衝撃が止んだ頃には……

「……かはっ……!」

 ボロボロになって、体の植物器官が全て消し飛んだ彼女が倒れる。

「私が、負けた……!?馬鹿な、理解不能だ……!」

「……そうだ、おめぇの負けだ……」

 ヴィクトリー達は、そのプロメスティンの前に立つ。そしてアリスが、彼女の前に出た。

「とどめを刺す前に、封印を解いてもらおうか。余の本体に掛かっている六祖大縛呪をな……」

 ……本体?じゃあアリスの本体はまだどっかに封印されてんのか?

「ふ……六祖大縛呪の解除など出来はせん。いったん術式が起動した以上、私にも止める事は出来んのだ。」

「な、なんだと……!?」

「六祖大縛呪は、拘束された者の魔力を原動力として作動し続ける術式。いったん起動すれば、外部からはもはや手が出せんのだ。解除されるのは、魔力供給が失われた時……すなわち、亜空間結界内の本体が死んだ時だけだ。」

 ……相手が強ければ強いほど、厄介な魔法だな……

「じゃあ、余はずっとこの姿でいろと言うのか!?」

「いや、その必要はない……お前はここで息絶えるからだ!まだ私には、切り札が残っている……!」

 彼女はそう言いながら、自分の腹に手を突っ込んだ。

「なっ……!?」

「そ、その切り札ってのは自害か……!?」

 ……いやっ!

 プロメスティンが自分の腹から取り出したのは……奇怪な薬品が入った注射器。一応言っておくとピストン部分は固定されていて、針もガードされている。

「そ、そんな……あの猛攻でよくぶっ壊れなかったな……!?」

「言ったはずだ、これは私の切り札……貴重なものなので、特殊な素材で作られている……!」

 プロメスティンは注射器のガードと固定を外し、その針先を自身の首筋へと突き立てた……

「満足に試験も済んでないものを、実戦で用いるなど研究者の恥……しかし、ここで滅ぼされるならば甘んじて恥を凌ごう……!」

「な、なんなのだ、その薬品は……」

 アリスが声を上ずらせた理由が、二人にも分かる。その薬品から、異常な程の嫌な感じがしたのだ。悪寒が走り、背筋が震える。

 あれは……普通じゃない。

「これでもう、私は元の体には戻れない。しかし、お前達をここで滅ぼすためならば……」

「くそっ!!」

 プロメスティンは禍々しい薬物を自身に注射しようとする……次の瞬間、その足元に魔法陣が発生した。

「いっ!?」

 ヴィクトリーは踏み込んで進もうとする直前で、ストップした。

「な、なんだ……これは……!?」

 プロメスティンは硬直し、指一本さえ動かせなくなる。注射する直前で、その動きが封じられたのだ。

「くすっ、いけませんわね……そのお注射は、まだ使ってはいけないんでしょう……?」

 その場に現れたのは……さっき、この研究所へと二人を導いた謎の少女だった。

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