もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話   作:ジョーカー:ゼノ

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ルカ爆発!!

 ラナエルがロニーを殺したことによって、ルカの怒りに火がついた。

「……そこら中にいる死体は、みんな私がそうしたのよ。この触手で巻きとって、息が出来なくなるまで締め上げて……この腕でたっぷりと貪って……じっくり悶え苦しんでもらいながら、ドロドロに溶かして……」

「……」

 ラナエルの言葉により、ルカの怒りは加速する。

「ここの村人達は、ずいぶん面白かったわねぇ。どいつもみんな、イリアス様の御名を叫びながら逃げ惑って……それをじっくりと蛇で嫐り殺し……触手でひねり潰し……ふふふっ。」

 そして、ラナエルは卑劣な笑みを浮かべる。

「本当に哀れな連中よねぇ、最後までイリアス様にすがって。この村の処理を命じたのは、そのイリアス様御本人なのに……」

 その時、ルカの怒りが限界を超えた!

「うぁあああああああああーーーーッッッッッ!!!」

 凄まじいエネルギーが吹きすさび、辺りを吹っ飛ばす。その体から放たれている力は、天使のそれだった……

 

「……もう許さないぞ、お前達……!!」

 ルカはそう言って、ラナエルへと歩み寄る。

「くっ……!行きなさいっ!」

 彼女は天使兵達を、彼へと差し向けた。天使兵達は八人がかりでルカを囲む。

「はぁっ!」

 そしてその一体が剣を構え、突進した。

「……」

 ルカはそれを避け、彼女を剣の一撃で消散させた。

「なにっ……!?」

「馬鹿な……!?」

「人間が……天使を一撃で……!?」

「く、くそ……怯むな!やれーっ!!」

 天使兵達は剣を構え、ルカに突進した。

「あーーーーーっ!!!!」

 ルカの気が、ボッと吹き出した。次の瞬間、天使兵二人が薙ぎ払われ、その頭がフシャッと弾け、封印される。

「な……!?」

 声を漏らした天使兵が、唐竹割りにされる。

「そ、そんな……!?」

 硬直していた天使兵の胴が、腕もろとも断ち切られる。

「ひ、ひぃ……!」

「くっ……くそ……!!ならばっ!!」

 天使兵三体は飛び上がり、ルカにエネルギー波を放った。

「……」

 ルカはそのエネルギー波に手を向け、ただの気弾で相殺した。

「ふ、ふぇ……!?」

「かぁっ!!」

 そして天使兵二体に手を向けて、フルパワーのエネルギー波を放った。

「そ、そんな……!」

「馬鹿な……!」

 二体は直撃し、消散する。

「かぁあっ!!」

 すると、残った天使兵がルカに切りかかった。

「……ナイスアシスト。」

「ぎゃあぁあっ!?」

 次の瞬間、天使兵に衝撃波がぶつかり、大陸から海へと吹っ飛んでしまった。

「ヴィクトリー……」

「……」

 ヴィクトリーが天使兵に衝撃波を当て、ぶっ飛ばしたのだ。

 ルカは、ラナエルの方に向き直した。

「……ラナエル、お前はここで倒す。これ以上、他の場所をこの村のようにさせはしない……!」

「ふん、人間ごときが……」

 ラナエルは自信満々のルカを見て、嘲笑する。

「まさか本気でこの私を倒せると思っているんじゃ無いでしょうね……」

「倒せるさ。」

 ルカの即答に、思わずラナエルは苦笑いする。

「だったら、見せてあげるわ……この大天使のフルパワーを……!!」

 ラナエルはキッと目を鋭くして、フルパワーを出した。ゴゴゴと大地が揺らぎ、エネルギーが暴風のように吹き荒れる。

「す、すげぇ気だな……!ま、まるで大陸全体が震えてるような……!」

「……どうです?これが本気になった私です……」

「それがどうした。」

「……」

 ラナエルはルカの言葉に、イラッとした表情を浮かべた。そして、超スピードで突っ込んだ。

「かぁっ!!」

 そして、腕のハエトリグサ部分を振り下ろした。だがそれは、ひょいとかわされてしまった。

「ぎっ!!」

 次に触手部分を振り上げ、ルカに伸ばした。

無縫(むほう)にして無謬(むびゅう)、堕天舞踏……!」

 ルカはその触手をすり抜けるようにして避け、拳をラナエルの横腹に叩きつけた。

「ごっはぁ……!!?」

 ラナエルの体が軋み、吐血してよろめく。

「がっ……!がぁあ……っ!!」

 ラナエルは蛇の髪を揺らめかせ、ルカを薙ぎ払った。彼はしゃがみ、それを回避した。

「え……!?」

「はぁあっ!!」

 そして、思いっきり切り上げた。

「がっはぁああっ!!!」

「たぁあっ!!」

 更に兜割りをして、彼女の胸をぶった斬った。

「きゃあああーっ!!!」

 彼女はよろめき、後退して胸を押さえる。

「ぐぐ……がはぁっ!」

 血を吐きながらも、何とか傷を再生させる……

「ば、馬鹿な……この私が、たった三発で……!」

 だが彼女はニヤリと笑い、ルカにエネルギー波を放った。彼はそれを気弾で相殺する。

「……はっ!」

 ふと気付いたら、彼女はヴィクトリーに迫ってた。

「せめて、あなただけでも……!!!」

「っ!!」

 ヴィクトリーは超サイヤ人になり、脇腹にボディブローした。

「がっ……!!?」

「だりゃあああーっ!!」

 そして頬をぶん殴って、ぶっ飛ばした。

「うぐぁあ……!!?ば、馬鹿な……あなた達、本当に人間なの……?」

「お前達こそ、本当に天使なのか……?」

 ルカはよろめくラナエルの背中に、剣を突きつける。

「天に祈り、神にすがる人達の命まで平気で奪って……それでもお前達は、本当に天の使いなのか!!」

「黙りなさい!」

 ラナエルは下半身の触手を揺らめかせ、思いっきり二人に振った。

「ふっ!」

 ルカは、身を反らしてそれを避ける。

「ふんっ!」

 ヴィクトリーはそれを掴んだ。

「な……!?」

「だりゃあああーっ!!!」

 そして背負い投げするように、ぶん投げた。

「〜っ!!?」

「てゃああぁーーーっ!!」

 ルカは投げられてるラナエルの顔面に膝蹴りをかました。彼女をぶっ飛んで、地面に尻もちをつく。

「ぐ、ぐぬぬ……ぐぐぅぅう……!!」

 顔の汚れを腕で拭いながら、二人を睨みつけるラナエル。

「……ヴィクトリー……一緒に、戦ってくれるのか……」

「仕掛けたのはこいつだ。」

「ぐ……ぐぐぐ……!!」

 今、彼女の眼前に並んでいるのは、かたや伝説の戦士の超サイヤ人。かたや謎の覚醒を遂げた天使の力を持つ偽勇者だ。戦力の差は、絶望的だった……

「行くぞっ!!僕に続けっ!!」

「おうっ!!」

 二人は突撃し、猛攻した。

「うぐぐ……!!わ、私は大天使!人間二人ごとき……」

「だだだだだだぁっ!!」

 ヴィクトリーの蹴りが、彼女の胸を乱打した。

「がはっ……!!」

「だぁあっ!!」

 その顔面に、ルカの両足蹴りが炸裂する。

「ぐっはぁ……!!」

「おらおらおらおらおらおらおらぁっ!!!」

 ヴィクトリーはぶっ飛ぶラナエルに追いつき、腹を連打した。鳩尾(ストマック)にピンポイントで響く衝撃に、ラナエルは悶える。

「あがぁあああ……!!」

「そりゃっ!!」

 そして、ラナエルの足となっている触手部分に足払いをかけた。触手は地面から引っぺがされ、彼女の体は半回転する。

「行くぞ、断空の刃!!」

 ルカはその土出っ腹に、突きの一閃をかました。時空が裂けるほどの凄まじい突きをくらい、彼女はぶっ飛んだ。

「が……がはぁ……っ!!がはぁっ!!」

 ラナエルはダメージに悶えながら跪きながらも、立ち上がろうとする。

「全ての生、母なる天に回帰せよ……!」

「か……め……は……め……!!」

 しかし二人は間髪入れずに、ラナエルに技を放とうとしていた。

「……っ!!」

「魔天回帰!!」

「波ーーーっ!!!」

 ルカは魔力を凝縮させ、それを放った。ヴィクトリーは、超かめはめ波を放った。

「きゃああああ……!!!」

 ラナエルはそれに直撃し、大ダメージを被った。

「が……がはぁっ……!!ゴホッゲフッ……!!ハァッ……ハァッ……!!」

「……」

「……まだやるか?」

 ルカとヴィクトリーは肩を並べ、ラナエルに歩み寄った。

「ぁ……ぁ……!!」

 し、信じられない……こんな人間が、この世に二人も存在するなんて……こ、この私のパワーが、完全に押されてる……!!

「……ですが、勝敗は別ですよ……!!」

 ラナエルはニヤッと笑い、上空へと飛び上がった。

「あいつ、何を……!?」

「はぁああああーーーっ!!!」

 ラナエルは気を全解放し、エネルギーをその体に集中させた。

「ま、まさか……!!」

「食らいなさいっ!!!今の私の全力技よ!!避ければこの大陸が吹っ飛ぶ!!」

「な、何だと……!!?」

 なんと、本気のエネルギー波でこの大陸もろとも二人を吹っ飛ばすつもりだという。

「受けてみなさいっ!!エクセレス・ラナエルブラスターーーーーーッッッ!!!」

 ラナエルは全身に集中させたエネルギーを爆発させ、ルカに向かって放った。彼は静かに目を閉じ、魔力を集中させる……

「……我が母は明けの明星、曙の子……地に投げ堕ちた星、勝利を得る者……!」

 そしてそう詠唱しながら両腕にエネルギーを溜め、そして手をラナエルの方へ突き出した。イメージとしては、ベジータのファイナルフラッシュの構えだ。

「俺もやるぞ……!」

 ヴィクトリーはルカの手の上下から挟み込むように、かめはめ波の体勢をとった。

「ちょ……まぁいいや、行くぞ……!」

「おう……!」

「今更何をしようと無駄です!!二人とも、この大陸と共にチリとなりなさいっ!!!」

 二人は、気を全解放した。

「かめはめ波ーーーーーッッッ!!!」

「明けの明星ーーーーーッッッ!!!」

 フルパワーのかめはめ波が、冥府に堕ちる眩い星のような光と交差する。二人の全力のエネルギーが重なり、エクセレス・ラナエルブラスターを押し返した。

「そ、そんな……押され……!!きゃああああああーーーーっ!!!」

 二人の合体技が直撃し、ラナエルの異形体の殆どを消し飛ばした。

「はぁ……はぁ……!!な、何故……なぜ人間が……これほどの力を……!!?なぜイリアス様は……この事をお黙りに……!!」

 ラナエルの体が人間体に戻り、地上に落ちる。

「……降参して、とっとと帰れ!命だけは見逃してやる──」

 ヴィクトリーがそう言いかけた時だった。ルカはラナエルの顔面に膝蹴りを放った。

「がはぁっ!!?」

「……」

「る、ルカ……!!?」

 次に彼女の髪を掴んで、何回も地面にガンガンぶつける。

「な、何してんだ!!そいつはもう戦えねぇはずだ!!」

「戦えない……?なに言ってるんだよ……こんな奴、もっと苦しめてやらないと……」

「な、何言ってんだよ……ルカ……」

 ルカは、何度も彼女の顔面を踏みつける。

「ひ、ひぃい……!ゆ、許し……て……助け……」

 鼻血を出して、恐怖のあまり涙すら流しながら、彼女は地面を這う。その姿に、大天使としての威厳はもう無かった。

 そんな彼女の背中に、ルカは容赦なく両膝を落とした。

「がはぁあっ!!?」

「止めるんだルカぁっ!そいつはもう戦えねぇっ!そんな事をしても、意味はねぇはずだ!」

「うるさい……ロニーさんの痛みや、この村のみんなの痛みを思い知らせてやる……!!」

 ルカはそう言い、彼女の右手を踏み潰した。その手が砕け、指があらぬ方向へと曲がる。

「ぎゃあぁあぁああーっ!!!」

「く……!!」

 ヴィクトリーはルカのエンジェルハイロウをひったくり、彼女に突き刺した。

「がはぁっ……!!?」

 それがトドメとなり、彼女の体は粒子へと消散した。

「ヴィクトリー……お前……」

「目を覚ませルカっ!!おめぇがそのレベルに落ちたら終わりだろうが!!」

「……」

 ルカはそれを聞き、瞑想して頭を冷やしながら、自分のやった事を思い返す。そして、深く反省した。

「……ありがとう、おかげで目が覚めたよ……もう二度とこんな事はしない。」

「……そうだ、それでこそおめぇだ。」

 ヴィクトリーはそう言って、ルカにエンジェルハイロウを渡す。それを受け取って、彼は納剣した。

「はぁ……はぁ……」

 するとどっと疲れがこみ上げてきて、膝をついてしまった。全身に疲労感が押し寄せ、視界がぐらりと揺らぐ……

「……」

 ヴィクトリーも超サイヤ人を解き、座り込む。

「ルカ……お前……」

 そこに、アリスがようやく降りてきた。

「アリス……」

 呼吸の乱れが徐々に収まり、疲労感も消えていく。激しい衰弱や目眩も、一時的なものだったようだ。

「ルカ……それ……母ちゃんの形見じゃねぇんか?」

「あっ……」

 ヴィクトリーの言葉で、足元に目線を落とした。

 そこには、砕け散った指輪の破片が目に付いた。

「あぁっ……母さんの指輪が……」

 慌てて破片を拾い集め、道具袋にあった小物入れに収める。

「……そいつ、おめぇの凄まじいエネルギーを抑え込むためのリミッターだったんだよ。」

「単刀直入に言う……ルカ、貴様は天使だ。」

「えっ……!?」

 ルカは言葉に詰まり、当惑した。

「僕が天使だなんて、まさか……!」

「いや……正確には、天使と人間のハーフだな。おそらく貴様の母親は天使だったのだろう。それも、相当に上位の天使であるに違いない……通常、下界などには降臨しないクラスのな。」

「か、母さんが……そんな……」

「……」

 ヴィクトリーは目を瞑りながら、二人の話を聞き入る。

 ルカの指輪は力を抑え込むリミッターだったのだ。おそらくルカの母ちゃんが、ルカが普通の人間として暮らせるように託したんだろうな。そう言えばルカの母ちゃんは、流行り病で死んで、死ぬ直前まで指輪を付けてたっけ。

 それも、ルカの母ちゃんはその指輪のおかげで人間体のままだったから……

 要するに、ルカの母ちゃんはすっげえ強い天使だった。その天使の力は、ルカにも受け継がれてる……

「……それにしてもヴィクトリーよ、妙だとは思わんか?」

「ん……?」

 いきなり話を振られ、首を傾げる。

「死者が少なすぎるんだ。」

「えっ……?」

「あ〜……」

 立ち上がり、飛んでイリアスヴィルを一望する。

 確かに、記憶にあった村人の数と死者数が見合ってない。村人全員がぶっ殺されたんなら、それこそ死体の山が出来てたはずだ。

「大人数の人達は、どこに行ったんだ?もしかして、まだ生きてるのか……?」

「捕虜にされたのか……それとも、どこかに避難したのか……しかし、大天使クラスを前にして人間が逃げ切れるものなのか?」

 アリスは腰を下ろし、鼻を鳴らしながら辺りを見る。

「くんくん……転送魔術を使った形跡があるな……それも、室内に多い。多くの村人は、この転送魔術で村外へと運ばれたようだな。ここまで大規模な施術、いったい何者よ仕業だ……?」

「天使達が、みんなを捕虜にしたんじゃないのか?」

「そうかも知れんが、どこか腑に落ちんな……むしろ逆に、何者かが村人達を避難させたのではないか?」

「お〜い!」

 飛んでたヴィクトリーが、降りてくる。

「それとは関係あるかどうか知らねぇけど、エンリカの方に沢山の気が感じるぜ。多分、そこに転送されたんじゃねぇのか?」

「エンリカ……?あの不思議な女性のいた……?」

「ふむ……ヴィクトリーの言う通りらしい。」

 アリスはプッと土を吐き出す。

「つ、土も舐めるのかよ……」

「おそらく天使の襲撃直前、何者かが転送魔術で避難させたのだろう。」

「……って事は、みんなは無事なのか!?」

「いや……」

 ヴィクトリーは、険しい顔をする。

「そのエンリカに、天使と例のキメラモンスターの気が押し寄せてきてるんだ……このままだと不味いんじゃねぇか……?」

 彼の言葉で、二人に緊張が走った。

「なに……!?」

「くっ……!ヴィクトリー、アリス、エンリカに行くぞっ!ガルダッ!来てくれ!」

「くえぇ……!」

 大空から降り立ったガルダの背に乗り、僕達はイリアスヴィルを発つ。目指す先は、同じイリアス大陸にある隠れ里エンリカだ……

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