もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話   作:ジョーカー:ゼノ

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エンリカ防衛戦

 ルカの超パワーと、超サイヤ人の圧倒的なパワーでラナエルを撃破した二人。その後、ルカの母親は相当に上位の天使だということが判明した。

「……それにしてもヴィクトリーよ、妙だとは思わんか?」

「ん……?」

「死者が少なすぎるんだ。」

 アリスの言葉で二人は、はっとして目の前の事を直視した。

 そして、ヴィクトリーが言う……

「エンリカの方に沢山の気が感じるぜ。多分、そこに転送されたんじゃねぇのか?」

 戦士達はそれで、イリアスヴィルの住人はエンリカに転送されたと考える。だが……

「そのエンリカに、天使と例のキメラモンスターの気が押し寄せてきてるんだ……このままだと不味いんじゃねぇか……?」

 ヴィクトリーの言葉で、二人に緊張が走った。

「なに……!?」

「くっ……!ヴィクトリー、アリス、エンリカに行くぞっ!ガルダッ!来てくれ!」

「くえぇ……!」

 大空から降り立ったガルダの背に乗り、戦士達はイリアスヴィルを発つ。そして、エンリカへと飛んだ……

 

「大変だ、エンリカも襲われているぞ!」

「だから言っただろ!」

 地上を見ると、小さなエンリカの集落はキメラモンスターや天使達に包囲されていた。多数の衛兵が迎撃に出て、まだ村の中にまで侵入を許してはいないが……このままでは、突破も時間の問題らしい。

「村の正面と裏門に、敵が集中しているな……アリス、僕とヴィクトリーは正面に行くよ。」

「それでは、裏門は任せておけ!いざとなったらどっちかを呼ばせてもらうぞ!」

「おう!」

 三人はガルダから飛び降り、それぞれ地上へと降り立った。そして、守衛達に加勢しようとする……

「僕も加勢します……えっ!?」

「お、おめぇは……!」

 村を守っていたのは、エルフの戦士だった。

「……人間の加勢!?誰でもいいから、手を貸して!」

「こいつら、何て数なの……このっ!」

 鋭い踏み込みと共に、エルフが舌の化身みたいなキメラモンスターへと剣を振るう。しかしその刃は、肉厚の舌に阻まれてしまった。

「ふふふ……美味しそうなエルフねぇ……」

「な、何を……!」

 舌の魔物は舌を振り上げ、エルフを巻きとろうとした。だが巻き取られる寸前で、彼女の姿が消えた。

「え……?」

「こっちだ。」

 舌のキメラモンスターはヴィクトリーの声で振り向く……そこには、エルフをお姫様だっこした彼が居た。

「大丈夫か?」

「えっ……あっ……あ、ありがとう……」

 そのエルフは顔を赤くしながらヴィクトリーから降りる。

「こいつは俺に任せな。おめぇらは迫り来るザコ共をルカと一緒にやれ!」

「え、えぇ……任せたわ!」

「よし、やるぞ……!」

 ルカとエルフ達がキメラビーストに切りかかっているのを横目に、ヴィクトリーは舌の化身みたいなキメラモンスターと対峙した。

「……ナメクジとかそういう虫を改造して、体中を動物の舌に差し換えたキメラモンスターか……プロメスティンのやつ、趣味悪いな……」

「あははっ……キメラタンって呼んであげて。」

 ヴィクトリーは両手を広げて構え、キメラタンにエネルギー弾を連射した。

「あはっ!」

 キメラタンは飛び上がり、それを避ける。

「そこだぁっ!!」

 そこにヴィクトリーが飛び上がり、キメラタンを地面へと叩き落とした。

「ぐっ!?」

「行くぞ……!」

 ヴィクトリーはそのキメラタンの顔面にパンチを放とうとした。

「はぁっ!」

 キメラタンは、巨大な舌でヴィクトリーのパンチを受け止める……

「……うわっ!?」

 リストバンドが溶けた。なんとあの舌、唾液だけではなく消化液まで出せるらしい。

「ほらほら〜!」

 キメラタンは、猛攻を仕掛けてきた。

「ぐっ!」

 ヴィクトリーはそれを防御しながら後退する。そして、隙を見てキメラタンの顔面をぶん殴った。

「ぎゃあっ……!?」

「はぁあああッ!!」

 ヴィクトリーはヒュバババッと手を動かし、そしてキメラタンに向けた。

「バーニングアタック!!」

「なっ……!!?」

 バーニングアタックが、キメラタンに直撃した。

「そ、そんな……せっかく生まれ変わった肉体が……!」

 彼女はボロボロになり、倒れる。そして、気を失った……

「ふん、口ほどにもねぇ……」

「助太刀に感謝するわ。でも、あなた達は一体……?」

「話は後です!今はとにかく敵を!」

「ええ……あなたのお連れさんが強敵を仕留めてくれたから、形勢は有利ね。弓兵部隊、前へ!」

 エルフの指示で弓兵達が前に立ち、キメラビースト達に矢を放つ。キメラビーストには効き、その大群を後退させたが……

「こんな矢など、我々天使には通じん!」

「くっ……矢をすり抜けるなんて……!」

 やはり、天使達に普通の攻撃は通用しない。

 迎え撃てるのは、エンジェルハイロウを使うルカと、何故か天使に触れるヴィクトリーだけだ。

「それなら、僕達が相手だ!」

「おっしゃオラァッ!!」

 二人は構え、天使兵達の前に躍り出た。

「汚れし勇者と野蛮な猿が出てきたか……みんな、協力して責めるぞ。イリアス様の命令通り、痛みで屈服させてから快楽で嫐り尽くすのだ。」

「そういう訳で、貴様らは我々が相手をする。痛い目を見ぬ内に降参するがいい。」

「て、抵抗は無意味ですよ……早く観念した方が良いのでは……?」

「ふふっ、泣き喚いても許さないわよ。あんた達は、天罰として陵辱の限りを尽くされるんだから……」

 数名の天使兵達が、たちまち二人の周囲を取り巻いた。洗練されたフォーメーションは、そう簡単に打ち破れない。

「だったら、僕がリーダーをやる!ヴィクトリーは他のを頼む!」

「分かった!」

「馬鹿め!人間が私たちに勝てると思うか!」

 天使兵達は一糸乱れぬ動きでホイポイカプセルを投げ、武器を手にした。

「私は鞭で。」

「私は剣で。」

「わ、私は斧で!」

「私は鎌で……」

 それぞれの武器を手に取り、そして一糸乱れぬタイミングで構えた。

「相手をさせてもらいます!」

 四名の声がやかましく重なり……そしてこちらへ突っ込んできた。

「うおぉっ!」

「はあっ!」

 ヴィクトリーはダブルラリアットと頭突きで、天使兵三人をぶっ飛ばす。

 ルカは、鞭を持った天使に切りかかった。

「ぐっ!」

 天使兵は剣を鞭で受け止め、すぐさま反撃に薙ぎ払いを放つ。ルカは髪を掠らせながらも、しゃがんで避けた。

「うぉっ……!」

「うふふ……」

 天使兵は、超高速で鞭を回した。鞭は時折地面に掠り、雑草が天使兵の周囲に舞った。

「はっ!」

 天使兵が複雑に腕を動かすと、舞ってた雑草がスパスパと切れた。

「な……!」

 鞭の先端が、見えない。こいつ……かなりできる……!

「はぁっ!」

 パァンッという破裂音と共に、ルカの顔面に鞭が迫ってきた。

「くっ!」

 それをギリギリで躱し、構える。

「な、何だ今の音……!」

「鞭が音速を超えた音だ。」

「なに……!?」

 天使兵は舞うように鞭を振る。すると、先程の破裂音が何回も響いた。

「鞭が音速を叩く音……素敵だろう?」

「ぐ……!」

 そして鞭は蛇のようにルカに迫った。

「……ふっ!」

 それを堕天舞踏で見切り、何とかかわす。しかし、剣に鞭が巻きついた。

「なっ!?」

「そらっ!」

 ルカの手から剣が離れ、遠く離れた所に投げられてしまった。

「くっ!」

 とっさにガードを固め、天使兵に突っ込んだ。

「無駄だっ!」

 彼女は鞭を回し、ルカを思いっきり鞭打した。

「ッッっ!!?」

 両の腕に走る激痛。そう言えば、鞭というのは攻撃対象が皮膚だったか。だったら、ガードしても無駄そうだ。

「ここは……!」

 ルカは天使兵に手を向け、魔天回帰を放った。

「なにっ……!?」

 天使兵はそれに直撃し、体制を崩した。

「ルカーっ!!」

 ヴィクトリーが、僕を呼ぶ。見てみると、彼はエンジェルハイロウを使って三人に対応していた。

「だだだだっ!!」

 そして一瞬の隙を見て、天使兵三人の顔面に蹴りを入れた。

「おぉっ!」

「受け取れーっ!!」

 そう言って、僕にエンジェルハイロウを投げた。

「サンキュー!」

 そしてそれを受け取り、僕の相手の天使兵の方へ走った。

「な……!?」

「羅刹の顎門、破軍に至りて邪を払う……!!」

 ルカは気を爆発させ、踊るように無数の斬撃を放った。

「ぐぁああああっ!!?」

 天使兵はモロにくらい、その体がバラバラになった。

「そんな……地上の人間に、これほどの力が……」

 そしてその天使兵は、粒子へと消散した。

「よしっ!」

「さぁどうする!?総指揮官はやられちまったぞ!」

 ヴィクトリーの相手をしていた天使兵達は、慌てふためく。

「ど、どうするんだ……ここは、私が総指揮を……!」

「え?まだ続けるんですか……もう、撤退した方が……」

「ちょ、ちょっと……どうするのよ、この状況……」

 天使兵達の連携はみるみる内に崩れていき……

「仕方がない!ここは撤退だ!」

 残る天使兵達は、たちまち逃げ去ってしまった……

「よしっ!」

「天使兵は、これで殲滅したな……」

 残るキメラビーストも、エルフが押し始めてる。

「よし、もうちょっとで押し返せるわ!みんな、あと少しよ……!」

 エルフの一人、味方を鼓舞した次の瞬間……不意に、天から柔らかな光が差し込んだ。

「これは……天使の援軍か……!」

「また大天使って奴か……いやっ……!!」

 天から差し込む荘厳な光……

 そして、降臨してくる聖なる存在……

 女の人面蛇の椅子に座った、天使が舞い降りてきた……

「って何処が聖なる存在だ!!」

「地上の者達を相手に、こうまで手こずるとは……天使兵達にも、後で罰を与えねばなりませんね。」

 人面蛇を従えた天使は、冷たい眼光で二人やエルフ達を見回す。その蛇の一体が、頭をもたげてエルフの一人に襲いかかった。

「くっ!」

「おっと!」

 ルカがその蛇の尻尾を掴み、動きを止めた。

「へぇ……」

 天使はスカウターを起動し、ルカに目を付けた。

「どりゃあっ!!」

 それを横目に、ヴィクトリーが人面蛇の顎に膝蹴りした。人面蛇は、たまらず天使の元に戻る。

「ほう……」

 天使はヴィクトリーにも目を付け、戦闘力を見た。

「なかなかの戦闘力ですね……あなた達が噂に聞く、汚れし勇者と野蛮な猿ですか。」

 天使は指をポキポキと鳴らし、顎杖をつく。

「私は権天使ナガエル、罪人を罰する裁きの天使……この蛇で罪人を嫐り、悔悟の涙を流させるのを役目としています。」

「俺はヴィクトリー!こっちはルカだ!よろしくなっ!」

「僕達も、エルフ達も罪人じゃない!イリアスの都合で罪人にされてたまるか!」

「申し開きはそれだけですか?判決は……三万年の蹂躙刑と定めます。」

 ナガエルは座り込み、ふんぞり返る。

「私の蛇は、罪人の生殖器に性的虐」

「はぁああーっ!!」

 ヴィクトリーは超サイヤ人となり、両手を合わせた。

「!!」

 ナガエルのスカウターが、壊れた。

「かめはめ波ーっ!!」

 ヴィクトリーはそんな彼女の顔面に向け、超かめはめ波を放った。

「ぐっ!?」

 彼女はそれを避け、蛇を差し向けた。

「おらぁっ!!」

 彼は踏ん張り、その蛇にヘッドロックを極める。

「なにっ!?」

「権天使……天使九階級に於ける第七階級。国家や指導層を守護し、国家権力のような主権を行使する天使って聞いてるぜ……」

「く、詳しいのですね……だがっ!」

 ナガエルはヴィクトリーに手を向け、エネルギー弾を放った。

「はぁっ!」

 ルカが横入りして、それを剣で弾き飛ばす。

「よっ!」

 ヴィクトリーは女蛇のヘッドロックを解き、顔面をぶん殴ってぶっ飛ばした。

「く……!」

「行くぞヴィクトリーっ!」

「おおっ!」

 ルカは魔天回帰を、ヴィクトリーはバーニングアタックを放った。

「くっ……がぁっ!!」

 ナガエルはそれをエネルギー波で相殺し、二人に猛攻を仕掛けた。

「はぁあああっ!!」

「あだだだだぁ!!」

「てゃあああっ!!」

 目にも留まらぬ攻防が繰り広げられ、辺りに気の嵐が舞う。

「だだだだだだだっ!!」

「てゃだだだだだだぁっ!!」

 すると、形勢が傾いてきた。二人が押し始めたのだ。

「お……押され……!?」

「だぁあああっ!!」

 ナガエルの頬が、ヴィクトリーに打ち抜かれた。

「ぶっ!?」

「かぁっ!!」

 そして胸を斬られ、彼女は後退する。

「やぁあっ!」

「うぉおっ!」

 二人の両足蹴りが、顔面を打ち抜いた。

「がはぁっ……!!」

「決めちまえっ!ルカーっ!」

「ああ……!!」

 ルカは両手にエネルギーを溜め……

「明けの明星ーーーッッ!!」

 そして、巨大なエネルギー波を放った。

「そんな、まさか……私が罪人に倒されるなど、あってはならないのに……」

 その凄まじいエネルギー波は、見事ナガエルに直撃した。彼女は粒子へと消散する。

「よし、何とか天使の援軍もぶっ倒したぞ!」

「あぁ、これで何とかなるはずだ!」

 天使を倒し、キメラビースト達もエルフ達によって総崩れ。これでなんとか、押し切れるはず……

「何よ、天使もやられたの……?プロメスティン様のおっしゃる通り、あの連中は頼りにならないわねぇ……」

「なっ……!」

「お、お前は……!」

 崩れつつあったキメラビースト横陣を押し分け、進み出た巨大妖魔。そいつは忘れもしない、魔王城で出会ったネクスト・ドールとかいうやつの一人……

「ら、ラプンツェル……!」

「あら、野蛮な猿じゃない。名前を覚えていてくれるなんて、光栄だわぁ……汚れし勇者も一緒なのね……」

 ラプンツェルは二人をジロジロ見てから、舌なめずりする。

「あははっ……あたし、あんた達を犯してみたかったのよ。しかも、みんなの見てる前でなんて最高じゃない……たっぷり交尾しましょう、さあ私を孕ませてよぉ……」

「ぐっ……!」

「連戦かよ……!」

 相手の力量は、四天王を上回る程だ。超サイヤ人になれるから、やられる事はまず無いと踏んでるが……

「……僕は、援護に回る。」

「分かった……」

 二人は構え、ラプンツェルと相対した……その時だった。

「……お待ちなさい。」

 この場に現れた人影が、二人とラプンツェルの間に割って入る。

 彼女はミカエラ……以前、この村で会った不思議な女性だった。

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