もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話 作:ジョーカー:ゼノ
ハピネス村のはずれ……
ハーピーが少年を守りながら、キメラモンスター二体が戦っていた。しかも、ハーピーが押されてる……
「おい、あれ!」
「ああ、行くぞ!」
「ああもう!余を置いていくな!」
ルカとヴィクトリーとアリスはガルダから飛び降り、キメラモンスターに奇襲した。
「雷鳴突き!」
「だりゃあっ!!」
二人は、キメラモンスター達の一体ずつに一撃した。
「っ!?」
「ぐぉっ!?」
キメラモンスター二体はぶっ飛び、ハーピーから離れてしまう。
「ハピネス村の人達にも、ハーピーにも手は出させない!」
「来いキメラ共!俺たちがぶっ飛ばしてやる!」
「へぇ……」
「ふっふっふ……」
ルカとヴィクトリーは背中を合わせ、キメラモンスター二体と対峙する。
「そう言えば……精霊の力を使う勇者がいるって聞いたわねぇ。でも私だって、普通のモンスターじゃないわよ。」
ルカと対峙してるのは、デュラハン型のモンスター……その頭部の髪の毛が、蛇で形成された異形のキメラ。
「あははっ!また男が来たわ!今度は、もっと美味しそうじゃない!」
ヴィクトリーと対峙してるのは、鳥籠のようなものに女の上半身と羽と触手が生えたキメラモンスターだ。
「メデューサとデュラハンの能力を併せ持った、新種の妖魔……この体の素晴らしさ、見せてあげるわ……!」
「うふふふ……君もこの鳥籠に閉じ込めて飼ってあげる……」
「キメラデュラハンとキメラプリズンか……」
「おっしゃあ、やってやるか……!」
そして、戦いが始まった。ルカは気を全解放し、ヴィクトリーは超サイヤ人となった。
「だだぁっ!!」
「はぁっ!」
二人はそれぞれとぶつかり合い、攻防を繰り広げた。
キメラプリズンは、ヴィクトリーに触手を振り下ろしてくる。だが彼はそれを蹴り上げで受け止め、その体を気合砲でぶっ飛ばした。
「きゃあっ!」
「ひゃっほー!」
そして飛び、彼女の顔面にパンチを連打した。
ヴィクトリーは早速、持ち前のパワーで自分の優位に立ったのだった。
「でぇあっ!」
「ふんっ!」
キメラデュラハンとルカも攻防を繰り広げていた。しかし、その戦況は良いものでは無さそうだ。
「ほらほらほらほら!勇者!その程度なの!?」
キメラデュラハンの、隙の無いラッシュ。それで、ルカは防戦一方になってしまう。
「く、くそ……!アリスっ!!炎だっ!!」
仕方なく、アリスに合図を送る。
「おうっ!」
ここで、キメラデュラハンの背後からアリスが登場した。
「うぉおおっ!!」
アリスは気を全解放し、元の姿に戻った。
「アリスっ!?」
キメラプリズンの攻撃をかわしてから一撃を放ちながら、ヴィクトリーはアリスの方を見た。
そう言えば、アリスはちょっとの時間だけなら元に戻れるんだったか……!
「くらえっ!!」
アリスは魔力を込め、指をクンッと上げた。すると、キメラデュラハンの足元から煉獄の炎が渦巻いた。
「きゃあああっ!!?」
キメラデュラハンはそれに直撃し、大ダメージを受ける。
「むむぅ……」
アリスはすぐに小さくなってしまい、またそこら辺に隠れる。
「はぁっ!!」
ルカは、よろめくキメラデュラハンの顔面に両足蹴りでぶっ飛ばした。
「ぶぐっ!?」
頭部がぶっ飛ぶが、胴体がそれを受け止める。そして、その頭をこちらに向けた。
「あはっ!」
「ぐっ!」
キメラデュラハンの目が怪しく光るが、ルカは何とかそれを回避する。
「がぁあっ!!」
そして、スライディングして彼女の体をすっ転ばせた。
「きゃ……!」
「これで終わるか……!」
彼はその足を掴み、彼女の体をキメラプリズンの方へぶん投げた。
「おらぁっ!」
ヴィクトリーはそれを確認してから、キメラプリズンの顎をストレートで一閃する。
「か……!?」
頭だけは辛うじて人の形をしているキメラプリズン。顎を打たれれば脳震盪を起こすという、人体の方程式に逆らうことは出来ず、彼女はよろめいた。
「おっしゃカモンっ!!」
その隙にその檻を無理矢理広げ、キメラデュラハンの体をその檻の中に入れた。
「ぐっ!」
キメラデュラハンの残った頭が、ルカに食らいくいてくる。
「おらぁっ!はぁっ!」
しかし彼はそれを剣で切り落とし、サッカーボールのように蹴っ飛ばした。
「あいよっ!」
ヴィクトリーがその頭を掴み、やはりキメラプリズンの中にダンクシュートした。
「おっしゃ行くぜっ!!」
そしてキメラプリズンの檻を無理矢理元に戻し、回し蹴りをして猛回転させた。
「ーーーーッッ!!?」
「な、何これ……!!?」
「決めるぞ、ヴィクトリーっ!」
「おおっ!!」
ルカは九重の羅刹で、ヴィクトリーは超龍撃拳で、キメラモンスター達を乱打した。猛回転する檻の中にいるキメラデュラハンは、全身に攻撃が叩き込まれた。
「きゃああああっ!!!」
「そ、そんな……!!」
そして回転が止み、キメラデュラハンは封印された。だがキメラプリズンが、戦士達を睨みつける。
「く、くそ……!私の体を、オモチャのように……!」
「げっ……あいつ、まだ生きてやがる……!」
「それなら、トドメを刺すまでだ!」
戦士達は構え、キメラプリズンと対峙した……その時だった。
「待ちなさい戦士達よ!ここは私が預かりましょう!」
クィーンハーピーが、疾風と共に現れた。その場に突風が吹き荒れ、キメラプリズンの体をじりじりと押し流す。
「くっ……この程度で、私をどうにか出来るとでも……」
「あなたこそ、ハーピーの女王をこの程度だと思いますか?」
クィーンハーピーは、空を切るように翼を振り下ろす。すると、激しい嵐は風の刃と化した。
「ぐ……あぁあーーーっ!!」
四方のどこにも逃げ場のない風刃の嵐。全身をナマス切りにされて、キメラプリズンは倒れた。
「す、すごい……」
これが、同胞に仇なす者を容赦なく葬る女王の姿。かつて僕達と戦った時には、見せなかった力なのだ……
「クィーン……あんた……」
「約束を違えてしまいましたね……強き武道家。」
「……こんな状況だし、仕方ねぇさ……それより……」
「ええ……!こそこそ隠れていないで、出てきなさい!こちらの主力をここに引き付け、村を襲う気なのでしょう……!?」
クィーンハーピーが一喝すると、木々の間からキメラモンスターが出てくる。やはり、イリアスの魔の手はここにも来ていたのだ……
「なんて数だ……僕も加勢します!」
「いいえ、ここは私に任せてください。村にはすでに天使が侵入し、悪逆を働いているのです。」
「ああ……あんたらは天使に触れないんだったな……だけど、俺とルカなら触れる!」
「あなたも、天使に触れるのですか……?つくづく、不思議な人……」
クィーンハーピーは、きょとんとした表情を浮かべる。だけど、すぐに真剣になった。
「おっしゃあ、村の中は俺たちが行く!」
「で、でも……」
この場にハーピー達を残していってもいいのだろうか……
「ご心配は無用、我らは決して無力ではありません!皆の者、鳳翼の陣を!」
「はいっ!」
クィーンハーピーの指揮で、ハーピー達は見慣れない扇陣を組んだ。そして、一斉に矢を
「火矢、撃て!」
そして、一斉に火矢が放たれる。それと同時に、ハーピー達は突風を巻き起こした。
「うおっ!」
「うわっ……!」
扇状の配置から巻き起こされた風は、巧みに敵集団へと収束していく。その風に乗り、勢いを増して降り注ぐ矢の雨。更に火矢によって引火した炎が、突風で煽られ尋常ではない威力を発揮する。敵の群れに向かって収束していく嵐に、矢と炎が伴っているのだ……
「鳳翼の陣……先代クィーンハーピーが編み出した、鳥妖特有の戦陣だ。」
アリスはその光景を見て、そう言う。
「知ってんのかアリス?」
「ああ……その威力は凄まじく、前女王の率いる軍は常勝を誇ったという……」
「第二波、斉放!」
更に火矢が放たれ、突風に乗って流れ狂う。乱気流で満足に動けないキメラビースト達は、矢と炎の猛威に晒された。
「す、すげぇ……!」
「お願いします、勇者ルカ、武道家ヴィクトリー!ここは私たちに任せて、村の天使を駆除して下さい!」
「分かりました、任せてください!」
この場は、ハーピー達に任せても大丈夫だ。僕達は踵を返し、村の中へと駆け込んだのだった……
「……おめぇたちが制圧軍のボスか……」
村の大通りに居たのは、二人の天使だった。見たところ、穏やかで柔和そうな普通の天使達。
「……よく来ましたね、汚れし勇者と野蛮な猿……」
「私達が、相手しましょうか。」
そう言って二人の天使はホイポイカプセルを投げ、盾と矛を出し、それを装備して構えた。
「よし、行くぞ!」
「おうっ!」
ルカは天使の力を、ヴィクトリーは超サイヤ人となり二体の天使に突っ込んだ。
「はぁっ!」
「ふんっ!」
一体はルカと刃を交え、一体はヴィクトリーの拳を盾で受け止める。
「ちぃっ!」
「てやぁっ!」
矛先を避けるルカ、天使にぶん殴りかかるヴィクトリー……その遠くからふと、天から柔らかな光が差してきた。
「……」
スカウターを付けた、金髪の天使……装備しているのは、盾と剣。
彼女は着地し、戦士達に歩み寄ってきた。
「あいつが親玉みてぇだな……!」
「あぁ……!」
二人はそいつに向き直り、その天使に突っ込んだ。
「……」
しかし天使の凄まじい薙ぎ払いが、二人をぶっ飛ばした。
「ぐぁっ……!?」
「ぎゃっ!!」
二人はぶっ飛ぶが、何とか体制を整える。
「くっ……!」
「こ、こりゃあ……他の奴らとは別モンみてぇだぜ……」
天使達は剣の天使を真ん中にして並び、不敵に笑う。
「うふふ……私達はトリニティ……」
「魔姦の罪を犯した者達を極めるのが、我々の役目なのです。」
「あなたも、屈服させた後は快楽の十字架で清めて差し上げましょう。その後に、ここの村人全員を昇天させます……」
「そんな事……絶対にさせない!」
「おめぇらをぶっ飛ばす!!覚悟しろ!!」
トリニティの二体が気を解放し、矛を構えて突進してきた。
「どりゃぁっ!!」
その矛先を、ヴィクトリーが掴んだ。
「俺はこいつらをやる!おめぇはそいつを!」
「ああ!」
ルカは剣を構え、トリニティのリーダーに向かった。
「がぁあっ!!」
「むんっ!」
剣と剣がぶつかり合い、火花を散らす。
「ふんっ!だぁっ!そりゃっ!だぁっ!」
「はぁっ!せいっ!そこっ!そぉいっ!」
ギィン、ギィン、と刃がぶつかり合う。振るう剣が線を描き、ぶつかり合う度に閃光と共に火花が散る。しばらくそうして攻防を続けた後に、二人は距離をとった。
「魔天回帰!」
ルカはトリニティに手を向け、魔力を凝縮させ、それを放った。
「ふっ!」
しかしトリニティはそれを盾で防ぎ、剣を薙ぎ払った。薙ぎ払った剣から、斬撃が飛んでくる。
「うわっ!?」
ルカは髪を掠らせながらそれを避け、斬撃の行方を追う。それはそこら辺の木をすり抜け、一秒遅れて、綺麗に切り倒した。切断面も、まるでレーザーに斬られたかのように綺麗だ。
「なっ……!」
「集まりなさいっ!トリニティ!」
トリニティのリーダーが合図し、取り巻きの二人が彼女に集まった。
「ちょっ!待てやっ!」
ヴィクトリーも彼女らを追うように、ルカの横につき、構える。
「く、来るぞ……!」
「わ、分かってる……!」
「トリニティファングッ!!」
トリニティ達は気を解放し、光を纏いながら矛を構え、突撃してきた。
「ぐっ!」
「ちぃっ!」
二人はそれを、ギリギリで躱す。
「はぁああーっ!!」
間髪入れずにトリニティのリーダーが、気を解放してヴィクトリーに切りかかってきた。
「ッ!!」
顔面に斬撃がクリーンヒットする……かに思われたが、彼はその斬撃を歯で噛み殺した。ガキンと、刃に歯がしっかりと食い込む。
「なに……!!?」
「ぎぃいっ!!」
そのまま頭を振り回し、狼狽える彼女から剣を取り上げた。
「なっ……!?」
「ふっ!」
その剣を持ち、忍者のように構えた。
「……へぇ……!」
「あ、あいつ……剣技を……!?」
二人のトリニティに対応しながら、ルカはそう漏らした。そう言えば彼は、「一応剣技の心得はある」みたいな事をエンリカのエルフに話していた気がする。
トリニティのリーダーはと言うと、ホイポイカプセルから剣を出し、また構えた。武器の破壊や強奪は、意味が無いようだ。
「来なさいっ!」
「がぁあっ!シャイニングスラッシュ!!」
ヴィクトリーは剣に気を込めて、唐竹割りを放った。
「きゃ……!」
彼女はそれをまともにくらい、ぶっ飛ぶ。
「はぁあっ!!」
更にシャイニングスラッシュでぶっ飛んだ彼女に追いつき、何度も斬撃を連打した。
「くっ……!」
「ルカの真似……!!」
そして、その顔面に両足蹴りを叩き込んで、ぶっ飛ばした。
「ぐっはぁあ……!!」
彼女は、何とかダウンする寸前で体制を整える。
「トリニティ、集まれっ!」
そしてまたトリニティを集合させた。
「今度は何だ……!?」
「こ、こいつは……!」
リーダーが剣を掲げ、二人がその剣先に合わせるように矛を向けていた。そして、高密度のエネルギーボールが剣先に現れた。
「ちっ……!!」
ヴィクトリーは剣を腰に携え、走る。
「くらえ、トリニティバスターっ!!」
そんな彼に、凄まじい威力のエネルギーボールが放たれた。
「うぉおおっ!!ブレイブソードスラッシュ!!」
ヴィクトリーは、そのエネルギーボールを一閃し、消し飛ばした。
「な、何だと……!!」
それと同時に、彼の持っていた剣が、砕ける。
「やれーっ!!ルカーっ!!」
「トリニティーーーっ!!!」
ルカが飛び上がり、トリニティのリーダーを、唐竹割りに真っ二つにした。
「がはぁっ……そ、そんな……私達の連携を破る人間など……!」
彼女はそう言い、粒子となった……
「そ、そんな……二人となっては、私達は……!」
「何ということでしょう、撤退します……!」
残る二体も、この場から逃走してしまった。
「よし……何とかやっつけたな……」
ルカは剣を納め、ようやく息を吐いた。
「おう、これで敵も総崩れになるはずだ。」
ヴィクトリーも超サイヤ人を解き、リラックスした。
「うむ、敵の群れは逃げ去っていくようだ。やはり、親玉が殺されると脆いらしいな。」
アリスも出てきて、二人の横に立つ。
「でも、天使がリーダーとなると厄介だな……俺とルカでしか、太刀打ち出来ねぇんだから……」
「うん……これからも、激しい戦いになりそうだな……」
「ありがとうございました、勇者ルカ、武闘家ヴィクトリー。あなた達のおかげで、なんとか敵を撃退できました。」
「いえいえ、当然のことをしたまでです。」
「それに、クィーン達が頑張ったからでもあるしさ……」
「あまい……」
もらったハピネス蜜を舐め、目を細めているアリス。やっぱこいつは大きくても小さくても変わんねぇな。
「しかし、大変な事態となりましたね。各地に危機が迫り、魔王様までもがこのような姿に……」
「アリス、あんまり壺に顔をつっこむなよ……鼻にまでハチミツがついてるじゃないか。」
「余を子供扱いするでないぞ。」
「あはは……こんな調子で……」
「……ともかく、私達は敵の再来に備えます。今度こそ、あなた方の手をわずらわせたりは致しませんので。」
アリスは壺を置き、クィーンハーピーに向かい直る。
「クィーンハーピーよ、もう一壺もらえるか?」
「こらアリス、意地汚いよ。」
「精神は肉体に引きずられる……この体だと、どうも年相応の言動と思考になってしまうのだ。そういうわけで、もっとハチミツが舐めたいぞ。」
「おめぇはいつだってそうだろ。」
「お前はいつだってそうだろ……」
ルカとヴィクトリーのツッコミが重なり、クィーンハーピーはクスッと笑う。
「……さすが、三人とも大物ですね。私などは、目の前の脅威だけで手一杯ですのに……」
「そんなクィーンに……これ。」
ヴィクトリーは、やはり一枚のカードを手渡した。
「これは……?」
「お守りみたいなものです。絶対に役に立ちますから。」
「……ええ、一応貰っておきましょう。」
クィーンハーピーはそれを受け取り、大事にしまう。
「それじゃあ、僕達はもう行かないと。世界中が大変な事になっていますし……」
「こうなった今、世界を救えるのはあなた達だけでしょう。どうかご武運を……勇者ルカ、武闘家ヴィクトリー、そして魔王様。」
「よ、余は魔王ではない!た、旅のグルメだぞ!」
「遅いよ……」
「おせぇよ……」
「し、失礼……どうかご武運を……偽勇者ルカ、素人武闘家ヴィクトリー、そして旅のグルメ様。」
「僕達の方は、別に言い換えなくていいんだけど……」
「……まぁ、素人っちゃ素人だし、否定はしねぇよ……」
こうして戦士達は、ハピネス村を後にした……
流血表現
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もっとする
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このままでいい
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しなくていい