もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話   作:ジョーカー:ゼノ

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超サイヤ人、超えられる

 ナタリアポートで戦う戦士達。そんな中、戦士達は人魚姫のエルと出会う。エルを大人しくさせて、なんとか説得を試みたが……

「人間は愚か……自分以外の存在を蔑視(べっし)し、徹底的に迫害する。エル……あなたにはそう教えたはずでしょう。」

 そこに現れたのはクィーンマーメイドであり、エルの母親であるローラだった。戦士達は冷徹な態度のローラと対峙した……

「いくぞぉっ!!」

「……」

 ヴィクトリーは気を解放して超サイヤ人になり、ルカは明鏡止水の心を開く。

「それじゃあ……来なさい、グランディーネ……」

 クィーンマーメイドも、水精召喚し、水の力を纏った。ただでさえ凄まじい水魔法にさらに磨きがかかったということか。鬼に金棒、なんてよく言ったものだ。

「だぁあっ!!」

 まずヴィクトリーが飛び込み、回し蹴りを放つ。鋭い回し蹴りは円月を描き、彼女に迫る。

「ふん……」

 しかしそれはガードされ、逆に彼の足が掴まれる。

「わっ!?」

「失せなさい。」

 そのまま、とんでもない怪力でぶん投げられてしまった。

 吹っ飛ぶ彼と入れ替わりになるように、走ってくる影が一つ。

「はぁああっ!!」

 ルカだ。彼はその勢いを維持しながら地面を蹴って跳び上がり、渾身の兜割りを放つ。

「無駄よ……」

 しかし彼女はそれを白刃取りして止め、カウンターに胸に掌底を叩き込んだ。

「がはっ……!!?」

 それはとんでもない威力で、弾丸のように吹っ飛ばされ、民家の壁に叩きつけられてしまった。

「ふん……」

 それを見た彼女は、失笑しながら、手に水魔法を纏いながら彼の元へ近づいていく。

「何処見てんだ……!」

 そこにヴィクトリーが彼女の背後に瞬間移動し、また廻し蹴りを放つ。

「ふっ!」

 彼女はそれをしゃがんで避けると同時に、尾びれで足払いをかけた。

「なっ!?」

 それに引っかかり、体勢を整えようとする彼──

「ふんっ!」

 その腹に肘打ちを叩き込んだ。ぐらついた所に、完璧なタイミングの肘打ち……当たったと、確信していた。

「うぐっ……!!」

 その肘は、彼が間一髪で両手で受け止めていた。

「なにっ!?」

「だああっ!」

 動揺した彼女に、頭突きする。これは、見事にヒットした。

「がっ……!」

「おらおらおらぁっ!!だりゃあっ!!」

 チャンスと言わんばかりに腹にパンチを連打し、顎をアッパーで打ち抜く。そのアッパーした方の腕とは逆の腕に、気を集約させる。

「ぐっ……!!」

「はぁあっ!ファイナルヒートファランクスっ!!」

 トドメに、その拳で、彼女の顔面を打ち抜いた。

「ぐぁあっ……!!」

 直撃した彼女は大きくぶっ飛び、水平に飛んでいく。その先には、ルカが剣を構えていた。

「はぁあああ……!!」

 姿を消してから、クィーンマーメイドに背中を見せるように現れる。

「死剣・乱れ星……」

 時が凍ったかのような一瞬のうちに、ルカは剣を鞘に戻す素振りをする。そうして戻しきった瞬間、時が動き出し、彼女の全身に無数の斬撃が走った。

「きゃああああっ!」

「だぁあっ!!」

 ヴィクトリーが追い打ちに、彼女の顔面に、両足蹴りを叩き込んだ。彼女はぶっ飛んで、壁に叩きつけられる。

「うぉおおっ!!」

「だぁああっ!!」

 二人は、まだ追い打ちしようと、彼女の方へダッシュする。

「……ふっ……」

 しかし、彼女は二人に手を向け、津波を叩きつけてきた。

「ぐぁあっ!」

「うわぁっ!」

 重圧な衝撃でぶっ飛び、押し流されそうになるが、なんとかその場に踏ん張って耐える。そんな最中に彼女の方を見ると……手にエネルギーを溜めながら、掲げられていた。

「激流葬……!!」

 そう言いながら、彼女は手を振り下ろす。その時、上空から凄まじい水撃が二人に叩きつけられた。

「ぐああああっ!」

「ぎゃあああっ!」

 上空からいきなり石床でも降ってきたかのような衝撃。そんなものに直撃しながらも、彼らはなんとかその場に踏みとどまる。

「くそ……!予想以上に強いな……!」

「これも、黒のアリスが変な力を授けたせいなんだろうな……!」

「……」

 話してると、こっちに水撃が飛んでくる。マーメイドも使っていた、水属性のエネルギー弾だ。

「避けろルカっ!」

「言われなくてもっ!」

 それを次々に避け、クィーンマーメイドの方を見る。だが、そこに彼女はいない。

「なっ……!」

 気の察知も出来ない……という事は、気を隠しているのだ。そう思った次の瞬間、ヴィクトリーの足元に水撃が放たれた。

「ぐぁ……!」

 唐突に水しぶきが顔にかかり、思わず目を閉じてしまう。それが、悪かった。

「ふんっ!」

 その水撃の中から彼女の腕が伸びて、彼の首を掴んだのだった。

「ぐっ!?」

「はぁっ!」

 そして、彼を思いっきりルカに投げつけた。

「ぐぁあっ!」

「ぐはぁっ……!」

 二人は重なるようにぶっ飛び、壁に叩きつけられる。

「はぁあっ……!!」

 彼女は、その二人にフルパワーの水撃を放った。

「な……!!」

「ぐぅっ!!」

 二人はそれに直撃し、倒れてしまう。ヴィクトリーの背後にいたルカも、ダイレクトにダメージを負っていたのだ。

「はぁっ……はぁっ……!」

「ちっ……!」

 二人はなんとか起き上がり、構え直す。

「……しぶといのですね……」

「過去のいざこざを今に持ち出して、それで人を襲うおめぇなんかに負けてられっか!」

「へぇ……」

 彼女はヴィクトリーに目をつけ、構える。どうやら、彼の発言にカチンと来たようだ。その眼光の威圧感が増して、とんでもない重圧が彼にのしかかる。

「ぐ……!こぉいっ!!」

 それでも恐怖を振り払い、構えて向き合うヴィクトリー。

「なら、遠慮なく……」

 彼女は高速移動で懐に潜り込み、彼をアッパーでカチ上げた。

「……んぐっ!!?」

 超スピード。反応の間も与えないそれは、ヴィクトリーの捉えられる速度を遥かに凌駕していた。

「ウォーターシェル。」

 彼女は更に、そう言いながら指を鳴らす。すると水の魔力がヴィクトリーを捕らえ、その体を水で包んだ。

「……がばぁっ……!!?」

 な、なんだこれ……動けねぇ……!!?いや、息も出来ねぇっ!水の中っ!?

「ヴィクトリーっ!くそっ!」

 ルカが助け出そうと、走る。しかし、クィーンマーメイドは彼を掌を見せて止めた。

「おっと、動けばこの者を捕らえてる水の檻の水圧を高めます。」

「ぐっ!」

 ルカは剣を構えたまんま、動けなくなってしまった。

「ぐ……ぁああっ!ぐぶっ……!」

 ヴィクトリーは水の中でもがきながら、ルカを見る。

「が……ぐぁあ……!!」

「く、くそ……!!」

「さぁ、剣を置いて降参しなさい。そうすればこの男も、貴方も、生かしておいてあげましょう。まぁ、私達に精液を出すだけの奴隷として……ですがね。」

「ぐ……!!」

「か……かはっ……!」

 息が続かない。意識が朦朧としてきた。

 どうやら、クィーンマーメイドは予想を遥かに超える実力者であり……策略家だ。超サイヤ人も天使のフルパワーも通用しねぇんじゃ、どうしようもねぇ……

 このまま……何も出来ねぇで終わっちまうのか?

 ……そんなの、ゴメンだ……

 ヴィクトリーは、そう思いながら目を閉じる。

「……おや、こちらのは諦めてしまったようですね……」

「そ、そんな……!ヴィクトリーっ!」

 ルカの心が、絶望で満たされた……次の瞬間だった。

「……!!!」

 ヴィクトリーの気が、勢いよく膨れ上がった。爆発のようなそれは、瞬く間に大地を揺るがす程のパワーを波動させる。

「なに……!?」

「ヴィクトリー……!?」

「かぁああああ……!!!」

 彼を捕らえていたウォーターシェルから、スパークが放たれる。

「ぐぅっ!止まりなさいっ!!」

 彼女は拳を握り込み、水圧を最大限にまで高める。しかし、限界を超えようとする彼を押さえるには、明らかに不十分だった。

「うぁああああーーーッッッ!!!!!」

 そしてウォーターシェルが弾け飛び、水飛沫が爆発のように辺りに舞い散った。

「はぁっ……はぁっ……!!」

 ヴィクトリーの髪が更に逆立ち、筋肉も更に圧縮され、体にはスパークが纏わりついてる。ルカ達は、この形態がただの超サイヤ人で無いことを理解せざるを得なかった。

「はぁああああ……!!」

「なっ……!?」

「ど、どういう事です……!!?」

 ヴィクトリーの目が鋭くなり、次の瞬間にはクィーンマーメイドの腹に拳が埋まった。

「……ッッ!!?」

 接近が見えなかった。水の力を解放した彼女ですらも、明鏡止水に達しているルカも、彼を捉える事が出来なかった。

「きゃあああーっ!」

 彼女は凄まじい速さでぶっ飛び、壁に叩きつけられた。壁が粉砕し、その壁が倒壊する時の瓦礫に埋まった。

「そ、そんな……!!?」

「き、貴様……何があった……!?頭も更にツンツンしおって……!」

 驚くルカとアリスの前で、ヴィクトリーは自分の体を確認する。

「……どうやら、瀕死の時にダメもとで思いっきり力を解放したらなっちまったようだな……超サイヤ人2に……!!」

「超サイヤ人……2……!!?」

「ああ、超サイヤ人の限界を超えた超サイヤ人だ!」

 彼の戦闘力は、超サイヤ人の倍以上に膨れ上がっていた。気の上昇と共に、体のスパークも「バチバチ」と音を立てて荒々しくなる。

「よし、反撃開始だ……!」

「く……!!」

 ここでようやく、瓦礫をぶっ飛ばしながらクィーンマーメイドが出てくる。彼女は、まだやる気らしい。

 両者は飛び上がり、消えた。

「はぁあーっ!!」

「くっ!」

 追ってくるヴィクトリーを、思いっきり加速して引き離す。

「くっ……パワーは上でも、スピードは私の方が上です……!一生かかっても、追いつけませ……っ!!?」

 不意にブチ当たる、筋肉の感触。既に彼は彼女の背後に回り込んでいた。

「よう。」

「ば、バカな……!!?そんなバカな……!!人間ごときが、人魚の私を……!!?」

「……降参しろ。過去のしがらみに囚われてるおめぇじゃ、相手にならねぇ。」

「くっ……知った口を……!!」

 彼女がそう言いながら、腕を振り上げたその時だった。

 ヴィクトリーのパンチが顔面を打ち抜き、腹にキックを連打され、胸に正拳突きを叩き込まれてぶっ飛んだ。

「ぐぁあ……っ!!?」

「はぁああっ!!」

 更にそこに追いつき、スレッジハンマーで彼女を叩き落とした。

「きゃぁあーっ!!?」

 彼女が地面に墜落する寸前で瞬間移動して、その顔面をぶん殴る。すると、彼女は水平にぶっ飛んだ。

「だああっ!」

 更にそこへ飛び、腹にパンチした。そこで、猛攻は一旦静止する。

「お……おご……が……!!」

「うぇあぁっ!!」

 悶絶する彼女の顔面へ両足蹴りを叩き込み、上空に打ち上げた。

「がっ……はぁあっ……!!」

「ふんっ!」

 更に彼はぶっ飛ぶ彼女の先に現れ、尾びれを掴む。そして、グルグルとぶん回した。その回転が猛加速し、彼女は未体験すぎる遠心力に晒された。

「〜〜〜ッッ!!」

「だりゃああーっ!!」

 そして、思いっきりぶん投げる。彼はぶん投げた方向に回り込み、彼女を受け止めて顔面にパンチを連打した。

「が……!!」

「うらぁああああっ!!!」

 そして、強烈な蹴りで蹴っ飛ばした。

「ぐうぅっ!!」

「だぁっ!!」

 更に追い討ちに回し蹴りし、ダメージを刻んだ。

「く……くうぅっ!!」

 彼女は止まり、ヴィクトリーを見るが、案の定そこに彼はいない。

「こっちだぁっ!!」

 既に背後に回り込んでおり、彼女を踵落としで地面へと叩きつけた。

「きゃあああーっ!!」

 町の石畳に、「ドゴォンッ」と墜落する。既に彼女の体はボロボロである。そんな彼女の前にヴィクトリーが降り立ち、息を吐いた。

「……やめだ。」

 彼は超サイヤ人を解き、そう言い放つ。

「や、やめ……?いったい、どういう……!」

「生殺与奪。今、おめぇのそれを握ってんのは俺だ……これ以上やっても意味がねぇ……おまけにおめぇのプライドは既にズタズタだ……自分の憎悪を超えるものがないと断じてきたおめぇの前に、それを超えるものがあったんだからな……しかもそいつは、たかが人間の力だった……」

「……」

 クィーンマーメイドは顔を伏せてしまう。

「こっから先は俺が口を出せる事じゃねぇ……ルカ。」

「あ、ああ……」

 ヴィクトリーは下がり、ルカが前に出てきた。

「クィーンマーメイド……もう人間を憎むなとは言わない。だけど、その憎しみを子孫にまで伝えないでほしいんだ。」

「……」

 クィーンマーメイドはただひたすらに顔を伏せるのみ。ルカの説得に応じたのか、それとも……

 不意に、轟音が響いた。

「な、なんだ……!?」

「正面の倉庫が倒壊したようだな。何度も津波に晒されたから、無理もあるまい。」

 アリスは、ルカの横でそう言いながら、倒壊した倉庫を眺める。

「まぁ無人なのが幸い……いや、違うぞ!」

「なにっ!?」

 見ると、樽の中に子供がいた。おそらく、この騒動でとっさに逃げ込んだのだろう。それが、瓦礫に押し潰されてしまってる……

「二人ともっ!」

「あぁ!」

「くそっ!」

 ルカとヴィクトリーとアリスは瓦礫を弾き飛ばし、子供を掘り起こす。

「……」

 しかしその体は痛々しいまでに傷つき、呼吸をしていなかった。胸部に鉄片が刺さり、命が危ない状態だ……

「そ、そんな……!」

「どけっ!」

 ヴィクトリーはルカの横から子供の胸に手を当て、ドンッと気合いを込める。

「ぅ、うぐ……!」

 すると、何とか子供の呼吸が戻った。

「よ、よし……アリス、治療を……!」

「まずいな……肺への損傷が大き過ぎる。今の余の力では、治療は不可能だ……」

「そ、そんな……!」

 子供は不意に体を震わせ、ゴフッと咳をした。口から大量に吐血し、非常に危険な状態だ……

「……」

 アリスはおそるおそる背後を振り返り、クィーンマーメイドを見る。

「クィーンマーメイドよ……今一度、貴様の血でこの町の民を助ける気はないか?」

「……」

 クィーンマーメイドは、冷たい眼光でその光景を見るだけだった。

「そんな気も無いらしいな……」

「その通り……私は人間を憎むといったはず。その子を、私の血で助けるつもりは無いわ……」

「そんな……このままじゃ、この子は……」

「くそったれめ……!!子供を見捨ててまで、人間とは共存したくねぇか!」

「そんな義理はないわ……私には。」

 クィーンマーメイドは、そう言い切った。

「……私には?」

「……そう、私には……しかしその選択は、下の世代に委ねるべきかもしれないわね……」

「え……?」

 彼女はふと、物陰に視線をやった。

「エル、見ているのでしょう?」

「う、うん……」

 その物陰からおずおずと顔を出す、人魚姫のエル。どうやら、ずっとこっちの様子を見ていたようだ。

「どうすべきか決めるのはあなたよ。あなたのしたいようになさい……」

「うん、それじゃあ……」

 エルは爪で指先を傷つけ、血を滴らせた。そして、その指を子供の口に含ませる……

「ん……んん……」

 子供は微かに呻き声を漏らし、軽く何度か咳込んだ。その咳に血は混じらず、徐々に呼吸も落ち着いてくる。

「よし、こいつも抜いちまうぞ。エル、そのまんまな。」

「うん……」

 ヴィクトリーは鉄片を引っこ抜き、投げ捨てる。子供は微かに呻いたが、その傷はみるみるうちに塞がった。人魚姫の血は、瀕死の重症をもたちまち癒してしまったのだ……

「おかあさん、ごめんなさい……」

 エルはクィーンマーメイドに抱きつく。

「……」

 クィーンマーメイドは右腕を差し出し……そして、優しくエルの頭を撫でた。

「帰るわよ、エル……それに、皆も……」

 そして……彼女は俺達に一瞥もせず、海へと飛び込んだ。

「……」

 エルも、チラチラとこっちを見たあと、母の後を追って海へと飛び込む。こうして人魚の親子は海へと帰っていった……

 

「他の人魚達も、みんな海に戻っていくみたいだね。クィーンマーメイド……分かってくれたのかな……」

 そう言うルカは、遠い目で海を見つめていた。

「俺はあいつの事は嫌いだけど……多分、次の世代に任せる事にしたんだろうよ。そうであってほしいな。」

 横にいるヴィクトリーも、そう言いながら同じ目をしている。

「愛する者を人間のせいで失った、しかし愛した者も人間……その矛盾に最も悩んでいたのは、クィーンマーメイド本人なのだろう。」

 アリスも、彼らと同じく海を見つめていた。しかし彼女は魔王という立場上、彼女らと向き合わねばならない。なので、その目は真剣なものだった。

「エルの心を動かしたのは、ルカだろうな。クィーンマーメイドにこそは届かなかったけど……エルの心には届いたと思うぜ。」

「そうだね……きっと……この町の人々は、人魚とも、他の魔物とも共存できるよ。」

 町は勝利の歓喜に溢れる。しかし水浸しで、復興は大変そうだ。

「……さあ行くぞ、ルカ。まだまだ、他の町は天界軍の暴虐に晒されている。それに、四精霊の力も取り戻さんとな……」

「その前に、メイアさんに挨拶でも……」

「ああ、してこようぜ。俺らがいつ死ぬかも分かんねぇしさ。」

「縁起でも無いことを言うなよ……」

 とりあえずナタリアポートを発つ前に、メイアさんの所へ挨拶に行くことにした。

 

「あの時は助けて下さり、ありがとうございました。勇者様達がいらっしゃらなかったら、私達はどうなっていたか……」

「ありがとう、お兄ちゃん達!」

 メイア夫婦は、揃って俺達に頭を下げる。

「いえいえ、この町の人魚達の奮闘あっての事ですよ。メイアさん達も、よく頑張りましたね。」

「ナタリアポートの防衛は、しばらく人魚達に任せて問題なさそうだな。向こうも、再び襲撃の準備を整えるのには時間が掛かるだろう。」

 メイアは小さくなったアリスに目をつけ、微笑んだ。

「あらあら、お連れの方をこんなに小さくしちゃって。やっぱり、ちっちゃい方が可愛いですものね……」

「いやいや、僕がやったんじゃありません!よこしまな目的でもないです!」

「そんなメイアさんに、これを。」

 ヴィクトリーは例の如く、カードを差し出す。

「はて、これは……?」

「きらきらしてるカードだなー」

「絶対に役に立ちますから、大事にしておいて下さい。」

「はい、武道家様がそう仰るのなら……」

 メイアはそれを大事にしまった……

 ……そのカード配り、なんなんだ?

「よし、ナタリアポートでやる事もない筈だ。次に行くぞ!」

「おおっ!」

 戦士達はガルダに乗り、ナタリアポートを発つ。

 さて、次の目的地は……

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