もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話 作:ジョーカー:ゼノ
「……ん、何だ?」
「気が……消えた……?」
一行がガルダに乗って大空を駆けていると、ふとそんな感じがした。そして眼下には、あのクロムの騒動で一悶着したお化け屋敷……
「あの屋敷、何かいるぞ……何だか、とっても嫌な感じだ……」
「まぁたクロムが変な事してんじゃねぇだろうな〜……」
二人は怪訝な顔をして並び、お化け屋敷を見下ろす。相変わらず不気味な外観だ、なんて感想が一致した。
「知らん、このまま行くぞ。」
アリスは、そんな二人にきっぱりとそう言う。
「放置できるわけないだろ。もしかしたら、避難した人が襲われてるかもしれないし……」
「余はお腹が痛い。食べ過ぎかもしれん……」
「食いすぎは認めっけど、おめぇは単に怖ぇだけだろ。」
どうあれ、放っておいてもモヤモヤするだけだ。ここは、真偽を確かめねば。
「じゃあ、このまま行ってみよう。ガルダ、降りてくれ。」
「ドアホめ……女心が分からん貴様らはドアホだ、ドアホ……」
ぶつぶつ言うアリスを尻目に、高度を下げるガルダ。こうして戦士達は、またこのお化け屋敷に殴り込みを掛けたのだった……
「相変わらず、不気味な屋敷だな……」
「ああ……」
独特な古ぼけた感じと、鼻につく黴の匂い。アリスでなくても、あんまり踏み込みたくねぇ場所だ……
「さっき確かに、嫌な気配がしたんだ。たぶん、ここで生命が失われたんだよ……」
「ああ、俺も気が消えたのを感じた……」
「あの距離から、生命の消失を感じたのか……貴様らの感知能力も、だんだん化け物じみていくな……」
そう言いながら、アリスはぴったりとルカについていた。そんなに怖ぇなら、ガルダで待ってりゃいいのに……
「ん、ありゃあ……?」
階段の側に転がっていたのは……カラカラに干涸らびた、骨と皮だけの屍だった。しかも、三体も。三人の男が、ここで搾り殺されたって事らしい。
「ゆ、幽霊の仕業か……!?」
「幽霊かは知らないけど、何かいるのは間違いないみたいだな。注意して進まないと……」
「……」
アリスは、遂に身を屈めてうずくまってしまった。
「おいおい……」
「ほら、先に進もうな……」
ルカとヴィクトリーは震えるアリスを抱えながら先に進む。こんな状態で、戦闘ができるのか……?
そう危惧していた所に、魔物が現れた。
「なっ……!?」
「魔物かっ!?」
女の影のようなモンスターが、戦士達の前に立ちはだかったのだ。
天使ではない……じゃあ、キメラモンスターか……?
「こいつは……影に魔素が宿ったモンスターだな。ふぅ、幽霊とは違ったか……」
「影に……魔素が……!?」
「……」
僕は思うのだが、アリスの言う怖い幽霊って何なんだろう……
「しかし油断するな!自然発生するような魔物ではない!おそらく、人為的に生み出されたものだ!」
「こいつも、プロメスティンの作品か……?シャドー娘って所か……」
「とにかく、やるしかない!」
「……」
シャドー娘の髪が鋭利になり、ルカに迫った。
「くっ!」
彼は間一髪それを避け、身構えた。そうして、目を鋭くして彼女を睨めつける。
「なるほど、指名は僕か……!」
ルカは両手を向けて、エネルギー弾を放った。彼女は飛び上がり、それを避ける。
「そこだぁあーーーっ!!」
それと同時に彼も飛び上がり、兜割りする。それで、彼女は唐竹割りにされてしまった。
「……!」
「はぁあーーーっ!!」
そしてズバズバと切り刻み、エネルギー波で消し飛ばした。彼女は封印されて、暗闇に溶けていった……
「……ふぅ……行くぞヴィクトリー。」
「いや、待ってくれ。」
ヴィクトリーはルカの手を掴み、止める。
「アリスがどっか行った。」
「えぇ……」
見ると、本当にアリスがいない。どうせ、そこらの隅っこで縮こまってると思うが……
「しょうがないなぁ……屋敷を調べるぞ。」
「おう。」
この屋敷にいるのが、さっきの影モンスターだけとは思えない。二人は警戒しながら、階段を上がったのだった……
そして、以前ゾンビと戦った部屋。魔物など、怪しい影はいっさい見られないが……
「なんだこれ、嫌な感じだな……」
「こんな絵、あったっけなぁ……」
壁に掛かった、女性の絵画。そこからは、嫌な気が漂っていた。まるで、多くの人間の魂を吸ったような……
次の瞬間、女性の目が光り、怪しい気を放ってからヴィクトリーに襲いかかった。
「くそっ!」
ヴィクトリーは強襲してきた
「え……!」
「ふっ!」
そして、凄まじいエネルギー波で吹っ飛ばしてしまった。それは壁を突き破り、遥か彼方まで吹っ飛ばしてしまった……
「やれやれ……いったいどうなっているんだ……?」
「ちくしょう、咄嗟に対応したから無駄に派手な技使っちまったな……」
そう呟いた時だった。
「ひぁぁぁぁぁ……」
何だか、弱々しいアリスの声が聞こえてきた。
「おい、確かここって地下室があるんだったな……」
「まったく、世話が焼けるやつだな……」
流石に、放っておく訳にもいかない。二人は階段を降り、地下室へと向かったのだった……
「くくく……逃げ惑うがいい……儂をこけにした罰じゃ……」
「ひぁぁぁぁ……ひぃぃぃぃ……」
幽霊に追いかけ回され、涙目で逃げ惑うアリス。そして、その幽霊をけしかけているのは……なんと、ネクロマンサーのクロムだった。
「クロム……!まだこの屋敷に居たのか!」
「まぁ〜たおめぇか……懲りねぇやつだなぁ……」
「くくく、この儂がそう簡単に研究を諦めると思ったか!今度こそ、儂の新しい技術でけちょんけちょんのこてんぱんにしてくれる!」
クロムはそう言いながら、パチィンッと指を鳴らした。
「ユー!レイ!行くぞ!あの勇者共を、お前達の淫技で嫐ってやるのじゃ!」
「あはは、いっくよ〜!」
「うらめしや……」
二体の幽霊が、クロムの左右へと現れる。それも、ただのゴーストでも無さそうだ。これも、クロムの研究で生み出した魔物なのだろうか。
「……仕方ない、やるしかないか!」
「ったく、こんな所でリベンジマッチかよ……!」
二人は、気を解放した。ルカは天使の力を、ヴィクトリーは超サイヤ人になって構える。
「うぉおおっ!」
「がぁあっ!!」
二人は、クロムへ駆け寄った。しかし、ユーとレイが正面から迫り、彼らを阻もうとする。
「邪魔だぁっ!!」
ここでヴィクトリーが超サイヤ人2になり、二体の幽霊をぶっ飛ばした。
「んぐぅっ!?」
「きゃあっ!」
「おめぇらの相手は俺だ!」
彼はそう言い、幽霊二体に向き合う。そのまま激突し、激しい攻防を繰り広げた。二対一だというのに、ほぼ互角の戦いだ。あの二体は、彼に任せても問題は無いだろう。
「ぬ、ぬぬぅ……こうまで簡単にユーとレイを封じられるとは……」
「何処を見ているクロム……お前の相手は、僕だ!」
ルカは剣を構え、クロムに切りかかる。
「ふんっ!」
彼女はその刃を白刃取りし、受け止める。
「なにっ!?」
「あの時の儂だと思ったら大間違いじゃぞ……!」
その状態のまま、ルカの腹に前蹴りを放った。見た目は幼女の体なのに、とんでもない威力だった。
「ぐぅっ!」
ルカは引き下がり、腹を押さえる。
なるほど、確かにあの時のクロムでは無さそうだ。油断はできない……!
「はぁあああっ!」
ルカは手を向け、魔力を圧縮させたエネルギー弾を放つ。
「よっと!」
クロムはそれを飛び避け、回し蹴りを放ってくる。しかし、彼はそれを腕で止めてみせた。そうしてから、すかさず反撃に剣を振るう。
「ほう!」
それを一回転して避け、着地するクロム。
「く……!」
ルカはそんな彼女に、エネルギー波を放った。
「がぁっ!」
彼女はそのエネルギー波を、腕を振って弾き飛ばす。そうしてから、両手でエネルギーを溜める体制に入った。
「ほれっ!儂からもいいものをやるぞっ!」
そう言ってから、そのエネルギーを撃ち放ってきた。
「ぐっ!」
彼はそれを剣で切り弾いてからふりかぶり、彼女に剣を投げつけた。
「よっと!」
しかし、それはひょいと避けられる。剣は虚しく、彼女の背後の壁に突き刺さった。
その剣を見て、彼女は不敵に笑いながら、ゆっくりと彼の方へ向く。
「ふん、剣が無くなったお主など……なっ!?」
見ると、剣を手放した彼が、迫ってきてるではないか。拳を構え、全力のダッシュで。
「うぁああっ!!」
そうして拳を振りかぶり、彼女の顔面をぶん殴ったのだった。
「だぁっ!!」
更に腹にパンチを連打し、顎にアッパー、そして顔面に両足蹴りを叩き込んで、彼女をダウンさせた。そうして彼女がダウンしてる隙に、剣を取り戻した。
「うぐ……なるほど、進化してるのは儂だけではないということか……」
彼女はそう言いながら、首を鳴らして立ち上がる。そしてゆらぁっと揺れてから、しっかりと構えた。
「はぁっ!」
「はぁあっ!」
二人はぶつかり合い、激しい攻防を繰り広げた。
「がぁっ!」
ルカの剣の一撃を避け、背後に回るクロム。
「ほれっ!」
そして彼の背を蹴り上げた。直撃した彼は、回転しながら吹っ飛ばされる。
「ぐっ!」
しかし空中に留まり、構ながら彼女の方へ向き直す。
「くくく……ネクロバニッシャーっ!!」
彼女はそんな彼に掌を向け、エネルギー波を放ってきた。猛スピードで迫るそれは、すぐに彼の眼前に来る。
「ふんっ!」
しかし、そんな至近距離の確認からでも、彼は避けてみせた
それを見た彼女は「面白い」とだけ呟き、ネクロバニッシャーと呼ばれたエネルギー波を連射してきた。
「ほれほれほれほれっ!」
ルカはそれを次々に避け、高速移動で彼女の背後に回り込んだ。
「なにっ!?」
「だぁーっ!!」
強烈な一撃で、彼女をぶっ飛ばした。
「ぐぶっ……!!」
「行くぞっ!」
ぶっ飛ぶ彼女に走って追いつき、両手で剣を構えてから、何度も切りつけた。
「ぐぁっ……!」
「うぉおおおっ!!」
そして、トドメといわんばかりに、顔面に両足蹴りを叩き込んだ。
「ぶぐぉっ!?」
彼女は更にぶっ飛び、壁に叩きつけられた。
「がはっ……!」
「うぉおおおおーっ!!」
そんな彼女に、ダメ押しに、踊るような剣技で、的確にクロムの急所を切り裂くように、斬撃を叩き込んだ。オール急所乱れ斬りである。
「ぐおぉっ!」
「はぁっ……!ど、どうだ!」
クロムは静かに立ち上がり、ルカの背後に回った。
「今の儂がそう簡単にやられると思ったら、大間違いじゃ!」
「なっ……!」
ルカは振り向いて剣を薙ぎ払うが、クロムは既にそこにいなかった。
「こっちじゃ。」
「はっ!」
再び振り向いた瞬間、その胸に掌底が叩きつけられた。彼はぶっ飛び、壁に叩きつけられる。
「く……!」
「はあぁっ!」
クロムはそのまま、エネルギー波を連射した。
「ぐぐぐ……!」
「ほれほれほれほれほれほれほれほれ!そんなものか!」
連射され続けるエネルギー波にたじろぎながら、彼はガードし続ける。
「ぐ……ぐぐ……!ぐぐぐ……!はぁあああーーーっ!!」
しかしそれに耐えかね、両手を広げ、凄まじい爆発波を放って、エネルギー波を消し飛ばした。
「ぬおぉっ!?」
彼は、狼狽える彼女の背後に回り、その背を蹴り上げた。
「ぐぁっ……!!?」
そして飛び上がり、両手に渾身のエネルギーを溜め、彼女の前に突き出した。
「うぉおおっ!!明けの明星ーーーっ!!」
「ぬ、ぬぉおおおお……!!」
クロムに浴びせられる、極大なエネルギー。それは彼女をあっという間に飲み込み、そして爆発した。残った彼女が床に落ちて、ダウンしたのだった……
「……まだやるか?」
ルカはそのクロムに、剣先を突きつけた。
「く……ユー、レイ!」
クロムは指を鳴らし、ユーとレイを呼ぶが……
「無駄だぜ。」
そこそこ苦戦したらしいヴィクトリーが現れ、クロムの横に何かを投げた。それは、頬に拳の痕が浮かんでるユーとレイだった。
「そ、そんな……!」
「それで、まだやんのか?」
ヴィクトリーはルカと並び、クロムに掌を向けた。
「う、うぐ……ぎ、ギブアップじゃ!降参するのじゃ……」
彼女の降参宣言と同時に、ユーとレイも消えてしまう。お化け屋敷でのリベンジマッチで勝ったのは、またしてもルカとヴィクトリーだった……
流血表現
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もっとする
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このままでいい
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しなくていい