もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話   作:ジョーカー:ゼノ

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森と天使と精霊と

「よし、精霊の森に行こう!」

 ルカがシルフの力を取り戻したら、今度はサバサに飛ばなければならねぇ。ナタリアポートもサン・イリアも何とか守れたし、ここでやり残した事もねぇ筈だ。

「確か、たまもの話によると四精霊は元の場所に戻されたんだっけ?」

「ああ、まずはシルフから迎えに行くとしようか……」

 こうして戦士達は、精霊の森へと飛んだ……

 

 精霊の森……

 相変わらず、ここは独特の雰囲気を感じる。世界の危機など、嘘のように思えるが……

「ルカ、気付いたか?」

「ああ、そう遠くない所に天使がいるな……距離までは分からないけど、確かに感じる。」

「ふむ……まぁ当然の話だな。せっかく奪い取った貴様の力、貴様に返したくはないだろう。」

 アリスがそう言ったその時、正面の茂みがざわざわと揺れた。

「出たか……」

「いや……」

 剣を抜こうとするルカを、ヴィクトリーが抑える。出てきたのは、この森に住むエルフだった。

「あっ、あなた達は……!大変よ、天使がこの森にまで……」

 そう言ってエルフは駆け寄ったが……

「きゃあっ!」

 また落とし穴に落ちてしまった。

「今度こそ、天使の攻撃か……!?」

「いや……」

 ヴィクトリーの目線の先、そこには……

「特大おとしあな〜!」

「天使をやっつけた!」

 例の、フェアリーツインズが居た。

「水入れちゃえ〜!」

「泥団子、投げ込んじゃえ〜!」

「きゃあああ〜っ!!」

「……」

「あはは……」

 エルフは妖精達の猛攻を受け、落とし穴の中で悲鳴を上げている。攻撃が止んでようやく、落とし穴をよじ登ってきた……

「あれ、エルフお姉ちゃん……?」

「そんなところで、何してるの……?」

「許さないわよ、あんた達……!」

 エルフは完全にご立腹の様子で、フェアリーツインズを睨んだ。

「逃げろ〜!」

「わ〜!」

 逃げるフェアリー達を追いかけて、エルフは走り去った。

「……」

「……」

「……」

 どうやら、この辺はまだ安全のようだ。しかし、天使がどこかに潜んでいるのは間違いない……

「気を抜くなよ、二人とも……」

「分かってるってぇ……」

「こっちの台詞だ、ドアホめ。」

 最大限の警戒を行いながら、戦士達は森へと踏み込んだのだった……

 

「……なんだ、この匂いは……」

「……」

「おいしそうな匂いがする……」

 歩いてると、何処からか甘ったるい匂いが漂ってきた。正直、そんないい気のする匂いじゃない……

「何だか嫌な感じだな。美味しい匂いに釣られるなよ、二人とも……」

「……甘いのは好きじゃねぇさ。」

「分かっておるわ、馬鹿にするな……」

 ヴィクトリーは真剣な面で、アリスはよだれを垂らしながら答えた。

 アリス……非常に危なっかしいな……

「むっ、あの実はなんだ?」

 彼女は、めざとく不思議な実を発見した。太い木の枝に、大きな実が成っているのだ。見た事もない、不思議な実だが……どうやら、この匂いはこれが原因らしい。

「わぁい、おいしそう……」

「あっ、馬鹿!」

「おい、やめろ!」

 アリスがその実に飛びつき、枝からもごうとした瞬間……不意に実が巨大化し、ぱっくりと口を開けた。

「わぁっ!」

 すんでの所でアリスは飛び退き、丸呑みを逃れる。やはり、モンスターだったらしい。

「あらあら、気付かれましたか。もう少しで、魔王の踊り食いが出来ましたのに……」

 巨大化した実が、爆発的に成長していく。実から大きな花が開き、そして女体部分が露わになった。

「かぁっ……気持ち悪ぃっ……」

「ぐっ……新手の天使か……!」

 あまりにも異様な外見ながら、そいつは聖なるオーラを漂わせていた。どうやら高位の天使は、人間とはかけ離れた姿をしているらしい……

「私は能天使べリエル……ヒトの欲深さを試す天使。この実を食べようとした罪人を、逆に喰らう役目を担っています。勇者も武道家も魔王も、ここで私に捕食される運命。大人しくしていれば、美味しく優しく食べてあげますよ……」

「誰が大人しく食べられるものか!」

「木の実に食われる戦士が何処にいんだ!」

「逆に食い返してやるわ、ドアホめ!」

 三人の態度に、べリエルはムッとする。

「……あくまで、抵抗するのですね。では、苦しみもがくあなた方を踊り食いにすると致しましょう。人間の男」

 ここでヴィクトリーが、超サイヤ人2になる。そうしてから、両手を合わせた。

「かめはめ波っ!!」

 不意打ちのかめはめ波が、べリエルの顔面に直撃した。

「ぐっ……!!?」

「だぁらぁあああーーーっ!!」

 そして拳と足刀を乱打して、最後に頬をぶん殴って岩壁へぶっ飛ばした。ぶっ飛ばされた彼女はそこに叩きつけられ、項垂れてしまう。

「ぐっ……!」

「戦ってんだぜ、御託はいいからとっととかかってこい!」

 彼女は起き上がり、彼の背後に高速移動した。

「では、遠慮なく。」

「!」

 その背中に手を当て、魔力を爆発させた。

「ぐぁ……!!」

 彼はぶっ飛び、彼女がそれを追いかける。そして、追撃に一撃しようとした時だった。

「ふんっ!」

 ルカが急に割って入り、剣でその一撃を受け止め、弾き返した。

「ぐっ!?勇者……!?」

「はぁあっ!!」

 その体に無数の斬撃を叩き込み、引き下がらせる。

「ぐっ……」

「おらぁあああーーーっ!!」

 そこにヴィクトリーが拳を握りながら突っ込み、彼女の顔面を打ち抜いた。

「がっはぁ……!?」

「ふんっ……!」

 ルカは剣を逆手持ちし、剣先に魔力を込める。

「たぁっ!てりゃあっ!」

 そして剣を振り上げ、衝撃波を放った。それも二発。

「くっ!」

 べリエルはそれをエネルギー波で相殺し、更にエネルギー弾を連射してきた。

「あはははは……!」

「ぐっ……!」

「くそ……!」

 二人はそれを全て弾き飛ばし、ヴィクトリーがエネルギー波を放つ。

「ぐっ!」

 彼女はそのエネルギー波を、レシーブして上空へと弾き飛ばす。しかしその陰からルカが飛び出してきた。

「うおぉっ!」

 そして兜割りを放ち、彼女をぶっ飛ばした。

「ぐぁっ!」

「どりゃあっ!」

 吹っ飛んだ方向にヴィクトリーが瞬間移動し、彼女の背中に後ろ蹴りした。その体は、再びルカの方向にぶっ飛ぶ。

「うぉおおっ!!」

 ルカは鉄の剣を抜き、剣身に聖素を込める。そしてエンジェルハイロウと鉄の剣の二刀流で、彼女に無数の斬撃を叩き込んだ!

「か、かはっ……!!」

「くらえ……!!」

 二つの剣の斬撃がクロスし、彼女を切り裂く。それは、爆発的な威力を発揮して、彼女を斜め十文字に切り裂いた。

「そんな……幾多もの罪人を食らってきた、この私が……」

 べリエルは粒子となり、消えた。

「ふぅ……天使にも色んな奴がいるんだな……」

「気持ち悪ぃ奴だったな……天使ってのはイリアスの分身じゃねぇのか?」

「イリアス自身の細胞に、地上の生物の胚でも混ぜたのか……単なる自分の分身では、満足出来なかったようだな。」

 三人は息を吐き、森の先を見る。

「ともかく、シルフは近そうだな。高位の天使が待ち受けてたんだから……」

「あぁ……」

 ヴィクトリーは上空に目をやった。

「……どうやら、間髪も入れさせてくれないようだな……」

「……だな……」

 視線の先から、柔らかな光が差し込んでくる。天より、またもう一体の天使が降臨してきた……蝶の羽を持ち、腹の膨れた天使。その体には……割と説明しづらい器官がうじゃうじゃと……

「我は力天使リヴァエル……転生を司る天使。汚れし勇者ルカ、そして野蛮な猿ヴィクトリー、汝らを浄化せよとの命をイリアス様より授かりました。」

 さっきのと……いや、さっきのよりキモい天使が降臨してきた。それでいながら、そいつからは神聖なオーラを感じた。不気味な天使を前に、戦士達は構えた。

「俺達を浄化だと……?」

「いったい、何をするつもりなんだ……?」

「我に与えられたのは、転生の力……汝の肉体を取り込んで分解し、新たな生命として産み落とします。……ですが、恐れる事はありません。快楽と陶酔を」

「ふんっ!」

 ここでルカが気を解放し、聖素を纏った剣を猛回転させながら投げつけた。

「ーーーーーっっ!!!」

 リヴァエルはそれを避けようとしたが、腕を切り落とされる。

「だぁああーっ!!」

「!!」

 更に彼女の顔面に、ヴィクトリーの両足蹴りが直撃する。その体は、森の木々をなぎ倒しながら、ぶっ飛んで行く。

「どうでもいいけど、おめぇら俺達を相手に油断しすぎなんじゃねぇのか?」

「……」

 切り落とされた彼女の腕が浮き、持ち主の所に飛ぶ。そして血管やら神経やらが伸びてきて、それが接合し、彼女の腕は元通りになった。

「……愚かな人間……今すぐ、屈服させましょう。」

 リヴァエルは両腕を上げ、渾身のエネルギーボールを投げてきた。

「まずいっ!」

「くっ!!」

 二人は飛び上がる。エネルギーボールが爆発し、その場を消し飛ばした。

「ぐ……!」

「な、なんて威力だ……!」

「威力だけではありませんよ。」

 彼女は飛び上がり、その体にエネルギーを纏って二人に体当りしてきた。鞠のような形状の巨体がエネルギーを纏って突進してきたものだから、殆ど轢き飛ばされたに近い。

「ぐぁあっ!?」

「ぐぅっ!」

 二人はぶっ飛び、地面へと墜落する。

「あ、あいつ……なかなかやるな……!」

「あの巨体でこのスピードかよ……」

 彼女ら二人に目をつけ、そこにも体当りしてきた。

「うわぁっ!?」

「やべぇっ!」

 ヴィクトリーがルカの手を掴み、遠くへ逃げる。彼女の体当りしてきた地点から衝撃波が迸る。まるで、隕石が落ちてきたかのようだ……

「や、やべぇなあいつ……!」

「早く終わらせるぞ!」

 ルカは鉄の剣を拾い、納める。そしてエンジェルハイロウとで両手持ちし、凄まじい速さで彼女に斬撃した。

「閃殺。」

「……ぎゃっ!?」

 遅れて彼女の体に斬撃が走り、よろめく。

「よし、決めるぞ……!」

 ヴィクトリーは彼女の前に瞬間移動し、胸を二本指で指す。そして、気を纏った拳でのワンインチパンチ──超龍閃撃を放った。

「ッッがはぁっ……!!?」

 彼女の全身に衝撃が駆け巡り、ボコボコと下半身の器官が膨れる。

「はぁっ!」

 その背後から、ルカが切り上げを放った。

「かっ……!」

「ふんっ!」

 剣を腰に携え、気合いを込める。

「行くぞ……!!」

 ルカは抜剣し、超スピードでリヴァエルを何度も切り裂いた。

「ぐぁぁぁああああああああ……!!!」

「終わりだっ!」

 そして思いっきり薙ぎ払い、ヴィクトリーの方へぶっ飛ばした。

「ぁ……!!」

「かめはめ波っ!!」

 ヴィクトリーの超かめはめ波が至近距離で炸裂し、全エネルギーがリヴァエルに直撃した。彼女は断末魔も残すことなく、粒子へと消散した……

「よし、こいつで最後だな……」

「ああ、天使の気も感じねぇ。」

 これほどの大物、それほど大盤振る舞いも出来ないはずだ。精霊の森に現れた天使は、全て撃退し終えたようだ。

「……」

 にも関わらず、アリスは怪訝な顔をしていた。

「……どうした、アリス?まだ何かありそうなのか……?」

「いや……そもそも、余に天使の気は察知できん……貴様らこそ、大した探知能力だ……余の力が制限されてるのを差し引いてもな。」

「そ、そうかな……」

「……それがどうした?」

「……だからこそ、不安なのだ。貴様らの力は、もはや人間の域を逸脱しつつある。そしてヒトの身のまま、代償なしで得られる力でもあるまい……二人とも、断じて無理はするなよ。」

「……」

「分かってるよ……さあ、行こう!」

 確かに、こんな事話してる場合でも無さそうだな。とっととシルフを迎えに行かねぇと……

 こうして戦士達は、森の最深部に踏み込んだのだった……

 

「……」

「うわぁ、すごい風だな……」

 以前にシルフが居た再奥部では、激しい風が吹き荒れていた。まるで、局地的に吹き荒れる台風のようだ。

「いったいあいつ、何してんだ……?」

「おーい、シルフ……あれっ?」

 そこに居たのは……なんと、ノームだった。吹きすさぶ突風をその身に浴び、ぐったりしている。

「あいつ、ノームじゃねぇか……何でこんな所に……?」

「なるほど、こうやって元の場所に戻さずに飼い殺しにしてたのか……」

 アリスがふと、そう呟いた。

「本来の住処に戻せば、自然と同調して力を取り戻してしまう……だから、相反する属性の地に配置するのが最適と考えたのだろう。」

「……なるほど……」

「……確かに、ノームも今はやべぇ状態だな……ルカ、とっとと再契約しちまえ。」

「あ、ああ……よしノーム、すぐに再契約だ。そうすれば、僕の中でゆっくり休めるはず……」

 ルカは、すぐさまノームの手をとろうとするが……

「いや……例の精霊を封じた結界は、今も世界規模で展開されている。以前と同じ契約では、すぐに引き剥がされて元の木阿弥だぞ。」

 アリスの説明で止まり、振り返る。

「……じゃあ、どうすればいいんだ?」

「……」

 ノームはルカの前に立つと、強引に服を剥がしにかかった。

「ひゃあっ、何をするんだ!?」

「……なるほど、今までとおんなじ精神上での契約じゃ意味がねぇ……だったらいっそ、肉体上の契約を交わせばいい……」

「……つまり、セックスだ。」

「せ、セックス……!?そ、そ……そんな……!」

 そうこう動揺しながらも、ルカの服は脱がされていく。

「ちょ、ちょっと待ってよ……そんなの、心の準備が……」

 たちまち、ルカはすっぽんぽんにされてしまった。

「……とっとと済ませるがいい。余は、そこら辺の木でも薙ぎ倒してくる……」

 恐ろしく不機嫌そうに、アリスは立ち去ってしまった。

「そ、そんじゃ……俺は修行してくる……」

 ヴィクトリーも飛び去り、この場にルカとノームが残った。

「ちょ、ちょっと……待って……」

 そして、肉体の契約が始まってしまった……

流血表現

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