もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話 作:ジョーカー:ゼノ
吸血鬼に支配されたサバサ城を奪還するために、乗り込んだ戦士達。迫り来る強敵をなぎ払い、遂に王の間へと殴り込んだ。
そこにいたのは、この部屋の主のように……
いや、この城の主のようにふんぞり返ってる吸血鬼の女王だった。
「ほう……よくぞ、我が側近達を倒したものだ。勇者など、昔話にのみ登場するものだと思っておったぞ。」
「お前がクィーンヴァンパイアか!」
「……」
風格も威圧感も桁違い……そして放たれている気も、圧倒的だ。
「いかにも……妾があまたの吸血鬼を束ねし者。夜の貴族の頂点に君臨する女王である。」
「女王だか何だか知らねぇけど、ぶっ飛ばされねぇうちに城から出る気はねぇんか?」
「その気は無い……この城は、吸血鬼一族の拠点となる。夜の帝国はこの地から始まり、そして世界を制するのだ。」
クスクス笑うクィーンヴァンパイアの前に、アリスが出てきた。
「相変わらずだな、クィーンヴァンパイアよ……そのような蛮行、いたずらに世を乱すだけだぞ?」
「すでに世は乱れきっておるわ、小さき魔王。ならばこの乱世、一旗掲げずに何が女王か。」
「やれやれ、相変わらず時代錯誤な奴だ……」
彼女はアリスを無視し、ルカとヴィクトリーの方を向く。
「妾は、従わぬ者には容赦せぬ……が、順う者には寛大だ。特に、勇者ルカと武闘家ヴィクトリー……貴様らのような有望な若者はな。」
そう言って、妖艶に笑いながら、すっと右足を差し出した。
「妾の足を舐め、絶対の恭順を示せ。ならば、夜伽として飼うてやろう。毎晩、最上級の悦びを味わえるのだぞ……妾に魂を売り渡すだけでな、くくくっ……」
「……断」
ルカがそう言いかけた時、ヴィクトリーは跪き、クィーンヴァンパイアの右足に顔を近づけた。
「ちょ……ヴィクトリーっ!?お前っ!?」
「ふはははっ!武道家の方は素直で良いな!そうだ、そのまま舌全体を使い、妾の足を綺麗にするように……」
次の瞬間、彼女の右足に激痛が走った。
「ーーーっ!!?」
驚いた彼女は、彼の顔面を蹴っ飛ばす。その右足からは、思いっきり噛んだ痕があった。
「……今まで出会った男で……そんなユニークな行動をとる男は初めてだぞ……」
彼女は立ち上がり、指をボキボキと鳴らした。
「骨のある若者は嫌いではないが……妾に楯突いた以上、嫐り殺してやらねばなるまい。全てを吸い付くし、その命」
「はぁあっ!!」
喋ってる最中だと言うのに、ヴィクトリーは遠慮なくエネルギー波を放って、顔面に直撃させる。
「っ!?」
「だあぁーっ!!」
そして、全力のパンチで彼女の顔面を打ち抜き、壁に向けてぶっ飛ばした。
「戦いは始まってんだぜ。わざわざ足出したりベラベラ喋ってる暇があったら、とっととかかってこい!」
「お前……えげつないな……」
二度も不意打ちするヴィクトリーに、ルカは絶句していた。
「隙だらけなあいつが悪い。」
彼は、悪びれもせずにそう答える。その言葉に答えたのは、倒れているクィーンヴァンパイアだった。
「ふむ、その通りだな……」
彼女はそう言いながら立ち上がり、服の汚れを払った。
「真っ直ぐで純粋で、戦うことが大好きな貴様には非礼だったな……」
「げ、効いてねぇ……」
大して効いてない。寧ろ、戦闘欲を煽っただけと見える。やっぱ、ただもんじゃねぇみてぇだ……
「では、始めようか……!」
彼女はゆらりと揺れ、構えた。
「ああ……!」
「はぁっ!」
二人は自分のなれる限りの最高状態となり、構えた。
「うぉおおおおっ!!」
まずヴィクトリーが突進し、パンチを放つ。彼女はそのパンチを受け止めながら、足払いをかけた。
「うわっ……!?」
「そぉらっ!」
体幹を崩した彼の、がら空きの土出っ腹に掌底を打ち込んた。
「がはぁっ……!」
ぶっ飛ばされて、倒れ込んでしまう。
「はぁああーっ!」
次にルカが、何度も斬撃を放った。
「ほらほらほらぁっ!」
クィーンヴァンパイアは、その斬撃をマントで受け流し続ける。右に左に放たれるそれを、華麗に受け流す。
しかしながらルカは、着実に彼女に迫っていた。
「これで……どうだぁあっ!」
そのまま、その懐に潜り込み、その喉元を突き上げた。
「ふんっ!」
しかし彼女は、剣先を手で受け止める。
「なにっ!?」
「たぁっ!」
そして、回し蹴りでルカをぶっ飛ばした。
「かはっ……!」
「ふっ!」
ぶっ飛ぶルカを、ヴィクトリーが受け止め、彼女を睨む。
「ふっ!」
彼女はその場で、指先を薙ぎ払った。
「まずいっ!」
「ちっ!」
ヴィクトリーは飛び上がり、ルカは床に伏せる。次の瞬間、彼らの背後の壁が断裂した。
「ちいぃっ!」
ヴィクトリーは浮いたまんま、クィーンヴァンパイアにフルパワーでエネルギー弾を連射した。
「効かんっ!」
彼女は、迫り来るエネルギー弾を全て弾き飛ばした。
「うおぉっ!」
「……っ!?」
エネルギー弾を弾き終わった次の瞬間だった。ルカが飛んできて、両足蹴りで彼女の顔面を打ち抜いた。
「がふっ……!」
「閃殺っ!!」
そして時空が断裂するほどの一閃を放った
「ぐおぉっ!?」
「はぁあああっ!バーニングアターック!」
揺らぐ彼女に、高密度のエネルギー弾が飛んでくる。彼女はそれに直撃し、ぶっ飛んだ。
「……ぐぐぅっ!」
ぶっ飛んでいる最中に体制を整え、指で床をガリガリ削りながら持ちこたえる。
「……なかなかやりおる……!」
そう言いながら立ち上がり、マントを大きく広げた。
「なんだっ!?」
「気をつけろヴィクトリーっ!何か来るぞっ!」
「ふはははははははっ!エターナルナイトメアッ!!」
マントからエネルギーが溢れ、無数のエネルギー波が迸った。
「くっ!?」
「ちぃっ!!」
二人は飛び、エネルギー波を避ける。だがそれは蛇のようにうねり、二人を追尾してきた。
「そ、そういうタイプか……!」
ルカは向き直り、エネルギー波を次々に切り弾いた。
「うおぉっ!魔閃烈衝壁ッ!!」
ヴィクトリーはバリアーを張り、エネルギー波を受けながらクィーンヴァンパイアに突っ込んだ。
「かかったな!」
彼女のマントが彼に巻き付く。それはバリアーすら壊し、マントは完全に彼を捕らえてしまった。
「なっ……!?」
「そのまま、至高の夜を味わうがいい……」
「ちっ……!」
マントの繊維がうじゃうじゃとうねり、触手のようになる。その触手が、彼の全身を撫で回した。
「うぎゃあああ不快ぃいいいっ!!」
彼はそう言って全ての気を解放し、超爆発波を起こした。
「ぬぉっ!?」
「おおっ!」
超爆発波によりマントは消し飛び、解放される。
「だあぁーっ!!」
そして彼女の顔面を、ぶん殴った。
「ぐうぅっ!」
ぶっ飛ぶ彼女に追いついたのは、ルカだった。
「はあぁーっ!!」
走りながら剣を振って切り裂き、跳躍して顔面に両足蹴りを打ち込んだ。それで彼女は勢いよくぶっ飛び、壁に叩きつけられた。
「行くぞヴィクトリーっ!!」
「おぉっ!!」
ヴィクトリーはかめはめ波を放つ体制になり、ルカがその手に手を添える。
「か……め……は……め……!!」
「総べての生、母なる天に回帰せよ……!」
「ぐっ!!?」
二人の気が爆発し、凄まじいエネルギーが波動する。
「魔天かめはめ波ーーーっ!!!」
凄まじい魔力が圧縮された、蒼く、強大なエネルギーが迸り、巨大な波動として打ち出された。魔天回帰と、超かめはめ波の合体技だ。
「な、なんという力……これが、勇者の……」
そう言いかけた彼女に、魔天かめはめ波が直撃する。それは大爆発を巻き起こし、辺りに衝撃が轟いた。彼女はというと、コウモリの姿に封印されていた……
「はぁ……はぁ……やっと倒したぞ……」
「超サイヤ人2で、こんなに苦戦するとは思わなかったぜ……」
「だが、勝利には違いないぞ。外にいた大群も、撤退を始めたようだ。」
いつの間にか、アリスもいる。安全な所に避難していたようだ。
「ああ、後はサバサ王を……」
サバサ王の気が地下牢にある。吸血鬼の女王を倒した戦士達は、こうして囚われの王を救い出したのだった……
「勇者ルカ、ばんざーい!」
「サバサばんざーい!」
王と共に城を出た僕達を迎えたのは、兵士や住民達の歓呼の声だった。大通りの左右は人で埋め尽くされ、まるで凱旋パレードだ。城を占拠した吸血鬼を倒し、王を救い出した英雄……そんな大層な扱いで、何だか逆に縮こまってしまう。
「わわわわ……」
「ははは……」
「胸を張って歩け、二人とも。多分誰も、貴様らが偽勇者だとは気付くまい。」
サバサ王と僕達が並んで通りを歩き、その後ろにアリスがついてくる。彼女は魔物の姿をさらしているが、特に気にする者もいないようだ。
「父娘揃って、囚われの身から救い出して貰うことになるとはな。勇者ルカ、そして武道家ヴィクトリーよ、お主たちにはお礼の言葉もあるまい……」
「いえいえ……当然の事です。」
なお、娘のサラが魔王城に居ることは一応伝えてある。世界が危機に晒されてる中では、一番安全な場所であろう。
「これより、国家を挙げての大宴会……という訳にもいかんな、全世界に危機が迫っているのだから。」
「ええ、そのような場合ではありません。」
「イリアスはマジで世界を滅ぼそうとしてるからな……」
「うたげ……ごちそう……」
アリスは、しょんぼりとした様子だ。
「我々も軍を建て直し、諸国と連携してから危機にあたらなければなるまい。その際に中心となるのは……勇者ルカとヴィクトリー、間違いなくお主たちだろう。」
「えっ、僕達が……!?そんな大役、僕にはとても……」
そう言いかけた時……ルカは足元がふらつき、地面に膝をついてしまった。
「おっと……」
「ルカ……?」
「むっ、大丈夫か……!?」
「いえいえ、ちょっと目眩がしただけです……」
「激戦直後だと言う事を忘れ、配慮を欠いてしまったな。そこの者、ただちに医療班を……」
「……いえ、大丈夫です。」
ルカは立ち上がり、何事も無かったかのように歩き出した。
「おめぇ、本当に大丈夫か……?」
「……」
その様子を、アリスは後ろから睨めつける。後できっと、何か言われんじゃねぇかな……
「あっ、そうだ……」
ヴィクトリーは一枚のカードをサバサ王に差し出した。
「む……?」
「これ、受け取っておいて下さい。何かの役に立つかもしれないから……」
「……お主がそう言うと言うことは、何か起きるのだろうな……分かった。」
サバサ王はそのカードを受け取り、大事にしまった。
「それでは、僕達はそろそろ行きますね。今も世界中で、多くの町が危機に瀕していますので。」
「そうか……己の身も大切にな。今のお主達は、全世界の希望を背負った身なのだから……」
「至らない身ですが……みんなの希望のためにらこの剣を振るい続けます!それでは!」
「サバサ王よ、宴の準備を忘れるでないぞ!」
「そんじゃーなー!」
こうして戦士達は背中に人々の声援を受けながら、サバサを後にしたのだった。さて、次の目的地は……
流血表現
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もっとする
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このままでいい
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しなくていい