もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話   作:ジョーカー:ゼノ

147 / 227
飛んでグランドノア城

 戦士達は天使の猛攻を跳ね除けながら砂漠を進み、見事シルフを発見する。そして、ルカとシルフは再契約に及び……なんだかんだあってシルフとの儀式を終わらせた。そんでもってルカの堕天舞踏がシルフの魔力とリンクしてパワーアップした。そしてアリスも戻ってきた……

「あとはウンディーネとサラマンダーだな。」

「じゃあまたノア地方のウンディーネの泉に行くのか?」

「そういうことになるね……」

 順当に行けば、そこにサラマンダーが居るはずだ。一刻も早く精霊の力を取り戻し、フルパワーにならなければ……

「じゃあ行くよ、二人とも!次は、ノア地方だ!」

「例によって、まずはグランドノア城に行くのだろう?間違いなく、あそこも敵の脅威に晒されているはずだ。」

「グランドノア……ああ、あの闘技場の……」

「ああ、まずはグランドノアだ!」

 戦士達はガルダに飛び乗り、東へと向かう……そして、二人は眼下を見下ろしながらある事に気付いた。

「……な、なぁアリス……」

「砂漠……前より広がってねぇか?」

「……」

 アリスは不機嫌そうな顔で、ルカとヴィクトリーを睨んだ。

「ぞわぞわ……」

 ルカの中にいるシルフも、怯えているようだ……首を傾げながらも、戦士達はノア地方へと向かったのだった……

 

「だぁああっ!!」

 例に漏れず、グランドノア城もキメラビーストの大軍が襲いかかっていた。

「だぁっ!でやぁっ!」

「ふんっ!があぁっ!!」

 ルカとアリスもキメラビースト達を薙ぎ払いながら、グランドノア城を進む。

「数が多すぎる……ヴィクトリーっ!!」

「あぁっ!!」

 ヴィクトリーは気を解放し、かめはめ波を放った。それはキメラビーストをなぎ倒しながら……兵士を捉えていた一体のモンスターに直撃した。

「ぎゃあっ!?」

 そのモンスターは兵士を解放し、ぶっ飛ぶ。

「逃がすかっ!!」

 そのモンスターにアリスが追いつき、顔面に全力パンチした。そいつは城の壁を突き破り、大空へとぶっ飛んだ……

「おーすげぇ!やるなアリス!」

「封印されてるとは思えない力だな……」

「ふん……フルパワーなら大気圏外まで吹っ飛ばしてやったぞ。」

 そこで一人の兵士が、ルカの下へ来た。

「おお、勇者様の増援とは心強い!しかし、この場は我等にお任せを。」

 兵士は視線を奥の方へ向け、続ける。

「女王の間の目前にまで、敵の侵入を許してしまいました。どうか、そちらをお願い出来ますでしょうか!?」

「ええ、分かりました!」

「奥の方だな……よし、行くぜ!」

 どうやら思った以上に敵は奥に入り込んでいるようだ。戦士達はその場を兵士に任せ、女王の間へと急いだ……

 

「邪魔だぁっ!」

「どけぇっ……!」

 迫り来るキメラビースト達をなぎ払いながら、女王の間に向かう戦士達。そして、女王の間の目前まで駆け抜けた時……

「うあぁっ!」

「ぐっ!!」

 ケルベロス娘と、デュラハンがぶっ飛んできた。

「わっ!?」

「なにっ!?」

 ルカはデュラハンを、ヴィクトリーはケルベロス娘を抱える。

「おめぇらっ!大丈夫か!?」

「デュラハン、ケルベロス!」

「あらら……勇者一行まで来ちゃったの……?獲物としては最高なんだけど、今は忙しいんだけどなぁ……」

 目をやると、そこに全身に機械部品と搾精器が組み込まれた異形のモンスターが立っていた。注目すべきは下半身。ガッシリとした足と、ラミアのものであろう尻尾で二足直立しているのだ。おまけに、スカウターまで付けている。

「誰だおめぇはっ!?」

「うふふ……私はラミアンロイド……君達を叩きのめすために作られたのよ……」

 そう言ってラミアンロイドはスカウターを起動させ、ヴィクトリーを見る。

「へぇ……君がアイツの狙いの方ね……確かに、い〜い体をしていて美味しそう……」

「かぁっ……気持ち悪ぃ……やだおめぇっ……」

「る、ルカ……」

 睨み合うヴィクトリーとラミアンロイドを横目に、デュラハンはルカを見た。

「た、頼む……女王様を、守ってくれ……」

「ああ、分かってる……!」

 二人のダメージは大きいようだが、命に別状は無さそうだ。今は、こいつに専念せねば……!

「あははっ!こっちもなかなか可愛いじゃない!私のタイプかもぉ……」

「何をふざけた事を……!」

「でも……今この場で君達を倒しちゃったら、アイツがうるさいのよねぇ……だから、今は相手してあげなぁい!」

「んだと……!!」

「あはっ!」

 ラミアンロイドは二人の足元に手を向け、エネルギー弾を放った。エネルギー弾が爆発し、爆煙が舞う。

「くっ!?」

「ちっ!待てぇっ!」

 ヴィクトリーがそう声をあげた時には、ラミアンロイドは消えていた。

「くそっ!あいつ、何処へ……!」

「いや、今は女王様の安否の確認だ!」

 ルカはヴィクトリーの手を掴み、そう言う。

「ああ……そうだな……!」

 二人は扉を開け放ち、女王の間に躍り出た。しかし、そこには誰もいなかった……

「そ、そんな……!陛下は、確かにこの部屋に……!」

 ダメージの残るデュラハンが、無理をしながら部屋に入ってくる。

「……おい、これ見ろよ。」

 ヴィクトリーが書き置きを拾い、それを僕達に見せた。

『女王を取り戻したくば、武道家ヴィクトリーと勇者ルカの二人でコロシアムまで来い』……書き置きには、そう記されていた。

「くっ、何という不覚……!」

「間違いなく、女王様をさらった奴が書き置きしたんだよ……くそったれ!」

「くそ、完全に来るのが遅かったか……!」

 アリスがそう言いながら、ヴィクトリーの手から書き置きを取る。

「……かなりのやり手だな。しかも、馬鹿正直な戦士タイプと見た。」

「そうでなけりゃ、こんな手紙は残さないよね……」

「馬鹿正直な戦士タイプ……かぁ……」

 どんな奴だ……?まさか、あのラミアンロイドの色違いとかそんなんじゃねぇだろうな……

「女王陛下をお救いしなければ……うぐっ!」

 女王の間から抜け出そうとしたデュラハンは、その場で膝をついてしまう。ラミアンロイドとの戦いでのダメージは、決して軽くは無さそうだ……

「その体じゃ無理だ、僕達が行くよ!」

「ああ、こいつらの指名は俺達だしな。」

「我ながら、なんと無様な……頼む、女王陛下を救ってくれ。」

「ああ、任せてくれ。」

 ルカはデュラハンに頷き、アリスの方を見る。

「アリス、分かってると思うけど……」

「約束を違えれば、女王がどうなるか分からない。だから二人で行く……そう言いたいのだろう?」

「その通り、だから僕達で行くよ……」

「……ルカ、行こうぜ。」

 二人の戦士達は女王の間から出て、嫌な気がする方……コロシアムの方向を見る。その二人の背中に、アリスは声をかけた。

「……相手はおそらく、正面から馬鹿正直にぶつかってくるタイプだ。卑劣な罠は無いと思うが……それでも、用心しろよ。」

「ああ!」

「よし、行くぜ!」

 女王の身に何かあれば、この国の希望は失われる。

 決意と闘志を胸に、戦士達はコロシアムに向かった……

 

 無人の受付を通り抜け、闘技場。そこには異様な光景が広がっていた。

 コロシアムの観客を埋めるのは、すすり泣く若い娘達。みな、手枷で拘束されている様子だ。

「勇者様、どうか頑張って……」

「信じておりますわ、勇者様……」

 このコロシアムの命が、戦士達を信じている。そんな感じがありありと感じ取れた。

「どういう事だ、こりゃあ……」

「おい、説明しろォッ!!」

 ルカは気の感じた所を見て、そう言う。そこには、謎の影が立っていた……しかも二人。

「……今から、試合が行われるのだ。女王を含めたこの場全員の命運を懸けた試合がな……!」

「楽しみねぇ、どうなっちゃうのかしら……あはははっ!」

 向かいの戦士入場口、その構造物の真上……影達はそこから跳んで、闘技場に着地した。

「お、おめぇは……!?」

「はぁーいっ!私はさっきお会いした、ラミアンロイドとぉ……」

「我が名はナイトロイド……アルカンシエル様の従者にして、騎士型ロイドの一番機!」

 そう声を上げたのは、青肌の騎士っぽいロイドだった。まぁいわゆる青肌娘という奴だが……その体は、まさしく戦闘のために作られたかのような造形をしていた。

「アルカンシエル……あいつか。」

 魔王城でグランべリアを叩きのめし、ギガントウェポンを圧倒した怪物。言われてみれば、系統も性格も似たようなタイプに見える。

「闘争こそ、我が存在意義。ゆえにこのような場を用意させてもらった。」

「へぇ……言うじゃねぇか……」

「いったい、何を始めようと言うんだ……?」

「第三次世界大戦だ。」

「黙れヴィクトリー。」

 ナイトロイドはクスッと笑い、ルカを見る。

「この状況を見れば、だいたいの察しはつくだろう?これより、私達とお前達でタッグバトルをする。お前達が勝てば、女王を含めた捕虜全員を解放してやろう。しかし、私達が勝てば……」

「この場にいる全員の命は、パァよ……うふふっ……!」

「なるほど……」

「絶対に負けれんねぇって事か……!」

 二人は構え、気を解放する。それに応じるようにロイド達も構え、気を解放した。

「それにしても、悪趣味な奴だな……何で若い女を……?」

「男ってのは、若い女の子の声援で奮い立つんでしょ?そういうわけで、私達からのサービスよ!」

「そういう訳だ……!!」

 ナイトロイドの目が鋭くなり、気がボッと膨れ上がり、槍で凄まじい一閃を放った。

「!!避けろルカっ!!」

「くっ!?」

 二人はその一閃を避け、二手に分かれる。

「はぁーいっ!お待たせぇ〜!」

「ぐっ……!」

 ルカが見たのは、ラミアンロイドの歪んだ笑顔。そして起動し始める搾精器、そこから滴る粘液……

「やるしかないか……!」

 ルカは構え、ラミアンロイドと対峙した。

 一方、ヴィクトリーは……

「いきなり一閃してくるとはな……一歩遅れてりゃ串刺しになってたぜ……」

「避けられるのが目に見えた上で放った……こうするためにな……」

 見ると、闘技場の真ん中が軽く綺麗に断裂していた。あそこから先には、ラミアンロイドとルカが対峙している……

「形式上はタッグバトル、あくまで一対一でやるつもりか……」

「ふっふっふっふ……」

 ナイトロイドは笑いながら、ヴィクトリーを見る。

「私はお前が好きだ。」

「は?」

 突然愛の告白をされて、戸惑ってしまう。こんな時に、いったい何の冗談だ……?

「お前の戦績を聞かされてな……私のタイプだ……存分にやらせてもらうぞ……」

「……そういう事か……はぁあっ!!」

 ヴィクトリーは超サイヤ人2になり、構えた。

「よし、いきなり全開でやらしてもらうぜ……!!」

「さあ、来るがいい!音に聞こえた異世界の戦士の拳、見せてみろ!」

 こうして戦士達は、コロシアムでぶつかり合った……

流血表現

  • もっとする
  • このままでいい
  • しなくていい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。