もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話   作:ジョーカー:ゼノ

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グランゴルド防衛戦

 ウンディーネの泉……スライムベスが魔水銀を投げ込んだり、天使やネクスト・ドールが強襲したりと、散々な事があった。

 魔水銀の影響から、ヴィクトリーは地上に出て、修行していた……エルベティエと。

「所でエルベ、おめぇが俺から出た後、ちっとも苦しく無かったぞ。何でだ?」

 エルベティエはヴィクトリーの攻撃を受け止め、にゅるにゅると彼の体をすり抜けて背後に移動、蹴りを放った。しかし、それをしゃがみ、頭に掠らせながら避ける。

「……泉の解毒が進んだのもあるけど……私の体から出る直前に、少し私の水を残していたの……それを解毒に使っただけ……」

「そうか……ありがとな。」

 ヴィクトリーはエルベティエに足払いして、すっ転ばせた。

「ぐぅっ……!」

 そしてエルベティエの顔面に手を向け、止まった。

「……ふぅ、こんなもんだろ。相変わらずつえぇな〜エルベは。」

「……そう……」

 エルベティエはそう言って立ち上がり、体の汚れを払う。

「ヴィクトリーっ!」

 ……と、ルカが来たようだ。

「あ、おう〜!今行く〜!」

 ヴィクトリーは走りかけ、エルベティエの方を向いた。

「付き合ってくれてサンキューな、エルベ。」

「……ええ、私もいい修行になったわ……」

 そう言い、エルベティエはプランセクトに向かった。ヴィクトリーも飛んで、ガルダに乗った。

「……」

「……」

 ルカとヴィクトリーは、眼下から泉を見下ろす。

「……泉が小さくなってないか?」

「だな……」

「ふん、知らんな……」

 やけに不機嫌そうなアリスだった……

「さて、残るはウンディーネか。ゴルド火山に居そうだな。」

「ああ、次に向かうのはゴルド地方だ。とりあえず、グランゴルド王の安否を確認しないとな……」

 戦士達は進路を北のゴルド地方に向け、飛んでいった……

 

 そして辿り着いたグランゴルド……そこには蜘蛛のモンスターが町中を徘徊し、暴れ回っていた。

「まずい、もう町中にモンスターが……!」

「らしいな……!」

 蜘蛛のモンスターと応戦しているのは、アリ娘達だった……

「何よ、こいつら……!同じ虫系モンスターのくせに、人間に味方するなんて……!」

「コレ以上ハ、通サナイ……」

「敵、ヤッツケル……」

「ちょっと、やめなさいよ……!い、痛い……!」

 アリ娘達は集団で蜘蛛を押さえつけ、タコ殴りにしてる。まぁ、一応効いてるっちゃ効いてるようだ……

「グランゴルド王は、何処に……あれは?」

 建物の間に、素早く舞う影。まるで鳥のようだが、あれも蜘蛛だ。

「スパイ〇ーマン?」

「違う!」

 その影は戦乱の真っ只中に降りた……その蜘蛛モンスターは、下半身が蜘蛛になってて、上半身は色白のお姉さんって感じだ。当然、全裸だ。

「ふふっ、なんと哀れな虫共でしょう……女王を失い、無惨に餌食にされるなんて……」

「敵、ヤッツケル……!」

 突撃にいったアリ娘の体が、不意に停止した。他のアリ娘達も、唐突にその場でもがき始める。

「ありゃあ、蜘蛛の巣か!」

「た、建物の間を跳んでる時に展開したのか……!」

「この周囲は、もう私のテリトリー。もがけばもがくほど粘糸が絡んで、動けなくなりますよ……」

「ウゥゥ……」

 アリ娘達は手足をジタバタさせるものの、脱出は不可能。大勢のアリ娘達が、蜘蛛妖魔一体によって行動不能にされてしまった……

「蜘蛛の巣に掛かった、哀れな虫達……一匹一匹、じっくりと捕食してあげましょう……」

「……やめろっ!」

 ルカが剣を抜き、戦いの場に乗り込んだ。

「ヴィクトリー、アリ娘達を頼む!こいつは僕がやる!」

「おうっ!」

 ヴィクトリーは飛び、アリ娘達の救出に向かう。蜘蛛のモンスターの前には、ルカが立ちはだかった。

「ほう……あなたが、噂の汚れし勇者ですね。こんなに美味しそうな獲物が、自分から巣に掛かりに来るなんて……しかしあなたは、これまで多くの魔物を討ち倒してきたとか。私のテリトリーで、全力をもって戦わせてもらいましょう……」

「テリトリー……?」

「ええ、私だけの世界へ招待しましょう……」

 不意に、周囲の空間が歪み……

 次の瞬間、僕とアリスは薄暗い洞窟の中に立っていた。

「これは、いったい……?」

「ここは、奴の魔力で組み上げられた結界の中だな。アラクネの上位種は、時を紡いで時空を操作する能力を持っている。黒のアリスの力で、その能力が更に強化されたようだ……」

「だとすると、あいつはアラクネの上位種……?」

 蜘蛛のモンスターはクスクス笑いながら、アリスとルカを見る。

「私はあやし土蜘蛛……このような場所でこそ、蜘蛛の妖魔は最大限の力を発揮します。蜘蛛の巣に掛かってもがくあなたを、じっくり吸い付くしてあげましょう……」

 あやし土蜘蛛は気を解放し、構えた。

「この結界を破るには……それも明白のはずだな、ルカよ!」

「ああ、術者を叩きのめせばいいんだろ!」

 ルカも天使の力を解放し、構えた!

「ふんっ!」

 あやし土蜘蛛の糸が、ルカを巻き付けた。

「捕らえたっ!」

 そして、一気に突進してきた。

「……ノームっ!!」

 ルカは冷静に、土の力を解放し、縛られた状態にも関わらず、彼女の女体部分の腹を蹴りつけた。

「ぐぅっ!?」

「はぁあああっ!!」

 何度も廻し蹴りを食らわせ、そして顎を蹴り上げる。

「な、生意気な……!」

 彼女は何とか持ちこたえ、土の力を込めた八本の足で猛攻してきた。

「はぁっ!!」

 次の瞬間、ルカの土の力が爆発し、自分を巻き付けていた粘糸が弾け飛んだ。

「なにっ!?」

「だああぁっ!!」

 そして、抜き胴で一閃し、剣を納める……

「九重の羅刹。」

 そう言った瞬間、彼女はバラバラに切り裂かれた。

「そ、そんな……このような人間が……いるなんて……」

 そして、蜘蛛の姿に封印された。彼女の封印と共に、周囲の空間が揺らぎ……ルカとアリスは、グランゴルドに戻っていた。

「おっ、終わったか。」

 迫り来る蜘蛛のモンスターを蹴り飛ばしながら、ヴィクトリーがこっちに来る。

「聞いてくれルカ。クィーンアントが捕まっちまったらしいんだ。」

 ヴィクトリーの隣にアリ娘が来て、ルカに向く。

「グランゴルド王モ、敵ニツカマッテル……早ク助ケナイト、食ベラレル……」

「……なんだって!?」

「既にグランゴルド王様もクィーンアントも敵に捕まってるっつってんだ。急がねぇとヤバそうだぜ。」

「分かった、クィーンとグランゴルド王は僕達が助け出す。みんなは、住民の避難を頼むよ!」

「女王サマ、オ願イ……」

「人間ハ、私達ガ避難サセル……」

「……という訳だルカ。この場はアリ娘達に任せて、俺達はとっととクィーンアントと王様を助けねぇと。」

「ああ……」

 二人は、視線をグランゴルド城の方に向けた。

「……気付いたか、ヴィクトリー?」

「ああ……城の近くの小さな建物にすげぇ気を感じる……」

 アリスもそちらに視線を向ける。

「以前の反乱騒動で、城はまだ修復中のはず。あの倉庫みたいな場所ではないか?」

「きっとそうだ……よし、行くぞっ!」

「おぉっ!」

「安心しろ、アリ娘共!女王は、余と勇者達が救い出す!」

 こうして戦士達は、大通りを駆け出した。

 群れ寄ってくるアラクネ達をなぎ倒し、王の元へと向かったのである……

 

「それにしても、蜘蛛のモンスター達か……俺は蜘蛛は好きじゃねぇんだけどな……」

「やっぱり、クィーンアルラウネみたいな奴がいるのか?」

 大通りを駆けながら、ルカがそんな事を言う。確かにこの規模のモンスターの襲撃ならば、どっかに率いてる奴が居るはずだ。

「……蜘蛛之皇女……アラクネ一族の女王だ。間違いなく、奴の仕業だろうな。」

「その蜘蛛之皇女って、どういう奴なんだ?」

 アリスは迫ってきたアラクネを叩き潰し、また二人に向く。

「残酷で無慈悲、人間を食料としか考えていない……そして以前より、全人類の家畜化を主張していた妖魔だ。妖魔が全ての人間を管理し、劣った者は処分、優れた者だけを選別……それを交配させて増やし、家畜として管理しようという考え方だ。」

「そいつ嫌な奴だな。」

「そりゃひどいな……黒のアリスと手を組むわけだ。」

「またアラクネの中には、同じ魔物を捕食する奴までいる。生存に必要なわけではなく……ただ己の楽しみのためにな。魔物の中でも忌み嫌われ、疎外された集団だ……それゆえにアラクネ達は、ますます過激になっている。」

「そんな奴が、よく今まで大人しくしていたな……」

「アリスが強かったからか?」

「その通りだ。しかし抑止の無くなった今、奴が何をしでかすか分からんぞ。説得は考えるな、全力で行かねば貴様が食われるぞ……」

「ああ、分かってる……」

「それなら俺も得意だ!」

 じゃあ、とっとと蜘蛛之皇女の所に行かねぇとな……そう考えていたら、不意に地面が揺れた。

「な、なんだぁ!?」

「あれは、ゴーレム!?」

 前に俺達がぶっ壊したゴーレムが、蜘蛛達を蹴散らしていた。

「ここは、任せても大丈夫そうだな……!」

「いや……」

「この妖気、剛の者がいるぞ!」

 周囲を薙ぎ払う巨腕の一撃をかわし、その肩へと着地する蜘蛛妖魔。それを振り払おうと、ぶんぶんと腕を振り回すゴーレム。

「ふん、デカブツが……煮ても焼いても食えそうに無いな……!」

 蜘蛛妖魔は巧みな動きで攻撃を避けつつ、巨体の上を素早く這い回った。ただ走り回るのではなく、粘糸をその体に絡みつけながら……しかし中々どうして、ゴーレムの動きは鈍らない。

「何だ……っ!?」

 いきなり気円斬が飛んできて、蜘蛛妖魔の頬にかすった。

「誰だ……!?うぐっ!?」

 蜘蛛妖魔は、動揺した隙にゴーレムの腕に握られて、その目線が合うまで持ち上げる。

「よぉ。」

 その頭に乗っていたのは、ヴィクトリーだった。

「……なるほど、さっきの技はあんたね……それで私の粘糸を切った……って所かしら。」

「ゴーレム、そいつを地面にぶん投げろっ!!」

「……」

 ゴーレムは彼の命令通りに、蜘蛛妖魔を地面にぶん投げた。

「ぐっはぁ……っ!!?」

 勢いよく墜落したので、クレーターの刻まれた地面から、1mばかりバウンドする。

「はあぁっ!!」

 ヴィクトリーは超サイヤ人2になり、蜘蛛妖魔にパンチを連打した。

「ぐうぅっ!!」

 蜘蛛妖魔は彼の顔面にエネルギー波を放ち、距離をとった。そのエネルギー波はギリギリで避けられる。

「なるほど、貴様はかの野蛮な猿か……舐めて掛かっては、痛い目を見るかもしれんな……」

「へっ……」

 遠くから、ルカとアリスが走ってくる。

「ヴィクトリー、加勢するぞ……!」

「おぉっ!」

「させるか……!」

 不意に周囲の空間が歪み、蜘蛛の巣が張り巡らされた薄暗い洞窟になる。そして俺はこいつと二人っきりになってしまった。

「な、なんだ……!?」

「ここが私のテリトリーだ……行くぞっ!!」

 蜘蛛妖魔の攻撃を受け止め、腕と腕で鍔迫り合いになる。

「……おめぇ、名前は?」

「私はアラクネロードだ……」

「俺はヴィクトリー。悪いけど急いでるしよ、一気に終わらせるぜ。」

 そう言ってアラクネロードの顔面を殴り、蹴っ飛ばした。

「ち……!!」

 彼女は粘糸を放ち、ヴィクトリーを拘束した。

「ど、どうだ……!私の糸に絡まったからには、もう逃げ場は……」

「はああぁっ!!」

 ヴィクトリーは気を解放して、糸を吹っ飛ばした。

「何ぃっ!!?」

「があぁっ!!」

 そして高速移動でアラクネロードの腹に一撃した。

「ぉ……ぐ……ぅ……!!?」

 彼女が失神すると同時に、空間も元通りになった。

「よし……!」

「ヴィクトリーっ!」

 ルカが背中について、構えた。

「……ああ、分かってる……!」

 十体を超える蜘蛛モンスターが、周囲を取り巻いていた。どいつもこいつも、さっきのよりは大したことねぇけど……この数だと……

「いくぞ……!」

「ああ……!」

 二手に分かれ、敵の群れに切り込もうとした時だった。周囲に磁場のようなものが発生し、蜘蛛娘達の動きが鈍る。

「きゃあっ!」

「なに、これ……!?体が……!」

 二人は硬直し、また背中を合わせる。

「な、なんだ……?」

「これは……」

「よし、捕縛成功!このまま磁場を強め、封印するわよ!」

「はいっ!」

 声のする方を見ると、国の魔導師や技師が居た。そして操作してるのは……クィーンアントを捕らえてた装置……の改良版と思わしきもの。技師達の設置した装置から磁場が展開され、敵集団を一網打尽にしたのだ。

「この場は、私達に任せて!魔導立国グランゴルドの意地、見せてやるわ!」

「それじゃあ……僕達は、一刻も早く王を救出します!」

「ついでに蜘蛛の親玉もぶっ飛ばしてくる!死ぬんじゃねぇぞ!」

 この場は魔導師達に任せ、戦士達は王の救出へ向かったのだった……

 

「どっせーいっ!!」

 ヴィクトリーが、派手に倉庫の扉を蹴破る。その中には蜘蛛の巣が張り巡らされてて、そこにはクィーンアントとグランゴルド王も引っかかってた。そして……

「お前が……蜘蛛の女王か!」

 そこには、和服を着たアラクネの女王が居た……

「くくっ……よくぞ参った、汚れし勇者と野蛮な猿とやら。それに、人間に尻尾を振る魔王よ……」

「ふん……相変わらずだな、蜘蛛之皇女。黒のアリスの足を舐めねば、叛意さえ露わに出来なかった下衆よ!」

 蜘蛛之皇女はそれを聞いて眉毛を吊り上げ、青筋を浮かべ……そして、気を解放した。

「な……!?」

「す、すげぇ……すげぇ気だ……!!」

「くくっ、言いよるわ……貴様らも、じっくり貪ってくれよう……!」

 蜘蛛之皇女は空間を歪め、自身の結界空間に戦士達を引き込んだ。

「そこの二人……貴様らは、我が肉壺でじっくり丸呑みにしてくれるわ。その後、この国を」

 ここでヴィクトリーが超サイヤ人2になり、蜘蛛之皇女をぶっ飛ばした。

「おめぇの野望に興味はねぇ、とっととやるぞっ!!」

「ああ……!!」

 二人は気を解放し、構えた。

「ふん……」

 蜘蛛之皇女は立ち上がり、口から出た血を拭って構える。

「後悔させてくれる……!!」

 そして……激戦が始まった。

流血表現

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