もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話   作:ジョーカー:ゼノ

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猛襲、蜘蛛之皇女

 グランゴルド城……そこでは、蜘蛛の大軍がグランゴルドを襲撃していた。戦士達は迫り来るアラクネ達を倒し、遂に親分である蜘蛛之皇女と対峙したのだった……

「はあぁっ!」

「行くぞぉっ!」

 ルカがノームの力を解放してる間に、ヴィクトリーは蜘蛛之皇女の懐に入る。

「龍翔拳ッ!!」

「おっと!」

 蜘蛛之皇女は彼の拳を掴み、そのまま地面に投げ飛ばした。

「ちっ!」

 受身をとり、何とか立ち上がるヴィクトリー。

「はぁっ!」

 そこに、八本の足が強襲をかけてきた。鋭い蜘蛛の足が、超高速で体を鋭打してくる。

「くそっ!!」

 何とか二本の足を掴んでも、残りの六本の足が猛襲してくる。

「ほらほらほらほらっ! どうしたっ!?」

「こっちだ蜘蛛之皇女っ!!」

 ルカが壁を伝ってから飛び上がり、蜘蛛之皇女の脳天に、重い兜割りを叩きつけた。

「ぐぉっ……!?」

 彼女は揺らぎ、よろめく。

「そこだっ!!」

 そんな彼女に、ヴィクトリーは片手で、顔面に超かめはめ波を放った。

「小賢しいわっ!」

 蜘蛛之皇女は頬を掠らせながらそれを避け、彼にエネルギー波を放ち返した。

「うわぁあっ!!」

 直撃し、ヴィクトリーは吹っ飛ぶ。

「くっ!」

「貴様もっ!」

 蜘蛛之皇女はルカの顔面を掴み、ヴィクトリーの方へとぶん投げる。

「そぉらっ!」

 そして粘糸を吐き出し、二人を拘束した。

「な、なんだ……!?」

「動けねぇ……!」

「くらえっ!!」

 蜘蛛之皇女はエネルギー弾をお手玉のようにぽんぽんと生成した後、こちらに投げつけてきた。無数のエネルギー弾が、二人の戦士に連打される。

「うわぁああああーっ!!」

「ぐっ……!! アリスっ!!」

 ルカがそう叫ぶと、岩陰から凄まじい気が爆発した。アリスだ。

「何っ!? 魔王っ!!」

「蜘蛛之皇女、これでもくらえっ!!」

 アリスは大気をも凍らせるような冷気を放った。

「ぐおぉっ!!?」

 蜘蛛之皇女はそれに直撃し、全身が氷に包まれる。そうしていく内に、アリスは元に戻ってしまった。

「早くしろ! あいつを封じ込められるのは、長くて一分だけだぞ!」

「分かってる……!」

「ルカ、その糸こっちに寄越せ」

 ヴィクトリーが気で糸を焼き切り、二人は脱出する。

「があぁ──っ!!」

 それと同時に蜘蛛之皇女が気を解放し、自身を封じ込めていた氷を吹っ飛ばした! 

「はぁ……はぁ……小癪な手を……!」

 眉毛を吊り上げ、青筋を浮かべ、蜘蛛の目で戦士達を睨む。

「やべぇ、あいつブチ切れた時のタランチュラみてぇな目してるぞ……!!」

「え……じゃあ、怒らせただけって事か……!?」

「いでよ……ギガマンドラっ!!」

 蜘蛛之皇女は炎の精霊を召喚し、戦士達に向いた。

「さぁ、続けるぞ……!!」

 そう言って、炎の力を解放させる。熱風が、周囲に吹き荒んだ。

「ちっ……!!」

「……」

 炎には……水だ。ルカは明鏡止水の心になり、揺らいだ。

「……」

「……なるほど、頭を冷やせばいいのか……」

 ヴィクトリーは自分の頬を叩き、構え直す。

「行くぞぉっ!!」

 蜘蛛之皇女は突進し、二人に猛攻した。

「は、はえぇっ……!!」

「……」

 その猛攻に何とか対応する二人。いや……ルカの方は冷静だった。

「……」

 ルカは隙を見て、蜘蛛之皇女の足に斬撃した。

「痛ぅ……っ!?」

「だりゃあぁーっ!!」

 怯んだ彼女の顔面を、ヴィクトリーの拳が打ち抜く。

「ぐぶぅっ……!?」

「合わせろルカっ!!」

「……」

 ヴィクトリーとルカのパンチが、彼女の女体部分の腹に炸裂した。

「がっはぁあ……!!?」

 彼女は目を見開き、苦悶したが、蜘蛛の八本足でその場に踏みとどまり、ダウンを免れた。そうしてから二人に向き、ニヤリと笑った。

「……汝ら、母乳は好きか?」

「……あんっ?」

「っ!」

 蜘蛛之皇女の露出してる胸から、液体が飛んできた。ルカは咄嗟に飛び退いたが、ヴィクトリーの顔にかかってしまう。

「……っ!?」

 次の瞬間、体が麻痺して動けなくなってしまった。

「な、なんだこりゃあ……!?」

「ベノムメント……麻痺毒だ。こうなってしまえば助から」

 ここでルカが蜘蛛之皇女の顔面に両足蹴りし、ぶっ飛ばした。

「っ!!?」

 蜘蛛之皇女は壁に叩きつけられ、その壁も粉砕して瓦礫に埋もれるルカはヴィクトリーを抱え、アリスの隣に置いて、再び彼女の方へ構えた。

「さ、サンキュー……!」

「……!!」

「があああああぁーーーっ!!!」

 蜘蛛之皇女は瓦礫を吹っ飛ばし、立ち上がった。

「くらえっ!!」

 そして両手を突き出して、エネルギー波を放ってきた。

「……」

 ルカはそれを跳んで避け、蜘蛛之皇女に手を向ける。その手に魔力が凝縮し、凄まじい熱量のエネルギーとなった球体を生成し、それを放った。

「ぐおぉっ!!?」

 直撃し、大爆発する。ここが倉庫なら、壁一面が吹っ飛び、街にまで被害が及んでいたであろうが、ここは蜘蛛之皇女が作り出した次元。例え星が削られるようなスケールの技を放っても、何ら問題はない。

「ぐ、ぐぬぅううううっ!!」

 炎を纏った旋風と共に、爆煙を吹っ飛ばして登場する蜘蛛之皇女。彼女は咆哮し、蜘蛛の尻を向け、強靭な粘糸を放ってきた。

 ルカは構わず、猛ダッシュで突撃する。粘糸を避け、剣を構え、彼女の眼前に来た所で、踏み込み、抜き胴で一閃した。

「……九重の羅刹。」

 次の瞬間、彼女の全身に斬撃が走った。

「ぐがぁっ……!! ま……だ……だぁっ!!」

「……!!」

 ルカは、蜘蛛之皇女の粘糸に捕らわれてしまった。

「がぁあああ……!!」

 そして炎のエネルギーが籠った拳で、ルカを連打した。

「がはっ……!!」

「やめろぉーっ!!」

 ヴィクトリーが飛び蹴りするが、蜘蛛之皇女はその足を掴み、ルカに叩きつけた。

「がっはぁ……!!」

「ぐっ……!!」

「もう汝らは殺してから、その死肉を食ってやろう!死ねっ!死ねっ!死ぃねぇえええーーーっ!!」

「ぐぁあああああ……!!!」

「ぎゃあああああ……!!!」

 蜘蛛之皇女の渾身の一撃が二人の腹に炸裂し、大爆発が巻き起こった。

「が、がはっ……!」

「ぐぅっ……!!」

 戦士達は倒れ伏して、ダメージに悶絶する。

「はぁ……はぁ……!!」

 蜘蛛之皇女の炎の力が切れた。

「ふ、ふふん……しぶとい奴らめ……まだ生きているのか……しかし、貴様らは気に入った。食い殺す前に、オスとして凌辱してくれよう。最期の時に、極上の悦びを味わえ」

 ルカの中の土の力と、ヴィクトリーの気が爆発する。

「な、なに……!?」

「どうやら、おめぇは力を使い果たしちまったみてぇだな……」

「僕達はまだピンピンしてるぞ……」

「な……な……!!」

 ルカは目を閉じ、瞑想する。すると傷が全回復し、構え直した。

「……行くぞぉっ!!」

「くぅっ!!」

 まずはヴィクトリーが突っ込み、蜘蛛之皇女にローキックを放った。

「ふんっ!」

 それを足で受けようとしたが、その足に、痛恨のダメージが刻まれた。

「ッッぎゃあぁーーーっ!!!?」

「何絶叫してんだ、足が七本になっただけだろ!」

「があぁっ!!」

 ルカの瞬剣・疾風迅雷が、蜘蛛之皇女の腹に炸裂した。

「ぐぅえっ……!!」

「だあぁっ!!」

 ヴィクトリーのかめはめ波が彼女の顔面に直撃し、爆発する。

「がはっ……!!」

「とおぉっ!!」

 ルカのハイキックが、彼女の顎を打ち抜いた。

「ぐぐ……舐めるなぁっ!!」

 一方的にやられていた彼女は足に力を込めて、振り下ろす。しかし、ヴィクトリーがそれを受け止めた。

「だぁあああーっ!!」

 そして足を抱え、一気に背負い投げた。蜘蛛の部分と合わせた身長が2mを超える巨体を、彼一人で背負い投げしたのだった。

「ぐあぁっ!!」

「まだまだぁっ!!」

 そしてぶん回し、思いっきり跳躍してから地面に叩き落とした。

「終わりだっ!!」

 ルカが両手に気を溜め、突き出した。

「な……!?」

「明けの明星ーーーッッ!!!」

 ルカは凄まじいエネルギー波を、蜘蛛之皇女に放った。

「こんな、まさか……妾が、志半ばで……!!」

 蜘蛛之皇女はそれに直撃する。すると、物凄い大爆発が巻き起こり……蜘蛛之皇女は蜘蛛の姿へと封印された。

「……ふぅ……」

「な、なんとか……勝てたな……」

 ルカが剣を納め、ヴィクトリーが超サイヤ人を解く。結界も消えて、グランゴルド城の倉庫へと戻った。グランゴルド王やクィーンアントを拘束していた粘糸も、たちまちにして消えていく……

「うう……僕達はどうなった? 助かったのか……?」

「勇者ルカと武道家ヴィクトリー……それに、魔王様……そうですか、あなた達が……」

 どうやら、二人に命に別状はないみたいだ。外に居た蜘蛛モンスターの気が散っていく……なんとか、グランゴルドの防衛に成功したみたいだ。

「しっかし、魔物達が暴れまくったせいで町がぶっ壊されちまったみてぇだな……」

 アリ娘達の反乱騒ぎから立ち直ったばかりで、またこの状況。復興まで、またしばらく時間が必要となるだろう……

 

 城下町……

「……ありがとう、勇者ルカ君。君のおかげで、またもこの国は救われたよ」

「いえいえ、僕一人の力じゃありません。アリ娘達や国教魔導師の人達の力があってこそです。……なぁ、二人共?」

「あぁ、こいつらがいなかったら、被害はもっと拡大してただろうな」

 ヴィクトリーはアリ娘の頭を撫でながら、そう言う。

「おなかすいた……」

 前回の騒動に続き、今回もご馳走にありつけそうにない。なんだか可哀想になるほど、アリスは元気が無かった。

「申し訳ありません、魔王様……現在、歓迎の宴さえ開ける状況ではなく……」

「アメ玉アゲル……泣カナイデ……」

「ありがとう……あまい……」

 とうとう、魔王はアリに飴玉を恵んでもらう始末。

「……おい、あれ伝書鳩って奴じゃねぇか?」

 ヴィクトリーの視線の先……一羽の伝書鳩が飛来した。

「これは、サバサ王家の宮廷鳩じゃないか……」

 王様の差し出した手に、伝書鳩が止まる。その足に結び付けられた手紙を広げ、王は書面に視線を這わせた。世界中に危機が迫っている、国家を超えての協力をしようという趣の手紙だ。

「そんで、具体的に何すんだ?」

「ああ……近く、全世界の首脳を集めてサミット? 流石はサバサ王、発想のスケールが大きい方だ……」

「サミットですか、それは凄い……!」

 ……この世界も、大きく動き出しているようだ。神に打ち勝つために、国家が結束しようとしてる……

「僕は、王としての勤めを果たすのみ。共に戦い抜こう、勇者ルカ君!」

「はい!」

「俺も戦うぞ!」

「あめ、あまい……」

「…………」

「あらら……」

 連戦による疲れからか、アリスの頭が退行してしまってる。結束を固めてく人間側に比べ、魔物側はどうだろうか……

「我々も、一丸となって危機に立ち向かうべきなのですが……種族外の繋がりが希薄な我々が、どこまで協力できるものやら……」

 二人の心を見透かしたように、クィーンアントが呟いた。

「……大丈夫だ、余にも考えがあるぞ! アメをもっとくれたら、教えてやってもいいぞ!」

「ダメ……アメ玉ハ、一人一個……」

「しょぼん……」

「あはは……」

「…………」

 不安だ……

 ヴィクトリーが、僕の肩を叩く。

「人間は、世界規模で協力しつつある。俺達は残る町に飛んで、魔物をぶっ飛ばしに行こうぜ」

「……ああ!」

 そしてヴィクトリーはグランゴルド王にカードを渡す。

「これは……?」

「……何だか、嫌な妖気を感じますが……」

「あ、いや……悪い事にはなんねぇ! とっておいてくれ!」

「ふむ……そう言うのならば、これはただのカードでは無いんだろうね。とっておくよ」

 そう言ってグランゴルド王はカードをしまう。

「ヴィクトリー、行くぞっ!」

「ああ!」

 こうして戦士達はグランゴルドから飛び立った。

 次の目的地は……

流血表現

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