もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話   作:ジョーカー:ゼノ

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溢れ出るパワー、萎む性欲

 サキュバスの村に来た戦士達。道中で何度か戦い、遂に騒動の黒幕に出会った。彼女の名前はエヴァ。黒のアリスによって、最強クラスの力を手に入れたらしい。その力は、超サイヤ人2のヴィクトリーと互角に渡り合うほどだった。しかしルカの助けにより、ヴィクトリーは俄然とやる気を出す。

「じゃあ、もう遠慮はいらないって事ね……!」

「そういう事だ……!」

「行くぞ……!」

 そして戦士達は、エヴァと激突した。

「ふふふっ!」

「あだだだだだだだだだ!!!」

「だぁああああああああ!!!」

 二人の疾風怒濤の猛攻。剣技と拳技が交差し、飛び、コンビネーションを織り成しながら、エヴァを追い詰めていく。しかし彼女はその猛攻を捌き、ルカの腹にパンチを放った。

「ふっ!」

 彼はギリギリで躱し、ハイキックを放った。

「っ!?」

 ハイキックが頬に掠り、エヴァは動揺する。

「だぁああっ!!」

 その隙に、ヴィクトリーがアッパーカットを決め込んだ。

「ッッ……!?」

 彼女は体制を整えて着地し、飛び上がった。

「逃がすかっ!」

「はぁっ!」

 ルカは光の翼で、ヴィクトリーは舞空術で飛んで、追いかける。

「はぁっ!」

 エヴァは両手に気を溜めて、二人にエネルギー波を放った。

「はぁっ!」

「やぁっ!」

 二人はそれを弾き飛ばし、彼女に渾身の一撃を放った。猛烈な一撃がクロスし、周囲に衝撃が舞う。しかし、その一撃に手応えはなかった。

「……くそっ!」

「残像かっ!」

 エヴァは二人の背後に現れ、後頭部を掴んで、地面へと急降下する。

「な……!!」

「うわぁぁあ……!!」

 そして、勢いよく地面に叩きつけた。

「ぐっあぁっ……!」

「ぐっはぁ……!!」

 衝撃で脳が揺れ、体が軋む。しかしヴィクトリーが先に持ち直し、足払いをかけた。

「きゃっ!?」

「ルカっ!」

「ああっ!」

 ルカは剣を構えてから走り、エヴァを何回も切りつけた。

「はあぁっ!」

 そしてトドメに、顔面に両足蹴りした。

「ぐぅっ!」

 しかしエヴァは踏みとどまり、持ちこたえる……

「はぁっ!」

 しかしヴィクトリーが彼女の腹に膝蹴りしてその体を持ち上げ、更に後蹴りで壁に蹴り飛ばした。

「行くぞっ!」

 ヴィクトリーはかめはめ波の構えを取る。

「おぉっ!」

 ルカは魔天回帰の構えを取った。

「かめはめ波ーーーっ!!!」

「魔天回帰ッッ!!!」

 二つの強烈なエネルギーが、同時にエヴァに叩きつけられた。大爆発が巻き起こり、地鳴りがサキュバスの村を揺るがす。

「はぁっ……はぁっ……!」

「や、やったか……!?」

 爆煙の中から、エヴァが突進してきた。

「なにっ!?」

「そんなっ!?」

「はぁあっ!!」

 そして二人にダブルラリアットして、ぶっ飛ばした。

「ぐあぁっ!!」

「くそったれが……!」

「……ふふふ、あは、あはははは!素晴らしい……これが、黒のアリス様から貰った力なのね……!」

 エヴァは高笑いして、気を解放する。

「凄まじい……凄まじいわ……!今の私ならば、今までに私が出来なかった事も出来る……!!」

「ぐ……!」

「……」

 ヴィクトリーは立ち上がり……気を解放した。みなぎるパワーが、彼の気を上昇させていく。

「……ヴィクトリーっ……!?」

「ッッ!!?」

「……」

 戦闘開始時とは見違えるような、凄まじい気にルカとエヴァは驚きを隠せなかった。

「……はぁあっ!!」

 ヴィクトリーが思いっきり気を爆発させると、尋常ではないエネルギーが波動して、辺りを揺るがせた。民家の窓ガラスが揺れ、街路樹の葉が何枚か吹き飛ぶ。

「な……!?な……!?」

「俺はサイヤ人……戦えば戦うほど強くなるんだ……今、この瞬間もなぁっ!!」

 そう言って気の上昇を止め、消えた。

「っ!?」

 明らかに重みの違う一発が、彼女の頬を打ち抜いた。

「でゃだだだだだだだ……!!!!」

 更に激しい猛攻で、圧倒する。

「な、なめるな……!!」

 エヴァはそれに対応しようとするが、今までとは桁違いのパワーアップに圧倒されてしまった。

「あだぁっ!!」

 そしてエヴァをぶん殴り倒して、蹴り飛ばした。

「行けルカぁ!」

「あ、あぁ!」

 ルカが気を解放して、瞬剣・疾風迅雷を放った。

「ぎゃあっ!!」

 突きの一閃が直撃して、エヴァは宙を舞う。

「そこだぁっ!」

 ヴィクトリーは、そんな彼女にリベリオントリガーを放った。

「かぁっ!!」

 彼女はそれを弾き飛ばし、フルパワーのエネルギー波を放った。放たれたエネルギー波は、まっすぐにヴィクトリーに飛んでくる。

「だぁーっ!!」

 彼はそのエネルギー波を、上空に蹴り上げた。

「なっ!?」

「貰った!」

 ルカは、動揺するエヴァの懐に高速移動して、魔剣・首刈りを放った。

「ぐぅえっ!?」

 喉元が突き上げられ、体が打ち上げられる。

「はぁっ!!」

 ヴィクトリーは飛び込み、エヴァの胸に拳を放った。

「がぁっ!!」

 しかし彼女は土の力を胸に集中させて、拳を弾き飛ばした。

「いっ……!?」

「調子に……乗るなぁああああーっ!!」

 そしてヴィクトリーにパンチを連打した。

「ぐ……ぐ……ぐぐ……だああぁーーーっ!!!」

 パンチの連打に耐えかねたヴィクトリーは超爆発波を放って、彼女を吹っ飛ばした。

「ぐぅうっ……!!」

 次の瞬間、エヴァの体に無数の斬撃が走った。

「ぎゃああぁっ!!?」

「……九重の羅刹。」

 エヴァは跪き、ダウンした。ヴィクトリーとルカは彼女の前に立ち、自分の武器を向ける。

「降参しろ! これ以上やっても無駄だ!」

「ぐ……ぐぐ……!!私が……!!」

 エヴァは二人に手を向け、フルパワーのエネルギー波を放った。

「ぐあぁっ!?」

「くそぉっ!!」

 二人は直撃し、ぶっ飛びながら退く。

「わ、私が負けるかあぁーっ!!」

 そう言って思いっきり力を込めた拳で、二人に猛攻した。

「ぐぅっ!?」

「ちっ……!!」

 こ、こうなったら……やるしかねぇか……!! 

 ヴィクトリーの右手が、燃えるように光る。

「砕けっ……散れぇええっ!!」

 エヴァの土の力を込めた拳が、ヴィクトリーの顔面に迫る。しかし彼はそれをしゃがんで避け……

「だああぁあああーーーっ!!!」

 その腹に、渾身の正拳突きを放った。それは直撃して、拳は彼女の腹に埋もれる。

「ごっはぁ……!!」

「うぉおおおお……!!!」

 ヴィクトリーの気が燃えるように光を放ち、それは龍へと姿を変えた。

「龍拳ーーーーッッッ!!!!」

 その強大な光の龍は、彼女の体を貫いた。

「……がっ……はぁあ……!!?」

「ルカっ!!やれーーーっ!!!」

「ああ……!!」

 そのエヴァに、ルカの閃殺が一閃した。

「なんで、私が……!! 私だけが、こんな……!!」

 次の瞬間、エヴァの体が大爆発した。彼女の体が消し飛ぶより先に、封印が成される。そして爆煙から、一匹のコウモリが羽ばたいてきた。

「……これで、倒したんだよな……」

「ああ、だけど……」

 肌に粘りつく感覚は、まだ消えてない。空を見上げてみるも、魔法陣は消えてなかった。村人達は、依然として興奮し続けてる。

「どういう事なんだ?まさか、まだ他に術士が……」

「いや……」

 アリスが隣に来て、空の結界を見上げた。

「確かにエヴァの手による起動術式は消えている。だが現在、バビロンの大結界は自動維持状態にあるようだ。村人達から吸い上げた精力で、自動的に作動し続ける……なんと恐ろしい禁術よ。」

「そ、そんな……」

「じゃあ、直接あの結界をぶっ壊すしか他はねぇんか……?」

「いや……原理的には、村人達の勢力供給を断てば自然消滅する。つまり、こいつらの性的興奮を覚ませばいいのだが……」

「よし、分かった!」

「……やるだけやってみていいか?」

「……好きにしろ。」

 アリスとルカが村人達を叩き起こそうとする脇で、ヴィクトリーは気を全開放して全力の超かめはめ波を放った。

「あだだだだだだだだ!!!」

 更にエネルギー波を連射するが……結界にはまるで意味が無かった。

「ち、ちきしょ〜……やっぱダメかぁ……」

「こっちも、どうやっても興奮状態から覚めそうに無いよ……」

 ここでルカが、思いついたように手を叩いた。

「サキュバスの結界なんだから、アルマエルマを呼んでみようか?」

「あ、それは良さそうだな!」

「いやダメに決まってるだろう!」

 ヴィクトリーは賛成したものの、何故かアリスに反対された。

「あんな空飛ぶ猥褻物を呼べば、それだけで大惨事だ。一瞬で全員を干物にする気か、ドアホめ。」

「あっ、そっかぁ……」

「ぐっ……どうすればいいんだ……!」

 このままだと、村人全員がテクノブレイクして死んじまう。どうにかなんねぇものか……

「……どうやら、ここは私の出番のようね。」

「お、お前は……!」

「た、確か……!」

 戦士達の前に現れたのは……そう、皆さんご存知。残念なラミアこと、アミラだった。

「おめぇ、なんでここに?」

「たまたま帰省してたら、こんな騒動に巻き込まれたのよ……」

「おめぇ、故郷ここら辺なんか?」

「いいから、ここは私に任せて! 百年の恋も醒めるアミラキック!」

 アミラはおもむろに、足元に転がってた村人を蹴っ飛ばした! 

「いてぇ!何するんだ!」

 なんと、その人は一撃で興奮状態から覚めてしまった。

「す、すごい……一撃で……!」

「そ、そうかぁ……?」

「その調子で頼むぞ、アミラ!」

「えぇ、任せて!」

 そのまんま、次々に村人達を蹴っ飛ばす。そして、村人の一人を踏みつけるが……

「あうぅ……この残念さが……萌え〜……」

「まさか……効いていない!? なかなかに残念な性癖の村人もいるようね……」

「えぇ……」

 アミラは息を吸い、気を解放した。 

「仕方ない、ここは仲間達に救援を頼むとするわ。残念な仲間達、手を貸して……!」

 すると、何故かヴィクトリーの腕が光った。 

「な……!?」

「どういう事だ……!?」

「ま、まさか……これは……!?」

 ヴィクトリーは腕を掲げ、天に向かって光を放った。 

「時空転送オオォーーーッッ!!!」

 天に穴が開き、そこからモンスター達が出てきた。

「残念なハーピー!」

「呼んだかしらぁ? 私に任せてぇ〜〜!」

 なんと、足の部分が人間の女性の足になってる鳥が舞い降りてきた。

「残念なマーメイド!」

「み、水……」

 今度は上半身が魚、下半身が人間の女の下半身になってるモンスターがべちゃっと落ちてきた。

「残念なねこまた!」

「……」

 着物を着た、不細工な猫が降りてきた。

「これぞ、時空転送Z(Zannen)!!劣等感を逆手に取って、わがままばかりの私達が……いざ、この村に栄光あれ!」

 その残念オールスターのエネルギーが、村中に波動する……

「うわぁ……萎えたよ……」

「何やってんだ、俺……もう家に帰るわ。」

 村人達の性欲が失せ、正気に戻る。忌まわしい空の禁術に、亀裂が走った。

「いくぞ、みんな!!」

 ヴィクトリーはかめはめ波の構えをとる。

「ええ!行くわよ!」

「いつでもオーケーよ!」

「水……」

「……」

 その時、みんなのオーラが爆発した。

「波あああぁーーーっ!!!」

「だああぁーーーっ!!!」

 ヴィクトリーのかめはめ波に、残念オールスターのエネルギーが重なる。その凄いのか凄くないのかよく分かんないかめはめ波は、空にある魔法陣を貫き、破壊した。

「や、やった……!!」

「こ、こんな馬鹿な事が……」

 ルカはガッツポーズをとり、アリスは頭を抱えた。

「はぁっ……はぁっ……ふぅ……」

 ヴィクトリーがようやく超サイヤ人を解き、座り込んだ。これで、サキュバスの村も一件落着したのだった……

 

「ありがとう、二人共。おかげで、みんな助かったわ。」

「いえいえ、僕達だけの力じゃないよ。」

「ああ!」

「魔王様も、ご助力に感謝致します。特濃で良質な精でも、ご馳走したい所なのですが……」

「ふん、精には困っておらん。ルカの新鮮な精を、いつでも飲み放題だからな。」

「なんと羨ましい……ぜひ、一度ばかりおこぼれに預かりたいものです。」

 アリスはルカに抱きつき、笑った。

「ダメ〜!」

「……それは残念。」

 サキュバスはアミラの方を向き、微笑む。

「それに、あなた達も世話になったわね。」

 そして、残念な仲間達を見回した。こいつらが居なければ、みんな助からなかったかもな。

「……人間も魔物もみな兄弟。お互いに助け合わないとね。」

「え、ええ……」

「あははははっ!」

 何だかこいつらが言うと……何か、笑っちまう。

「そんじゃあ……サキュバスさん、こいつを。」

 ヴィクトリーはそう言って、例のカードをサキュバスに渡す。

「あら、何かしらこのキラキラしたカード……何だか、不思議な魔力を感じるわね。」

「いつかそいつが助けになってくれる筈だ、とっておいてくれ。」

「ええ、額縁に入れて飾っておきますね。」

「……そういうカードでもねぇんだけどな……」

 とりあえず例のカード配りを終えて、俺達はサキュバスの村を後にした。

 さて、次の目的地は……

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