もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話   作:ジョーカー:ゼノ

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ゴルドポート防衛戦

 ゴルドポート上空……

 やはり眼下では、大量のモンスターがゴルドポートを襲撃していた。しかし、目に付く事態が一つあった。

「おいルカ、あれっ!!」

「あれは……!?」

 なんと、ラザロが子供を守りながらロイドモンスターと戦っているのだ。

「あ、あいつ……どういう……!」

「いいから、行くぞっ!」

 ヴィクトリーは超サイヤ人になって、ゴルドポートに着地した。

「待てよっ!」

 ルカとアリスもガルダから飛び降り、ゴルドポートに着地する。するとロイド系のモンスターの注目が、こちらに殺到する……片腕がキャノンになった、搾精ロイド……

「おめぇら、作品名とかあるんか?」

「トルーパーロイドだっ!覚えておきな!」

 そう言って、襲いかかってきた。

「ルカっ!ラザロの所に行けっ!」

「ああっ!」

 ルカは走り、ラザロの元に急ぐ。ラザロは子供を守りながら、今まさに背中に致命傷確実の一撃を食らおうとしていた。だがその一撃は、ルカの剣によって止められた。

「……嘘だろ、マルケルス……いや……お前か……ルカ……」

「ラザロ……!」

 あっちの方は何とか間に合ったようだ。しかし、こっちが割と忙しい。

「だぁっ!でやぁっ!」

「な、何だよこいつ!?金髪になると強くなるとか聞いてねぇーぞ!」

 そう言ったトルーパーロイドの顔面を蹴り、頭部を粉砕する。

「く、くそっ!」

「これでも食らえっ!!」

「俺からもいいもんやるぜっ!!」

 ヴィクトリーは、エネルギー弾を腕のキャノンの砲口に放った。それは、みごとにすっぽりとホールインワンする。

「わっ!馬鹿!そんな事したらオーバーヒートする……!!」

「うわぁあああっ!?」

 彼女ら二体のキャノン砲がオーバーヒートし、爆発した。

「だぁあっ!!」

 更にもう一体のトルーパーロイドに正拳突きを放ち、胸を貫いた。

「ごっうぅ……!!?」

「えぇいっ!」

「あらよっと!」

 胸を貫いた彼女にバックドロップして、背後から迫ってきた奴も叩き潰す。

「ひっ……ひ、怯むなっ!みんなでやるぞぉっ!!」

 トルーパーロイドが、一斉にかかってきた。

「おっしゃあぁーっ!!」

 バックドロップした彼女の足を掴み、それで周囲を思いっきり薙ぎ払った。

「うぉおおおおおっ!!!」

 強烈なパワーで薙ぎ払われた彼女達は、宙に舞う。ヴィクトリーは消えて、その一体一体を蹴り飛ばした。

「ぐあぁっ!」

「ぐはぁっ!」

「ぎゃんっ!」

「ぐうぅっ!」

「がはぁっ!」

 彼女らは壁に、重なるように叩きつけられる。

「波ぁっ!!」

 ヴィクトリーはそこにかめはめ波を放ち、トルーパーロイドを貫いた。彼女達は爆発し、ゴルドポートを揺るがした。

「……」

 しかしまた新品のトルーパーロイドが、周囲を取り囲んだ。

「お、お前なんて怖くないぞ!」

「この数でかかれば、超サイヤ人なんてどうしようも無いはずだ!」

「……」

 まずいな、これじゃあキリがねぇ。こういう時は、集団を指揮してる奴が居るはずなんだけどよ……そう思っていたら……ルカの居た方から、凄まじい気が爆発した。

「っ!?なんだっ!?」

 見ると、ラザロが燃え盛る気を纏いながらトルーパーロイド達を叩き切っていた。

「あ、あいつ……っ!」

 ヴィクトリーは迫り来るトルーパーロイド達をぶっ飛ばし、ラザロの背中についた。

「おう武道家の坊主、俺に何か用か?」

「なんか用って……おめぇ、その力は……!」

 ヴィクトリーはトルーパーロイドの顔面を掴み、ぶん回した。ラザロも全く同じ事をしてたみたいで、トルーパーロイドの頭部同士がぶつかって潰れた。

「お前さんの連れの勇者に、火の精霊を宿してもらったんだよ……!」

「サラマンダーか……だけど、その力は……!」

「うっせぇ、どうなるかなんて分かりきってらぁ!」

 ラザロは剣で、ヴィクトリーの背後から迫ってきたトルーパーロイドの顔面を突き刺した。

「てめぇはとっとと敵の親玉を見つけ出して殺ってこい!他のザコ共はみんな、この俺が相手をしてやる!」

「……分かった、死ぬんじゃねぇぞ!!」

 ヴィクトリーは飛び、トルーパーロイド達の注目を集める。

「ラザロぉっ!目をふせろっ!!」

「あぁんっ!?」

 ヴィクトリーはラザロの目が伏せたのを確認して、ポーズをとった。

「太陽拳ッッ!!!」

 そして眩い閃光を放った。

「うぁあっ!?ま、眩しいっ!?」

「集光レンズがイカれるっ!!」

「ち、ちくしょおっ!」

「……そういう事かい!」

 ラザロは閃光で混乱したトルーパーロイド達を切り払う。

「ルカの気は……これかっ!」

 ヴィクトリーはルカの所に瞬間移動する。

「ルカ、敵の親玉はっ!?」

「……探す必要もなかったみたいだよ。」

 その刹那、影から放たれた高速の刃。ルカが前に出て、剣でそれを受け止めた。

「ほう、奇襲の気配を察したか……どうやら、なかやかの手練のようだな。」

 現れたのは、鋭い爪のような武器を持った暗殺用のロイドだった。

「私はアサシンロイド……その名の通り、暗殺と奇襲を任務としている。今回の任務では、総指揮を任され退屈していたところだが……なかなか、面白そうな獲物がいるではな」

「おらぁっ!!だあぁっ!!」

 ヴィクトリーはアサシンロイドを殴り伏せ、蹴っ飛ばした。

「ふんっ、暗殺者が隙だらけかよ……」

 彼女は無表情のまま立ち上がり、二人に猛攻した。

「効いてねぇ……!?」

「ぐっ!」

 二人は気を解放して、アサシンロイドに対応する。

「っ!!」

 ヴィクトリーの目が鋭くなり、髪が更に逆立ってスパークが放たれる。

「ぐぅっ……!?」

「だあぁっ!!」

 そして、彼女の顔面に正拳突きした。

「ぐぅあっ……!!」

「はあぁっ!!」

 ルカは剣に土の力を込めながら、ヴィクトリーの背中を踏み台にして跳び上がった。

「壊斧・大山鳴動ッッ!!」

 そう言いながら一回転して、アサシンロイドに強烈な兜割りを放った。衝撃が大地を抉り、地響きを起こす。

 直撃し、彼女は吹っ飛ぶが、その最中に体勢を整え、身を低くしてゆっくりと呼吸する。その姿は、まさり獲物を狩らんとする肉食獣そのものだった。

「なかなかやるようだな……ならば、私の能力を見せてやろう……!」

 彼女がそう言うと、その姿が消えた。

「き、消えた……!?」

 いや……殺気は消えてはいない。おそらく、何かの能力で見えなくなっているのだ。

「じゃあ、俺の出番だ!!」

 ヴィクトリーは気を解放し、消えた彼女に猛攻した。

「なにっ!?」

「はぁああっ!!」

 ヴィクトリーの猛攻は確実にアサシンロイドの場所を捉え、彼女をタコ殴りにしていた。

「な、何故だ……!?」

「俺を甘く見すぎだぞ。透明になってたって、おめぇの動きぐらいよ〜く分かるさ。空気のちょっとした流れとかでさ……」

「くぅっ!!」

 彼女は刃の連撃でヴィクトリーに猛攻するが、避けられて顔面を蹴っ飛ばした。

「今の内に、僕は……!!」

 ルカは両手を広げ、エネルギーを溜める。

「だりゃあっ!!」

 ヴィクトリーがアサシンロイドの胸を蹴っ飛ばし、壁に叩きつけた。

「ぐっはぁ……!!?」

 その時、彼女の透明化が解けてしまう。先程の蹴りと同時に、ステルス迷彩のエネルギーが切れてしまったようだ。

「しまっ……!!」

 ヴィクトリーとルカは並び、気を解放した。

「これで終わりだぁっ!!かめはめ波ーーーっ!!!」

「明けの明星ーーーっ!!!」

 フルパワーの超かめはめ波と明けの明星が、アサシンロイドの体を貫いた。そうして、大爆発が巻き起こった。

「なんという腕前……私が圧倒されるとは……!!」

 そう言って彼女は封印され、小さな触手生物となった。

「ふぅ、やったな……!」

「ああ……」

 相性が良かったからか、あっさりと敵の親玉を倒す事ができた。トルーパーロイド達も混乱に陥り、次々に撤退していく。

「へっ、敵の親玉をやったみたいだな……」

「ああ、おかげで……」

 振り返って見たラザロの姿は……全身が無残に焼け焦げ、立っているのがやっとという状態だった。

「お、おい……!」

「おめぇ……!」

「ぐぅっ……!」

 そのままラザロは、地面へと倒れ伏してしまう。凄まじい火傷と衰弱、全身の骨は折れ、内臓にも多数の損傷があるだろう。喉を触ってみると、食道も焼け焦げているようだ。仙豆での救済も無理そうだ……

「なんで……こんな状態に……」

 ルカの中のサラマンダーが出てきて、ルカの肩を叩いた。

「四精霊クラスの力を、正式な契約抜きで体に宿した結果だ。荒れ狂う炎の力は全身を内側から焦がし、その身を焼く……」

 それは、まさに命と引き替えの力だった。ラザロの生命は紅蓮の業火を生み出し、燃え尽きようとしている……

「……おめぇ、まさか最初からこのつもりで……」

「へっ、構いやしねぇよ……あれだけ好きにやってきた俺には、もったいない花道だぜ……」

「ラザロ、お前……」

「……もう一つ、迷惑ついでに頼まれてくれ。俺の屍は、マルケルスの隣に埋めてくれねぇか。奴の埋葬場所は、この町の墓守に聞きゃ分かるからよ……この騒ぎでくたばってたら、教会の埋葬記録でも見てくれや。」

「…………」

「何で……父さんの隣に……」

「あいつがいねぇと、やっぱり俺はダメだからな……」

 その言葉を最期に、ラザロは死んだ。ゆっくりと目を閉じて、息を引き取ったのであった……

 

 ゴルドポートの共同墓地……

「ここが……父さんの墓か……」

 ルカの父ちゃんの墓は、豪華でもないけど粗末でもなかった。

「……っ!!」

 ラザロを抱えてるヴィクトリーはマルケルスの隣の土を睨み、そこを気合で吹っ飛ばす。

「……分かってるぜ、ルカの父ちゃんを殺しちまったのは、憎いからじゃねぇんだろ?ルカの父ちゃんに理由があって、それが事故に繋がっちまっただけなんだろ?」

 そう言いながら、そこにラザロを埋葬した。

「おめぇの事は大嫌いだったけど、戦士として……そして人としての心は持っていた。だから……その心、ちょっとだけ俺に分けてもらうぞ……」

 そう言いながら墓石を立てて、カードを供え、埋葬を終わらせた。そしてアリス達の隣に立った。

「……報いねばなるまいな、失われた命に対して。」

「あぁ……ここで散ったラザロのためにも、そしてこの星の命のためにも、イリアスをぶっ倒す!」

「ああ、一緒に頑張ろう。」

 ルカは一人、マルケルスの墓に向き合っていた。

「……どうしたんだ?」

「……僕は、父さんの事を全く知らないんだ。」

 なぜ、魔王討伐の旅に出ようと思ったのか。いつ、堕天使である母さんと出会ったのか。何をきっかけに、魔物排斥の考えを捨てたのか。そして、なぜ魔物達を隠れ里に保護するようになったのか……

「もっと知りたかったな、父さんの事……」

「そうだな……ラザロも死んじまったし、ルカの母ちゃんも病気で……ルカの父ちゃんを知ってる人は、もういねぇのか。」

「ああ……」

「寂しいな……」

「……ああ。」

 アリスがルカの隣に立ち、マルケルスの墓を見る。

「今は誰も知る者がいない、彼だけの物語……貴様の父は、どういう冒険をしてきたのだろうな。」

「知りたかったけど……仕方ないよ。その結果として……今、僕がここに立っているんだ。」

「ルカの父ちゃんの死は無駄じゃねぇ。その意思を受け継いで、ルカがここに居るんだから……」

「そして、余が仲間としてここにいる。つくづく、奇妙な因縁だな……」

「……俺は巻き込まれただけだけどな。」

 犠牲になった者達のためにも、僕達は戦い続けなければならない。そして、この手で人と魔物の共存を為す……

「……それじゃあ、行こうか!」

「ああ!」

「ふふん……」

 こうして戦士達は、ゴルドポートを発ったのだった……

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