もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話 作:ジョーカー:ゼノ
次の目的地はゴルド火山だ。最後の精霊であるウンディーネを取り戻した後は、魔王城に戻って対策を練るつもりだと言う。これで一連の世界巡りも、終了だ。
そしてゴルド火山……
「あ、熱い……」
「は、肺が焼ける……」
以前と同じく、うだるような熱気。相変わらず、吸う息も灼熱の如しだ。
「でも、これでようやくルカの精霊も元に戻るんだな。」
「だけど、結界があるからフルパワーとまでは行かないけど……」
「今頃、魔王城では例のディスクの解読が進んでいるだろう。きっと、精霊結界に関する情報もあるはずだ。そして今後は、我々も攻めに転じねばならん……そのために必要なのは、種族の壁を超えた団結だ。」
「そうだね、僕達だけでどうにかなる戦いじゃない……」
「みんなの力を一つにして、協力しねぇとな。」
人間同士、魔物同士が団結してイリアスに対抗しなければならない。そして、人間と魔物が手を取り合って戦うのが理想的なのだが……
「……むっ?何だか、変わった奴がいるな……」
「ああ、何だ……?」
こっちに近づいてくる変な気を感じて、ヴィクトリーは身構える。この嫌な感じは……キメラモンスターか。
「最後まで、すんなり通してくれないみたいだね……」
現れたのは、髪の束のような女型のモンスターだった。
「ここは……通さない……」
異様な気を漂わせ、髪をじゅるじゅると蠢かせている。
「キメラモンスターみたいなのは確かだけど……随分と奇妙な敵だな。」
「ゴースト系のモンスターのようだな。プロメスティンめ、こんなものまで造ったのか……?」
「……ゴーストと何を掛け合わせたらこんな奴が出来るんだ……?」
ヴィクトリーはそう言いながら、髪のモンスターの頬を触ろうとした……その時だった。
「うふふ……」
「んなっ!?」
髪がリストバンドに巻き付き、蝕まれた。リストバンドが黒ずみ、髪のようになり、ボロボロになっていく。
「うわあぁっ!?」
そのリストバンドを外し、溶岩に投げ捨てた。
「よ、ヨモツシコメかこいつ!!」
「うふふ……」
ヨモツシコメは髪を地面に這わせ、ルカたちに伸ばした。
「飛べルカっ!捕まったら腐るぞ!」
「ああ!」
ルカとヴィクトリーは飛んで、ヨモツシコメにエネルギー弾を連射した。
「うぐぅ……!」
「よし、行くぞっ!」
「ああ!」
ルカは魔天回帰、ヴィクトリーはバーニングアタックを放った。それがヨモツシコメに直撃し、爆発した。
「…………」
彼女は、大量の髪束となった。
「……奇妙なモンスターだったね。」
「プロメスティンも悪趣味な奴だぜ。何でゴースト系のモンスターなんか研究したんだ?」
「どうやら戦力となるモンスターばかりを生み出している訳では無さそうだ……どうせ、よからぬ事でも考えていたのだろう。」
「そうだな……」
そうして戦士達が進もうとしたら……不意に、異様な気配が周囲へと広がっていく。
「な、なんだ……?」
「て、天使か……!?」
間違いなく天使の気だが、その圧迫感は桁違いだ……
「気を抜くなよ二人共、とんでもない天使が来るぞ……!」
「わ、分かってる……!」
「全く、次から次へと……」
臨戦態勢に入る戦士達の目の前で、異様な光景が展開された。壁や溶岩から無数の触手が生え、じゅるじゅると全体に侵食していく……
「な、なんだこれ……!?」
「空間自体に侵食してきたのか……!?まさか、ここまでの芸当が可能とは……!」
「かぁっ、気持ち悪ぃ……!!」
無数の触手の中から、女の上半身が出てくる。
「私は智天使ワミエル……空間そのものを食らい、同化する聖存在……本来、罪人の処分など私の管轄ではないのですが……エデン様の特命で、汚れた下界などに降臨した所存です。」
「誰が相手だろうと、先に進ませてもらう!」
「じゃあ俺は避難すっぞ。」
「貴様も戦わんか!」
逃げようとするヴィクトリーの足に、アリスの尻尾が巻き付く。
「……さて、あなた達をどう処分しましょうか。私が現界した以上、安穏の死は許しませんよ。永劫の快楽地獄を味わい、イリアス様に楯突いた事を永遠に悔やみ続けるのですね……」
「い、嫌だ……!」
ヴィクトリーは超サイヤ人2になり構えた。
あいつ、俺が戦ったどんな奴よりも気持ち悪ぃぞ……DBHにもあんな奴はいなかったし……どうすりゃいいんだ……
「はぁっ!」
ルカは天使の力と、風の力を解放する。
「へぇ……」
ワミエルは二人に向かって、触手を伸ばした。
「やべぇっ!」
「くそっ!」
二人は飛び上がり、触手を躱す。
「ふんっ!」
しかし触手は二人を追いかけて、二人の目の前で何本にも展開した。
「うわぁっ!?」
「キモっ!」
二人は触手の猛攻に対応しながら、ワミエルと距離をとる。
「くそっ!」
「隠れるぞヴィクトリー、キリがないっ!」
ヴィクトリーとルカは岩陰に隠れ、ワミエルを覗きみる。
「隠れてもムダです……出てきなさい!」
相手がスカウターを持ってなくて良かった。どうやら気の察知はできねぇらしい。
「……さて、あいつをどうしたらいい?」
「天使だから、アリスも使えねぇ……あいつのど真ん中に、龍拳をぶち込めば何とかなるんだろうけど、触手が……」
「じゃあ、触手を何とかする所から始めるか……!」
ヴィクトリーとルカは出てきて、気を解放した。
「そこですか……!」
ワミエルは束ねた極太の触手や、細長い触手やらを二人に向けた。
「うぉおおおっ!!」
ルカは飛び、極太の触手を真っ二つにする。
「だっはーっ!!」
ヴィクトリーは蹴りで、極太の触手を貫いた。
「ふんっ、小賢しいわね……!」
ワミエルは極太の触手を束ね、二人に向けた。
「魔閃烈衝壁ッッ!!」
「かぁあああッッ!!」
ヴィクトリーは気のバリヤーを、ルカは聖なるエネルギーを体に纏い、その触手に突っ込んだ。二人は触手の皮膚と筋肉を突き破り、入り込む。
「うぉおおおおおっ!!!」
「はぁあああああっ!!!」
そして二人は触手から出てくる……それと同時に、触手がバラバラに粉砕された。
「よしっ!」
「このまんま、ど真ん中をぶち抜くぞ!!」
ヴィクトリーが、ワミエルの本体に突っ込んだ時だった。極太の触手が、彼を弾き飛ばした。
「うわぁあっ!?」
「おっと!」
ルカはヴィクトリーのぶっ飛んだ所に飛んで、受け止めた。
「気を抜くな、ヴィクトリー!」
「分かってるっての!」
そういうやり取りをしていたら……極太の触手が、周囲を取り囲んでいた。
「ふふ……終わりね……!」
極太の触手が開き、そこから無数のビームが迸る。
「来たぞっ!!」
「応っ!!」
戦士達はそれらを弾き、いなし、躱し、防御し、受け流し、飛ばし、蹴り、殴り、切り飛ばし、対応する。
「ルカ、へばってねぇだろうな!」
「冗談言うな!」
二人の弾いたビームが、周囲の触手を貫く。そして、触手の猛攻を振り切った。
「ならば……!!」
今度は細い触手が、二人に殺到してきた。
「避けるぞっ!」
「ああっ!!」
二人は飛び回り、触手を避け続ける。無数の触手が、あたかもビームのような速度で飛んでくるが、二人はそれを、何とか高速飛行で振り切ろうとする。
「逃がしませんよ……」
二人を追う触手が増える。
「飛ばせっ!捕まったらどうなるか分からねぇぞ!」
「分かってる!!」
しかし、二人の目の前から、不意打ちのように触手が飛んできた。
「うわぁっ!!?」
「しまっ……!!?」
二人の体は、触手に巻き付かれてしまった。
「く、くそ……!!」
「う、動けねぇ……!!」
「うふふ……」
ワミエルは人差し指を上げ、エネルギーボールを作る。そのエネルギーボールが、一瞬にして巨大になった。
「うふふ……」
「あ、あの技は……!!」
「プロメスティンも使ってた……!!」
エンジェリックプロミネンス……だけど、今度のは本場のエンジェリックプロミネンスだ。
「うふふ……!!」
ワミエルは二人に手を向け、エンジェリックプロミネンスを飛ばした。
「よ、避けれない……!!」
「うわああああ……!!!」
二人に直撃し、凄まじい大爆発が発生した。その爆発は、火山の十分の一を完全に消し飛ばす。
「が……がはっ……」
「く……くっそ……!!」
二人はボロボロになりながら、立ち上がる。
「ふふふ……まだ立てるのですか……」
「ああ……」
「俺達は……負けるわけにはいかねぇんだ……!!」
ヴィクトリーは飛び上がり、気を全解放した。
「おめぇみてぇな下らねぇ奴に、この世界を好きにさせる訳にゃいかねぇえんだぁあああああーーーッッッ!!!」
そうシャウトすると……ヴィクトリーの体から、スパークが迸った。
「ッッ!!?」
「かぁああああっ!!!!」
髪が逆立って前髪一束になり、眉毛が薄くなり、変異はそこで終わった。
「僕も、ここで倒れるわけにはいかないっ!!」
ルカも力を解放して、ヴィクトリーの隣についた。
「無駄な事を……消えなさい……!!!」
ワミエルはさっき放ったのより更に巨大なエンジェリックプロミネンスを生成し、投げた。
「はぁああああああああああああああ!!!!」
「うぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
二人はそれを受け止め、押す。ワミエルもエンジェリックプロミネンスを飛ばした腕に、力を込めた。
「ぐっぐぐぐぐ……!!」
「ぜってぇに……負けねぇえ……!!!」
「はぁあああああ……!!!」
ヴィクトリーとルカの気が、爆発した。
「押し通るッッッ!!!!」
二人はそう叫び、エンジェリックプロミネンスを貫いた、
「な……なに……!!?」
「僕から行くぞっ!!」
まずはルカが、ワミエルに突進した。
「ちいぃっ!!」
ワミエルは全ての触手をルカに向けたが、彼は圧倒的なスピードで彼女に迫り、一閃した。
「……九重の羅刹。」
すると、彼女の女体部分や触手に無数の斬撃が走った。
「がっ……はぁあっ……!!?」
触手がバラバラになって、ヴィクトリーの邪魔をするものは無くなった。彼はそれを確認した後、ワミエルに突進した。その黄金に輝く拳を、おもいっきり振りかぶり──
「龍拳ーーーーーッッッ!!!!」
気を爆発させながら、拳を突き出す。するとヴィクトリーの全てが龍へと姿を変え、辺りを舞って、ワミエルに巻きついた。
「こ、これはぁ……っ!!?」
「これで……終わりだぁあああああああ!!!!」
龍が、ワミエルの中心部を貫いた。その次の瞬間、龍はヴィクトリーへと戻り、彼はそこらの地面に着地した。
「……ここまで危険な人間など……あの、ハインリヒ以来の……」
次の瞬間、ワミエルの体が大爆発を起こした。そして彼女の姿が粒子となり、消散した……
「ハァッ……ハァッ……ふぅ……」
ヴィクトリーが超サイヤ人を解いて、座り込む。
「とんでもない奴だったな……でも、敵の妨害もこれで終わったみたいだね。」
周囲も元通りになり、岩盤とマグマが姿を現す。敵の気も消えて、ようやく落ち着ける……
「上位の天使というのは、もはや常識が通じんな。」
アリスがヴィクトリーに回復魔法をかけながら出てくる。
「まさか、空間自体に侵食してくるとは……」
「しかも、俺とルカしか戦えねぇんだからタチが悪いな……」
「何か、対策が練れないものか……」
「…………」
この戦いの中で、ヴィクトリーが更に強くなってた気がする。特に、龍拳を放ったあの時……明らかにあれは超サイヤ人2じゃ無くなってた。あれは……いったい……
「お〜いルカ、何ボサッとしてんだ。行くぞ〜!」
「あ、ああ……ごめん。」
戦士達は、先に進んだ……
妨害する者はいなくなり、あっさりと再奥まで着いてしまった。そこには、衰弱し切ったウンディーネの姿があった。
「……熱いわ。」
「うん、熱いね……」
「あはは……」
例によって、再契約の儀式が必要らしい。ウンディーネとセックスしなければならない。
「……じゃあ、俺は近くで修行してるぜ。」
「余は暇つぶしに溶岩に魔力を注ぎ込んでくる。臨界点に達し、噴火する前に終わらせるがいい……」
そう言い残して、二人は去っていった……
「……はぁっ!せぇいっ!!」
ここの環境はいいや。熱くって、すげぇ燃えてくる。
……それにしても、ワミエルと戦った時に解放したあの力……間違いねぇ、超サイヤ人を超えた超サイヤ人を更に超えようとしてる……
「……」
この調子ならば、早くにもなれそうだ……超サイヤ人ゴッドに。ブロリーとの戦いも踏まえて、少しずつ体を慣らさねぇとな。また短期間ですげぇパワーアップしたら、体がぶっ壊れちまう。
そんな事を思いながら、ヴィクトリーは一人、修行に励んだのだった……
流血表現
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もっとする
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このままでいい
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しなくていい