もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話 作:ジョーカー:ゼノ
次の目的地は、バイオラボという所だ。精霊の森付近にあるという施設……そこには、アリスを封印してる六祖大縛呪の装置があるらしい。
目的地の精霊の森の北辺り……ガルダはそこに、降り立った。
「ここだな、ガルダ。」
「くえぇ!」
ガルダは戦士達を降ろすなり、飛び去っていく。この周辺から魔力を感じたという話だが……
「本当に、ここで間違いないのか?」
「あぁ、周囲は見渡す限りの森だぜ。研究所の気配なんて何処にもねぇや。」
「確かに、この周辺から魔術の臭いはする。だが、場所の特定は難しいな……」
周辺にハッチらしきものも無し、木陰を探しても何も無し……
「仕方ない……そこで様子をうかがっている奴にでも聞いてみるか。頼るのはシャクだが、何か知っているかもしれん。」
「確かに、それ以外に方法は無いみたいだね……」
「そういう訳で、出てこいよ!」
さっきからずっと、木陰で様子を伺っている気……三人とも、最初から気付いていたようだ。しかも、こいつは……
「…………にゃー!」
「バレバレだぞ、クロム……」
「観念して出てこい。また折檻されたいか?」
「…………」
草むらからおずおずと出てきたのは、やはりクロムだった。
「おめぇ、何でこんな所に……」
「お前達も知っての通り、ここには天界側の重要施設がある。それを管理しているのが、姉様なのじゃ。」
「ラ・クロワか……」
最高レベルの妖魔のゾンビを率いる、強力なネクロマンサー。奴が守ってるとなると、相当の苦戦が予想される……
「貴様も、プロメスティンから技術を供給されていたのだったな。知っている事を全て教えてもらおうか。」
「前にも言った通り、儂は最先端技術を一方的に受け取っていただけ。プロメスティンの素性さえ、知らされていなかったのじゃ。そして、姉様がその腹心だった事も……」
クロムは、しゅんとした顔と、暗い話をするトーンで、言う。やはり、どうしようもないのか……?
そんな事を思っていたら、彼女は突然ニヤリと笑い、先程の表情をしたり顔に塗り替えた。
「その時のツテで、小規模な連絡所はいくつか知っていてな。そこに忍び込んで得られたデータを、独自に解析してみたのじゃ。すると、姉様が管理しているバイオラボというのがある事が分かった。生体、死体を管理している他、巨大な封印施設もあるらしい。お前達は、そっちが目的なのじゃろう?」
「ああ……間違いねぇみてぇだな。」
「ラボって事は、ここにも捕虜がいる可能性が高いな。やっぱり連中、人間を実験台としか思ってないのか……」
そうなれば、捕虜達も助けなければならないか。今回も、大仕事になりそうだ……
「さて、一つ取引をしようではないか。お前達には、バイオラボがどこにあるか分からんじゃろう?しかし儂は、その中に入る方法を知っておる。教えてやってもいいが、その代わり……」
「姉の元まで自分を連れていけ、という事だろう?」
「そ、その通りじゃ……誤解するな、儂は決して非力ではないぞ!しかし、一人で拠点に侵入するのは、やはり不安なのじゃ……」
「だ、そうだが……どうする、二人共?」
アリスはルカとヴィクトリーに目を向けた。先に口を開いたのは、ルカだった。
「姉に……ラ・クロワに会って、どうするつもりなんだ?」
「これ以上悪逆を重ねぬよう、説得するつもりじゃ。聞く耳を持たぬなら、せめて儂の手で……」
「貴様に、それができるのか?」
クロムはしばらく俯いて……決意したように顔を挙げた。
「道から外れた求道者……それすなわち外道。外道を行く同業者を始末するのも、魔芸者としての務め……ここに来た以上、覚悟は出来ておるのじゃ。」
「いや、実力的な意味で聞いたのだが……」
ヴィクトリーはパンッと拳を叩き、注目を集める。
「どっちにしろ、クロムがいねぇと殴り込む事も出来ねぇんだ。協力して、一緒にラ・クロワをぶっ飛ばそうぜ!クロムも、ただ遊んでただけじゃねぇみてぇだしな……」
「その通り……次の戦いでは、以前とは違う所を見せてやるのじゃ!」
「分かった、分かったよ……」
今のクロムは、僕達に対する敵意は持ってないようだ。連れていっても、問題はないだろう……
「そんじゃあクロム、研究所の入り方について頼むぜ。」
「入り方も何も、バイオラボは目の前にあるのじゃ。ただ、目には見えんだけでな……ユー、レイ、隠行破りの術じゃ!」
クロムは二体の幽霊を召喚する。屋敷でヴィクトリーと戦っていた、あの二体の幽霊だった。
「あははっ、了解だよ……」
「それじゃあ、やるわね……」
そして、クロムは二人の幽霊と一緒に両手で見慣れぬ印を組み、念を込める。すると辺りは霧が晴れるように次元が歪み、戦士達の目の前に巨大な屋敷が現れたのだった。
「まさか、本当に目の前にあっただなんて……」
「しかも、研究所っつってるくせに館かよ……」
「なんと、陰陽術を用いて存在を隠していたのか。ラ・クロワめ、手の込んだ事を……」
微かに溢れる嫌な気以外、全く感知できなかった。ラ・クロワの実力は、相当のものとうかがえる。
「アルテイスト家に伝承された秘術は、西洋・東洋を問わん。姉様は、はるか幼少の頃にそれらを学び尽くしたのじゃ……」
「……」
何つー奴だ……そんなやべぇ奴と対面するって時に……ちょっとわくわくしてきたぞ……
「……ともかく、約束は守ってもらうぞ。さあ、姉様の元まで儂を護衛するのじゃ!」
「分かったよ……」
「ははは……」
少し不安だが、約束した以上は仕方がない。こうしてクロムを連れ、バイオラボの重々しい扉を開けたのだった……
実験室……
「おらぁっ!!」
「ええいっ!!」
クロムとヴィクトリーがドアを蹴破る。そこには、天使のゾンビとそれに襲われてる青年がいた。
「だりゃあーっ!!」
ヴィクトリーはまず天使のゾンビを蹴っ飛ばし、青年を救い出す。
「天使のゾンビか……なんとも悪趣味じゃな、姉様!」
クロムがそう言って異次元から棺桶を出して、床に立てた。するとその棺桶が開き、重火器を装備したゾンビが現れた。そのまま腕のガトリングを天使のゾンビに向ける……
「やれ、フレデリカ!」
「……!!」
そのまま、天使のゾンビに銃弾を乱射した!たちまちそいつは蜂の巣になって、床へと倒れ伏した。
「……まぁ、こんな所じゃ。どうじゃ、儂も戦力として十分じゃろう?」
クロムは鼻高々で、無い胸を張って反り返ってる。確かに、かなりの戦闘力だが……
「……でも、もうフレデリカは使わないって約束したんじゃ……」
「心配すんなよルカ。フレデリカも、みんなのためにクロムに改造されたんだから……そうだろ?」
「……」
フレデリカはヴィクトリーの方に向いて、頷く。
「分かるのか、ヴィクトリー?」
「ああ、なんとなくそんな感じがしたんだ……」
「人々を守るためなら、己の屍を用いてもいいという悲壮な覚悟。それを受け止めた儂は、フレデリカのゾンビを超・改・造!」
クロムは回りながら、ちゃきーんと腕を掲げた。
「お、おう……」
「……」
「……」
ひゅ〜、っと寒い風が吹いた……気がする。
「……冗談はさておき、それまでゾンビの研究はあまりうまくいかなかったのじゃ。究極のゾンビになれる素質を秘めたフレデリカの肉体だが……その魂が拒んでいたのか、数々の最先端技術を受け入れんかった。」
「俺が以前に戦ったあのフレデリカか……」
「しかし、フレデリカの霊に頼まれてからの再改造は、まるで違う。彼女自身が力を欲しているかのように、さまざまな施術を受け入れた。今度は人々を守るための力ゆえ、拒まなかったのじゃろうな……そうして完成したフレデリカMk.II、こいつはまさに究極じゃ!」
「やっぱり、楽しんでるじゃないか……」
ルカは呆れつつ、助けた青年に寄る。
その間、俺はフレデリカの前に立ってた。
「悪ぃなぁ、あの時は全身粉々にしちまって……」
「……」
フレデリカは首を振って、クロムの方を見る。
「お前がフレデリカの全身の骨を粉々にしたから、骨格も組み直したのじゃ。今度の強化骨格は凄まじいぞ……」
「ヴィクトリー。」
ルカが、声を掛けてきた。
「なんだルカ?」
「お前が助けた青年の話によると、地下にも牢屋があるらしい。」
「そりゃあ見過ごせねぇな……そんで、そいつは?」
「ああ……どうやら、腰を抜かしたみたいで歩けないようなんだ。でも、外に送り出さないと……」
「そういう事なら、儂に任せよ。ユー、こいつを外に送ってやれ!」
「了解で〜す!」
ユーが出てきて、男に寄った。
「わわっ……幽霊!?」
「それじゃあ、運びますよ〜!」
ユーは青年を背負い、そのまま飛び去って行った。なんだか頼りないが、ちゃんと送ってくれるのだろうか……
「取り敢えず、地下に行ってみようか?」
「ああ。捕虜がいるんなら、助けねぇとな。」
「儂は一刻も早く、姉様の所に行きたいのだが……」
「そう言うな、クロム。最終的に、ラ・クロワとは相対する事になる筈だ。」
アリスは急に振り向き、構えた。
「話はここまでだ!新手が来るぞ!」
「そうか、ここはあくまでも実験室か……!」
目の前に投入されたのは、大きな棺桶だった。
「これは、実験モンスターか……いや、侵入者向けの相手みたいだな。」
棺桶の蓋が、今、開こうとした……
「却下ぁっ!!」
ヴィクトリーが、蹴りでその棺桶を無理矢理閉めた。
「えぇっ!?」
「これでもくらえ!ギャラクティカドーナツ!!」
そして、ドーナツ状のエネルギーを飛ばし、棺桶を封印した。
「ふっ……」
「……っ!!」
棺桶が、ギャラクティカドーナツもろとも吹き飛んだ。
「や、やっぱり戦わねぇとダメか……!」
「くっ……!」
中から出てきたのは……全身に包帯を巻いた、女型のミイラだった。
「我が名はフェルメサーラ……侵入者よ、ここで果てるがいい……」
「なんて妖気だ……」
「ただのミイラ女でも無さそうだな……」
そこらのゾンビモンスターとは、放たれてる気が段違いだ。おそらく、ラ・クロワが作り上げた強力なアンデッドだろう。
「このミイラ……かなり高位の人間の屍が用いられているようだ。そこらの上級妖魔以上の魔力をもっているぞ……!」
「ああ、分かっている……!」
「かぁあっ!!」
ヴィクトリーは超サイヤ人になり、構えた。
「おっし、行くかんなっ!!」
「あぁっ!!」
二人は、フェルメサーラに猛攻した。
「ふんっ!」
彼女はヴィクトリーの腕をガードし、ルカを蹴り飛ばした。
「うっ!?」
「ぐぁあっ!!」
ゾンビとは思えぬ身の動きに、二人は驚く。
彼女は、そんな二人のうち一人──ヴィクトリーの腹に掌底を叩き込んだ。彼は直撃して吹っ飛び、壁に叩きつけられるが、着地する。
「い、いってぇ……!」
「はぁあっ!」
フェルメサーラは包帯を伸ばし、ルカに巻き付けた。
「うっ!?」
「ふんっ!」
そして、ルカを振り回し、ヴィクトリーに叩きつけた。
「がっはぁ……!」
「ぐぁあ……!」
「くらえっ!」
更に彼女は、両手にエネルギーを溜め、二人に連射した。
「く、くそっ!」
「ぐ……ぐぐ……!!」
二人は防御し続けるが、どんどん押されてしまう。
「ちっ……だぁあああーーーっ!!!」
ヴィクトリーは超爆発波を放って、エネルギー弾を消し飛ばした。
「なにっ!?」
「……ふんっ!!」
そして超サイヤ人2になり、高速移動でフェルメサーラの懐に移動し、腹に一撃した。
「おッッ……ぐぅうっ……!!?」
「てやぁっ!」
次にルカが剣を振りかぶりながら突撃し、抜き胴で一閃した。
「……これで、ようやく長い眠りに就ける……」
そう言って、フェルメサーラはただの死体に戻った。
「……勝負が長引くといけねぇから、超2になっちまった。こいつ、かなり強かったぞ……」
「まさか、サバサ王家の屍とは……間違いなく、姉様の作品じゃな。」
「それでは、まず地下牢に行くぞ。」
「ああ。アリスの封印装置を見つけてから、ラ・クロワをぶっ飛ばす!」
戦士達は実験室から出た。
「そもそも、研究所って言うくせに洋館仕立てなのが意味不明なんだよな……」
「言ってやるなルカ。ラ・クロワにも、ラ・クロワのセンスがあるんだろ。」
「妹が、ここにいるのだが……」
ラ・クロワのセンスの話をしながら、地下の入口を探して奥へ進むのだった……
流血表現
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もっとする
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このままでいい
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しなくていい