もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話   作:ジョーカー:ゼノ

170 / 227
超激戦!超戦士VS究極の魔芸師

 超サイヤ人3になったヴィクトリー。その力はアリスフィーズ15世を圧倒した。しかし、倒す前にアリスが乱入。選手交代という形を取り、二人の戦士はラ・クロワに向かった。

「くっ……!残る全員で出ろ、シルク・ドゥ・クロワ!三人がかりで、何としても勇者達を倒せ!」

 棺桶から出てくる、フェルナンデス、ロザ、クィーンラミア……残るはこいつらだけか。

「行くぞ、ヴィクトリー……!」

「ああ……!」

 二人は背中を合わせて構えた。新たな力を爆発させたヴィクトリー。怒りを爆発させたルカ。二人の猛攻が今、ここから始まる……

 

「はぁあっ!」

 二人が踏み込もうとしたその時だった。

「シロムお姉ちゃん……」

 不意にそんな声がして、二人は止まった。そしてゆっくり背後を振り返る。そこに居たのは、クロムだった。

「……なんだ、クロムか。いったい、ここに何をしに来た?」

「最後に、もう一度だけ聞きたいのじゃ。もう本当に、儂の知っているシロムお姉ちゃんは帰って来ないのか……?」

 ラ・クロワは暫く考えてから……顔を上げた。

「言ったはずだ……シロムはすでに死んだ。今の私は、ラ・クロワだ。」

「分かったのじゃ……」

 クロムは少し悲しそうな顔をしてから……気を解放して構えた。

「ならば、外法の魔芸師を葬るのはアルテイスト家の務め!ラ・クロワ!外法の魔芸師として誅を下してくれる!」

「クロムよ、お前ごときにそれが出来ると思っているのか……?」

 クロムはヴィクトリーとルカの間に入る。

「二人とも、シルク・ドゥ・クロワの三体は儂に任せよ。」

「一人で三体を相手に……?」

「おめぇ、大丈夫なんか?」

「心配無用、こっちも一人では無いのじゃ!」

 クロムの棺桶から、ユーとレイとフレデリカが出てくる。

「そんなガラクタで、私の楽団に挑もうとは……つくづく、お前は未熟だな……」

「クロムを馬鹿にすんじゃねぇ!ラ・クロワ!」

「お前の相手は、僕達だ!」

 二人は構え、ラ・クロワの方に向いた。

「カーテンコールの時間だ、ラ・クロワ……」

「ああ……こんな下らない舞台、そろそろ幕引きにしてやる!」

「……私を圧倒したつもりか、汚れし勇者共……」

 ラ・クロワは、冷たく乾いた目を僕達に向ける。

「私が、他の団員より弱いと言うなら、とんだお門違いだ。私自身の肉体にも、様々な──」

 ヴィクトリーのどどん波が、ラ・クロワの額を撃ち抜いた。

「っ!?」

 どどん波が貫通し、床に倒れるラ・クロワ。二人は、そんな彼女を見下ろしながら、構える。

「……その類の言葉、プロメスティンからも聞いたぜ。」

「お前のようなタイプは、いつもそうだ。自分の体さえ大切にできないから、他人の体も玩具のように扱う……!」

「だからどうした……?」

 ラ・クロワは起き上がった。それと同時に、傷口も塞がっていく。

「げっ……」

「この身に代えても、私は研究を進めなくてはならん。お前らなどには分かるまい……!」

「ああ、理解出来ないよ……どちらにしろ、これで終わりだ!!」

「ああ、とっととやろうぜ……!!」

「ふん……」

 ラ・クロワはホイポイカプセルから紫色のスカウターを取り出して、装着する。するとスカウターが光り、彼女の筋肉が張った。

「アサルトスカウターか……!」

「来い……!」

 二人は突進し、まずはルカが前に出て切りかかった。ラ・クロワはそれを避け、手を向ける……

「油断したなぁっ!」

 ヴィクトリーは彼女の背後に高速移動し、蹴りかかった。しかし、それは腕にガードされてしまった。

「なにっ!?」

「はっ!」

 彼女はそのまま、ルカにエネルギー波を放った。

「ふんっ!」

 ルカはそれを流水の動きで躱し、蹴りを放つ。しかし、彼女はそれもガードし、手刀で周囲を薙ぎ払った。

「ちっ……!」

「く……!」

 ヴィクトリーとルカはそれを避けてから、床を蹴って突撃し、激しく猛攻した。

「ふっ!」

 彼女は二人を正面に置き、猛攻に対応する。確実な手捌きで、彼らの攻撃を次々に凌いでいく。

「そこだっ!!」

 そうして、二人に強烈な一撃を叩き込み、ぶっ飛ばした。

「ち……!」

「ふんっ……!」

 しかし二人は寸前でガードして踏ん張り、ルカが先に踏み込んだ。

「九重の羅刹……!!」

 踊るような剣技で、彼女の体に無数の斬撃を叩き込む。

「ぐ……!」

 それは直撃し、彼女はグラリと揺らいだ。

「かめはめ波ーっ!!!」

 そんな時に飛んできた超かめはめ波が、見事に彼女の胸を貫いた。

「うぐっ……効かんなっ!!」

 しかしすぐに再生し、かめはめ波の主──ヴィクトリーに向かってエネルギー波を放った。

「だあぁっ!!」

 それを素手で弾き飛ばし、高速移動でラ・クロワに低空飛行で接近する。そして、その胸に飛び蹴りを叩き込んだ。

「うぐぅうっ!」

「だぁあっ!」

「はぁあっ!」

 ルカとヴィクトリーは、揺らいだラ・クロワに飛びかかり、一撃を放とうと振りかぶる……しかし、彼女の手が、二人の胸に添えられた。

「ネクロインパクト!!」

 その魔力が二人の胸で爆発した。彼らの全身に衝撃が駆け巡り、吹っ飛ばされてしまう。

「ぐぁあっ!」

「くそっ!超サイヤ人3でも一筋縄じゃいかねぇか……!」

「……」

 ラ・クロワはクロムの方を伺った。シルク・ドゥ・クロワは、彼女のユーとレイとフレデリカに苦戦しているようだ。

「ちっ……何をクロムごときに手こずっている……!?」

「儂をとことん見くびっていたのが、姉様の失敗じゃな……フレデリカ、例の作戦じゃ!」

「捕獲、開始……!」

 フレデリカはフェルナンデスに組み付き、拘束した。

「くっ、離せ……!何のつもりだ!?」

 その体に、しゅるりとユーが入り込んだ。

「ハッキング対策は施していなかったようじゃな、姉様……他人をとことん甘く見ておるから、こんな所が甘くなる……」

「まさか、支配権を書き換えたのか!?」

「ご命令を、クロム様……」

 フェルナンデスはクロムの横につき、剣を構えた。

「よし……マスターの儂が命じる。あの人魚を倒すのじゃ!」

「了解しました、マスター……」

 フェルナンデスは、ロザに切りかかった。

「くっ……敵に操られてしまうなんて……!」

 フェルナンデスの剣技に、ロザは防戦一方になってしまう。さすがの海賊女王も、守りだけで手がいっぱいのようだ。

 一方で、クィーンラミアとフレデリカも正面から激突していた。あっちも、まだまだ長引きそうだ。

「うぉおおおっ!!」

「く……!!」

 ヴィクトリーはラ・クロワに頭突きし、胸に蹴りを連打した。

「がはぁ……っ!?」

「はぁああーっ!!」

 ルカが、顔面に両足蹴りする。それで彼女は吹っ飛んでいこうとする。

「ふんっ!」

 ヴィクトリーはそんな彼女の足を掴み、手繰り寄せ、顔面に拳を叩き込んだ。

「ぐがぁ……!」

「どうした!究極の魔芸師の力はそんなもんか!!」

「図に……乗るなぁああーっ!!!」

「うわっ!?」

「ぐっ!?」

 ラ・クロワのエネルギーが爆発し、二人は吹っ飛ばされる。

「ネクロダブルキャノンッ!!」

 彼女は両手にエネルギーボールを作り、二人に投げつけた。

「ぐぁああっ!」

「うぐぅっ……!!」

 二つとも直撃し、二人を爆破する。

「砕けろ……!!」

 更にヴィクトリーの方に瞬間移動して、彼の腹に手を当てる。すると、その手が光り──

「ッッッ!!?」

 凄まじい衝撃が、その身体中に駆け巡った。

「ぐぅあああああっ!!!」

 ヴィクトリーは吹っ飛んでから床に倒れ……そして、通常状態に戻ってしまった。

「ハァッ……ハァッ……!!が、がはっ……!!」

「ヴィクトリーっ!!」

「おっと。」

 ヴィクトリーの元に行こうとしたルカの顔面を、ラ・クロワが掴む。そして、思いっきり足元に叩きつけた。

「ぐぅっはあぁ……!!」

「ふんッッ!!!」

 更にその顔面を思いっきり踏みつける。衝撃が轟き、床に亀裂とクレーターが発生した。

「ぐっ……ああぁ……!!!」

「ちっきしょおぉ……!こんな時に……時間切れかよ……!!」

 ヴィクトリーは気合いで立ち上がり、ラ・クロワに殴りかかる。彼女はそれを、掌で受けた。

「やけに時間を気にしていたが……そうか、そう言う事だったか……」

「ぐ……!」

「その超サイヤ人3とやらはエネルギーの消耗が激しく、短期決戦狙いの形態だ……それを連戦で使用したのは間違いだったな……野蛮な猿……」

「く……そっ!」

 ヴィクトリーは、ラ・クロワの腹にパンチを放つ。しかしパンチはすり抜け、アッパーされる。

「がはっ……!?」

「ふんっ!」

 ラ・クロワは浮かび上がったその体を抱擁する。そして、思いっきり絞め上げた。

「ぐぅううう……ぎゃあああ……!!!」

「それにしても、よくもまぁ私の体にここまでダメージを刻んだものだ……大したものだ。貴様ら二人も……後でサンプルとしてこってり搾ってやる……」

「うわぁああああ……!!」

「ヴィクトリーを離せ……!」

 ルカは立ち上がり、ラ・クロワのこめかみに土の力を用いた蹴りを放った。

「っ……!!まだ生きてたか……!!」

 ラ・クロワはルカの方に手を向ける。そのおかげで、拘束力が半減した。

「今だぁっ!!」

 その隙にヴィクトリーは脱出し、彼女の顔面を蹴り飛ばした。

「ぐうぅっ……!!」

 そして着地し、かめはめ波の構えをとった。

「……なるほど。どうあろうと私に勝つと言うのか……良いだろう……」

 ラ・クロワは飛び上がり、手を合わせる。

「ならば、私も……私の最強の技で、貴様らを打ち砕くとしよう……!!」

 ラ・クロワが、気を解放する。それと同時に、呼応するように、各地から嫌な気が彼女の掌に殺到した。

「な……!?」

「怨念よ、集まれ……!!!」

「そ、その技は……!!」

 クロムが、声を上ずらせた。

「や、やめるのじゃ姉様……!!それは、禁術として封印された最悪の技……!!」

「クロム、知ってるのか!?」

「……リベンジネクロボール……人々が持つ念の中でも、もっとも強い念……怨念を周囲から吸い上げ、エネルギーに変え、撃ち放つ技じゃ……!!昔、この技で大陸の一つが消し飛んだという逸話もある!」

「な、なんだと……!?」

 ラ・クロワは両腕を上げ、そこに巨大なエネルギーボールを掲げた。そのエネルギーボールは禍々しく、深い闇の声から怨みの咆哮が響いている。

「か……め……は……め……!!」

 ヴィクトリーは超サイヤ人になり、今ある限りのフルパワーで迎え撃とうとしていた。

「吹っ飛べ、この大陸と共に……リベンジネクロボールッッ!!!」

「波あああぁーーーっ!!!」

 ヴィクトリーのフルパワーの超かめはめ波と、ラ・クロワのリベンジネクロボールがぶつかり合った。しかし、火を見るより明らかにかめはめ波が押される。

「うぐ……ぐぐぐ……!!!ま、負けねぇ……!!!」

「無駄な事を……今、楽にしてやる……!!」

 ラ・クロワの力が、更にかめはめ波を押す。このぶつかり合いは、あまりにも絶望的だった……

「ぐ……ぐぐぐぐ……!!ぜ、ぜってぇに……負けるもんか……!!!」

「そうだ……僕達は、負けちゃ行けないんだ!!」

 ルカがヴィクトリーの横に立ち、かめはめ波の構えをとった。

「かめはめ波ーーーっ!!」

 そして、かめはめ波を撃ち放った。

「ぐ……ぐぐぐぐ……!!!」

「ルカ、おめぇ……!」

「かめはめ波、そんな難しい技じゃないんだな……!!僕でも、威力が出せる……!!」

「何人居ようと……無駄だぁーーーっ!!!」

 勇者達のかめはめ波でも、まだ押されている。二人の周囲が怨念のエネルギーによって、吹き飛ばされる。じりじりと押され、靴が床にめり込み、今にも吹っ飛ばされそうになってしまう。

「く……く……く……!!!」

「うぐ……ぐぐぐぐ……!!!」

 ふ、二人がかりでも……ダメなのか……!!

 く、くそ……どうか……どうか、超サイヤ人3になれれば……!!

「失礼しま〜す!」

「少し、邪魔するわ……」

「え……!?」

 ユーがヴィクトリーの体に、レイがルカの体に入り込む。すると、二人の体にエネルギーが迸った。ダメージこそは消えなかったが、エネルギーが大回復した。

「よ、よっしゃあーっ!!気が戻ったぞーっ!!サンキュー!」

「よ、よし……!!」

 ヴィクトリーは超サイヤ人3になり、ルカもフルパワーになってラ・クロワの攻撃を押し返した。

「なに……!?」

「ラ・クロワ……お前もここまでじゃ……!!」

 彼らの横に、クロムが立っている。彼女は、しっかりとラ・クロワを目に焼き付け、睨んでいる。

「また貴様かクロム……!!」

 クロムに注目するラ・クロワ──その次の瞬間、ラ・クロワの顔面にエネルギー弾が叩きつけられた。

「っ!?」

 エネルギー弾の飛んできた方向を見ると……

「はぁ……はぁ……!」

 ロザとクィーンラミアが、こちらに手を向けていた。

「……お前……ら……」

 ラ・クロワが、油断した。

 ここしかない……!!!

「今だぁっ!!」

「ああっ!!」

 二人は、持てる限りのパワーを全て解放した。

「波あああああああーーーーーッッ!!!!!」

 二人の勇者のかめはめ波が怨念の塊を貫き、消し飛ばした。そして、それは猛スピードでラ・クロワに迫る。

「そ、そんな……!!?」

「おめぇの、負けだーーーっ!!!」

 二大勇者のかめはめ波が直撃し、ものすごい大爆発を巻き起こした。

「……かはっ……」

 これ以上は……体がもたんか……

 ラ・クロワは黒焦げになりながら、床に落ちたのだった……

「はぁっ……はぁっ……!」

「や、やった……!」

 二人は力を納めて、脱力してしまう。ヴィクトリーに至っては、倒れ込んでしまった。

「も、もう……動けねぇ……ははは……」

 二人の勇者と、二体の幽霊……一人のネクロマンサーと、数体のゾンビ……みんなの力が、ラ・クロワの怨念を貫いたのだ。

 こうして、死闘は幕引きとなったのであった……

流血表現

  • もっとする
  • このままでいい
  • しなくていい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。