もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話   作:ジョーカー:ゼノ

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加速する地上戦、波乱の天界

 地上……熱砂の大地にて、サバサ王国と天界の軍団がぶつかり合う。

「くそっ……手が回らんか……!」

 この世界で最強の軍備を誇るサバサ帝国……だからこそ、敵の差し向けた侵攻勢力も強力なものだった。しかし……

「王様! オラ達の所は終わったぜ! 次は何処をやればいい!?」

 超サイヤ人4の悟空:GTが飛んできて、そう報告した。

「カードの戦士……! よし、君はアテン騎馬隊と共に……」

 その言葉が終わらない内に、幕下に駆け込んでくる伝令。電光石火に動く戦況に、カードの戦士も戸惑いを見せる。

「戦車型および獣型数体が兵列を突破、こちらに接近中……うわぁあっ!!」

「う、ウッソだろ……」

 報告を聞くまでもなく、敵の集団が近衛隊を薙ぎ払って飛びかかってきた。

「ぬぉおおっ!!」

 サバサ王は剣を抜き、キメラビーストを撫で切る。

「だぁあっ!!」

 悟空:GTも拳を握り、キメラビーストを叩き潰した。そこに、キメラチャリオッツの巨体が迫ってきた……

「ふんっ!」

 しかし悟空:GTがその巨体を、片手で受け止めた。

「な……!?」

「くらえ……!!」

 拳を握り、キメラチャリオッツの顔面に飛ぼうとした時……突然に飛来した妖魔が、その魔物を踏み潰した。

「お、おめぇは……!」

「まさか……!」

 降り立ったのは、スフィンクスだった。彼女はサバサ王の方を向き、その顔をまじまじと見る。

「ふむ……一目で分かったぞ、サバサ王……その目、まさにあのお方の生き写しよ」

「二人共、話してる暇も無さそうだぜ」

 いつの間にか、スフィンクスとサバサ王と悟空:GTを敵の集団が囲んでいた。

「ふむ……」

「……一気に行くぜ……!!」

 強敵との激闘を前に、悟空:GTのアビリティが発動する。すると、悟空:GTやスフィンクス……更にはサバサ軍全員の力と忍耐力が倍増した。

「こ、この力……!」

 勿論、サバサ王もだ。

「勇壮の士よ、妾の後に続くがいい!」

「言われなくても、やってやっぜ!!」

 スフィンクスと悟空:GTは幕下の敵を圧倒的な力で駆逐した。その姿に兵士達の士気も高まり、真正面から天界軍を迎え撃つ。

 熱砂の地の攻防は、ますます激しさを増していった……

 

 ゴルドポート……

 元イリアスクロイツの団員が爆弾を手にキメラモンスターと激戦を繰り広げている。その団員の中に、ポセイドネス率いる魔物軍団も混じりキメラモンスターと激突していた。更にはキャプテンセレーネの船がこのゴルドポートに来て、砲撃で町で戦っている戦闘員を支援した。

「はぁあああっ!!」

 その戦闘員の中に混じっているのは……悟空だった。

「キリがねぇな……よし!」

 超サイヤ人ゴッドへとチェンジし、敵を猛攻した。

「す、すげぇぞ……! 誰だか知らねぇけど、あいつ素手でモンスターと渡り合っている!」

「ふむ……北海魔物軍、あの赤き戦士に続け!」

 モンスター達が、超サイヤ人ゴッドの悟空に続いてキメラビーストを薙ぎ払う。

「よぉし、オラも負けちゃいねぇぞ……!!」

 ゴッドになった悟空は引き出される力のままに、キメラビーストを叩き潰す。

 魔物嫌いの町で実現した、人間と魔物の共同戦線。それは天界軍の猛攻を正面から食い止め、一歩も退かなかった……

 

 魔女狩りの村……

「おのれ、亜人ごときに手こずるとは……」

「はぁ……はぁ……こんなに数が多いなんて……」

 倒せども倒せども、村の中に侵入してくる敵の軍団。その最前線に立っていたのは、ワームの腕を備えた女性達だった。

「また来るの……? もう限界よ……」

「くっ……もっと矢を放て! 彼女達を支援するんだ!」

 他の村人達はその後ろで横陣を組み、弓矢で応戦している。ここまでなんとか敵を押しとどめたものの、そろそろ限界だった……

「……どけ」

「え……?」

 青年達を掻き分けたのは、超サイヤ人3のベジータ:GTだった。

「あ、あんた……何を……」

「……ふんっ!!」

 ベジータ:GTは、敵の集団の真ん中にフルパワーのエネルギー弾──ギャリックブレイザーを放った。覚醒した王子の必殺技が敵陣で派手に大爆発し、敵の集団は乱れた。

「す、凄い……!」

「これなら……!」

「……どうやら、出番を奪ってしまったようだな……」

 ベジータ:GTがそう言いながら振り向くと、そこにはアイアンメイデンを従えたルシアが立っていた。

「……戻るべき場所……戻るべき所……どれだけ考えても、私にはここしか思い浮かばなかった……」

「ルシア……私達を、助けに来てくれたのね……!」

「……ふん!!」

 村娘とルシアの再会を横目に、ベジータ:GTは気を解放して敵陣に突っ込んだ。

「ザコ共が……この俺を相手に、生きて帰れると思うなよ!!」

 後方で、この村の連中が息を吹き返したのが感じ取れる。魔女狩りが行われていた場所で、人々は『魔女』の元で心を一つにしていた……

 

 イリアスベルク……

「うがっ……!」

「きゃあっ……!」

 魔物少女達はカトブレパス娘に弾き飛ばされ、地面へと転がった。

「このぉ!」

 その背後から、プチラミアが飛びかかるも……

「邪魔です……」

 あっさりと返り討ちに合い、地面へと叩きつけられてしまった。

「なんて無力なのだ、我は……」

「うがが……優しくしてくれた人達、守りたいのに……」

 フラフラと立ち上がるボロボロの少女達。しかし、目の前の相手は自分より格上……

「こうなったら、たまも様に貰った宝石を……!」

「で、でも……!」

 少女達は宝石を出した。

 曰く、たまもからもらった宝石で、『なるべく使わない方がいい』と言われてきた。その言葉を思い出し、瀬戸際で思いとどまる……

「こっちだ、こっちに大型がいるぞ!」

「おい、プチ達が襲われているじゃないか!」

 その場に駆けつけてきた兵士達だが、カトブレパス娘には敵わず……

「人間ごときが、私に勝てるとでも……?」

 カトブレパス娘が兵士達を見下しながら、そう言った時だった。

「いいや、勝てるさ」

「え……!?」

 いきなりビッグバンアタックが飛んできて、彼女の上半身を吹っ飛ばした。

「……」

 降りてきたのは、通常状態のベジットだった。

「だ、誰……?」

「俺はベジット……ヴィクトリーが持ってたカードの一枚だ!」

 ベジットはプチ達の所に向く。

「おめぇら、甘えるな! おめぇらがこの町を守るんだろ!?」

「……!」

「今のまんまでいいのか!? 俺がいないと、何も守れないのか!?」

 ベジットの声を聞き……少女達は顔を上げた。

「とっても怖いけど……あたし、もう弱いのはイヤ!」

「ここで逃げたら、そっちの方が後悔するのだ……!!」

「あの勇者達は……どんな時でも、どんな相手でも戦ったんだから!!」

 少女達は決意し、授かった宝石に念を込めた。そこに封じられた精霊の力が、彼女達の潜在能力を呼び覚まし……その気が、爆発した。

 ドラゴンパピー、ヴァンパイアガール、プチラミアの三体の体が急成長して、究極の力が宿った。

「あたし達が、今度こそ町を守るわ!」

「みんなに手を出す奴は、焼き尽くしてやるのだ!」

「くくく……闇の力、我が手にあり!」

 魔物少女は昂りながら、迫り来る敵達と激突した……

「……あのチビ共、やりゃあ出来るじゃねぇか……俺も、負けちゃいられねぇな……!!」

 ベジットはそう言って、超サイヤ人になった。究極を超えた力が町中に轟き、エネルギーが波動する。

「……さぁ、やろうぜ!!」

 ベジットもプチ達に続いて、敵を迎撃に行く。

「あたし達も頑張ってるよ……! だから……」

「ルカとヴィクトリー……そっちは頼んだのだ!」

 

 天界……

「……みんな、戦ってる……」

「ああ……」

「突然どうした、二人共……?」

「なんとなく、そんな感じがしたんだ……」

「……貴様が言うなら、そうなのだろう。きっと、みんなの声が届いたのだな」

 アリスはやけにあっさりと納得した。いつもなら、幻聴だドアホ共めと言われる所なんだが……

「……貴様らの探知能力は、もはや余より上なのだ。今の貴様らならば、何を感知しても驚かん」

 戦士達はそんな事を話し合いながら、歩を進める……

「……所でルカ、気付いたか?」

「え?」

「イリアスの気が消えたんだ」

「なにっ!? ということは……」

「いや、イリアスは殺されたんじゃねぇ……吸収されたんだと思う」

「吸収だと……!?」

「……その通り」

 そう声をかけてきたのは……プロメスティンだった。いつも通りの白衣に、フリーザの配下のタゴマが着けてるようなスカウターを着けている。

「……!!」

「おめぇはプロメスティンっ!!」

 三人は構え、プロメスティンに向かう。

「……熾天使クラスになると、魂の声をも察知するというが……やはり、猿の野生の探知能力の方が上なのか?」

 プロメスティン……無数のキメラモンスターを生み出した、極悪非道の科学者。世界中で人間や魔物を捕らえ、そして実験の材料にし……その非道な振る舞いは、もはや枚挙も出来ないほどだ。

「もう、これ以上非道な実験はさせない!」

「人間はおめぇの玩具じゃねぇ!」

 プロメスティンは二人の言葉を聞き、クスッと笑う。

「ふ……異な事を言うな。私は、人間という種を愛しているぞ」

「興味深い実験生物として……だろうが」

 アリスはプロメスティンを睨みつけ、ボキボキと指を鳴らす。

「……まぁ、貴様らに理解して貰おうとは思わんさ」

 プロメスティンはスカウターのボタンを押して、起動する。

「……それにしても、地上の連中も随分と奮戦しているものだ。今回の兵力は、一次侵攻の時程の質を維持出来なくてな……粗製乱造を行えば、どうしても単体での質は落ちる。地上に投入されたキメラモンスターも、多くは三級品なのだ」

 プロメスティンは他人事のように言い、深々とため息を吐いた。

「そして天使共はと言えば、聖素物理化の影響で総崩れだ。対等の条件で交戦するなど、多くの者は初めての経験。中には、初めて痛みという感覚を味わった者さえいる始末……死に物狂いで戦う地上の者達に対し、精神的劣位は免れまい」

「ふん、お高くとまった天使様方は、殴られるのも初めてという訳か」

「きっと、僕達が勝つよ……だから、こんな無益な戦いはもう終わりにするべきだ」

「ふふっ……無益なものか……」

 プロメスティンはバッと手を広げ、上を見る。

「この状況こそ、私には有益そのものだ! この拮抗状態を、私は待ちわびていたのだからな! おかげで、計画は全て上手くいった……!」

「計画だと……?」

「どういう事だ……!」

「全ては、この私の筋書き通りだったという訳だ。勢力は拮抗し、邪魔だったエデンも打ち倒され……そして、女神イリアスは黒のアリスに食われた! 女神と邪神の力が融合し、ここに究極の存在が生み出されたのだ!」

「……!!」

「喰われた……か、成程な……」

 動揺するルカと、冷静に言いながらも冷や汗を垂らすヴィクトリー。

「一体、どういう事だ……!?」

「言葉通りの意味だ……我々の造反計画は成った。女神イリアスは神の座から堕ち、黒のアリスがそれに成り代わる! だが、その後に……」

 プロメスティンは目を見開き、嫌な笑顔を三人に向けた。

「この私が、結局は全てを手にするのだ!」

 そして、注射器を取り出した。

「……!!」

「そ、そいつは……!」

 以前に、研究所で見たあの禍々しい薬品……

「これは、『白の兎』……『アリス』を呼び覚ます、究極の向進化薬。邪神アリスフィーズの細胞から、この薬は精製されたのだ」

「初代様から……だと……!?」

「これがもう一つ存在した事は、黒のアリスも知らない。そして、私向けに調合を施されている事もな……」

「くっ……させるかよぉっ!!」

 ヴィクトリーは踏み込んで、プロメスティンの顔面に殴りかかった。しかし彼女はそれを片手で受け止め、己の首筋に注射器の針を突き立て……

「……ふ……残念だな」

 そして、『白の兎』とやらを自身に注入した。

「……くそっ!!」

「ふふっ……これで私も、邪神アリスフィーズの力が……」

 次の瞬間、プロメスティンの肉体が変貌を始めた。巨大な肉塊が白衣から溢れ出し、際限なく膨張していく……

「くっ!!」

 ヴィクトリーは離れ、ルカの横につく。プロメスティンの体はまだ膨張を続けていた。それは、猛スピードで成長していく大樹を思わせた。

「こんな、馬鹿な……!」

「なんなんだ、これ……!?」

「す、すげぇ……!! すげぇ気だ……!!」

 見上げるような大きさの肉樹。その毒々しい花弁には、プロメスティンの胴部が備わっていた。

「私の体に、魔藻の絶滅種を埋め込んだ理由はこれだ……太古の魔藻は、現世妖魔より克明に邪神の遺伝情報を残している。だからこそ、『白の兎』との適合率も高いと踏んだ……その結果が、これだ……!」

 ヴィクトリーは構え、超サイヤ人ゴッドになる。

「見た目はだせぇけど、とんでもねぇバケモンだぞ……!!」

「わ、分かってる……!」

 ルカも精霊達を次々に召喚して、気を解放した。

 しかしながら、プロメスティンのエデン以上の凄まじい気に、三人は吹っ飛ばされそうになる……

「これが、初代様の力なのか……!?」

「だが、これだけでは今の黒のアリスには及ばん……奴は『白の兎』に適合し、その上で女神イリアスを吸収したのだから……聖素と魔素の融合は、爆発的なエネルギーをもたらす……今の奴は、まさに現世最強の究極生物なのだ……」

「その為に、黒のアリスはイリアスを吸収したのか……」

「ひ、ひえぇ……! おっそろしいな……」

 黒のアリスは、こいつすら上回る程の怪物と化している……それが本当ならば、かなりヤバい……

「だが私は、奴に対抗する術を見つけたぞ……その鍵はお前らだ、勇者ルカに武道家ヴィクトリー……!」

「僕達が……!?」

「どういう事だ……」

「イリアスの分身と言ってもいい存在……原初の天使。その血を色濃く受け継ぐ貴様……そして人でありながら、神の領域にも到達したサイヤ人……この二人を、今の私が取り込めば……イリアスを吸収した程度の黒のアリスなど、コケに出来る! 聖素と魔素の爆発的融合に、神の力が加われば、私は奴をも圧倒できる究極生物になれるだろう!!」

「全く……ろくでもない事ばかり、よく思いつく! そんな事を許すと思ったか!?」

「ああ……お前なんかに食べられてたまるか!」

「そうだそうだ! おめぇなんかすぐにぶっ飛ばしてやる!」

 プロメスティンはただでさえ凄まじい気を爆発させ、全開放した。

「……ここまで説明してやったのは、私からの温情だ。せめて、自分が食われる理由くらいは知りたかろう……そして、これで話も終わりだ! この私に肉体を消化され、我が力の糧となるがいい!」

 そう言ってプロメスティンのスカウターが光り……その肉樹の筋肉が張り、剛力が宿った。

「いいや……これで終わりだプロメスティン!」

「初代様の力……悪しき事には使わせん!」

「覚悟しろっ!!」

 三人は気を解放し、彼女とぶつかり合った……

流血表現

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