もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話   作:ジョーカー:ゼノ

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最悪の怪物、プロメスティン!

 天界の、中腹地点……不意に三人の前にプロメスティンが現れる『白の兎』を自身に注入し、邪悪な変身を見せた。更にプロメスティンはルカとヴィクトリーを吸収し、イリアスを吸収した黒のアリスをも超える最強生物になると宣言する。

「……ここまで説明してやったのは、私からの温情だ。せめて、自分が食われる理由くらいは知りたかろう……そして、これで話も終わりだ!この私に肉体を消化され、我が力の糧となるがいい!」

 そう言ってプロメスティンのスカウターが光り……その肉樹の筋肉が張り、剛力が宿った。

「いいや……これで終わりだプロメスティン!」

「初代様の力……悪しき事には使わせん!」

「覚悟しろっ!!」

 三人は気を解放し、プロメスティンと激突した……

 

「ふん……今すぐに黙らせ、貴様ら二人を吸収してやる!」

 プロメスティンはそう言い、三人に巨大な触手を振り下ろした。

「ヴィクトリーっ!」

「あいよっ!」

 ヴィクトリーがその触手を蹴っ飛ばし、ルカとアリスが突っ込む。

「はぁあっ!!」

「くらえっ!!」

 そして斬撃と拳を、プロメスティンの胴体に叩きつけた。

「……っほう……!」

「あぶねぇ、二人共っ!!」

 ヴィクトリーがそう言うと、ルカとアリスに、触手が迫ってきた。

「はぁああっ!!」

 アリスはその蛇体を竜巻旋風脚のように回して触手を薙ぎ払った。しかし、ルカが捕まってしまう。

「うぐ……は、離せ……!!」

「ふふっ、怯えることはない。新たな力を授けてくれる礼に、最高の快楽を与えながら消化してやろう……」

「プロメスティンーーーっ!!」

 ヴィクトリーはプロメスティンの顔面にエネルギー波を放った。それは直撃し、爆発するが……

「ふん……」

 傷一つついておらず、動じていなかった。

「そ、そんな……!」

「そのまま動くな。まだこの口の扱いに、慣れていないのでな……」

 プロメスティンの胴体の下にある巨大な花から、捕食口が迫ってきた。

「ほぉら、貴様の体をたっぷりと貪る口腔だ。この口で食べてもらえるのだぞ……ふふふっ。」

 不意に、ヴィクトリーが彼女の目の前に瞬間移動してきた。

「これなら……どうだぁあっ!!!」

 そして思いっきり顔面にパンチした。

「っ……!!?」

 プロメスティンは揺らぎ、力を緩めてしまう……

「今だっ!!」

 ルカはノームの力を解放し、触手を吹っ飛ばした。

「なに……!?」

「はぁあっ!!」

 次の瞬間、ルカの剣技が一閃する。

「……九重の羅刹。」

 プロメスティンの全身に斬撃が走り、揺らいだ。

「ぐぅ……!」

「くらえ……!!」

 そこにアリスが飛んできて、フルパワーのエネルギーボールを顔面にぶつけた。

「……ちぃっ!!」

 プロメスティンは踏ん張り、気を解放して三人を吹っ飛ばした。

「ぐぅうっ!!」

「ちぃっ!」

「くそ……!」

「はぁあああっ!!」

 プロメスティンの胴から触手が生え、両腕のようになって構える。

「……これで接近戦は少しはマシになったな……」

「じゃあ、遠距離戦はどうだ?」

 アリスがそう言って前に出ると、絶対零度の魔力を放った。

「!!」

 プロメスティンの触手の幾つかが凍りつき、動けなくなる。

「行くぞぉっ!!」

「はぁああっ!!」

 ルカとヴィクトリーが次々にそれらを砕き回り、プロメスティンに向かった。

「馬鹿め!」

「っ!!」

「な……!?」

 触手が、二人を捕らえた。

「こうなれば、意地でも離せまい……大人しく、食われるがいい……」

 そう言って捕食口を用意して……そこに二人を突っ込んだ。

「ルカ、ヴィクトリーっ!!」

「……」

 捕食口が閉まり、ゴクンという音が鳴る。

「そ、そんな……!」

「やった……やったぞ……遂に、聖素と神の力が……私の手に……」

 プロメスティンはそう言いながら歓喜の声を上げるが……いっこうに、変異は訪れなかった。

「……どういう事だ……?」

「……」

 あの二人、生きてる……!

 アリスがそう確信した時だった。急にプロメスティンの捕食口が飛び出し、呻き声を上げた。

「なに……!?ど、どうした……!?」

「か……め……は……め……」

 次の瞬間、ルカとヴィクトリーが捕食口から飛び出してきた。しかも、二人とも両手を合わせ、そこにエネルギーを溜めて……

「波ーーーっ!!!」

 二人のかめはめ波が、プロメスティンの顔面に直撃し、大爆発した。

「ぐぅう……っ!?」

「バーカ!あの程度で俺達があっさりとやられる訳ねぇだろ!」

「今度はこっちの番だ!!」

 ルカがプロメスティンの顔面に飛び蹴りし、顔面を打ち抜く。

「っ……!!」

「だだだだっ!!だぁあっ!!」

 更に胸を蹴りで連打してから、回し蹴りで顎を打ち抜いた。

「かっ……!?」

「くらえ……!!」

 そして剣を持って一回転し、渾身の兜割りを叩きつけた。

「ぐぅおおおっ……!!」

「俺もっ!!」

 そこにヴィクトリーが突っ込み、脇腹に回し蹴りした。

「ぐぅおっ!?」

「だだだだぁ!!」

 そして全身に拳を連打し、思いっきりアッパーした。

「っ……!!」

「行くぞルカっ!!」

「おぉっ!!」

 ルカは土の力を解放し、プロメスティンに手を向ける。

「ふっ……!」

 ヴィクトリーは両手をヒュバババッと動かしてから、プロメスティンに突き出した。

「余もいるぞ……!!」

 アリスは両手を合わせてから掲げ、エネルギーボールを生み出す。

「魔天回帰・傾国!!」

「バーニングアターック!!」

「ダークネスボールッッ!!」

 三人の技が一つとなり、巨大なエネルギーとなってプロメスティンに迫る。

「なめるな……!!」

 プロメスティンは触手の腕を合わせてから気を解放し、巨大な太陽の如きエネルギーボール──エンジェリックプロミネンスを放った。それは三人の技を吹き飛ばし、迫り来る。

「なにっ!?」

「ち……!!」

「俺が受け止めてやるっ!!」

 ヴィクトリーは天に向かって手を合わせてから、エンジェリックプロミネンスの方に向く。

「今更何をしようと無駄だ!!」

 プロメスティンがそう言うが、彼は止まらない。その両手に限界以上の気を集約させ、手の内で神と気と混ぜ合わせ、爆発させる。

「限界突破……かめはめ波ーーーっ!!!」

 そうして撃ち放った限界突破かめはめ波が、エンジェリックプロミネンスを受け止めた。

「なにっ……!?」

「はぁああああああーーーっ!!!」

 そして押し返して、プロメスティンに直撃させ、大爆発した。

「はぁっ……はぁっ……!」

「……ぐ……!!」

 プロメスティンの、右触手腕が吹き飛んでいた。

「へっ……!」

「私は……負ける訳にはいかんっ!!」

 プロメスティンの気が爆発し、触手が上方向にエネルギー弾を連射する。すると、三人に向かって無数のエネルギー弾の雨が降ってきた。

「なにっ!?」

「ちっ!」

 ルカやアリスは、それを避け続ける。

「はぁああああっ!!」

 ヴィクトリーはそのエネルギー弾を弾き飛ばし、プロメスティンを見る。

「がぁあっ!!」

「!!」

 拳のようになった巨大な触手が、ヴィクトリーに振り下ろされた。彼はそれを受け止めるが、跪いてしまう。

「く……!!」

「がぁあっ!!」

 ルカがその触手を切り刻み、ヴィクトリーを助けた。

「大丈夫か!?」

「さ、サンキュ!」

「く……!!」

 プロメスティンはその二人に触手を振り下ろすが……

「こっちだ!!」

「!!」

 アリスが眼前に高速移動してきて、顔面を打ち抜いた。

「〜っ!!」

「行くぞっ!!」

 そして蛇体と拳でプロメスティンを連打した。

「はぁあああ……!!」

 連打の中から、プロメスティンの触手が伸びてアリスの顔面に張り付いた。

「っ!!」

「邪魔だ……!!魔王ぉおおっ!!」

 そして触手が離れると同時に拳のようになり……渾身の一撃が、アリスの顔面に叩きつけられた。

「〜〜〜ッッ!!!」

 アリスは吹っ飛ぶが、ルカがお姫様抱っこで抱える。

「アリス、無茶をするな!」

「うぐ……!」

「何処を見ている!」

 ルカとアリスに、無数の触手が迫る。

「アリス!」

「ああ!」

 二人はあえてそれに突っ込み……触手を弾き飛ばしながらプロメスティンに迫った。

「無駄な事だ……!!」

 ルカ達に、触手が八方から迫ってきた。

「ここは任せろっ!!」

 アリスがそう言いながら腕をクロスし、気を解放する。

「はあああああぁーーーっ!!!」

 そして、闇の魔力を解放し、超爆発波を放った。魔王の暴虐が、八方から迫る触手を吹き飛ばす。

「な、なんだと……!!」

「うぉおお……!!」

 ルカは鉄の剣を抜き、そこに聖素を込める。そして、一瞬でプロメスティンの眼前に迫った。

「な……!!」

「だぁあああーっ!!!」

 二刀流で、プロメスティンの胸をクロスした。

「がはぁあああーっ!!」

 確かに直撃した。大ダメージにもなったが……まだプロメスティンは封印されなかった。

「……なにっ!?」

「今のは……効いたぞ……!!」

 プロメスティンはそう言い、触手腕を振り上げた時だった。

「でぇいっ!」

 ヴィクトリーの気円斬が、プロメスティンの触手腕を切り落とした。

「な……!!」

「うぉおおっ!!」

 ルカは剣を寝かせ、プロメスティンの胸に突き刺した。

「ぐぁあああっ!!?」

 これで、終わった。心の臓にエンジェルハイロウを突き刺したんだ。これで致命傷のはず──

「プロメスティンの気は減っちゃいねぇぞ!!」

 ヴィクトリーの声で、僕はハッとする。そして、まだ敵意をもってこちらを睨みつけてくるプロメスティンを見た。

「……まだ封印されないのか!?」

「ぐぅう……!!」

 プロメスティンの目が光り、ルカは吹っ飛ばされた。

「ぐぁあっ!!」

 吹っ飛んだその体を、今度はアリスが抱える。

「な、なんて奴だ……!!奴は不死身か……!?」

「私は……私は……負ける訳にはいかん……!!」

 プロメスティンは、ルカに触手を集中させた。

「せめて貴様さえ取り込めば……!!」

「……」

 ルカの心が、明鏡止水に至る。

「我が母は明けの明星、曙の子……地に投げ堕ちた星、勝利を得る者……!」

 そして、プロメスティンの触手を見ながら、両手を突き出す。

「明けの明星・無謬!!」

 そうして水の力によって強化された明けの明星を放ち、触手を消し飛ばした。

「ちぃいい……!!」

 プロメスティンはよろけ、ダウン寸前になる。

「……くそ……胸を一突きしたのに、まだ倒れないなんて……」

「いや、相手もギリギリだ……勝機はある!!」

「余が援護する!二人共、一気に決めてやれ!!」

 アリスはそう言い、気を解放する。

「まだだぁっ!!まだ終わってなるものか!!」

「プロメスティンーーーっ!!!」

 起き上がったプロメスティンを、アリスが大声で呼び……フルパワーの連続エネルギー弾を叩き込んだ。

「ぐ……ぐぐぐ……!!」

「よし、まずは僕から行くぞ……!!」

 ルカの腕に土の剛力、心に水、動きに風、指の先に火が宿る。

「はぁああああっ!!!」

 そして急接近して、思いっきり飛び上がった。

「勇者っ……!!」

「エレメント・スピカぁああッッ!!!」

 腕の魔力が爆発し、その腕でプロメスティンの胸を引き裂き、貫いた。

「ぐぁああああっ!!」

「……よし!」

 そしてエンジェルハイロウを取り、その場から離れた。

「おめぇはもう終わりだッッ!!!」

 入れ替わりに飛び込んできたヴィクトリー。その腕に自分の力の全てを込め、最強の一撃を爆発させた。

「龍拳ーーーーッ!!!!」

 ヴィクトリーの気が爆発し、巨大な龍となる。龍は辺りを舞ってからプロメスティンに巻きついた。

「こ……これは……!!?」

「はぁあああああーーーっ!!!」

 龍はプロメスティンの胴の下の、巨大な花弁を貫いた。

「ぐぉおおおおお……!!!」

「……」

 ヴィクトリーが着地し、超サイヤ人ゴッドが解ける。次の瞬間、凄まじい大爆発が巻き起こって天界を揺るがした。

「……がはぁ……!!」

 プロメスティンの肉樹がドロッと溶ける。そして、彼女の体も崩壊を始めた。その体が溶け、穴が空いた所からは虫のようなものが這い出てくる。

「この身も、何もかも全て捨てて……それでも、私は辿り着けなかったのか……」

「これで、もう悪虐非道の研究は出来ないな……」

 プロメスティンはボロボロの体を起こし、二人を見る。

「そんな事はない……私には、立派な後継者がいるさ。」

「後継者だって……!?まだ、別の手下でも……」

「どうやら、そういう意味じゃないらしいぜ……」

「その通り……後継者とは、人間という種全体だ。彼らは必ずや、私の研究を受け継ぐ……」

「人間が……?」

 アリスが俺達の横でそう言う。プロメスティンの体は崩壊を続け、出てきた虫のようなものも、溶けていく。そんな状況でも、彼女は笑いながら語る……

「人間が言葉を生み出して以来、わずか数千年……その知識量は、膨大な発展を遂げた。あと五百年もあれば、きっと私も追い抜かれていただろう……人間こそが、我が探求の志を受け継ぐ実践者達なのだ……」

「人間は、お前のような非道な研究なんてしない……!」

「ふふっ、本当にそうか……?人間の好奇心や探求心は、私をも上回るのだぞ……彼等は何もかもを識りたがり、そして解き明かしていくだろう。間違いなく、生命倫理に関わる領域にまで立ち入るはずだ……そして彼等は呼ばれるだろう、生命を玩具にする外道達と。しかし、彼等もまた、私と同じなのだ……全てを識らずにはいられない……分からない事を、分からないままにしておけなかった者達だ……」

「……確かに、そうかもしれんな。人間の技術発展は、妖魔の目から見ても著しい……」

 ドロドロに崩れ去り、消えていくプロメスティンの体……それを見据えながら、アリスは静かに俯く。

 プロメスティンはと言うと、笑っていた……

「だから、私は人間を心より愛しているのさ……私と同じ道を歩むであろう、真理の探求者たる同志達を……そして、探求を遮る者を心より拒む……無知蒙昧な因習を由とし、そして技術を罪悪とする連中を……それゆえ私は、ヒトに火を与えた……女神を拝む事より、技術こそが人間を救うと証明した……」

「……」

 プロメスティンは目を瞑り、上を見上げた……

「……輪廻の果てに見ていよう。人がどの領域まで辿り着くのか……」

 プロメスティンはヴィクトリーに目をやり、微笑んだ。

「もしかしたら、お前と同じく神にまで至るのか……」

「……」

「きっと、人は神を超えると……その最初がお前だと……私は……信じて……」

 そう言い残し、プロメスティンの体は完全に崩壊した。そして、塵へと消えていった……

「……プロメスティンは、本当に人間が好きだったのかな……」

「……さぁな。」

「人間の中に、シンパシーを感じるものはあったんだろうな。」

 アリスは頷き……

「しかし、どんな思惑があったにしろ……人間や魔物を実験材料にした以上。仲良く出来るとは思えんな。」

「それは勿論だよ、でも……もし、プロメスティンの言った通りだとしたら……人間の技術が、生命倫理に関わる領域まで突き進んだとしたら……人間は、同じ人間を実験台として使ったりするのだろうか……」

 ルカはハッとして、先を見つめる。

「……いや、今はそんな事考えてる暇じゃない。」

「ああ、急がねぇとな。」

「最後の戦いに勝たなければ、人間の将来を考える間もなく終わりだ。」

 黒のアリスがイリアスを喰らい、究極の生物になったという。それが本当ならば、絶対に黒のアリスを倒さなければならない。

「それにしても……ここに来て、飼い犬に手を噛まれるか。イリアスも、惨めなものだな……」

 アリスはほくそ笑みながら、そう言った。

「でも、イリアスなら黒のアリスなら楽勝じゃねぇんか?なんで取り込まれたんだ?」

「……六祖大縛呪だ……プロメスティンが本当に封じたかったのは、アリスじゃなく……」

「真の目的は、イリアスの封印だったというわけか。」

「ひゃ〜、嫌な奴らだな……アリスの封印を名目に、ずっと研究してたって訳か……」

 戦士達はそんな会話を交わしながら、先へと進む。やる事はただ一つ。イリアスを吸収した黒のアリスをぶっ倒す。戦士達はそう誓いながら、決戦の地へと赴いた。黒のアリス……最悪の敵を、この手で討ち倒すために。

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