もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話   作:ジョーカー:ゼノ

190 / 227
世界を懸けた最終決戦

 復活したイリアスを、更なるパワーで圧倒したヴィクトリー。しかし、当然彼女は本気の十分の一も出していなかった。そして遂に彼女は本気を出して、真の姿を見せた。聖と魔が混合した、異形の姿を前に三人は構えた。

「ああ……遅れを取るな、ルカとヴィクトリー!」

「分かってるってぇ!」

 皆の思い、そして勇者の魂をこの胸に……ここに、この世界の命運を決定する最終決戦が始まった。

 

「ふふっ……なんと素晴らしい……あれだけ私を苦しめた邪神の力、今はこの手に……!」

 イリアスは気を解放し、世界を揺るがした。

「なんて力なんだ……」

「……」

 ルカの中のノームが、出てくる。

「分かってるよ、ノーム。頼りにさせてもらうからな……!」

「ルカ、今のおめぇがイリアスの攻撃を食らったら、一発でやられちまう。精霊の力をフルに使ってやれ!」

「おう!」

「行くぞっ!」

 ルカとアリスは、早速イリアスに手を向けた。

「魔天回帰・傾国!!」

「凍てつけ!!」

 ルカは土の力によって強化された魔天回帰を、アリスは絶対零度の魔力を放った。それはイリアスに直撃するが、まるで効いてないようだ。

「これが水の力……虫ケラどもを洗い流しなさい。」

 イリアスは水の力を解放し、激しい津波を引き起こした。

「はぁっ!!」

 ヴィクトリーはルカとアリスの前に出て、バリヤーで津波から身を守った。

「魔閃烈衝壁ーっ!!」

 そして、彼女の顔面に突進した。しかし、それは片手で受け止められてしまう。

「く……!!」

「これが風の力ですよ……!」

 イリアスは風の力を解放し、突風の刃を巻き起こした。

「ぐっ!?」

 突風の刃により、バリヤーがなます切りにされる。しかし、ヴィクトリーはそれを避けて、イリアスの顔面を蹴った。

「……」

「なんだとっ!?」

 超サイヤ人ブルーの全力の蹴りを受けて、イリアスはノーリアクションだった。しかも彼の足を掴みあげ、ルカとアリスの方に投げ飛ばした。

「裁きの雷!!」

 そしてヴィクトリーに裁きの雷を連打し、爆発させた。

「ぐっ……!」

 爆煙の中から彼が回転してきて、ルカと隣に立つ。防御に成功したのか、目立ったダメージは無かった。

「つ、つえぇぞあいつ……!!」

「ああ……」

 次の瞬間だった、後方から覚えのある気が近づいてくる……

「……この気は!」

 その場に吹き荒ぶ、一筋の風。それと共に現れたのは……

「あはっ、私が四天王で一番乗りのようね。」

 アルマエルマだった。

「アルマっ!」

「アルマエルマ……来てくれたのか……!」

「気をつけろ、アルマエルマ……こいつの攻撃は、凄まじく重いぞ!」

「それじゃあ、確かめてみようかしら……」

 次の瞬間、アルマエルマの雰囲気が一変する。僅かに腰を落とし、半身で構えたのだ……

「誰かと思えば、サキュバスの女王とは……脆弱な淫魔ごときが、この戦いに割り込めるとでも?」

 イリアスはそう言って、大型の触手を薙ぎ払った。しかしアルマエルマはその触手を受け止め、掌底を打ち込んでぶっ飛ばした。

「本当……とっても重いわね。」

「おぉっ!」

「す、凄い……!」

「アルマエルマ、貴様……いつの間に、そのような武道を……」

「あはっ……今日の私、ちょっと暴力的だから……」

 軽口を叩きながらも、その構えは重厚だった。明鏡止水にも比類する、まさに武技の極みだ……

「よっしゃあ、やってやる!!」

「おぉっ!!」

「うふっ!」

「おぉっ!!」

 ヴィクトリーとルカとアルマエルマとアリスが、イリアスの所に飛ぶ。

「無駄な事を……この炎で焼き尽くしてあげましょう……」

 そう言って指を掲げてから、邪神の力がこもった火炎弾──裁きの炎を放った。

「はぁあっ!!オメガブレイズっ!!」

 それにアリスがオメガブレイズを当て、相殺する。

「僕から行ってやる!」

 ルカの剣に紅蓮の炎が宿り、イリアスの体に無数の斬撃を叩き込んだ。

「ぐっ……!?」

 ヴィクトリーが目の前に瞬間移動してきて、胸を二本指で指す。

「超龍閃撃!!」

 そしてワンインチパンチで、イリアスの胸を打った。

「がはぁあ……っ!!?」

「アーンド……龍撃膝!!」

 よろけたイリアスの顔面に、アルマエルマの強烈な膝蹴りが叩き込まれた。

「ぐ……」

 イリアスは後退してから、アルマエルマを見る。

「淫魔よ……全ての魔物の中で、私は……あなた達をもっとも憎みます。快楽を楽しむなど、生命の尊さを踏みにじる背徳……」

「あら……快楽こそ、生命の根源じゃない。楽しみを欠いた命なんて、何が面白いの?」

 アルマエルマは着地し、地面に踏ん張って構えた。

「快楽を愉しむ事さえ許さない偏狭さ……それが、人と魔物の関係を歪ませた。ただ人は神のみに従い、悦びなど不要だというの……?自分が神というだけで、思い上がらないで欲しいわ。」

「神に意見するとは、何と傲慢な……!淫魔の女王、無間地獄に堕ちなさい……!!」

 イリアスはそう言って両手を掲げ、巨大なエネルギーボールを作って投げた。

「はぁああっ!!」

 アルマエルマは気を解放し、超かめはめ波を放った。

「なに……!?」

「あ、アルマエルマのやつ、かめはめ波を……!!」

「かめはめ波は難しい技じゃないわ……ほら、ルカちゃんとヴィクトリーちゃんと魔王様も!」

「あぁっ!!」

 ルカとアリスとヴィクトリーはアルマエルマと並び、かめはめ波を放った。一つになったかめはめ波はエネルギーボールを貫き、イリアスに直撃し、大爆発した。

「ぐうぅっ……!!?」

「はぁあっ!!」

 アルマエルマは飛び上がり、イリアスの顔面に飛び蹴りした。

「ぐっ!生意気な……!」

 イリアスはその足を掴むが、もう一方の足が彼女の顔面を蹴り抜いた。

「っ!?」

「はぁあっ!」

 そして着地し、気を込めた掌底を放った。

「ぐぁ……!?」

 イリアスは揺らいで、よろめく。そんな彼女の目の前にヴィクトリーが瞬間移動してきた。

「んふ……」

「……」

 アルマエルマとヴィクトリーは二本指でイリアスの胸を指し……

「超双龍閃撃!!」

 同時に気を込めた寸勁を繰り出し、彼女に叩き込んだ。

「小癪な……!!」

 しかしイリアスは踏みとどまり、裁きの雷を無数に放った。

「やべぇっ!!」

「く……!?」

 二人はそれらをガードしながら、後退する。

「いたた……」

「アルマ、大丈夫か?」

 雷は主にアルマエルマに連打されたみたいで、僅かにダメージが刻まれてる。

「平気よ、これぐらい……!」

「はぁあっ!」

 二人の横を、ルカが走る。

「てやぁっ!!」

 そしてイリアスに突きの一閃を放った。

「ぐぅっ!?」

「はぁあああっ!!」

 更に何回も突きを放ってから、上空に現れ──

「くらえぇえっ!!」

 そして、腕に土の力を込めて彼女の顔面を打ち下ろした。

「ぐっ……!!」

 イリアスはすぐに起き上がるが……

「やるじゃない、ルカちゃん!」

 その顔を蹴っ飛ばしながら、アルマエルマが飛んできた。

「ぐっ!?」

「行くぞアリス!!バーニングアターック!!」

「おぉっ!!シグマフロストっ!!」

 ヴィクトリーとアリスが並び、技を放った。燃えるような気と絶対零度の魔力がイリアスに直撃し、大爆発した。

「ふん……!」

 しかしイリアスは片手を突き出した状態で、なおかつ傷一つ無かった。

「なに……!?」

「はぁあっ!タイタスウェイブ!!」

 さらに水の力を解放し、戦士達に津波を放った。

「ぐぁああっ!!」

「きゃ……!!」

「くそぉっ!」

「ちっ!」

 ヴィクトリーとルカは避けたが、アリスとアルマエルマが津波に呑まれてしまった。

「ルカ、二人を!」

「分かった!」

 ヴィクトリーがイリアスと掴み合い、押し合う。

「へぇ……!!」

「ぐぐぐぎ……!!!」

 しかし、イリアスの圧倒的なパワーにみるみる押されてしまった。

「……ふっ!」

 ヴィクトリーは手を離して離れる。次の瞬間、ルカとアリスとアルマエルマのかめはめ波が、イリアスの顔面に直撃した。

「……大丈夫か?二人共。」

 ヴィクトリーが降りて、アリスとアルマエルマを見る。

「……長期戦になるとは思ってたけど……」

「ああ、こんなにつえぇなんてな……」

「しかし、余達が負けるわけにはいかん!」

 僕とヴィクトリーとアリスにはまだ余力がある。だが……

「はぁっ……はぁっ……」

 アルマエルマは、疲労の色が見えてきて、そろそろヤバそうだ。

「アルマエルマ、もう退け……!」

 アリスがアルマエルマに向かい、そう言う。

「……それは聞けません。あともう少しだけ……」

「ふんっ!!」

 イリアスは、アルマエルマに触手を振り下ろしてきた。

「ぐっ!」

 彼女は何とかそれを受け止め、カウンターに掌底を放ってぶっ飛ばした。これでも確かに凄まじいが、明らかにカウンターのキレが落ちていた。

「くっ……ですが、次こそ……」

 イリアスの前に、ヴィクトリーが飛んできた。

「……ちょっと黙ってろ!」

 そして、太陽拳を放った。

「!!?め、目がぁあっ!!?」

 閃光を直視し、彼女は目を抑えて悶絶する。

「だっはー!」

 そんな彼女を蹴っ飛ばし、ヴィクトリーはルカの横に着地した。

「ハァッ……ハァッ……!あ、あともう少しだけ……!」

「……駄目だ、これは魔王の命令だぞ!貴様に目の前で死なれては、余とルカとヴィクトリーの士気にも関わる!生きて平和な世界に立つために、ここで退け!」

 アルマエルマは少し黙り……構えを解いてルカ達に微笑んだ。

「そうまで言われちゃ、意地を張るのも野暮よねぇ……魔王様、どうかご武運を。」

 アルマエルマはそう言ってアリスに頭を下げてから、ルカとヴィクトリーの方に向いた。

「それとルカちゃんとヴィクトリーちゃん……無事に帰ってきたら、ご褒美をあげるからね。」

 アルマエルマはそう言って、二人に投げキッスを飛ばした。すると二人の体の傷がみるみる消え、全回復した。

「よし……!」

「おおっ!おっしゃーっ!!」

 ヴィクトリーの気が、爆発する。

「ふふ……」

 アルマエルマは、その場から離脱した。

「よし……」

「にひひ……!」

 ルカとヴィクトリーは高速移動でイリアスの正面に来て、突っ込んだ。

「そこですね……!!」

 イリアスの視力が戻り、二人を見る。そして、目を見開いた。

「あぶねぇっ!」

「っ!」

 次の瞬間、二人の居た所が大爆発した。ヴィクトリーは飛び避け、ルカは地面に降りて避ける。

「よっしゃあっ!!」

 ヴィクトリーはイリアスの顔面に飛び蹴りし、打ち抜いた。

「っ……!?」

「うぉおおおっ!!」

 ルカは剣技を連打しながら異形の器官を伝い、彼女の眼前に来て、剣を寝かせた。

「っ!」

「瞬剣・疾風迅雷っ!!」

 そして、鋭い突きで一閃した。

「ぐぅうう……!?」

「はぁああああーーーっ!!」

 アリスは両手に気を溜めて、気弾を連打した。

「ぐぅううう……!!!」

「一気に決めるぞっ!!」

「ああっ!!」

 ヴィクトリーとルカは飛び上がり、イリアスに一閃した。

「超龍撃拳……!!」

「九重の羅刹・破軍……!!」

 次の瞬間、イリアスの全身に蒼い気の打撃と紅蓮の炎の斬撃が無数に走った。

「やったか……!?」

「いや、まだだ!!」

 ルカとヴィクトリーはアリスの所に来て、イリアスに向いた。

「っはぁああああっ!!」

 彼女の傷が塞がっていく。しかし、ダメージまで回復してる訳じゃ無さそうだ……

「……そろそろ終わらせて差し上げましょう……邪悪なる者よ、この津波で浄化されなさい……タイタスウェイブ!!」

 イリアスはそう言って合掌し、激しい激流を引き起こした。

「来たぞ、アリス!」

「分かってる……!」

「はぁあっ!!」

 三人が自分の思い思いの技を放とうと、気を解放した時だった。目の前に、水の波動の魔法陣が展開した。そしてそれがバリヤーとなり、三人を守った。

「こいつは……アクアペンタゴン……!?」

「……間に合ったようね。」

 三人の背後に、エルベティエが立った。

「おめぇ……!」

「エルベティエ、来てくれたのか……!」

「共に戦うぞ、エルベティエ!守りは全て、貴様に任せる!」

「了解しました、魔王様。敵の攻撃は全て私が防いでみせましょう……」

「ちっ……今度は水羊羹(みずようかん)ですか……ならば、その邪魔な防護陣から潰して差し上げましょう!」

 聖なる魔力が凝縮し、巨大な炎の玉を掲げ、それをアクアペンタゴンに投げた。すると、その水のバリヤーが粉々に砕けた。

「な……!?」

「ちっ!」

 ヴィクトリーがかめはめ波を放って、炎の玉を吹っ飛ばして事なきを得たが……

「まさか、アクアペンタゴンを一撃で……」

「これが、神の力か……絶対の防護陣でさえ、一撃を防ぎ止めるのが限界だとはな。」

 エルベティエは覚悟を決め、三人の前に立つ。

「それでは、この身でイリアスの攻撃を受け止めます。」

流血表現

  • もっとする
  • このままでいい
  • しなくていい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。