もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話   作:ジョーカー:ゼノ

191 / 227
加速する運命の戦い

 遂に始動した、最終決戦。苦戦する戦士達の前に、アルマエルマが現れ活躍した。しかしイリアスの猛攻により疲労困憊し、戦線を離脱した。

 次に現れたのはエルベティエだった。アクアペンタゴンで戦士達を守ろうとしたが、砕かれてしまう……彼女は覚悟を決め、三人の前に立った。

「それでは、この身でイリアスの攻撃を受け止めます。」

 

「何だと……!?何を考えている、エルベティエ……!」

「来るぞっ!!」

「はぁあっ!!」

 イリアスは裁きの雷を、ルカに放った。しかしエルベティエが、彼をかばった。

「がはっ……!!」

「エルベティエっ!」

「わ、私に気にせず……攻撃を……!!」

「ぐっ……!!」

 エルベティエの言われる通り、三人はフルパワーの技でイリアスを集中砲火する。

「ぐぅう……!!消えろっ!!」

 イリアスは魔力を腕に溜めて、それを投げつけてきた。

「!」

「いや、あの程度なら平気だ!」

 ヴィクトリーは自分を庇おうとするエルベティエの前に立ち、それをエネルギー波で相殺する。

「ヴィクトリー、上だ!」

「!!」

 ルカの言われる通り、上を見る。見ると、裁きの雷が目の前まで迫っていた。

「っ!!」

「させないっ!!」

 エルベティエがそこに飛び込み、身をていした守りで裁きの雷を受け止めた。

「ぐぅっ……!!」

「エルベティエ……あなたは、人間を憎んでいたのではないのですか?なぜ体を張ってまで、勇者などを守ろうとするのです……?」

「私が守るのは、この世界全ての希望……この命に替えても、絶対に失わせはしない!」

「戯言を……散れっ!!」

 イリアスはそう言って、裁きの雷を連射してきた。

「く……!!」

「どいてろっ!!」

 ヴィクトリーがエルベティエをどかし、バリヤーを張って雷から身を守った。

「はぁあっ!」

 そしてイリアスに突進し、縦横無尽に駆け回りながら何度も体当たりした。

「ぐぐ……!!ぐ……!!」

「だだだだだ……!!」

「ぐ……たぁあっ!!」

 イリアスの拳がバリヤーを突き破り、彼の胸ぐらを掴んだ。

「ぐっ!?」

「これはあなたの技ですよ……!!」

 そう言いながら、片手で放つエネルギー波──リベリオントリガーを放とうとする。その寸前に、ルカの剣が彼女の両腕を切り落とした。

「っ!?」

「だりゃあっ!!」

 ヴィクトリーは揺らぐ彼女の顔面に両足蹴りを叩き込み、アリスの隣に立つ。

「く……ふんっ!」

 イリアスの両腕はすぐに再生し、ルカに手を向ける。

「邪神の力、ここにあり……裁きの炎!!」

 そして、冥府の業火の塊を放ってきた。

「な……!!」

「くっ!!」

 しかしエルベティエは、ルカをかばった。

「ぐっはぁ……!!」

「そういつまでも、私の攻撃を防げはしませんよ……どうやら、地獄行きはあなたが一番」

「スキありぃっ!!」

 ヴィクトリーはイリアスの顔面をぶん殴り、その巨体をぶっ飛ばしたら。

「〜〜〜っ!!!?」

「く……!」

 アリスはエルベティエに寄り、肩を叩く。

「エルベティエ、限界ならば退け!貴様は充分に攻撃を防いでくれた!」

「いいえ、まだまだ……同胞たちの為にも、この程度で……!」

「アリス、来るよ!」

「ち……!」

「うわぁあああっ!!」

 ぶっ飛んできたのは、ヴィクトリーだった。何とか体勢を整え、着地する。

「く、くっそぉ……一筋縄じゃいかねぇか……」

「罪人よ、この雷に屈服しなさい!!」

 イリアスはヴィクトリーに、裁きの雷を放った。しかしエルベティエが飛び込み、それを体で受け止めた。

「ぐぅうっ!!」

「え……エルベティエ……!!」

「わ、私の事は……いいから……!!」

「はぁあっ!!」

 イリアスの触手が、エルベティエとヴィクトリーに迫った。

「この程度ならなんとか出来るって!」

 ヴィクトリーは飛んで、触手を蹴り飛ばした。

「ふふふ……ならば、これはどうですか!?」

 イリアスはそう言い、かめはめ波を放った。

「っ!」

「イリアスーっ!!」

 ルカが魔天回帰を飛ばし、かめはめ波を打ち消す。

「にっ!?」

「ふんっ!」

 更にアリスが、腕をクロスしながらイリアスの所に飛んだ。

「っ!!」

「ばぁあああああーーーっ!!」

 アリスの闇の力が爆発し、超爆発波を放った。

「ぐ……!!生意気な……!」

 イリアスは爆発を受けながら、アリスに裁きの雷を放った。

「ぐっ!?」

「はぁっ!!」

 しかしエルベティエが彼女をかばい、裁きの雷を受けた。

「ぐ……!!」

 アリスが彼女を連れ、地面に降りる。

「ルカ、エルベの所に行ってやれ!!」

「ああ!」

 ヴィクトリーの指示で、ルカもアリスの所に走った。

「はぁ……はぁ……まだよ、まだ……!!」

 エルベティエは、既に限界だった。その体は崩れ始め、立っているだけでもやっとのようだ。

「……もうやめろ!退け、エルベティエ!!」

「この命、全て失っても……未来への希望は、私が守り抜いてみせる……!!」

「本当に馬鹿な水羊羹ですね……ならば、お望み通りに消し飛ばしてしまいましょう……裁きの雷!!」

 裁きの雷が、エルベティエに迫る。

「っ……!!」

「はぁあっ!!」

 しかし、ヴィクトリーが彼女の前に出て、背中で裁きの雷を受けた。

「ぐぁああっ!!」

「ッッ!!」

「ヴィクトリーっ!!」

「っへへへ……!!」

 ヴィクトリーは顔を上げ、エルベティエに笑う。

「上司の言う事を二度も却下すんのかよ……退いてやれよ、おめぇは良くやった……」

「っ……」

「そうだ……希望を守るならば、まず自分が生き残る事を考えろ!安易な自己犠牲の誘惑に乗り、同胞を導く責務を見失うな!」

 アリスがエルベティエに寄り、手を握る。

「頼むよ……みんなのために、退いてくれ。僕達を信じてくれるんだろ?だったら後は任せるんだ!」

「…………」

 エルベティエはしばし黙り込み……

「……自分の力不足を憎みます。どうか、ご武運を……」

 そう言いながら、エルベティエは退いた。

「おやおや……盾になってくれるスライムが消えたようですね……いっそ、死ぬまで盾にしてやれば良かったのに……」

「ふん、配下を全て捨駒にした外道め……貴様には、エルベティエの想いの欠片も伝わるまい。」

「ぐっ……く……!!」

「大丈夫か、ヴィクトリー!?」

 裁きの雷を背中でモロに受けたヴィクトリー。胴着も吹っ飛んでおり、焼け焦げた背中が確認できる。

「……へっ……背中に一発雷が落ちただけだ!どうってことねぇよ!」

 しかし彼は笑い、イリアスに構え直した。

「そろそろ、終幕と行きましょうか……あなた達を討ち、そして世界を滅ぼす……」

「それは千年前の約定に反するぞ、イリアス……!」

 そんな声が聞こえたと思った次の瞬間だった。紅蓮の炎がイリアスを包み、その器官の十分の一を灰燼にした。

「ぐっ……あなたでしたか、玉藻。六祖大縛呪から抜け出し、歴代魔王の後見を務めていたのですね。地上の抵抗も」

「そんな事を長々を話してると……」

 ヴィクトリーが、イリアスの顔面に、ゴッドかめはめ波を放った。

「っ!!?」

「そら、言わんこっちゃない……」

「……おめぇ、たまも……か?」

 ルカとヴィクトリーは玉藻の姿を見て、目をぱちくりさせている。外見はもちろん、魔力の質も別物のようだ。

「た、たまも……その姿は?」

「き、貴様……六祖だったとは……!」

「騙していた訳ではないが……言っていなかったな、現魔王よ。これも、アリスフィーズ……お主の言う初代様よりの密命。」

「私も……!!」

 イリアスが持ち直し、玉藻にかめはめ波を放った。しかし彼女は片手で受け止めながら、話を続けた。

「な、なに……!?」

「アリスフィーズ8世の大乱以降、魔王が二度と道を踏み外さぬよう……影より監視するのが、妾の役目だったのじゃ……はぁっ!!」

 そして、かめはめ波を弾き返した。

「ぐっ!」

 イリアスはそれを受け止め、上空に打ち上げた。

「監視役の割に、こんなところまでしゃしゃり出てくるとは……いいでしょう、その役目から解放して差し上げます。」

「貴様こそ、そろそろ神でいるのも疲れただろう。その役目から解放してやる、ゆるりと休むがいい!」

 玉藻は気を解放して、イリアスをぶん殴った。

「っ!!?」

 あまりにも猛スピードの攻撃に、一同は驚愕した。

「は、はやい……!?」

「俺でも見えなかったぞ……!!」

「ふふんっ!」

 玉藻はというと、その九つの尻尾を揺らめかせ、イリアスに乱打した。

「ぐぅううっ!!」

 イリアスは彼女に手を伸ばしたが、その腕は止められ、掴まれる。

「はぁあーっ!!」

 そしてその巨体を背負い投げし、地面に叩きつけた。

「がはぁああっ!!?」

「よっしゃ俺も!」

「僕だって!」

 ルカとヴィクトリーが玉藻を挟むように並び……

「だぁらぁあーっ!!」

「ふふ……!!」

「うぉおおーっ!!」

 三人の飛び蹴りがイリアスの顔面に叩きつけられ、ぶっ飛ばした。

「そぉれ、かめはめ波じゃ……!」

「一気に決めてやる……!」

「はぁあ……!!」

「余もっ!」

 玉藻とヴィクトリーとルカとアリスは一斉にかめはめ波を放ち、イリアスに全部直撃させた。爆発が連続した後に、大爆発が巻き起こる。

「がぁああーっ!!」

 しかしイリアスは起き上がり、タイタスウェイブと突風の刃を放った。

「ぐぁあっ!!」

「やべっ!!」

「く……!!」

「ふん……」

 玉藻だけが動じずに、イリアスを見る。

「惨めなものですねぇ、玉藻……主君も他の六祖も封印され、たった一人で私と相対するとは。あの頃の仲間が恋しいでしょう?一足先に、無間地獄で待っていればいかがです……?」

「ふん、妾が一人であるものか……初代様の血は連綿と受け継がれ、アリスフィーズ16世に宿っておる。勇者ルカ、現魔王、四天王……更には、別の世界から来たヴィクトリー……貴様の支配に屈しない、新たな世代がこうして貴様と戦っておる!同胞が恋しくなどあるものか……妾は今の瞬間も、心強い仲間と共に戦っているのだからな!」

「たまも……」

 玉藻は扇子を開き、口元を隠しながら笑う。

「そういう貴様はどうなのだ、イリアス……?ルシフィナもミカエラも、貴様の元を去った……プロメスティンも黒のアリスも、みな貴様を裏切った……貴様の元には、結局ただの一人もついてはこなかった……哀れよのう、女神イリアス。」

 イリアスは歯ぎしりをして、合掌する。

「……私は絶対唯一無二の存在。あなた達のように、群れを成す必要などないのです!」

 イリアスは聖なる魔力を凝縮し、巨大な炎の玉を掲げた。

「ホーリーフレア!!」

 そして、それを玉藻に投げた。

「ふん……!」

 玉藻は腕にエネルギーを溜め、それを撃ち放ってホーリーフレアを貫き、消し飛ばした。

「リベリオントリガー……!」

「!!」

 そのエネルギーが、イリアスの顔面に直撃し、爆発した。

「〜っ!!!」

「行くぞルカぁ!」

「応っ!!」

 ルカとヴィクトリーは、イリアスを左右から挟むように飛び上がった。

「ゴッドかめはめ波ーーーっ!!!」

「明けの明星・無謬……!!!」

 二人の技がイリアスに直撃し、大爆発した。

「どうだ……!?」

「……どうせこんな程度じゃやられねぇ癖によ……!」

「……はぁああっ!!」

 イリアスは気を爆発させ、爆煙を吹っ飛ばす。

「行くぞ魔王様!!」

「ああ……!!」

 玉藻とアリスがイリアスに突っ込み、尻尾でイリアスを乱打した。

「ぐぅううう……!!はぁああーーっ!!」

 イリアスは超爆発波を放ち、彼女らをぶっ飛ばした。

「くっ!」

「やはり一筋縄ではいかんか……!」

「ふんっ!」

 更にイリアスは触手で、ルカとヴィクトリーを巻き上げた。

「なっ!?」

「くっ!」

「はぁああっ!!」

 そして二人をアリスと玉藻にぶん投げた。

「くっ!」

「ふんっ!」

 ルカをアリスが、ヴィクトリーを玉藻が受け止める。

「……黙示よ、この世界に新たな救いを示せ……アルティメットメサイア!!」

 イリアスの光の波動が凝縮し、巨大なエネルギー波となって飛んできた。ヴィクトリーがそれを前にして、起き上がる……

「く……!!魔閃……」

「魔閃烈衝壁!!」

 ヴィクトリーが発動するより先に、玉藻がバリヤーを展開して皆を守った。

「な……り、リベリオントリガーもそうだけど、それは俺がおめぇにやった技……」

「便利よのう……少ない魔力でこれほどの性能の防壁を張れるとは……」

 更に玉藻はバリヤーを纏ったまま、イリアスに体当たりした。

「ぐっはぁ……!!」

「だぁあーっ!!」

 そしてイリアスを遥か彼方に蹴り飛ばした。

「うぎぁあああぁぁぁ……」

「……」

 玉藻は着地し、冷や汗を垂らす。

「……時間切れか……!」

 玉藻の体が縮み……そして、見慣れた少女の姿へと戻ってしまった。その圧倒的な気も消え失せ、力を使い果たしてしまったようだ……

「……だが、これしきでは退かんぞ。聖魔大戦からの因縁、ここで決着を付けるのじゃ……!」

 イリアスに向かおうとするたまもを、アリスが引き止めた。

「……駄目だ、退け!もはや、お前に余力はあるまい!」

「魔王様、その命令は聞けんのじゃ。刺し違えても、イリアスだけは……」

「たまも……余は貴様を、第二の母だと思ってきた……その母をまた、目の前で失いたくない……頼む、素直に退いてくれ……」

「……しかし……」

「その通り……後は私に任せるがいい。」

 そう言って現れたのは、グランべリアだった。

「グランっ!」

「グランべリア……!」

 たまもはグランべリアの登場で、フッと笑い……

「……ならば、後は若者達に託すとするかのう。魔王様、そこまで言っておいて自分が力尽きるなど許さぬぞ。」

 アリスにそう言ってから、今度はルカとヴィクトリーに向く。

「ルカとヴィクトリー、お主達も……何があっても絶対に生き抜くと誓え。良いか、みな必ず生きて戻ってくるのじゃぞ!」

 そう言って、たまもはその場から撤退した。入れ替わるように、グランべリアが僕達の横に並び立つ。

「それでは、魔剣士グランべリア……ここに立つ!!」

流血表現

  • もっとする
  • このままでいい
  • しなくていい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。