もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話 作:ジョーカー:ゼノ
………………
…………
……
「……」
ヴィクトリーが、ベッドで目を覚ました。ここは何処だと言わんばかりに、辺りを見回す。察する限り、イリアスヴィル付近の辺境の田舎らしいが……
「……目覚めましたか。」
声が聞こえた。この声は、聞き覚えがある。
「エデン様……」
「大丈夫ですか?」
彼女は全裸ではなく、エンリカの装いでここに来ていた。そうして、ベッド付近の椅子に座る。
「大丈夫だけど……お、俺は……いってぇ何日寝てたんだ……」
「一ヶ月です。」
「えぇっ!?」
ヴィクトリーにその情報が入った瞬間、電撃のような衝撃が走る。
「一ヶ月!?一ヶ月も寝てたんか、俺は!?じゃ、じゃあ、あの後……一体何が……」
「全ての力を使い果たしてあなた達は気絶しました。そして、ルカは魔王城に……あなたはここ、エンリカに運ばれました。」
「エンリカ……」
窓の外を見る。確かにエンリカだったが……前みたいに人はたくさん居ないし、気も少ない。
「エンリカの人は、イリアスヴィルの復興が進んだみたいで帰りました。魔物達は……隠れる必要も無くなったので、ほとんどはイリアスヴィルに引っ越しました。今ここに居るのは、私やミカエラを慕う天使やエルフのみです。」
「……そうか……」
ヴィクトリーは笑い、次の質問を投げた。
「……なぁエデン様……天界の連中は……」
「ほぼ全員が降参しました……少なくとも天使は全員ですね。黒のアリスに従う魔物や、プロメスティンが生み出したキメラモンスターやロイドモンスターも抵抗を止めたそうです。」
「そうか……そりゃ良かった……」
「その後、目立った争いも起こってはいません……敗者への追い打ちは、各国の王や女王が禁止されたみたいですよ。」
「……そうか!」
この一ヶ月で、争いはほとんど起きなかったのか……ルカの奴、喜んでるだろうな……
「……」
ヴィクトリーはハッとしたような顔で、ベッドから体を起こした。背中が破けたボロボロのシャツのまんま、外に出ようとする。
「……どうかしたのですか?」
「ルカの気だ……それに、アリスも!」
ヴィクトリーは外に出て、エデンがそれを追うようについていく。エンリカの前……そこには、ガルダが降り立っていた。
「ルカ〜!」
「ヴィクトリー!」
再会を果たした戦士達は走り寄り、握手する。
「やっぱり、お前も一ヶ月寝てたのか?」
「そう言うおめぇだってぇ!」
再会を喜ぶ二人の横で、アリスとエデンが見つめ合ってた。
「……まさか、イリアスの犬と共闘することになるとはな。」
「私も、魔王と手を組むとは思いませんでした……不思議なものですね……」
アリスとエデンはそう言いながら笑い……握手した。
「集まりましたか……」
そう言って現れたのは、ミカエラだった。その横に、バーダック:ゼノも居る。
「ミカエラさん……それと……」
「バーダック。」
ヴィクトリーがそう言いながら、バーダック:ゼノの肩を叩く。
「その者のお陰で、犠牲は最小限に留まりました。感謝しなければなりませんね……ヴィクトリーにも、バーダックにも……」
「そうだったんですか……」
バーダック:ゼノは笑いながら、ミカエラを見る。
「フン、俺はただ暴れただけだ。」
「そうか……よく頑張ったな……そんでもって、すまねぇな……いつも色んなところに借り出しちまって……」
「構わねぇよ……憂さ晴らしが出来んなら、上等だ。」
バーダック:ゼノはそう言って笑い、光に包まれた。そしてカードとなり、ヴィクトリーの手に戻る。
「ひ、人が……カードに……」
ルカとアリスがそれを見ながら、軽く驚いた。ヴィクトリーはバーダック:ゼノのカードをカードホルダーにしまった。
その後は、ミカエラさんから色々話を聞いた。まずは感謝の挨拶、ルカに何故エンリカが寂れたのか……俺達の体から聖素が消えて、何故かイリアスの力が感じられるとか……
俺達はあの時見た光景を、ミカエラに説明してみる……
「……そうですか。」
「イリアス様が、そんな事を……」
二人の元熾天使は顔を見合わせ、考えた。
「私は、私こそがイリアスの御心を一番理解していると思っていましたが……」
「絶対者の孤独など、簡単に理解できるものではありませんからね……しかし、熾天使である私達から何か出来る事があったかと思うと……」
「……やり切れませんね……」
しかしイリアスはこれで消えた。ミカエラも心残りは無く、エデンと一緒にここで暮らすようだ。
「エデン様……俺もたまにここに来るからさ、また戦わねぇか?」
「当然です……次は負けませんよ。」
エデンは笑いながら、ヴィクトリーと握手した。
「……」
ミカエラは意外そうな顔で、エデンを見る。彼女が、武闘家みたいな事を言うのが、珍しいらしい。
「……それじゃあ三人とも、凱旋パーティに行くぞ!」
「ああ!」
「え、俺もかよ!?」
「当然だ!」
「ええ……あなた達の帰還を、世界が待っていますよ。」
ミカエラも笑い、ヴィクトリーとルカの肩を叩いた。
「それじゃあ、僕達は行きます!ミカエラさん、色々ありがとうございました!」
「エデン様!俺、もっともっと強くなるからな!」
こうして戦士達は、エンリカを後にした。そして、ガルダの背に乗って平和になった世界を回るのだ……
〜ハイライトをお送りします〜
「わーい、ルカお兄ちゃんが帰ってきたー!魔王をお嫁さんにして、帰ってきたー!」
イリアスヴィルの少女がそう言って、ヴィクトリーが吹き出した。
「あははははは!何だそりゃ!あははははっ!」
「ち、違うよ!!」
「笑うな!!」
「うわぁあああああああっ!!!」
アリスとルカの鉄拳が飛び、ヴィクトリーをぶっ飛ばした。
「す、すげぇ……」
「夫婦の力って奴か……」
それを見ていた村人が、驚きながら言う。
「だから、違うってば!!」
イリアスベルク……
「あのチビ共、頑張ったんだぜ。感謝してやれよ。」
ベジットが、ドラゴンパピー達のことを言いながら、ヴィクトリーに向き合う。
「そうか……」
「俺も引退かと思ったら、こんな所で出番とはな……やれやれ、カードってのは分からねぇな……」
「SDBHで、使う機会あったら使ってやる。」
ヴィクトリーはそう言って、ベジットをカードに戻した。
「ヴィクトリー、済んだか?」
ルカは……軽く、マントが引っ張られた痕があった。
「……おめぇ、何があった?」
「いや、その……プチ達が僕を呼び出して、いきなり飛びついてきて……」
「ひゃ〜……あいつら、そんな事すんのかぁ……」
「……」
アリスは、何故か目を逸らしていた……
ハピネス村……
「……」
頭に矢が刺さったベジータが、不機嫌そうに腕を組んでた。
「おめぇ、何があったんだ……?」
「知るか……おおかた、味方のどいつかが撃ち間違えたんだろ……」
「え、えへへ……」
ベジータの視線の先……ハーピー姉妹が、汗を垂らしながら笑ってた。
「あ、あはは……ご愁傷さん……」
「フン!」
ベジータはカードに戻り、ホルダーの中に入った。
「ヴィクトリー。」
後ろから呼んだのは、クィーンハーピーだった。
「クィーン。」
「……どうです?今夜、私達のパーティに参加しませんか?」
「いや、今度にしとく。」
秒でヴィクトリーは答え、クィーンハーピーも微笑んだ。
「そんじゃ、また今度!」
「ええ……待っていますよ……」
ナタリアポート、サン・イリアをすっ飛ばしてサバサ……
「私の娘の婿になる事も
「うるせぇ!!ならねぇっつってんだろ!!」
「はぁ……」
ヴィクトリーとサバサ王が、ボカボカと殴り合い、サラも頭を抱えながら覗いてる。
「あ、あはは……」
「げ、元気だなぁ……」
悟空:GTとルカが並んで、二人のやり取りを見る。二人とも戦士ということもあり、通じ合うものがあるのだろう。その様子は、非常に楽しそうだった。
「ブロリーをぶっ倒した後にいきなり崩れるから、どうしたもんかと思ったけど……幸せそうで良かったぜ……」
「は、はぁ……」
「そんじゃあ、後で頼むぜ。」
そう言って悟空:GTはカードとなり、ルカはカードを取った。
そんなこんなで、ヴィクトリーはサバサ王をノックアウトしてしまった。
「や、やったぜ……」
「ふふ……強くなったな、武闘家よ……」
サバサ王は笑いながらヴィクトリーに親指を立て、笑う。彼もそれに応じて、笑った。
さすがのサバサ王も、ヴィクトリーの意思の硬さに参ったようだ……
「……では、ルカよ。」
「……って、今度は僕かい!!」
この説得は、だいぶ長く続いた……
色々すっ飛ばして、サキュバスの村……
「わぁああああっ!!」
悟空:GTがイモを食べながら、サキュバスから逃げてる。
「……あいつ、サバサにも居なかったか?」
「あれは別の奴だ。」
「へぇ……」
「悠長に話してねぇで、助けてくれよ〜っ!!」
見ると、サキュバス達はじゃがいもが沢山入った袋を持っていた。
「待たなさーい!!」
「ねぇっ!?お芋あげるから!!ねぇ!!まてぇええ!!!」
「イモは食う!!だけどオラ浮気はしねぇぞ!!チチにぶっ殺されちまう〜!!」
「は、はは……」
ヴィクトリーはそう笑い、指パッチンする。すると悟空:GTはカードになり、彼のカードホルダーに収まった。
「しかし、何でイモが……?」
「村長が、配り歩いてるのよ……」
声をかけたのは、エヴァだった。
「村長さんが……?」
「ええ……おかげでこの村はイモだらけ……全く、あのイモ村長め……」
「あはは……」
ヴィクトリーもルカも、そう苦笑いした。
まぁ、平和で良かった……
「ちょっと待ちなさい!私達の出番が……」
残念モンスターが、飛び出してきた。
「うるせぇ!どうせ原作と同じ展開だろうが!!」
しかしヴィクトリーは残念モンスター達を蹴り飛ばし、吹っ飛ばした……
「おいおい……」
そんなこんなで、全ての町を回った。ヴィクトリーもカードを全て回収し、満悦のようだ。途中途中で僕もヴィクトリーも誘惑されたのは、何だったんだろう……
そして僕達は、再び魔王城に戻ってきたのだった……
「ふぅ、疲れたなぁ……」
「久しぶりに魔王城でメシ食わせて貰おうかな〜……久しぶり?」
「一ヶ月も寝ていたのだ、そういう感覚になるのも無理は無い。」
そんな会話をしながら、魔王城に入る三人。
「……お帰りなのじゃ。そして二人とも、よくぞ試練を乗り越えた!」
戻ってきた僕達を出迎え、たまもはぱちぱちと拍手する。
「試練って、なんの事だ……?」
「ど、どういう事なんだ……?」
「……」
隣のアリスはと言うと……何故か、全く感情の覗えない表情をしていた。
「お主達は各地で、淫らな誘いを受けたじゃろう。実はアレは、ウチの根回しがあったのじゃ。あれこそ、魔王の婿になる者に与えられる試練。どんな誘惑にも乗らない精神力が試されていたのじゃ!」
「えぇっ!?」
「ははぁ……」
「魔王様の婿となるには、魔王当人より強くならなければならぬ。その条件は、かつての魔王城の戦いでクリアしておる!さらにお主は、数々の誘惑を見事に振り払った!よって後見人であるウチが、ルカとヴィクトリーのどちらかを魔王様の婿として認めよう!」
「え……えええ!?」
「俺はパスしとく。」
ヴィクトリーは何食わぬ顔で、即答した。それに対して、たまもがぎょっとする。
「な、なんと……そ、即答とは……」
「だって、俺はまだまだ一人でやりてぇ事があるし……もっともっと、強くなりてぇんだ。それにお婿さんってトシでもねぇしよ……」
「それ言ったら、僕もなんだけど……」
「俺は別にそこまでアリスが好きじゃねぇし……何より、アリスが好きなのはルカだ。」
「な……!!」
アリスの顔が紅潮した。どうやら、その通りらしい。
「むふふ、それもそうじゃのう……古今東西空前絶後、ルカしか眼中に無かったからのう……」
「ち、違う……余は、そんな……!」
「い、いきなり……こんな……」
たまもはアリスをルカに向け、ヴィクトリーはルカをアリスに向ける。そして、二人ともそのケツを叩いた。
「ぁっ!?」
「ぅっ!?」
そして、見つめ合う二人……二人は顔を赤くしながらしばらく見つめ……ルカが告白の言葉を述べ始めた。アリスも応じ、彼に愛の言葉を捧げる……
「アリス……」
「ルカ……」
それを見る、たまもとヴィクトリー……
「…………ウチらの存在は忘れられているのじゃ。」
「にひひ、いいじゃねぇかよ……しばらく、二人にしてやろうぜ……」
「いや、この後に婚姻の証として早速子作りしてもらうつもりじゃ。」
ルカとヴィクトリーも吹き出し、たまもを見た。
「こ、子作りって……」
「そ、そんなの……急すぎておかしいよ!」
そうか、早めに世継ぎを産まねぇとダメなのか。ひゃ〜、アリスの婿さんって大変だぁ。
なんて、ヴィクトリーはすっかり対岸の火事という感じで眺めていた。
「赤ちゃんは、二人産んでやる。男の子と女の子だ、それで妥協してやろう。」
「えぇっ!そ、そんな……」
早速アリスは脱ぎ始め、ルカを睨む。彼は蛇に睨まれた蛙の如く、動けずに居た。
「それでは、後は若い二人に任せるとして……ヴィクトリーよ、今日という今日は逃がさんぞ。」
「ひっ……!?」
ヴィクトリーはたまもの嫌な気を感じ、逃走した。
「あっ、待たんか〜!」
「待つかよ!」
そう言って彼は逃げるように魔王城から出て、飛んだ。
「……」
魔王城から、「あひぃ」というルカの声が響いた。その声を背に受け、ヴィクトリーは足早に飛び去った……
ルカとアリスの行為は三日三晩に及んだらしい。おかげで、更に一週間寝込む事になったとか……
思った通り、人と魔物の共存は実現した。俺とルカもそれを成した英雄として、崇められている。
そして今、俺達は……
「……よう。」
「ああ……」
地図にも載らないような、海の何処かにある孤島で向かい合っていた。
「まさかおめぇから決着を付けてぇなんて、言われると思ってなかったぜ。」
「僕も、君に影響されちゃったみたいだからね……」
二人はそう言い、お互いを睨み合った。
「……決着だ!」
「ああ……行くぞ、ヴィクトリー!」
流血表現
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もっとする
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このままでいい
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しなくていい