もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話 作:ジョーカー:ゼノ
決戦の日……遂に、この世界でも決戦の日がやって来た。
軽くブリーフィングを終えた後、四天王達は結界の塔へ飛んだ。
そしてルカは、魔王城を出た。その隣には、アリスもいる。
「よしルカ、ガルダを……」
「いや、必要ない。」
ルカはそう言ってアリスの手を取り、舞空術で浮かんだ。
「わっ!?」
「しっかり掴まって。」
ルカの言われるがまま、アリスはルカの体にしがみつく。
「よし、行くぞ!!」
そして超スピードで飛んで、世界のへそに向かった……
世界のへそにも、色々な敵が居た。
トラップテミスに、ガーゴイル娘……しかし、あの凄まじい修行を積んだ今のルカには敵にもならなかった……
「くっ!!」
「……」
今対峙しているのは、ドッペルルカ。ワミエルと戦った時のルカの細胞から造られた、クローン人間だという。
しかし……
「く、くそっ!!ボクとキミは、完全に互角な筈……!!」
「違う。お前は所詮ワミエル戦の僕だ……今の僕に、勝てるわけがないね。」
「……ぐっ!!」
ドッペルルカは動揺しながらも、服を脱ぎ捨てた。
「だったら、Hな技だけで勝負するよ。キミは、そっちの方が」
次の瞬間、既に、ルカの掌がドッペルルカの眼前に迫っていた。
「……え?」
次の瞬間、ルカは至近距離でフルパワーのエネルギーを爆発させ、ドッペルルカを消し飛ばした。爆心地には、小人となった彼女が気絶していた……
「ふぅ……」
「……」
アリスは、ゾッとした目でルカを見ていた。
「貴様……容赦というものが無くなったな……」
「……僕も、そう思っている。」
いつから、こんな心持ちになれたのだろうか。もしかして、ヴィクトリーを殺されてから余裕が無くなったのだろうか。守りたかったものを守れなかった自分への怒りからだろうか……
「……」
しかしこの戦いは、相手を気遣う余裕がある程甘くはない。あっちの世界のヴィクトリーも、修行中にそう言っていた。
「……!!」
突如として、嫌な気が近くに現れた。
「ルカっ……!」
「ああ……!!」
ルカとアリスは構え、気のする方向に向く。
「あははっ!こんな所に居たのねぇ!」
ラプンツェルが、嫌な気を爆発させながら降り立ってきたのだ。しかも、ただの嫌な気じゃない。
「そ、そんな……!!」
「ヴィクトリーの……気……!?」
ラプンツェルから、ヴィクトリーのサイヤ人の気が感じられたのだ。
「どういう事だ……!!」
「あらぁ?どうやら、このパワーに疑問を抱いてるみたいね……」
ラプンツェルはクスクス笑いながら、ルカに向く。
「アルカンシエルがヴィクトリーを殺した事は覚えてるわよねぇ?あの時アルカンシエルはヴィクトリーの髪の毛を回収して、プロメスティン様はそれの解析と培養をしたのよ。そしてそれをもとに、サイヤ人の力をその身に宿す丸薬を作った……」
「そんな……!!」
「更に絶望的な事を教えてあげる。その丸薬は、ネクスト・ドールの全員が飲み込んだわ。四天王を確実に殺すためのパワーを、その身に宿すためにね……」
「なんだとっ!?」
あの化け物揃いのネクスト・ドールの戦闘力が、サイヤ人の力によって更に増強されている。それじゃあ、四天王に勝ち目は……!
「さぁ、無駄話は終わりよ!めちゃくちゃにブチ犯してから、ぐちゃぐちゃにぶっ殺してあげる!!」
ラプンツェルはそう言って、ルカに突っ込んできた。
「アリス、後方支援を頼む!!」
「分かった!!」
アリスは下がり、支援の体制になる。ルカは剣を抜き、ラプンツェルに突進した。
「はぁあっ!!」
まず懐に潜り込み、魔剣・首刈りを放つ。ラプンツェルはその刃を歯で噛み止め、目を光らせた。
「っ!!?」
次の瞬間、大爆発が巻き起こった。
「くそっ!」
ルカは飛び上がり、地上を見る。しかしそこに彼女の姿はなく、既に高速移動で背後を取られていた。
「うしろよっ!!」
「っ!!」
ルカはすぐさま振り返り、ラプンツェルの一撃を受け止める。
「あはっ!」
「はぁあっ!!」
そして天使の力を解放し、彼女の顔面に手を向け、魔天回帰を炸裂させた。
「っ!!?」
「だぁあっ!!」
更に怯んだ彼女に後蹴りを放つ。それは直撃し、吹っ飛ばして壁に叩きつけた。
「ぐはっ……!」
ルカはアリスの隣に着地し、両手にエネルギーを溜める。
「アリスっ!いくぞっ!!」
「あ、ああっ!!」
ルカとアリスは、ラプンツェルにフルパワーのエネルギー波を連射した。それは彼女に直撃し続け、爆発が何度も巻き起こる。
「はぁああああああ……!!」
「くっ……!!」
爆炎の中から、ラプンツェルが顔を出す。
「舐めるなっ!!」
そして、そこから突撃してきて、アリスとルカに一撃を叩き込んだ。
「ぐぅうっ……!!」
「ぐぁあっ……!!」
アリスはぶっ飛ぶが、ルカは踏ん張る。
「っはぁあっ!!」
そのまんま気合を込めて、ノームの力を解放した。
「うぉおおっ!!」
そしてその拳に力を込めて、ラプンツェルの腹をぶん殴った。重い一撃が彼女の腹筋を貫き、その背を盛り上がらせる。
「ッッぐぁあっ……!!!」
ラプンツェルは目を見開き、舌を出して悶絶する。
「いくぞっ!!」
ルカは剣を構え、そんな彼女に斬撃のラッシュを叩き込んだ。素早く、重い剣技で、彼女の体に斬撃を往復させる。
「ちっ!!」
ラプンツェルは持ち直し、ルカと激しい攻防を繰り広げる。力と力が超スピードでぶつかり合い、辺りにエナジーが波動し、大地が揺れる。
「はぁあっ!!」
しかしその攻防はラプンツェルが押し勝ち、ルカをぶっ飛ばした。
「ぐぁあっ!!」
「ほぉらっ!!」
更に、吹っ飛ぶ彼に追いつき、その顔面を打ち下ろし、地面に叩きつけた。
「ぐっはぁあ……!!」
ラプンツェルは笑い、口を開ける。そして、口からエネルギー波を放った。
「くそっ!!」
しかし、それはアリスのエネルギー波によって消し飛ばされる。
「ちっ……!!邪魔よ!!」
ラプンツェルはアリスを見て、目を光らせた。次の瞬間、彼女の足元が爆発して吹き飛んだ。
「うわっ……!!」
「かぁあーーーっ!!」
ラプンツェルは飛び上がり、アリスに猛攻する。
「ちぃっ!!」
アリスは何とかそれに対応するが、苦しそうだ。
「超サイヤ人に負けたあんたに、今の私を倒せるわけ無いわ……諦めなさい!!」
「喧しい!!」
アリスはそう言って闇のエネルギーを拳に纏い、顔面をぶん殴った。
「あはっ!」
しかしラプンツェルはその拳を受けたまんま、笑う。
「なにっ!?」
そのまんま、アリスの顔面に一撃した。彼女は仰け反り、ダメージに悶えながらも踏ん張り、何とか倒れるのは防いだ。
「ほらぁっ!!」
しかしラプンツェルはダメ押しと言わんばかりに彼女に頭突きし、ぶっ飛ばす。
「ぐぁあっ!!」
アリスは今度こそ倒れてしまった。しかしここで、入れ替わるようにルカが起き上がった。
「あら?お目覚めかしらぁ?」
「……出来れば、本気を出したくなかった……だけど、そうも言ってられないみたいだね。」
ルカは血混じりの唾吐きながら、ゴキゴキと首を鳴らし、そう言った。
「何を今更……まさか、そんなハッタリで戦況が一変するとでも……?」
「ハッタリじゃないさ……」
「へぇ……」
ラプンツェルはそう言いながら、ニヤニヤと笑っている。そんな彼女の前で、ルカは気を溜めるポーズを取り、同じく笑った。
「よく見てろ。お前のそのいやらしい薄ら笑いを消してやる。」
そう言い、気を解放した。
「っ!!」
「はぁあああああっ!!」
額に青筋が浮かび、筋肉が張り、聖なるオーラがその身に圧縮される。修行で見出したあの力を、全開にしたのだった。
「なにっ!?」
「いくぞっ!!」
ルカはラプンツェルに突進し、猛攻を仕掛けた。
「くっ!!」
ラプンツェルは一瞬の隙を見て、ルカの顔面に突きを放つ。しかし彼はそれを跳び避け、その顎に膝蹴りした。
「ぐっ!?」
「はぁあっ!!」
更に顔面に手を向け、零距離で魔天回帰を爆発させた。
「きゃああぁっ!!」
「ふっ!」
ルカは下がり、剣に聖なる魔力を込める。そして剣を振り上げ、凄まじいエネルギーの斬撃を放った。
「ちぃっ!!」
ラプンツェルは目からビームを放ち、それを相殺する。しかし、ルカが既に迫っていた。
「な……!!」
「はぁあっ!!」
そのまんま剣を一気に振り上げ、ラプンツェルを打ち上げた。
「ぐはっ……!!」
「はぁあっ!!」
更にそんな彼女に追いつき、狙いすました渾身の蹴りで腹を打ち抜いた。
「が……あ……!!」
「ふんっ!」
ルカは飛び上がり、剣を振り上げる。
「天魔頭蓋斬!!」
そして渾身の兜割りで、ラプンツェルを地面に叩きつけた。
「……す、すごい……」
いつの間にか起き上がっていたアリス、唖然とした表情でルカを見る。
「でたらめな強さになっている……筋肉も張って……あれが今のルカの本気か……!!」
「ハァッ……ハァッ……!!」
ラプンツェルは起き上がり、ルカの方を見る。しかし、そこに彼の姿は無かった。
「こっちだ。」
「!!」
背後から、そんな声が聞こえた。振り返ってみると、そこには上空に居たはずのルカが居た。どうやら、超スピードでここに回り込んだらしい。
「ウスノロ……」
「っ……!!」
ラプンツェルは苛立ちを込めた目でルカを睨み、歯ぎしりをする。
「いい気にならないでよね……!!私だって、本気になっちゃうんだから……はぁあっ!!」
ドンッと気が噴き出し、そこら辺に波動する。
「くそっ……!!余は離れるぞ!このまんまだと足でまといだ!!」
「ああ、ヤバくなったら頼む!」
アリスは離れ、ルカとラプンツェルが向かい合う。
「うふふ……すぐにやってやるわ……」
「……」
ルカが踏み込んで、腹に前蹴りを放つ。ラプンツェルはそれを受け止め、針で彼の胸を狙った。
しかし、彼は剣でそれを切り落とす。
「なにっ!?」
「はぁあっ!!」
そして、ラプンツェルの顔面に肘打ちした。
「がっ……か……!!」
「ふんっ!!」
更に顔面を蹴り上げ、体を何回も斬り、頭突きした。
「ぐぅうっ!!」
ラプンツェルは尻もちをついて、ルカを睨む。
「がぁあっ!!」
しかしすぐさま起き上がり、水平に飛びながら頭突きしてきた。
「ふっ!」
ルカはそれを仰向けに倒れるように避け、腕で地面に踏ん張る。そして彼女の腹に両足蹴りを叩き込んで、上空に打ち上げた。
「ぐっは……!!」
ラプンツェルは踏みとどまり、口を開ける。そして、そこからエネルギー波を放った。
「かめはめ波っ!!」
しかしルカはかめはめ波でそれを相殺し、ラプンツェルの所に飛ぶ。
「はぁあああっ!!」
ラプンツェルとルカは空中で、苛烈な攻防を繰り広げた。
「ぐっ……!!すばしっこいわね……!!」
「うん、ヴィクトリーにもよく言われた!」
ルカはそう言って、ラプンツェルの脇腹に蹴りを叩き込んだ。
「ッッ!!」
「でぇいっ!!」
更に、顔面にパンチした。
「ぎぃいっ……!!」
ラプンツェルは鼻血を垂らしながら、ルカを睨んだ。
「……人造の妖魔にしてはよく出来てるね。それは血か?それともオイル?」
「っ……っ……!!」
そ、そんなバカな……!!本気の私が……こんな、一方的に……!!
「本気を出してもその程度だったみたいだね……これ以上はやっても意味が無い。降参を勧めるよ。」
「くっ……!!ふざけるな!!この私がっ!!サイヤ人のパワーをこの身に宿したこの私が、負けるかぁあっ!!」
ラプンツェルはそう言って、ルカに突進してきた。
「サラマンダー……!!」
ルカは炎の力を纏い、ラプンツェルに一閃した。
「……閃殺。」
そう言い、剣を納める。次の瞬間、ラプンツェルの羽根と棘が切り落とされた。
「っっ!!」
羽根が切り落とされたラプンツェル、あえなく地面に落ちてしまう。
「こんなの、嘘よ……あなた、本当に人間なの……!?」
ラプンツェルはそう言いながら、ルカの方を見る。ルカはラプンツェルに手を向けながら、エネルギーを集中していた。
「総ての生、母なる天に回帰せよ……!!」
ルカのエネルギーがその手に凝縮し、超高密度のエネルギーボールとなって、ラプンツェルに撃ち出された。
「!!」
それが当たった瞬間、凄まじい爆発が辺りを揺るがした。彼女は、消し飛んだ……
「……」
ルカは元の状態に戻り、降りる。
「終わったか……」
アリスが出てきて、ルカの隣についた。
「ああ……だけど、四天王達が危険だ。アリスはここで……」
「いや。」
飛び去ろうとするルカの手を、アリスは掴んだ。
「貴様が変なことをして、作戦に支障が出たらまずい。ここは、作戦通りにやるしかないぞ……」
「だけど……」
「信じてやれ……四天王と直接刃を交えたお前ならば、信じる事が出来る筈だ。」
「……そうか、分かった。」
ともあれ……アリスの言う通り、作戦に支障を起こすとまずい。
彼女達ならきっと大丈夫。その実力は、僕とアリスが一番知っているのだ……
僕達は四天王を信じ、ただ待ち続けるのみだった……しかし、不安は隠せなかった……
「……ここは、俺達が出るしかねぇみてぇだな。」
この星の何処かで、誰かがそう呟いた。
「ああ……僕だってサイヤ人なんだ!」
「やってやろうじゃねぇか!」
「ワクワクするぜ……」
彼ら四人は気を解放し、封印の塔へと飛んだ。
果たして、こいつらの正体とは……そして、四天王の命運や如何に……!?