もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話 作:ジョーカー:ゼノ
数分前……
エデンをルカに任せて、アリスと共に先に進むバーダック:ゼノ。しかし、その前にも敵は立ちはだかるのだった……
「おや、魔王様と……見ない顔だな。」
つかつかと歩く、白衣の天使。二人はその存在に気付き、そいつの目の前に降りた。
「何者だてめぇは。」
プロメスティンはバーダック:ゼノに向き、微笑んだ。
「初めまして、異世界の戦士よ……私はプロメスティン、ヒトに火を与えし者……」
「バーダック、そいつはネクスト・ドール達を造った張本人だ!」
「なんだと……!?」
アリスの言葉で、バーダック:ゼノの目が鋭くなる。そうしてから、歯ぎしりをして、その瞳に赤髪を靡かせながら悠々と立っている邪悪を睨めつけた。
「そうか、おめぇがアルカンシエルを造った本人か……!!」
その目には怒りが浮かんでおり、額に青筋が立つ。
「ゆ、許さねぇ……おめぇのせいで、ヴィクトリーが……!!」
「まぁ熱くなるな、バーダックとやら……奴は、ただ殺しただけではない。この後に控える激戦の為に、奴の力が必要だったのだ。」
「激戦だと……!?」
「ふっふっふ、気付かないのか?私の計画は、全て上手くいっているのだ。」
「計画だぁ……?一体、何を企んでやがる!?」
「全ては、この私の筋書き通りだったという訳だ。勢力は拮抗し、エデンとルカをぶつけ、女神イリアスは黒のアリスに食われた!女神と邪神の力が融合し、ここに究極の存在が生み出されたのだ!」
「な、なにっ……!?」
「女神イリアス……?黒のアリス……?何だか知らねぇけど、やべぇ事になっているみてぇだな……」
「我々の造反計画は成った。女神イリアスは神の座から堕ち、黒のアリスがそれに成り代わる!だが、その後に……」
プロメスティンはそう言いながら目を見開き、バーダック:ゼノに嫌な笑顔を向けた。
「この私が、結局は全てを手にするのだ!」
そして、注射器を取り出した。
「……!!」
「な、何だそれは……!?」
バーダック:ゼノも、アリスも、総毛立つ。
「これは、『白の兎』……『アリス』を呼び覚ます、究極の向進化薬。邪神アリスフィーズの細胞から、この薬は精製されたのだ。」
「初代様から……だと……!?」
「これがもう一つ存在した事は、黒のアリスも知らない。そして、私向けに調合を施されている事もな……」
そして、『白の兎』とやらを自身に注入した。プロメスティンの中でエネルギーが増幅し、邪神の力が宿る。
「しかし、これだけでは黒のアリスと戦うには不十分過ぎる……そこで私はヴィクトリーの細胞を研究し尽くして、これを開発した!」
プロメスティンはそう言いながら、凄まじいサイヤパワーの篭った丸薬を取り出した。
「な、何だそれは……!!?」
「これは、服用者を細胞単位でサイヤ人に変異させる薬だ……高が知れてる女神の力と、無限の可能性を秘めたサイヤ人の力……どちらが上かは、火を見るより明らかだろう?」
プロメスティンはそう言いながら、その丸薬を服用した。そして、プロメスティンの中でエネルギーが混ざり合い、更なる変異をもたらした。
「アリスーーーっ!!こいつは俺がやる!!おめぇは先に進めーっ!!」
「うっ……わ、分かった!!」
アリスは気を解放し、天界の中心へと飛んでいった。
「無駄な事だ……腐っても、イリアスを吸収したのだぞ?今の魔王に、勝てるはずもない。」
「うっせぇ……今はおめぇをぶっ飛ばす!はぁあっ!!」
バーダック:ゼノは超サイヤ人になり、構えた。
「超サイヤ人か……はぁあっ!!」
プロメスティンの方も変異が終わり、気を爆発させた。上半身の服が吹っ飛び、胸の中心に毒々しい花が咲いている。体型も、より戦闘向けの体になり、力を漲らせているようだった。
「……へっ、随分とキレーな体型になったじゃねぇか。」
「褒めてくれて光栄だ。」
プロメスティンはそのまんま構え、バーダック:ゼノに向いた。反逆の超サイヤ人と狂気の求道者が向かい合い、風が吹く。
引き金を引いたのは、バーダック:ゼノだった。
「だぁあっ!!」
彼は突進し、プロメスティンの顔面をぶん殴った。
「っ!!?」
彼女は直撃して、ぶっ飛んでしまう。しかし何とか体制を整え、正面に向き直した。
「ふんっ!」
「なっ!?」
次の瞬間、彼の飛び蹴りが彼女の顔面を打ち抜いた。それで、彼女は更に大きく吹っ飛んで行った。
「おめぇだけは……許さねぇ!!」
バーダック:ゼノは気を解放し、突撃する。そして、一瞬で彼女の所に追いついた。今、彼の中の反逆の引き金が引かれたのだった。
「だだだだだだだだだだ……!!どりゃーーーっ!!」
無数の拳の連打からの、渾身の一撃が、更にプロメスティンをぶっ飛ばした。そんな彼女にバーダック:ゼノは狙いを澄ませ、その腕にエネルギーが込める。
「くたばりっ……やがれぇえええーーーっ!!」
そして、フルパワーのエネルギーボールを放って、彼女を爆破した。
「……」
彼はそこで止まり、爆煙の奥に目を凝らす。
「……」
爆煙が晴れると、そこにはボロボロになったプロメスティンが居た。体の組織の半分近くが消し飛び、大ダメージを受けているようだ。
「ぐっ……!!」
「へっ、なぁにタヌキこいてんだ。そんなもんじゃねぇだろ?」
「……」
プロメスティンはその言葉を聞き、笑う。そして、体の組織を再生させた。
「どうせそんなこったろうと思ったぜ……」
「なるほど、この程度ならば想定済みか……」
プロメスティンはそう言いながら、気を解放した。サイヤ人の細胞で、戦闘力が飛躍する。
「……っ!」
「ふふ……」
プロメスティンが嫌な笑顔を見せた、次の瞬間だった。彼女は一瞬でバーダック:ゼノの眼前にまで接近し、痛恨の肘打ちで彼の顔面を打ち抜いた。
「っ!!?」
「かぁあっ!!」
もう一撃放とうと、振りかぶる。しかし彼は反撃に、こめかみに強烈なキックを叩き込んだ。
「がっ……!?」
「……」
そのまんま体制を整え、プロメスティンの方に向く。そして拳を握り、猛攻した。
「ふっ……!」
彼女は、それに対応する。そして、攻防が始まった。
「はぁあっ!!」
「おおぉっ!!」
激しく無数の拳が入り乱れ、乱暴に飛び交う。それは段々と加速し、凄まじい攻防になった。その末に二人の一撃がぶつかって、衝撃が波動する。その衝撃で、二人は距離をとった。
「ははっ!」
プロメスティンはすぐさま接近し、拳でのラッシュを仕掛けてくる。しかしバーダック:ゼノは全て避けた後に、彼女の顔面を拳で打ち抜いた。
「あぐっ……!?」
「だぁあっ!!」
更に高速移動で接近し、続けざまの左拳でぶっ飛ばした。
プロメスティンは吹っ飛ぶも、なんとか着地し、彼に手を向ける。そして、無数のエネルギー弾を放った。
「うぉおおっ!!」
彼はそれらを全て弾き飛ばしてから、彼女に渾身の力を込めたエネルギー波──リベリオントリガーを放った。
「ふんっ!!」
プロメスティンは、それを弾き返そうとする。しかし、リベリオントリガーは大爆発した。
「っ!!?」
彼女の右半身が吹き飛び、よろめく。
「かぁあっ!!」
そんな彼女の懐に潜り込む、バーダック:ゼノ。そんな彼の腕には、エネルギーが篭っていた……
「!!!」
「くたばれぇえっ!!」
次の瞬間、彼女の頭が爆破され、頭部を吹っ飛ばした。右半身と頭部を失った肉の傀儡は、よろよろとふらつき、倒れてしまった。
「……」
しかし、それはすぐさま立ち上がった。
「何だと……っ!?」
それはぷるぷると震え、力を込める。そしてプロメスティンは元に戻り、ダメージを再生させた。
「これが邪神の生命力か……想定外だが、これはいい。」
「……どうやら、塵一つ残さずに消すしかねぇみてぇだな……」
「そう簡単に行くかな……!?」
プロメスティンは、更に戦闘力を飛躍させた。
「なにっ……!?更にパワーが……!」
「はぁあっ!」
バーダック:ゼノに、一撃が迫る。それをガードするが、あまりの威力に後ずさってしまった。
「ぐ……!!」
「しゃあっ!!」
プロメスティンは彼の懐に潜り込み、腹を膝で蹴り上げた。
「ぐぅううっ!?」
「ふんっ!」
更にその胸に手を添え、エネルギー波を放った。
「ぐぁあっ!!」
バーダック:ゼノはそれに直撃し、爆発と共にぶっ飛んでしまった。そこにプロメスティンが高速移動してきて、腹に拳を埋めた。
「おぉおうぅっ……!!」
「はぁっ!」
そのまま彼を打ち下ろし、地面に叩き落とす。
「ふははははは……!!」
そこに向け、エネルギー弾を連射した。激しいエネルギー弾が、雨のように降り注ぐ。
「ちっ!」
バーダック:ゼノはそれを次々と弾き飛ばし、エネルギー波を放つ。
「はぁっ!」
プロメスティンはそれを、叩き返した。そのエネルギーは、標的を放った本人に変更するが、そこに彼は居なかった。
「こっちだ!」
「なっ!?」
バーダック:ゼノは既にプロメスティンの背後に高速移動しており、彼女を肘打ちでぶっ飛ばした!
「はぁあーーーっ!!」
更にそこへ追い付き、蹴り飛ばす。
「ぐっ!?」
「はぁあっ!」
渾身のアッパーカットが、彼女を上空に打ち上げた。
「うぉおおっ!」
そして飛び上がり、彼女の背後につく。そのまま、拳での一撃を放った。しかし当たる寸前に、彼女は振り向きざまに防御した。
「なにっ!?」
「ふんっ!」
動揺する彼の背後に高速移動し、一撃放つ。しかしその姿は消えて、彼女の背後からカウンターのパンチが飛んできた。
「ぐっ!」
彼女は吹っ飛ぶが、踏ん張り、バーダック:ゼノに突っ込む。彼もそこに、一直線に飛行した。
「うぉおおおーーーっ!!」
そして、壮絶な打ち合いが始まった。拳や足がドカドカと打ち合い、猛スピードでの殴り合いが繰り広げられる。
「どりゃーっ!!」
押し勝ったのは、バーダック:ゼノだった。思いっきりぶん殴り、プロメスティンをぶっ飛ばした。
「ぐぁあっ……!!」
「行くぞ……!!」
バーダック:ゼノは接近し、プロメスティンにアッパーする。
「うぉりゃあーっ!!」
そして拳を握って、ぶっ飛ばした。
「ぐっ!?」
プロメスティンはすぐさま持ちこたえ、バーダック:ゼノに向く。次の瞬間には、彼は彼女の肩で逆立ちしていた。
「っ!?」
「だぁあっ!」
そのまま、勢い付けて思い切りぶん投げると同時に、蹴り上げた。
「ぐはっ……!」
「くたばれぇっ!!」
そして、彼女の所まで飛び上がり、スレッジハンマーで叩き落とした。
「っがはっ……!?」
彼女は勢いよく、地面に墜落する。その際に地響きが轟き、その大地にクレーターが刻まれた。
「トーマ、セリパ、パンブーキン、トテッポ……そしてヴィクトリー!今こそ、俺に力を……!!」
バーダック:ゼノの拳が、閃光を宿す。膨大な力が巨大な光となり、輝いたのだ。
「な……!?」
「くらえぇえーーーっ!!」
そして、超スピードで彼女の所に飛ぶ。その拳を、勢いよく彼女の腹に打ち下ろした。
「ッッ!!?」
それが直撃した瞬間、天界全土を揺るがすような威力の衝撃と共に、大爆発のような気の噴出と衝撃波が巻き上がった。
バーダック:ゼノは確かな手ごたえを感じて、その場から下がる。
「手応えあったぜ……」
「ハァッ……ハァッ……!!」
プロメスティンは大ダメージを受けており、ヨロヨロと浮かんでいた。凄まじすぎる猛攻で、再生も追いついていないようだ。
「しぶてぇ奴だな……」
「ぐっ……ぶっ……!」
プロメスティンは吐血しながら、バーダック:ゼノを睨む。
「……かぁあっ!!」
そして、フルパワーのエネルギー波を放った。
「だぁあっ!!」
バーダック:ゼノは弾き飛ばし、プロメスティンに手を向ける。しかし次の瞬間、彼女が懐に潜り込んできて、その手を掴む。
「なにっ!?」
「はぁああーーっ!!」
彼女の戦闘力が、飛躍する。その力のまんま、バーダック:ゼノをぶん投げた。
「うわぁああっ!?」
彼は岩盤に叩きつけられ、その岩盤も粉砕して、瓦礫に埋もれた。
「うぉおおおっ!!」
しかし、すぐに立ち上がって飛び上がる。そして両手にエネルギーを溜めて、プロメスティンに連射した。
「ぐぅうっ!?」
彼女は腕をクロスし、なんとか防御する。
「だだだだだだだだだだ……!!」
しかし、叩きつけられる確実なダメージに彼女は揺らいだ。いくら防御できたとしても、防御した腕が気の爆発で段々と削られてしまう。
「うぉおおおお……!!」
「ぐぅうううっ……!!はぁあーーーっ!!」
プロメスティンは、巨大なバリヤーを展開させた。バリヤーのエネルギーが衝撃を巻き起こし、当たったもの全てを消し飛ばした。飛んでくるエネルギー弾もそれに阻まれ、彼女に当たらなくなっていた。
「ちっ……惜しいな……」
バーダック:ゼノは揺らぐ事なく、そう言って舌打ちをした。
「はぁ……はぁ……!!くそっ、ここは……!!」
彼女は、彼の足元にエネルギー弾を連射する。
「うっ!?な、何をっ……!?」
「はぁあっ!!」
彼が足を取られてる隙に、彼女は天界の中心へと飛び去っていった。
「逃げる気かっ!?」
バーダック:ゼノは飛び上がって、超スピードで追いかける。
「待てーっ!!プロメスティンーっ!!俺はおめぇが許せねぇえーーーっ!!!」
「ふん……!!」
突如として、逃走を図ったプロメスティン。果たして、その意図はいったい……?