もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話   作:ジョーカー:ゼノ

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その意思、受け継ぐ者

 プロメスティンと黒のアリスに敗れ、意識が遠のいていくルカ。ルカは冥府の一つ手前で、四天王達に出会い……そして、ヴィクトリーと再会した。そんな彼の言葉が、胸に刺さる。

「さぁ立て、ルカ!おめぇが世界のみんなを守るんだろ?」

 ルカの中で、小さな力が湧き上がる。それは、大きな力へと姿を変えた……

 

「……はぁあっ!!」

 ルカは目覚め、起き上がった。どういう訳だか、体の傷は全て癒えている。恐らくは、無意識のうちに体が瞑想していたのだろう。

「……」

 傍には、気絶しているアリスと一枚のカードがあった。

「……お前の勇気も、分けてもらうぞ。」

 ルカはそのカードを、大事にしまう。

「……黒のアリス達は……あっちか!!」

 黒のアリスとプロメスティンは、未だに世界の覇権を握る戦いをしているようだ。ルカは、そんな彼女達が戦っている所に向き、超スピードで飛んでいった。

 この世界のみんなを守るために。アリスや、四天王達のために。そして、ヴィクトリーの想いを無駄にしないために。今、全ての命運をかけた戦いに赴いたのであった……

 

「本当にしぶとくて……私をイライラさせるのが得意な奴ですねぇ……!!」

「こっちの台詞だ……!!」

 黒のアリスとプロメスティンは、依然として戦いに興じていた。しかも両者とも無限の再生と、強化能力で遥かにパワーアップしている……

「……ん?」

 プロメスティンはふと、視線を空に向ける。

「どうしたのですか?プロメスティ……」

 黒のアリスはそう言いながらプロメスティンと同じ所を見る。すると、見覚えのある影がこちらに飛んでいるのが分かった。

「……あれはっ……!!」

「まさか……!!」

 それは二人の前に、着地した。

「……」

 ルカだった。満身創痍のはずの彼が、圧倒的な力をその身に宿し、ここに降り立ってきたのだった。

「ば、馬鹿な……確かに死なない程度には痛めつけたが、もう復帰しただと……!?」

「瞑想を使える状態でもありませんでした……いったい、どういう事ですか?」

「お前達を倒すために、帰ってきた……僕はもう倒れない!!」

 ルカはそう言って四精霊を同時開放し、天使の力も全開にする。そして溢れ出た光を、その身に圧縮した。

「なるほど、つくづく厄介だな貴様は……こうなれば、貴様を殺してしまおう。もう私の計画に貴様は不要なのでね……いいだろう黒のアリス?」

「あはははっ、それでは遠慮なくやってしまってはどうですか?ですが、消し飛ばさないように……死体だけはぺろりと頂くつもりですので……」

「ふん……」

 黒のアリスが下がり、プロメスティンはルカの前で構えた。

「……」

 しめた。一対一ならば何とかなるかもしれない……!

「ふっふっふ……完璧な恐怖を、見せてやる……!」

「……」

 プロメスティンは超スピードで踏み込み、ルカの顎を蹴り上げる。彼はそれに直撃し、ぶっ飛んだ。

「はぁあっ!!」

 そして跳び上がり、攻撃を乱打した。拳と蹴りが、全身を乱打する。

「そらそらそらそらそらっ!!」

 彼女の頭脳とサイヤの力が成せる、パーフェクトなコンビネーションだ。しかし……

「……」

 ルカはラッシュを受けてる最中に、そんな彼女の顔面を掴んだ。

「っ!?」

「でぇえいっ!!」

 そしてぶん投げてから、高速移動で追いつき、その顎を蹴りあげた。

「ぐぅうっ!?」

 プロメスティンはぶっ飛びながら、ルカの方を見る。ルカは、プロメスティンに手を向けていた。次の瞬間、彼の中の水の力が爆発した。

「な……!!?」

 ルカの背後に、エルベティエの姿が見えた。

「メルトシュトローム!!」

 そのまま彼は、エルベティエ譲りの凄まじい水撃を放ち、プロメスティンに直撃させた。

「おぉおうっ……!!?」

 津波とは比にならない程の水の衝撃がダイレクトに体に叩き込まれ、彼女は揺らぐ。ルカは容赦なく、揺らぐ彼女の顔面に両足蹴りを叩き込んだ。

「ぐはぁあっ!!」

「だりゃあっ!!」

 更に高速移動で迫り、土の剛力を込めた渾身の兜割り──壊斧・大山鳴動で彼女を叩き落とした。

「ぐぅううっ……!!」

 プロメスティンは体勢を整えて着地してから、ルカに突進する。

「はぁあっ!!」

 そして拳を握り込んで、ルカの顔面に放つ……

 次の瞬間、またルカの背後にヴィジョンが浮かぶ。今度は、アルマエルマだ。

「なにっ……!?」

「つぁあっ!!」

 ルカはプロメスティンの拳を受け止めて、その腕にエネルギーを込めた掌底を叩き込んだ。彼女の腕は千切れ、宙を舞う。そして地に落ちて、粘肉となってドロリと溶けてしまった。

「うっあああああっ!!?」

「剛ぉおおッッ!!」

 ルカは容赦なく、拳に土の力を込め、金剛のような拳を彼女の腹に叩き込んだ。

「おうぅううぅっ……!!?」

 見事に直撃し、プロメスティンは目を見開きながら舌を伸ばす。ルカはそのまんま拳を引き、悶絶している彼女を見た。

「そ、そんな……わ、私が……この私が、あの程度の技でこんなダメージを……!!?」

 プロメスティンはそう言いながら、片腕で腹を押さえながら後退する。

「……馬鹿な……何があったのですか……!?」

 黒のアリスも、驚愕しているようだった。

「……」

 ルカは無言のまんま、プロメスティンに歩み寄った。

「ぐっぐぐ……おのれ……!!」

 プロメスティンの再生が終わり、片腕が元に戻る。そして、ルカに渾身の蹴りを放った。それは見事に顎を打ち抜いて、彼をよろけさせる。

「つぁあっ!!」

 しかし彼は後ろ廻し蹴りで彼女の顎を打ち抜き、ぶっ飛ばした。

「ッッ〜〜〜!!?」

 プロメスティンはぶっ飛んで、ゴロゴロと転がる。転がっている最中に地面の起伏に何度か激突し、最終的には地に伏せる形で止まった。そうしてから、よろめきながらもルカの方を見た。

「っ……!!っ……!!」

「……終わりだ。プロメスティン。」

 ルカは無情に、そう言う。

「……ふふふふ、はっはっはっはっは!!」

 プロメスティンは笑いながら、上空へと飛んだ。

「終わるのは貴様だ……この技で驚くがいい!!」

 プロメスティンは両手を合わせ、フルパワーのかめはめ波を放つ構えを取った。そして、これ以上とないほどの気を解放し、爆発させた。

「この天界を消すつもりですかッ!!?プロメスティンッッッ!!」

「か……め……は……め……!!!」

「総ての生よ、母なる天に回帰せよ……」

 ルカは、プロメスティンに片手を向ける。

「くたばれぇええええっ!!!波ーーーーーッッッ!!!!」

 彼女の手から、蒼い閃光が迸る。そこから、天を覆い尽くすような巨大なエネルギー波が、地を穿たんと放たれたのだった。

「くっ!!」

 黒のアリスは腕をクロスし、衝撃に備える。

「魔天回帰・傾国!!!」

 ルカは、プロメスティンの本気のかめはめ波より更に馬鹿でかいエネルギーを放った。それでかめはめ波は消えてしまい、ルカのエネルギーだけが残った。

「な、何だと……!!?うわぁああああ……!!!」

 それは彼女に直撃し、上空で凄まじい大爆発が巻き起こった。衝撃が展開全土に轟き、波動する。

「そ、そん……な……!?」

 プロメスティンは右腕と左足と顔の右半分が消し飛んだ状態で、浮かんでいた。

「終わりだっ!!」

 ルカはそんな彼女に高速移動で迫り、蹴り上げた。

「おぐぅうっ!?」

「はぁあっ!!」

 更にその背後に回り込んで、思いっきり蹴り飛ばす。

「だぁあっ!!」

 そして、吹っ飛んだ先に現れ、顎に思いっきり膝蹴りした。

「ぐぁあっ!?くぅっ!」

 プロメスティンの左腕の拳が、ルカを打つ。

「くっ!」

 彼はぶっ飛びながら体勢を整え、舞空術で飛び蹴りした。プロメスティンはそれを避けるが、ルカがそこで静止した。

「なにっ!?」

「ふんっ!!」

 すると彼は、もう一方の足で彼女を蹴っ飛ばした。

「ぐぁあっ……!!」

「だぁあっ!!」

 更にダメ押しに彼女をぶん殴り、追いかける。追いついて、その右足を掴んだ。

「はぁあーーーっ!!」

 そして、渾身の力を込めて地面に叩きつけた。

「ぐはぁあっ……!?」

「ふんっ!」

 そして何度かバク転してから、片腕にエネルギーを込める。次の瞬間、その背後にバーダック:ゼノのヴィジョンが浮かび……

「リベリオントリガーーーっ!!!」

 そして、片手で放つ渾身のエネルギー波──リベリオントリガーを放った。

「うわぁあああっ……!!?」

 プロメスティンは、そのリベリオントリガーに直撃する。それは、大爆発を巻き起こした。

「この身全てを犠牲にしても……たどり着けなかっ……た……か……」

 プロメスティンはそう言い残し、細胞一つ残らず消散してしまった……

「な、何なんですか……!?何が起こったというのです!?その変わりようは……!!」

「……次はお前だ!!」

 ルカはそう言いながら、黒のアリスに向いた。

「ふ、ふん……いい気にならないで欲しいですわ……はぁあっ!!」

 黒のアリスの金髪の輝きが増し、更に筋肉も張る。

「行きますよ……今度こそ、粉々にブッ殺して差し上げますわ!」

 そう言って、ルカに突進した。

「はぁあっ!!」

 ルカも、黒のアリスに突進する。そして、一撃がぶつかり合った。

「だぁあっ!!」

「なにっ!?」

 黒のアリスが力負けして、ぶっ飛ぶ。

「はぁあっ!!」

 ルカはそんな彼女に追いついて、激しく猛攻した。

「ぐっ!!」

 黒のアリスも対抗して、ルカに猛攻する。

「はぁああああっ!!」

「うぉおおおっ!!」

 そうして始まる、超スピードの攻防。拳と拳がぶつかり合い、加速し、さらに激しくなっていく。

 そんな攻防の最中、黒のアリスは一瞬の隙を見て、ルカの顔面に殴りかかった。

「ふん!」

 しかし彼は防御し、彼女の背後に回り込む。

「なっ!?」

「だりゃあっ!!」

 そして、思いっきり蹴り上げた。

「きゃあっ……!!」

「はぁっ!!」

 そして高速移動してから飛び蹴りし、彼女を蹴り飛ばした。

「きゃああーっ!」

「はぁあっ……!!」

 ルカの背後に、今度はアリスのヴィジョンが浮かんだ。

「な、16世……!!?」

 それは黒のアリスにはハッキリと確認できたらしく、彼女はそう口走ってしまう。

 そんな中。ルカの火の力が爆発する。そして指をクンッと上げて、彼女の足元に紅蓮の獄炎を巻き起こした。

「きゃあああああっ!!」

「はぁあああっ!!」

 獄炎に巻かれる彼女を蹴り飛ばし、ルカその中心に浮かぶ。

「あぐうぅっ……!!」

「はぁあっ!!」

 すると、燃え盛っていた炎が彼の剣に集合し、炎の刃と化した。

「な、なにっ……!?」

 今度は、グランべリアの姿がルカの背後に付いていた。

「乱刃・気炎万丈ォオオオーーーっ!!!」

 ルカはそう咆哮して黒のアリスに迫り、消えた。

「なっ……!?」

 次の瞬間、彼女の全身に紅蓮の斬撃が乱打された。

「あぎゃああああっ……!!!こ、このぉおっ……!!」

「つぇえいっ!!」

 ルカは黒のアリスの正面に現れ、エンジェルハイロウを彼女の胸に投げた。

「!!!」

 それは見事に突き刺さり、彼女もぶっ飛ぶ。

「くらえっ!!ハインリヒの技だっ!!」

 ルカの動きに風が、腕に土の剛力が、心に明鏡止水が、その指の先に火が宿る。その状態のまま彼は突撃し──

「エレメント・スピカァアッ!!!」

 四属性で構成された爪が、彼女を引き裂いた。

「がはぁあっ……!!?」

 エンジェルハイロウが抜け、ルカはそれを取って彼女の方を見る。

「っ!!!」

 黒のアリスは踏みとどまり、全身を再生させた。

「はぁあっ!!」

「なにっ!?」

 そして、ルカの顔面をぶん殴った。

「ぐはぁあっ……!?」

 ルカはぶっ飛んで、黒のアリスはそれに追いつく。

「い、いい気にならないで欲しいと言ったはずですわ!ホラホラホラホラッ!!」

 黒のアリスはルカに攻撃を連打して、腹に膝蹴りした。

「ぐはぁあっ!!」

「だぁあっ!!」

 更にスレッジハンマーで叩き落として、ルカに迫る。

「うぐっ……!!」

「だぁあっ!!」

 起き上がろうとする彼の腹に、一撃した。

「ぐはぁあっ!!」

「これで消し飛ばしてやります……!!覚悟なさい……!!」

 黒のアリスはそう言って飛び上がり、手を掲げる。そして邪神の力と聖なる力が混ざった獄炎の破壊玉を作った。

「はぁあああーーーっ!!!」

 そして、それを思いっきりぶん投げた。

「くっ!」

 ルカは起き上がって、獄炎の破壊玉を見る。そしてヒュバババッと手を動かして、そこに突き出した。

 これは、ヴィクトリーが使っていた技の──

「バーニングアターック!!!」

 超高密度のエネルギー弾──バーニングアタックで、黒のアリスの獄炎の破壊玉を止めてみせた。

「うっぐぐぐぐ……!!!」

 執念のバーニングアタックが、みるみるうちに彼女の技を押し返す。

「そ、そんな……!?」

「はぁあああーーーっ!!!」

 そして、獄炎の破壊玉は押し負けて消え失せ、バーニングアタックが彼女に直撃し、大爆発を巻き起こした。

「うぐっ……ぐぅうぅっ……!!?ば、馬鹿な……!!」

 黒のアリスは腕をクロスした状態で、止まっていた。

「はぁあああーっ!!」

 ルカは黒のアリスの方に飛び上がり、パンチを放つ。

「くっ!?」

 しかし黒のアリスはそれを見切り、ルカの顎にアッパーした。そのアッパーが当たった瞬間、彼は笑う。

「なっ……!?」

「そぉおいっ!!」

 殴られた勢いを利用したサマーソルトキックで、彼女を上空へと蹴り上げた。

「ぐはっ……!!」

「はぁああああっ!!」

 ルカは剣を掲げ、気を解放する。

「来ぉい!!シルフ、ノーム、ウンディーネ、サラマンダー!!」

 ルカは四精霊の力も解放し、剣にその力を込めた。

「なっ!?」

「……!!」

「は、はやい……!?」

 シルフもノームもウンディーネも、あまりの手際の速さに驚愕した。

「い、行けーーーっ!!!」

 サラマンダーは、ルカにそう激励する。

「そ、その技は……まさか……!!!」

「……」

 ルカの背後に、ハインリヒの姿が見えた。

「ま、間違いない……!!」

 黒のアリスは本能的なモノを感じて、逃げようとする。しかし、ここで気がついた。ダメージ過多で、体が震えて動けない……

「はぁああああーーーっ!!」

 ルカは飛び上がり、黒のアリスに向かって剣を振りかぶる。

「ま、待っ……!!!」

「これで終わりだ!!カドラプル・ギガーーーっ!!!」

 そして、彼女に全てのエネルギーを叩きつけた。四精霊の力が増大し、全てを打ち砕く力が、彼女に叩きつけられた。

「きゃあああああーーーーっ!!!」

 エネルギーが弾け、大爆発が巻き起こった。それは天界に轟き、エナジーが波動する……

「わ、私は魔王……全ての世界を、この手に……」

 黒のアリスはそう言いながら、粉々に打ち砕けた……

「はぁ……はぁ……!!」

 ルカは着地し、大の字に倒れた。

 やった。ようやく、戦いが終わった。この世界を脅かす黒のアリスとプロメスティンは、この世から消えた。

 そして……

「ヴィクトリー……僕は……僕は、お前の仇をとったぞ……!!うぉおおおおおおおーーーーーっ!!!!」

 ルカの勝利の咆哮が、天界に響く。そう、戦いは終わったのだ……

「……どうやら、終わったようじゃな。」

 たまもが、ルカの頭の中に語りかけてきた。

「たまも……!!僕は、ようやく……!!」

「よしよし、分かったのじゃ。話ならば魔王城で聞くとしよう……今は、帰ってこい。」

「ああ……!」

 ルカは立ち上がり、アリスを抱える。そして、天界から飛び去っていった……

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