もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話   作:ジョーカー:ゼノ

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一時の帰還、共闘

 ルカは、プロメスティンと黒のアリスを粉々に打ち砕いた。その時にイリアスは、黒のアリス諸共砕け散ったかに思われた。

 しかし彼女は、現世に舞い戻ってきたのだった。その力は邪神の力とサイヤの力が混ざって、凄まじいパワーだった。そのパワーの前に、玉藻すら手も足も出ずに倒れてしまった。そして今、究極の戦士であるルカですらも僅かに負けている状況だ。

 状況を見かねて、突如として現れた白兎。彼女は、ヴィクトリーに全ての責任を押し付けた。そして彼を一時的に生き返らせ、イリアスをどうにかするように命じたのだった……

 

「それじゃあ、行ってくる!」

 ヴィクトリーは水晶を見ながら、額に指を当てた。

「あ、ちょっと待ってよ。そのまんま行く気?そのまんま行っても、二人まとめて呆気なく返り討ちにされるのがオチだと思うけど〜。」

 白兎はニヤニヤしながら、ヴィクトリーを呼び止めた。

「い、行けっつったのはおめぇだろ……どうしろってんだ?」

「確かに二人でかかっても、難しいものはあるかもね……だから、いっその事これを使おうよ。」

 そう言いながら白兎が取り出したのは、一対のイヤリングだった。

「……って、これは……!!」

「キミの世界から、持ってきたんだ。確か……ポタラ、だっけ?」

「……」

 白兎から、ポタラを受け取る。

 確かに、これを使えばイリアスには勝てるかも知れないが……しかし、ルカにそんな事をさせるべきか?これでイリアスを倒しても、この世界のためになるのか……?

「まぁ、ごちゃごちゃ考えても仕方ないと思うよ。使うか使わないかは、キミの自由だもん。」

「……分かった!」

 ヴィクトリーは、ポタラを懐にしまう。せめて、気持ちだけは受け取っておこうとしたのだ。

「あと、その状態で死んだらキミの存在そのものが消滅するからね。気を付けてね〜。」

「ああ……行ってくる!」

 ヴィクトリーは瞬間移動で、消えた。

「さてさて、どうなる事やら〜。」

「……」

「ヴィクトリー……!」

 一同は、水晶に注目した……

 

「ハァッ……ハァッ……!!」

 ルカはボロボロになりながら、イリアスに立ち向かっていた。

「ふふふ……なかなかしぶといですね……流石はルシフィナの息子と言ったところですか……」

 イリアスの戦闘力は、未だに上昇し続けている。このまんまでは、勝ち目がない……

「く、くそぉおっ……!!」

「ふふ……」

 イリアスは天に手を向け、気を解放した。

「このまんま、この大陸を焼き尽くしてやりましょう……」

「く……!!」

 あまりの気の嵐に、吹き飛ばされそうになるルカ。

 もう、どうしようもない……!

「罪を焼き尽くせ……絶対の獄え」

「だらぁあああーっ!!」

 次の瞬間、超サイヤ人ブルーのヴィクトリーがイリアスを蹴り飛ばした。

「!!」

 不意打ちの飛び蹴りに直撃し、彼女は大地を抉りながらぶっ飛ぶ。

「ヴィクトリーっ!?」

 ヴィクトリーは、ルカの横に着地する。

「色々あって、一時的にだけど生き返らせてもらった……」

「そうか……でも、どうやって?」

「話は後だ、今はイリアスを!」

「……ああ!」

 ヴィクトリーとルカは、背中を合わせて構えた。

「……」

 イリアスは瓦礫から起き上がり、つかつかと二人に歩み寄った。

「……なぜ、死んだはずのヴィクトリーがここに……?いいえ、構いません。また冥府に送り返すだけです……もちろん、たっぷりと搾ってから……」

「げ、全く効いてねぇ……」

「くっ……!!」

 イリアスは気を解放して、二人に突進してきた。

「ぐっ!!」

 凄まじい一撃が、二人に放たれる。二人はそれを避けて、飛び上がった。空ぶったイリアスの一撃は、とてつもない衝撃を巻き起こした。

「ぐっ!!」

「な、なんて圧だ……!!」

「はぁあっ!」

 イリアスはヴィクトリーの背後に回り込んで、スレッジハンマーする。

「ぐぅうぅっ!!」

 ヴィクトリーは寸前で受け止め、片手にエネルギーを込める。そして、エネルギー波でイリアスの頭部を吹っ飛ばした。

「無駄ですよ……今の私に、そんな技が通用するとでも……?」

 イリアスは無傷のまんま、ヴィクトリーに言う。そして、彼をルカの方にぶん投げた。

「うわぁああっ!!」

「がはぁあっ!」

 ヴィクトリーはルカに激突し、ぶっ飛ぶ。そして、二人まとめて岩盤に叩きつけられた。

「罪人よ、消え失せろ……断罪の炎雷!!」

 イリアスは手を向け、裁きの炎と裁きの雷が混ざった技を発射する。

「うぉおおおっ!!かめはめ波ーーーっ!!」

 ヴィクトリーはかめはめ波で、それを受け止めた。しかし、瞬く間に押されてしまった。

「僕だって……!!明けの明星ーーーっ!!」

 ルカは、明けの明星を放った。二人のエネルギーは一つとなり、膨大なエネルギーになる。それは、裁断の炎雷と互角に押し合った。

「ぜ、ぜってぇ……負けるもんかぁああ……!!!」

「こ、この世界を……落とさせるわけにはいかないぃいっ……!!」

「無駄な事を……消えなさいっ!!」

 断罪の炎雷のエネルギーが、凄まじく跳ね上がった。二人の技は押され、その二人も跪いてしまう。

「うぐぅうううっ……!!」

「ま、負けるんじゃねぇルカ!!ここで俺達が負けたら、皆の想いは無駄になるんだ!そうなりゃ、俺がここに帰ってきた意味も無駄になっちまうぞ!!」

「分かっている……!!だから……」

 ルカはヴィクトリーの方に向き、ニッと笑った。

「一緒に、イリアスを倒そう!」

「ああ……!!倒せるさ……どんな敵でも、俺達ならなぁああああっ!!!」

「ああ、フルパワーだぁあーーーっ!!!」

 二人のエネルギーが増大し、限界突破した。

「なにっ……!?」

 イリアスの技は瞬く間に押され、二人の技が彼女に直撃した。

「ぐぅう……っ!!小癪な……!!」

 イリアスは、腕をクロスさせた状態で浮かんでいた。そして、二人の方を見る……

「だりゃああああっ!!」

 ヴィクトリーの拳が、イリアスの顔面を打ち抜いた。

「!!!」

 イリアスには確かなダメージが刻まれ、揺らぐ。

「だぁあっ!.」

 その胸に、ルカの瞬剣・疾風迅雷が一閃した。

「うぐうぅっ……!!」

「でりゃああっ!!」

「はぁああっ!!」

 イリアスの左右から、二人の一撃が迫る。しかし彼女はそれを、掌で受け止めた。

「神に触れようとするその卑しい心根……粛清させて貰いましょう……!」

 イリアスが、次の行動に移ろうとした次の瞬間だった。

「はぁあっ!!」

 ルカは、イリアスの腕に気を込めた掌底を叩き込んだ。彼女の腕は千切れ、宙を舞う。

「っ……!!?」

「でりゃああっ!!」

 ヴィクトリーは揺らぐイリアスの腕を抱えて、背負い投げた。

「ぐはぁあっ!!」

「波っ!」

 そして片手ずつで、イリアスと宙を舞う腕にかめはめ波を放った。腕は消え失せ、彼女はかめはめ波の爆発でぶっ飛ぶ。

「ぐっ!!」

 しかし体勢を整え、ヴィクトリー達に向いた。

「だぁあっ!!」

 そして、凄まじい速さで二人にダブルラリアットした。

「でぇいっ!!」

 しかしヴィクトリーがイリアスの顎を蹴り上げ、ラリアットを止める。

「魔剣・首刈りっ!!」

 更にルカが魔剣・首刈りで、彼女を打ち上げた。

「ぐっ……!?」

「でりゃああっ!!」

 更にヴィクトリーが回りながら跳び上がり、イリアスの上に来る。そして、踵落としで彼女を叩き落とした。

「うぉおおっ!!邪神の生命力がなんだってんだぁあああっ!!」

 そして、渾身の連続エネルギー弾を叩き込んだ。何度も直撃し、大爆発が連続する。

「でゃだだだだだだだ……!!!」

「どけーーっ!!ヴィクトリーーーーっ!!!」

 ヴィクトリーの背後から、ルカの声がした。振り向くと、ルカはエネルギーを両手に溜めていた……

「だぁあああーーーっ!!」

 そのエネルギーを、イリアスに向かってぶん投げる。それは直撃し、大爆発した。

「ふっ……」

「やったか……!?」

 爆煙が晴れ、イリアスの姿が覗く……

「……ぐっ……!!」

 彼女は全身が焼き焦げた状態で、ヴィクトリー達を睨んでいた。

「なにっ……!?」

「……」

 そのまま全身の傷を再生させ、戦士達の前に浮かんだ。

「神である私に、よくぞここまでの屈辱を……」

 イリアスの額に、青筋が浮かぶ。そして、その体の筋肉が張り、凄まじい気が解き放たれた。

「な、なんだと……!!?」

「ま、まだ気を隠し持ってやがったのか……!!?」

「お遊びはもうしませんよ……すぐに終わらせてやりましょう……」

 ドスの効いた声でそう言った次の瞬間、イリアスの姿は消える。そして、二人の背後に現れた。

「っがはぁあっ!!?」

「ぐぁああっ!!」

 次の瞬間、凄まじい攻撃の乱打が、二人の全身に叩き込まれた。なんと、あの一瞬で二人に攻撃が乱打されたのだった。

「あがっ……!!?」

「み、見えなかった……明鏡止水でも……!!」

「ほぁあっ!!」

 イリアスは、その場で後ろ廻し蹴りを放った。

「!!?」

「うわぁあっ!!」

 蹴りの風圧が衝撃となり、二人をぶっ飛ばす。触れてもいないのに、ダメージがその身に刻まれた。

「あ、あぐっ……ば、化物かあいつは……!!」

「く、くそ……負けるもんか……!!」

「ああ、こっちもフルパワーだ!!」

 ルカとヴィクトリーはフルパワーになり、イリアスに突っ込んだ。

「だりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!!」

「うぉおおおおおおお……!!」

 ヴィクトリーとルカは、そのまんまイリアスに猛攻した。無数の拳と刃と蹴りが、彼女に振り下ろされる。

「ふん……」

 イリアスは軽々と、二人の猛攻を避け続けた。

「だぁあああああっ!!」

「はぁあああああっ!!」

 二人の猛攻が加速し、超スピードになった。

「へぇ……それでは、足だけ使って差し上げましょう。」

 彼女はそう言いながら腕を組み、片足を上げる。そして、その足だけで二人の猛攻を全てガードした。

「く、くそ……!!」

「なんで、当たらないんだ……!!」

「はぁあっ!!」

 次の瞬間、二人の腹にイリアスの前蹴りが炸裂した。

「ぐぁああああっ!!」

「うわぁあああああっ!!」

 ルカもヴィクトリーも大地を抉りながらぶっ飛び、そして魔の大陸の岸壁を粉々に粉砕した。

「ふふん……」

「まだだぁーーーっ!!!」

 持ち直したのは、ヴィクトリーだった。血を吐きながらイリアスに迫り、顔面にパンチした。それは見事に直撃し、今度はこめかみに渾身の蹴りを叩き込む。

「……」

 イリアスはその蹴りを受けながら、ニヤリと笑った。どうやら、全くダメージを受けていないようだ。

「な、なんだと……!!?」

「それでも、攻撃しているつもりですか……?攻撃というものは、こうするのです。」

 次の瞬間、イリアスの拳がヴィクトリーを打ち抜いた。

「あがああっ……!!?」

「しゃあっ!!」

 そして、そのこめかみに蹴りを放ち、蹴り飛ばした。

「うわぁあああああっ!!」

 ヴィクトリーはぶっ飛んで、岩盤に叩きつけられた。岩盤は粉砕し、その体が瓦礫に埋もれる。

「このぉおおっ!!」

 ルカはイリアスの遥か上空に現れて、土の剛力を込めた渾身の兜割りを放った。しかし彼女は、それを指一本で受け止めた。

「な、なっ……!!?」

「消えなさい。」

 イリアスの手に、エネルギーが込められる。そしてその手をルカの胸に添え、エネルギーを大爆発させた。

「うわぁあああああーーーっ!!」

 ルカはヴィクトリーの埋もれている瓦礫の山に激突し、埋もれる。

「うふふ……」

 イリアスは手を掲げ、エネルギーを波動させ……その周囲に、雷霆の刃を生み出した。

「裁きの雷霆!」

 無数の雷霆の刃が、瓦礫の山を貫く。そしてそれは光り、全てを吹き飛ばすような大爆発を巻き起こした。魔の大陸の二分の一が吹き飛び、瓦礫の荒野になった……

「こうなってしまえば、もう抵抗する術はありませんね……この島ごと、消えてもらいましょう。」

 イリアスはクスクス笑いながら、そう言う。そして膨大な気を纏いながら、浮かび始めた……

「ぐ……る、ルカ……!!」

 ヴィクトリーは通常状態に戻ってしまったようだ。

「……」

 ルカの精霊も天使の力も、引っ込んでしまう。

 まさに、万事休すという状況。この二人の限界突破したパワーでも、今のイリアスには及ばないというのだろうか。

「……ヴィクトリー……このまんまじゃ、僕達に勝ち目はない……」

「ああ、だけど……俺達がやるっきゃねぇんだ!!」

「……」

 ルカは、ヴィクトリーの方に向いた。

「お前、何か僕に隠してないか……?例えば、とびっきりの奥の手……とかさ。」

「……!!!」

 ヴィクトリーは、懐を探る。ポタラ……白兎に渡された、パワーアップアイテムだ。

「……なんで、そう思うんだ?」

「なんとなく、分かるんだよ……お前は、心のどこかで何かを遠慮してるって……」

 死神さんから、聞いたことがある。熾天使クラスの天使は、気どころか感情の察知まで出来ると。だったら、分かっていたのか……?最初から、俺がこいつを隠し持っていた事を……

「……分かってる。本当は、お前に頼ってばっかりじゃ、僕達の為にならない……そんな事、分かりきってるんだ……でも、今のイリアスを倒すにはそうでもしなきゃダメなんだ……」

「……分かった……」

 ヴィクトリーは、ポタラを出した。

「……それは?」

「頼む、ルカ……こいつを、右耳に付けてくれ!」

「これを右耳に……?」

「ああ……これを付ければ、俺達は合体して一人の戦士になる。」

「……そんなんで、イリアスを倒せるのか?」

 確かに、今のイリアスは凄まじい戦闘力を持っている。それはルカとヴィクトリーでさえ圧倒してしまう程の、膨大な力……たとえ、合体した所で……

「そ、それは分かんねぇ……ただ、ものすごいパワーを手に入れられるってのは確かだ!」

「……じゃあ、やらないよりはマシって事か……」

「安心しろ、効果は一時間しかもたねぇ!だから……」

「よし分かった!そうするしかないなら、そうしよう!」

「お、おぉっ!!」

 ルカはポタラを受け取り、右耳に付けた。ヴィクトリーも、左耳にポタラを付ける。

「よし、やるぞ……!!」

「一時間で、決着を付けてやる……!!」

 ヴィクトリーとルカのポタラが光り、互いの体が引き寄せられる。そして二人はぶつかって、膨大な閃光に包まれた。

「……っ!!?」

 イリアス、ようやく異変に気付く。気を納め、地上に立った。

「……よっしゃーっ!!!」

 閃光が砕け散り、そこから一人の戦士が出てきた。髪の色は黒紫、目はオッドアイ、服装はヴィクトリーの道着とルカの服装が混ざった感じだ。

「誰ですか?あなたは……」

「ふっふっふ……」

 そいつは不敵に笑い、イリアスを見た……

「ルカとヴィクトリーが合体して……ルクトリーってトコかな。」

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