もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話 作:ジョーカー:ゼノ
サキュバスが強襲した村にやってきた戦士達。戦士達は欲望と誘惑の世界に引き込まれ、散り散りになってしまった。
サキュバスと奮闘し、何とかその集団を押し返したヴィクトリー。しかしその目の前に現れたのは、グランべリアだった……
「おめぇ……何でこんな所に……?」
「貴様が呼んだのだ……私と、戦闘をしたいとな……」
グランべリアはそう言って、気を解放した。
「っ!?」
その気は、明らかに異質だった。グランべリアの気と、僅かなサキュバスの気……燃えるようなエネルギーと、甘くてねっとりとしたエネルギーが混ざっているのだ。
「おめぇ……グランべリアじゃねぇな……!!」
「そんな事はどうだっていい……覚悟するんだな、サイヤ人……」
グランべリアは剣を抜き、ヴィクトリーに斬りかかった。
「ぐっ!」
それを白刃取りするが、あまりの威力に跪く。
「ぐ……!!」
「ふふふ、いいぞ……今のは見切りやすいようにやったんだ……」
グランべリアの剣の重みが増す。まずい、このままでは叩き切られてしまう……!
「だぁあっ!!」
気が、彼の体に集約する。そしてその頭髪が金色に変色し、鋭く逆立つ。その体から滲み出たエネルギーが、雷光として纏われる。超サイヤ人を超えた超サイヤ人──超サイヤ人2だ。
その力のままに、グランべリアの剣を押し返した。
「っ……超サイヤ人か!」
「今度はこっちから行くぞっ!!」
グランべリアの懐に踏み込み、殴り掛かる。
「ふんっ!」
拳を受け止め、腹に剣の柄を叩き込もうとする……
「ふんっ!!」
しかしヴィクトリーは腹筋に力を込め、剣の柄を受け止めた。
「だりゃああっ!!」
そして、廻し蹴りで蹴り飛ばした。
「ぐっ!」
「でゃだだだだだだだっ!!」
ヴィクトリーはそのまんま両手にエネルギーを込め、エネルギー弾を連射した。
「ふんっ!」
グランべリアは剣を扇風機のように回し、エネルギー弾を全て弾き飛ばす。そして、ヴィクトリーの方へ剣をぶん投げた。
「よっ!」
ヴィクトリーは身を屈めて、それを避ける。剣は、背後の壁に突き刺さった。
「だぁああっ!!」
ヴィクトリーは拳を握って、グランべリアへと駆け寄った。その拳が、彼女に着弾する次の瞬間……
「っ!!?」
視界が急変し、映ったのは壁。その壁に、勢いよく激突してしまった。
「っでぇえっ……!!?」
「ふん……」
グランべリアの合気がヴィクトリーの拳を捉え、その遥か後方の壁に投げ飛ばしたのだった。
「いててて……そう言えば、合気道も使えんだっけか……」
「私が剣しか振れぬと思ったら大間違いだぞっ!!」
グランべリアは剣を取り、ヴィクトリーに突進する。
「まずいっ!!」
グランべリアの薙ぎ払いを、しゃがんで避けるヴィクトリー。目標を逃した薙ぎ払いは、壁を横一文字に断裂した。
「だぁあっ!!」
ヴィクトリーは伸脚して、グランべリアの顎に頭突きする。
「っ!?」
「でりゃああっ!!」
更に脇腹にパンチを一発入れた。そのパンチは、グランべリアの鎧を破壊する。
「ごはぁっ……!!」
「でゃだだだだだだ!!」
更にパンチを連打してから跳び、後蹴りでグランべリアを蹴り飛ばした。
「ぐっ!」
グランべリアは踏ん張り、剣に炎を纏う。そして、ヴィクトリーに突進した。
「フルパワーだ……!!」
ヴィクトリーも拳に気を纏い、グランべリアに駆け寄る。
「はぁあああっ!!」
二人の姿は消えて、凄まじい打ち合いが始まった。
「だりゃああっ!!」
「うぉおおおっ!!」
気と炎がぶつかり合い、凄まじいエネルギーが次々に爆発する。
「がぁあっ!!」
「っ!!」
紅蓮の斬撃が、ヴィクトリーの体に叩き込まれる。
「でりゃああっ!!」
ヴィクトリーは持ちこたえ、グランべリアの顔面をぶん殴った。
「ごふっ……!!はぁっ!!」
グランべリアはヴィクトリーの腹に膝蹴りし、脳天を剣で打ち下ろした。
「ぐうぅっ!!」
ヴィクトリーはすぐに立ち上がり、グランべリアの顔面を拳で打ち抜いた。
「でりゃあっ!!」
「ぐぅうっ……!!」
グランべリアは引き下がるが、ヴィクトリーに踏み込む。
「くらえ、竜をも屠る剣……!!」
そして、渾身の兜割りを放った。
「っ!!」
ヴィクトリーはそれを見切り、拳に力を集中させる。
「な……!!?」
「どりゃあああっ!!!」
グランべリアの腹に、ヴィクトリーの拳が命中した。あまりの一撃に、彼女の鎧が砕け散り、背中が盛り上がる。
「が……がはっ……!!」
「だっ!!」
そして、顎を蹴り飛ばした。グランべリアはゴロゴロと転がり、床に倒れたのだった。
「う……うぶっ……!!が、ガハッ……!!」
グランべリアの技を見切っての、渾身のカウンター。ニセモノとはいえ、流石のグランべリアもこたえているようだ。
「だりゃああっ!!」
ヴィクトリーはまず、グランべリアの顎を肘で打つ。
「っ!!」
「でででででぇいっ!!どりゃあっ!!」
次にその胸を蹴りで乱打して、顔面をぶん殴った。
「ぐっ……!!はぁあああっ!!」
グランべリアはようやく反撃体制になり、剣に炎を纏う。そして、ヴィクトリーに振り下ろした。
「ファイナルヒートファランクス!!」
剣に、気を纏った拳の一撃を、彼女の剣に叩き込む。その剣は爆発し、真っ二つに折れた。
「なっ……!!?巨剣アレスが拳に……!!?」
「でゃだだだだだだ!!」
ヴィクトリーは、狼狽えるグランべリアに拳を連打した。
「ーーーっ!!!」
「だぁあっ!!」
顔面に、足刀する。
「でぇえいっ!!」
額に、頭突きを叩き込む。
「でりゃああっ!!」
脇腹に、回し蹴りをする。
「そぉおいっ!」
顎を、蹴り上げる。
「が……がはっ……!!」
「これで……っ!!」
ヴィクトリーは拳を握り、そこに全身全霊を込め……
「トドメだぁあああっ!!」
グランべリアの顔面を、思いっきり打ち下ろした。
「!!!」
顔面に拳が叩き込まれ、グランべリアは地に伏せた。
「あがっ……が……そ、そんな……!!」
グランべリアは倒れ伏し、ヴィクトリーを見る。そして、立ち上がろうとするが……
「……ぐ……見事っ……!!」
やはり地に伏せてしまい、戦闘不能となった……
「はぁ……はぁ……!」
倒れ伏すグランべリア……それは、塵となって消えていった。ヴィクトリーはそれを見て、息を吐く。
やはり、偽物だったか……そう思いながら、超サイヤ人を解こうとした時だった。
「それじゃあ今度は、私の番ね。」
「!!」
背後から、聞き覚えのある声……振り向くと、そこにアルマエルマが立っていた。
「……おめぇもかよ……」
「うふふっ……君が私を呼んだんじゃない。私と戦いたいって……」
「……」
そう言えば、ここは欲望と誘惑の世界とか言ってたな……俺は、マジのグランべリアとアルマエルマと戦ったことはない。だから、一度戦ってみたいという欲求ならあった。
「……なるほどな、そういう事か。ようやく理解出来たぜ……」
「何を理解出来たのかは知らないけど、やるんなら早くやるわよ。私、待つのは嫌いなんだから……」
ヴィクトリーは伸脚運動してから、アルマエルマに向いた。
「よし、来いっ!!」
その言葉が放たれた瞬間、アルマエルマの踵落としが飛んでくる。ヴィクトリーは、それを腕でガードした。
「あはっ……!」
「へへへ……!」
二人は一旦離れてから、激突する。
「うぉおおおっ!!」
「てぇええいっ!!」
拳と拳が激しくぶつかり合い、ものすごい攻防を繰り広げた。
「でりゃあああっ!!」
「はぁああっ!!」
拳がぶつかり合い、衝撃が波動する。そして二人はグルグルと回転し、着地した。
「だっ!!」
ヴィクトリーが床を蹴って、アルマエルマに突進する。
「ふっ!」
ヴィクトリーの一撃が届く寸前に、アルマエルマの蹴りが腹に炸裂した。
「うぐぅうっ……!?」
「遅いわ……はぁあっ!!」
アルマエルマの廻し蹴り……それは、瞬間移動で避けられた。
「なっ!?」
「だぁあっ!!」
アルマエルマの背中に、膝蹴りが叩き込まれる。
「はぁあっ!」
「ぐっ……!!」
追い打ちをかけようとするヴィクトリーの足に、アルマエルマの尻尾が巻き付く。
「やべっ……!!」
「ふんっ!」
そのまんま、ヴィクトリーを床に叩きつけた。
「ぐぅ!」
ヴィクトリーは何とか床に手をつき、持ちこたえる。
「あはっ!!」
「やべっ!!」
アルマエルマの鋭い踵落としを、ギリギリで避ける。
「だぁあっ!!」
起き上がって、アルマエルマに一撃放った。
「うふふっ……!」
アルマエルマはその手を受け止め、ヴィクトリーの肩にエネルギーを込めた掌底を叩き込んだ。
「っ!!?」
「はぁあっ!!」
腹を蹴り抜かれ、ぶっ飛ぶヴィクトリー。
「うぐ……ぐ……!!」
アルマエルマのカウンター技、当て身光掌……それはヴィクトリーの肩を打ち抜き、関節を外していた。
片腕を、ぶらんと垂らす彼。その表情は、苦悶に歪んでいる。
「ぐ……ぐ……!!」
「そんな程度じゃ、戦闘不能じゃないでしょ?もっと本気を出して欲しいわ……」
アルマエルマは挑発するように、そう言って笑う。ヴィクトリーもそれを聞き、笑った。
「ああ……」
外れた方の二の腕を掴み、息を吐く。
「うふふ……それ、痛いわよね……」
「だっ!!」
そして、力を込めた。次の瞬間、ガチンと関節がハマり、ヴィクトリーの腕は元通りになった。
「ああ……痛いさ……だけど、もう大丈夫!」
ヴィクトリーは腕をクロスし、気を溜める。
「はぁああっ!!」
そして、気を解放した。
「……!」
「だぁあっ!!」
次の瞬間、アルマエルマの腹にヴィクトリーの拳が埋まった。
「っ……!!?」
腹を押さえながら、ヨロヨロと後退するアルマエルマ。
「言われなくても、見せてやるさ……今の俺の本気をなぁあっ!!」
ヴィクトリーはアルマエルマに突進し、疾風のような猛攻をした。
「でゃだだだだだだ!!」
「くっ!」
アルマエルマも気を解放し、ヴィクトリーに猛攻する。疾風の極みに至ったアルマエルマと、超サイヤ人2のヴィクトリーの攻防は、加速し続ける。
「だだだだだっ!!だぁらぁああっ!!」
「はぁあああっ!!てぇええいっ!!」
二人の姿が完全に消え、周囲に衝撃と暴風が巻き起こる。そんな事が連続し、所々が吹き飛んだ。
「だりゃああっ!!」
ヴィクトリーのパンチが、アルマエルマの腹に直撃した。その時、戦いは止まる。
「がはぁあっ……!!?っ!!」
アルマエルマは踏ん張り、金剛のような拳でヴィクトリーの腹を打ち抜いた!
「おぅううぅっ……!!」
「はぁあっ!!」
更に足を天に向け、踵落としを放つ。しかしヴィクトリーは腕をクロスし、ガードする。
「でゃだだだだだぁっ!!」
そして、アルマエルマの胸に蹴りを連打した。
「あぐっ……!?」
「だぁあっ!!」
よろめいたアルマエルマに、猛烈な拳のラッシュを叩き込んだ。
「〜〜っ!!」
「でぇえいっ!!」
顎を蹴り上げ、アルマエルマを打ち上げる。
「がっ……!?」
「どりゃああっ!!」
打ち上げた所に回り込み、アルマエルマに肘を落とした。
「ぐはっ……!!」
あまりの衝撃に、アルマエルマの体は床に叩きつけられてから、バウンドする。
「マジで行くぞっ!!」
ヴィクトリーは両の拳を握り、アルマエルマに猛攻した。
「だだだだだだだだっ!!だぁあらぁああっ!!」
「ぐはっ……!!?」
攻撃するだけ攻撃し、思いっきりぶっ飛ばす。そして両手に気を溜めて、アルマエルマにエネルギー弾を連射した。
「ぐっ!!」
アルマエルマは持ち直し、エネルギー弾を次々に弾き飛ばす。
「だだだだだだだだ……!!」
「こ、このっ!!」
ヴィクトリーのエネルギー弾の雨を弾き飛ばしながら、アルマエルマは突進する。
「はぁああっ!!」
そして、渾身の拳でヴィクトリーに殴りかかった。しかし彼は、瞬間移動で消える。
「え……!?」
拳がすっぽ抜けたアルマエルマは体制を崩し、隙だらけになってしまった。その背後に、ヴィクトリーが現れた。
「し、しまっ……!!」
「波ーーーっ!!!」
フルパワーの超かめはめ波を、アルマエルマに零距離砲撃した。
「!!!」
かめはめ波の全エネルギーがアルマエルマに直撃し、彼女は消し飛んだ……
「……ふぅっ!」
ヴィクトリーは着地し、汗を拭う。そして超サイヤ人を解き、座った。
「……」
やはりこの世界、ただ単に追憶の間のようにランダムで敵が出てくる所じゃ無いらしい。誰かがこの空間を作り、操っているに違いない。
「……とっとと、この気のする方に行かねぇと……全く、どうなってんだ……?」
「流石は女神イリアスを討ち滅ぼした勇者……」
この事件の黒幕……魅凪は、水晶で二人の様子を見ていた。
「この程度では、折れぬか。」
中々堕ちないルカとヴィクトリーを見て、笑っていた。
「それにしても……戦闘欲が性欲を覆し、この世界で戦闘を繰り広げるとは……前代未聞だが、奴が術中にあるのには変わりないか……」
クスクス笑いながら、魅凪は足を組み替える。
「いいだろう、ならばもっと楽しませてやる……お前が負けた時は、その時こそ快楽地獄に落としてやる……ふふふ……ははは……!」
魅凪の気が膨れ上がり、目が紅く光った……