もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話   作:ジョーカー:ゼノ

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最悪の修羅場

 突如として、強襲してきたアルマエルマ。二人はそれに対し、臆することなく構えていた。

「それじゃ、行くわよぉ……!」

「はぁああっ!!」

「いくぞぉおっ!!」

 二人はダッシュでアルマエルマに迫り、出せる限りのスピードで猛攻した。無数の攻撃が彼女に迫るも、それらは全て尻尾のみで切り落とされていた。

「な、なんだとっ……!?」

「く……!!」

 尻尾だけで戦うと言ったその実力、やはりハッタリなんかではなかった。

「えいっ!」

 彼女の尻尾が揺らめき、ルカの股間に吸い付いた。

「あうっ!?」

「っ!?」

 あまりにも超スピードのそれに、二人は硬直してしまう。その様を、彼女はニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべながら笑っていた。

「少しでも気を抜いたら、尻尾が股間に吸い付いちゃうわ。おちんちんを優しく包み込んで、精液を吸い取られちゃうのよ……くすっ。」

「そんな事はさせねぇ!」

 ヴィクトリーは何を思ったか、ルカの胸に蹴りを入れた。

「ぐぅっ!?」

 ルカはぶっ飛ぶが、その股間から尻尾がちゅぽんと抜ける。

「あ、ありがとう!」

「でりゃああっ!!」

 ヴィクトリーが一人で、アルマエルマに猛攻する。しかし、彼女の尻尾が彼の拳や脚の(ことごと)くを防いだ。

「武術の心得があるのね、ヴィクトリーちゃんは……なら、ちょっと手ほどきしてあげようかしら?」

 アルマエルマはそう言うと、尻尾を彼に振り下ろした。

「いらねぇ世話だよっ!」

 彼がそう言うと、尻尾がその体をすり抜けた。次の瞬間、周囲にヴィクトリーの残像が数体現れる。

「へぇ、残像拳ねぇ……まさか、ここまで出来るなんて……ケド──」

 アルマエルマの尻尾が振るわれると、そこから頬を打たれたヴィクトリーが現れた。

「ぐぁあっ!?」

「私にそんな手は、通用しないわよ?」

「くそっ!!」

「うぉおおっ!!」

 ルカが飛び出し、雷鳴のような突きの一閃を放つ。しかし、それはアルマエルマをすり抜けた。

「なにっ!?」

「遅いわねぇ、ルカちゃん。止まって見えちゃったわよ……」

 彼の背後に、彼女は現れる。そして、尻尾で攻撃してきた。

「ぐぅっ!!」

 剣で受けるも、受けたその腕がビリビリと痺れた。直撃していたらのダメージは、考えたくもない。

 偶然にも、今はアルマエルマの両手に二人が居る。これで、挟み撃ちになる筈だ。

「でりゃああっ!!」

「ぉおおっ!!」

 二人は彼女に迫り、一撃を放つ。しかし、尻尾が俊敏に動いて両方の一撃を弾いた。

「なっ……!!」

「くぅうっ!!」

 ヴィクトリーは踏ん張り、もう一方の手を思いっきり突き出す。次の瞬間、アルマエルマの顔面に衝撃が叩きつけられた。

「今だ、ルカっ!!」

「ああっ!」

 揺らいだ彼女の懐に潜り込み、剣を喉元向けて突き上げる。これが、ヴィクトリーと僕の連携──

「……くすっ。」

 彼女はそんな僕達を嘲笑うかのように起き、尻尾で二人をぶっ飛ばした。

「ぐぅうっ!!」

「うわぁあっ!」

 連携が決まる寸前に、ぶっ飛ばされてしまった。

「く、くそ……!!」

 アイツ、完全に遊んでやがる……!その気になったら、俺達の事なんて一瞬でぶっ飛ばせる筈なのに……!!

「はぁっ……はぁっ……!!」

 通用しない……僕達がイリアス大陸で培った、全てが……!!

「そーれっ!」

 アルマエルマは尻尾から、ネバネバの粘液を飛ばしてくる。

「ちぃっ!」

「ふっ!」

 ヴィクトリーは跳び避け、ルカは剣で弾き飛ばす。ルカの方が腰を落とし、アルマエルマに猛攻した。

「はぁっ!てぇいっ!だだだだだっ!やぁあっ!!」

「うふふ……」

 必死なルカに対し、アルマエルマは尻尾だけを高速で動かし、彼の剣技を止めている。圧倒的な差を見せられるかのような防御に、彼の焦りが煽られた。

「ぅ……!!」

「えいっ!」

 次の瞬間、尻尾で足払いされた。

「うわっ!?」

「足元がお留守だよ、ルカちゃん?」

「く……!」

 ヴィクトリーの真似をして、後転で距離をとり、立ち上がって構え直す。その時だった。

「伏せろルカーっ!!」

「!!」

 ヴィクトリーが手を合わせ、そこに凄まじいエネルギーを込めている。僕は直ぐに察し、身を伏せた。

「あれは……!」

 流石のアルマエルマも、これには驚きを隠せない様子だ。しかし、その顔も一瞬。すぐに元の嫌らしい笑顔に戻った。

「波ーーーっ!!!」

 彼はそんな事にも気付かず、かめはめ波を放つ。しかしそれは、呆気なく彼女の尻尾によって、船外に弾き飛ばされた。

「なにっ!?」

 かめはめ波が海面を叩き、爆発する。この船は海神の鈴に守られている為揺れは起きないが、波が大きく荒れた。

「そ、そんな……!!」

「くそ……!!」

 ヴィクトリーのかめはめ波でさえ、呆気なく弾かれてしまった。やはり、生半可な強さではない。こんな程度の攻撃は、まるで通用しないようだ。

「こうなったら、あの技を……!」

「新技、いきなり使うんか……!?」

 習得したばかりで、実戦では初使用。不安は残るが、これしかない……!

「ルカ……さっきの兜割りの事か?」

「あ、ああ……!覚えたばかりだから、上手くいくか分かんないけど……」

「なら、俺が隙を作る。おめぇは、すぐにその技の準備をしてこいっ!」

「ああっ!」

 ルカは、技の準備をするために走る。これで、この場はヴィクトリーとアルマエルマの一騎打ちになった。

「あらぁ?ヴィクトリーちゃんは、一人で大丈夫なのぉ?」

「ったりめぇだ、文句あっか!?」

「くすくす……そうやって私の尻尾に巻き付かれて、無様に白いのぴゅーぴゅ」

 アルマエルマの言葉の途中で、ヴィクトリーは目を見開く。そして、息を思いっきり吸って、構えた。

「界王拳ッッ!!」

 その体から、赤いオーラが吹き出る。それと同時に、辺りに熱が旋風した。

「っ!?」

「いくぞぉおっ!!」

 その状態で、アルマエルマに猛攻した。超スピードでパンチやキックを乱打し、彼女に迫る。

「な……!?」

 急激なパワーアップを果たした彼の猛攻は、初めは尻尾に受け止められる。しかし、次第に尻尾の防御をすり抜け、その顔に拳が迫った。

「──くっ!」

 彼女は何とか避けるも、頬に拳がカスッた。

「だぁだだだだだだだだっ!!あだだだだだだだだだっ!!」

 激しい拳のラッシュが、加速する。紅蓮を纏ったその拳は鋭さを増し、遂にアルマエルマの顔面を打ち抜いた。

「きゃあっ!」

 顔面を打たれ、後退する。そして、ヴィクトリーの方へ向き直した。しかし彼は、既に残像だった。

「な……!?」

「こっちだぁっ!!」

 アルマエルマの背後に表れ、大声を上げる。それに反応した彼女は、振り向きながら尻尾を振るう──

「だぁあっ!!」

「!!」

 しかし、尻尾が当たるより速く、その腹に蹴りがクリーンヒットした。

「どうしたぁ!?四天王の力ってのは、こんなモンか!?」

「……うふふっ。」

 しかしアルマエルマは、すぐに余裕の表情に戻る。そして、尻尾でヴィクトリーを叩き落とした。

「うわぁあっ!?」

「確かに、いいスピードだったわ……見直しちゃった。けど、それもおしまいね……」

「ぐ……!!」

 次の瞬間、界王拳の紅い気が消散し、ヴィクトリーは元に戻ってしまった。

 彼女の言う通り、これでこの技はおしまいだ。体力のほぼ全てを使い切ってしまい、もう限界だ。これ以上界王拳を使ったら、気が暴走して死んでしまう。

「くそったれ……!!」

 おまけに、界王拳での猛攻でさえノーダメージと来た。あの腹への蹴りだって、手応えが無い。

「さぁ飲み込んであげる……この尻尾に全身を包まれて、気持ちよくとろけなさい……」

 そう言いながら彼女は、ヴィクトリーに尻尾を向ける。その尻尾が、人ひとりを丸呑みに出来そうなほどに、大きく口を開いた。

「……それで、俺を吸収しちまうつもりか……!?」

「うん、そうよ……君は、私と一つになるのよ……」

「おめぇ、セルみてぇだな……」

 尻尾で標的を吸収してしまう……それを聞いて、そんな事を思い出してしまう。しかし、今そんな事には集中すべきではなく──

「……!」

 ルカが準備万端で、こちらを伺っているのが見えた。

「今だルカッッ!!やれーーーっ!!!」

「っ!?」

 アルマエルマは、ヴィクトリーの突然の絶叫に驚き、硬直した。

「きゃっ!?」

 しかし彼女は、刃を両手で挟んで受け止めた。

「な、なんだと……!?」

「そ、そんな……!」

 渾身の一撃でさえ、いとも簡単に防がれてしまった。これではもう、他に打つ手などない──

「……あはっ。私の負けみたいね。」

 そう思っていたら、アルマエルマは突如として降参した。

「え……!?」

「約束したでしょう?手も足も、魔法も使わないって……そのつもりだったのに、つい手を使っちゃったわ。この勝負、ルカちゃん達に勝ちを譲ってあげる。」

 ──僕の、勝ち?

「なんだ、そりゃ……」

「そういう事でいいですよねぇ、アリスフィーズ様……?」

 アルマエルマは、アリスに顔を向ける。彼女は、無関心な表情で見るだけだった。

「貴様がそれで良いのなら、余の関知する所ではない。」

 彼女がそう答えると、アルマエルマは身を屈め、胸の谷間を見せるようなポーズをとった。

「くすっ……そういうことよ。今回は退いてあげる。でも……次に会った時は、本気で相手をしてあげるわ。」

 そう言いながら人差し指を立て、それをれろり……と舐め上げる。

「こんな風に、じっくりと犯して……泣き叫んでも、失神しても……徹底的にいたぶって、地獄以上の快楽を見せてあげるわ……」

 れろれろと人差し指を舐め回し、ちゅぱちゅぱと口に含む。その動作が、二人の股間に妖しく響いた。

「じゃあ……楽しみにしていてね。」

 船上に、またも一筋のつむじ風が吹き──そして、アルマエルマは一瞬で姿を消してしまった。

 二人は、アルマエルマを追い払った……

「勝った……のか……」

「……くそったれ!負けたんだよぅ!!」

 立ち惚けるルカの横で、ヴィクトリーは床を殴る。

「確かに……両手両足、おまけに魔法を使わなかった相手に、圧倒的な差を見せつけられる……これが、負けると言わず何と言おうか。」

 アリスはそう言いながら、二人の前に来た。

「奴が本気を出してたら、そん時こそこの旅の終わりだった筈だ……勝負にもならねぇ勝負で、こっちがぶっ殺されてた可能性だってある……」

「……」

 ヴィクトリーの自己評価は低かったようだが、実際の所間違ってはいないだろう。僕達は、まだまだ強くならなければいけないのだ!

 

 戦士達を乗せた船は、セントラ大陸へ進み続ける。果たしてそこでは、何が待ち受けているのか。そして、どんな強敵達が戦士達を待つのだろうか……

流血表現

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