もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話 作:ジョーカー:ゼノ
「ずああぁーっ!!」
ドドドドド、と放たれる蹴りや拳。衝撃が部屋の隅々まで響き渡る。
ここは兵士の特訓場。
深夜の誰もいない時間を利用して貸切状態の所を勝手に使わせてもらってる。例の如く限界ギリギリをせめる、ハードな修行だ。
「ふむ……懐かしいな。私も昔はそんな修行をしたものだ。」
「サバサ王様。」
突然、サバサ王が忍者のように現れた。
「あんた……気を隠すこともできんのか……?」
「ふふふっ、伊達に戦士の名を語っている訳では無い。」
そう言い、剣を取り、ブンブン振ってから見事な剣術を披露してみせた。
「素性を隠し、武者修行を兼ねて放浪していたりした……」
「はぇ〜……」
サバサ王が剣を傾け、自分の目を映し出した。
「……それにしても、何故こんな時間まで修行を……?」
「何でって言われても……動いてねぇと落ち着かねぇから……」
「ふむ……何だか私の若かりし頃を思い出すな……」
やっぱり、サバサ王も無茶ばかりしたのだろうか。体の傷が、それを物語っている気がした。
「……どうだ?戦士として、一戦交えてみるか……?」
「……」
王様からの、突然の提案に少し驚いた……が、気づけば歯を見せて笑っていた。
「……いいのか……?俺は、ちょっと強いぞ……」
「それを理解した上での申し出だ。」
二人は構え、互いを見据えた。
二人の闘気がビリビリという音を奏で、
「……はぁああああっ!」
「なにっ!?」
サバサ王がヴィクトリーに突進し、剣を振り下ろす。それを避け彼の脇腹に一撃かまそうとするが、彼は高速移動でその背後に周り、剣を横一文字になぎ払った。
ヴィクトリーはそれをしゃがんで避け、振り向きざまに足払いを放つが、サバサ王は跳んでそれを避けた。
「でゃだだだだだ!!」
「うぉおおおおお!!」
ドカドカとぶつかり合う拳と刃。互いにラッシュをぶつけあった後、二人は高速移動して、消えた。そして、不気味に戦闘音だけが周囲に響く。
「おらぁああーっ!!」
「ぬぅっ!?」
二人は現れ、ヴィクトリーの強烈な一撃を剣で受け止めるサバサ王。彼は再び突進し、今度はヴィクトリーに強烈な兜割りを放った。
「やっ!」
それをパシッと、白刃取りで受け止めるヴィクトリー。
「うぐぐぐ……!!」
「ぬぅ……!!」
互いの腕に力が入り、力の押し合いが始まった。
「や、やるじゃねぇか王様……!!」
「君こそ、私にも負けてはいないではないか……!!」
ここである違和感に気づいた。
この剣、切れ味が無いぞ……?
「……これ、模造剣だな……!?や、優しいじゃねぇか……!!」
「ふ、ふふ……!!だが、痛いものは痛いぞ……!!」
「そうか……よっ!!」
ヴィクトリーはうまく攻撃をいなし、剣を床に叩きつける。そして、その脇腹に肘打ちを放った。
「ふんっ!」
シュインッとサバサ王の姿が消え、ヴィクトリーの背後に現れ、剣を振り下ろした。
「やっ!」
ヴィクトリーも消え、背後からサバサ王に蹴りを放った。
「あまいっ!」
「まだまだっ!」
「うぉおおおおお!!」
「うりゃああああ!!」
消えては背後からカウンターを互いに繰り返した後、また二人は着地し、互いにぶつかりあった。
「でゃぁああああああ!!」
「はぁああああははは!!」
咆哮と共にぶつかり合い、吹っ飛んだのはヴィクトリーだった。腕をクロスさせた状態で、そこから煙が出ている。
「くっ……!」
床に足をつきながら、後退しているうちに背中が壁に当たった。
「そこだっ!」
サバサ王はそれを見逃さなかった。壁際に追い込まれたヴィクトリーに鋭い突きを放ったのだ。
「ぐっ!?」
ヴィクトリーは壁に沿いながら回転し、避けた。
「ふんっ!!」
お次は横一文字に剣を薙ぎ払う。壁に衝撃が走った。ヴィクトリーはというとそれをしゃがんで避けていた。
「見事っ!だがまだだ!」
サバサ王は、壁際のヴィクトリーに猛烈な剣のラッシュを放った。
「そこだっ!!」
だが、ヴィクトリーは一瞬のスキを見て、サバサ王の腹に一撃を放ち、吹っ飛ばした。
「ふふふ……」
だが、攻撃が直撃した訳ではない。当たる寸前で掌で受け止めたのだ。
「ぐ……!!」
「はぁあああっ!!」
二人はまた姿を消し、特訓場を縦横無尽に駆け回り、ぶつかり合う。
「ふんっ!」
「せいっ!」
「はぁっ!」
「チェストォッ!」
互いの攻撃を避けてから、またラッシュでぶつかり合う。
「ぬぉおっ!」
サバサ王が横一文字に大きくなぎ払った。だがヴィクトリーはしゃがんで避け、そこから両足蹴りを放った。それを何とか防御するが、後退するサバサ王。
そしてまた二人は消え、バックの取り合いが始まった。
「これならどうだ!?」
「なに……!?」
突如としてサバサ王の周囲に、ヴィクトリーが五人ぐらい現れた。
「やああっ!」
「貴様かっ!」
サバサ王はギリギリで本物を見切り、攻撃の直撃を避けた。
「こっちだぁあああ!!」
「ぬっ!?」
矢継ぎ早に、ヴィクトリーがラッシュを仕掛けてきた。それを避けながら、サバサ王は目を見開いく。そして、足払いした。
だが、ヴィクトリーは跳んで避け、王の遥か後方に着地した。しかし王は高速移動で彼の背後に周り、剣を振り下ろした。
だが、彼はそれを避け、王の顎めがけて蹴り上げた。王はそれを避け、剣技でのラッシュを彼に浴びせようとした。
「ちっ……!」
ヴィクトリーは瞬間移動し、サバサ王の背後に現れた。そして、気弾を発射する。
「やぁっ!」
「はぁっ!」
サバサ王は振り向きざまにそれを切り弾き、気弾はあらぬ方向へと飛んでいく。
「うりゃあああ!!あだだだだだだだだだ!!」
しかし、次に飛んできたのはフルパワーの気合連弾。
「ふんっ!ぉおおおおおおおおっ!!」
サバサ王は構え直し、それを一つ一つ弾いていく。しかし次の瞬間、青白い光が向こうから差した。
「むっ……?」
「かめはめ波ぁあああーーーっ!!」
ヴィクトリーは、そんなサバサ王に容赦なく、かめはめ波を放った,
「ぬぉっ!?」
サバサ王は戸惑いはしたが、剣を振りかぶった。
「ずああぁっ!!」
そして思いっきり振り、かめはめ波を弾き飛ばした。
「へへへ……!」
「ふふふ……今の攻撃は凄かったな……さすがの私も背筋がゾクッとしたぞ……」
「そ、そりゃどうも……」
二人とも笑っていた。稀に見る強い戦士の登場に歓喜していたのだ。
「はっはっは!楽しいな!やはり戦いというものはこうでなくてはならん!」
「……あぁ、俺もそう思う。」
「さて、準備運動はここら辺で良いだろう……」
「あぁ……本気でやらしてもらうぜ……」
ヴィクトリーは腕をクロスし、3倍界王拳を使った。
「はぁっ!!」
気の嵐が吹きすさび、凄まじい闘気が押し寄せた。
「……はぁっ!!」
サバサ王も気を開放した。
「……」
「……」
二人は歩み寄り、互いを見た。
「来るがいい。」
「あぁ。」
まずヴィクトリーの膝の一撃が、その腹に直撃した。そして、肘打ちで後頭部を打ち、思い切り蹴り上げ、ぶん殴った。
「……ふふっ!」
サバサ王は踏みとどまり、ヴィクトリーに突進し、剣を叩きつけた。
「ぐっ!」
ヴィクトリーは反撃したが、避けられてしまい、カウンターとして腹に一撃食らう羽目になった。
「ぐえぇ……!!」
「はぁっ!!」
そして剣をなぎ払い、思い切り彼をぶっ飛ばした。
「くそ……!」
ヴィクトリーはすぐに体制を立て直し、サバサ王の方を見た……が、王は消えていた。
「うしろだっ!」
「ぐっ……!!」
サバサ王の剣とヴィクトリーの腕がぶつかり合い、互いを吹っ飛ばした。
「ぐっ……!」
「……」
サバサ王は、ニヤリと笑った。
この戦いに余裕があるのか……!?
「うらぁあああ!!」
ヴィクトリーはサバサ王に突っ込み、猛烈な拳の連打を放った。王はそれを避け、腕を掴み、壁に投げつけた。
彼は投げられながらも空中で回転し、壁に足をつき、それを蹴ってサバサ王の顔面にパンチを放った。
「ぐぅっ……!」
サバサ王は床に剣を突き立て、ガリガリ鳴らしながら持ちこたえた。
「か……め……!!」
ヴィクトリーは全力を込めたかめはめ波を放とうとしていた。
「その技は通用せんぞ……!」
確かに、戦闘のプロに二度も同じ事をするわけにはいかない。だが、俺にはそれなりの考えがあるのだ。
「は……め……!!」
次の瞬間、ヴィクトリーは王の懐へ、瞬間移動した。
「!!」
「波ぁっ!!」
渾身のかめはめ波が、至近距離でサバサ王に炸裂した。ゼロ距離で、全エネルギーが惜しみなく叩き込まれる。
「……どうだ!?」
「……ふむ、やるな……!」
サバサ王は腕をクロスした状態で立っていた。
「う、嘘だろ……!?」
「ふふ……」
まずい、強すぎる……隠しておいた実力に差がありすぎた……
「……あ、あはは……参ったよ……俺の負けみてぇだ……」
「私は、君の強さを理解出来た……それだけで充分だ。」
サバサ王は鞘に剣をチンとしまった。ここで戦闘は、終了したのだった。
二人は座り込み、顔を合わせた。
「ふむ……君の強さには際限が無いな……戦いの中でめきめきと強くなるのを感じた……」
「そうか……?」
サバサ王は、俺の顔を見つめて眉間に皺を寄せた。
「……君は、本当に人間か?」
「……この星の生まれじゃないって事だけ伝えておくぜ。」
俺がそう言うと、王は言葉を聞いて腹を抱えて笑った。
「ははははっ!面白い冗談だな!はははははっ!」
「む〜……」
ヴィクトリーはその様子を頬を膨らませながら見ていた。
何だか知らんけど、俺の言ったことがウケたらしい。
「……それで、私の娘との縁談は……」
「じ、冗談よしてくれよ……俺、お婿さんって歳でもねぇしさ……」
「むぅ、そうか……」
サバサ王はそう言ってるものの、「諦めないぞ」という笑みを浮かべている。それを見て、俺は苦笑いするしか出来なかった。
「……王様、俺はそろそろ寝るとするよ。」
「む、そうだな。君たちは明日から本格的に動き始めるんだったな。」
二人は立ち上がり、ヴィクトリーが王に頭を下げた。
「手合わせ、ありがとうございました!」
見ると、サバサ王も頭を下げていた。
「……王様!?」
「……戦士としての手合わせ、感謝する。お陰で、楽しめた。」
そう言いながら、顔を上げた。
「ふふふ……さぁ、ゆっくり休み、明日に備えるがいい。」
「は、はいっ!」
「サバサは常にお前達を見守っているぞ……」
ありがたい手合わせもしてくれたし、今日はとっても充実した修行だった。さて、宿に帰って寝るか……
そして、翌朝。俺達はサバサ城を出て、再び砂漠に立ったのだ。
「……ルカ、おめぇまたげっそりしてんな。」
「あ、あぅ……き、気のせいだよ……」
「ふん……」
例によってアリスは、ツヤツヤしている。
……何をしていたのかは予想つく。あぁ、昨日はサバサ王様と手合わせしてて良かった。
「……それで、ルカ。まず最初にどこに行くんだ?」
「そうだな……よし、ピラミッドに行こう!」
サバサ姫がさらわれてから、それなりに日数も経っている。早く救出しなければ、命にも関わるはずだ。
「ふむ……寄り道ではあるが、今回は容認しよう。サバサ王とやら、悪い人物では無さそうだ。それに余の配下の仕業ならば、放置しておくわけにもいかん。」
珍しく、アリスも文句は言わない。まぁ、こいつの目的は報酬のご馳走かも知れないが……
そういうわけで、僕達はピラミッドに向かうのだった……
流血表現
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もっとする
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このままでいい
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しなくていい