もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話   作:ジョーカー:ゼノ

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一件落着

 一件落着した所で、サバサ城に戻った戦士達。

 サバサ王からの話を聞いていた。

「勇者一行殿、よくぞ姫をすくってくれた。この国のおうとして、礼を言おう。お主達こそ、真の勇者よ!」

「は、はい……」

「は、はぁ……」

 結局、サラが誘拐されたという誤解は晴らさないことになった。彼女にとっても、その方が面倒は無いのだろう。

 サバサ王は玉座から降り、僕達の前に立った。

「……そして、一人の親としても礼を言わせてもらおう。ルカ君、ヴィクトリー君、ありがとう……!君達のおかげで我が娘は救われたのだ……!」

「あ、いえいえ……」

 なんだか、だましているみたいで恐縮だ。サバサ王は再び玉座に着くと、国王の顔に戻った。

「では約束通り、サラをお主の嫁に……」

「それはお断りします。」

 ルカはきっぱりと断る。そうすると必然的に、ヴィクトリーに目がつけられる。

「では、お主を……」

「い、いやぁ……俺もパスするぜ……サラ王女にも、意中の人が居るだろうしさ……」

「その通りです。そんな王女の思いを踏みにじり、僕達なんかが婿になるわけにはいきません。」

 サラを誘拐されたという事にしておいたのは、恩人である僕達にこのセリフを言わせるためでもあるのだ。

「意中の人……!?さ、サラ……それは……!」

「その言葉、心より嬉しく思います。わたくしも愛する方に恥じぬよう、励もうと思っております……」

 ドレス姿のサラが、そう言った。

「僕も応援致しております、王女様。」

「……ま、そういう訳だ。どうか娘さんの気持ちを大切にしてやってくれよ。」

「むぅ……」

 ……やれやれ。以上で、段取り終わり。

 サバサ王はサラ王女に問い質したい雰囲気だが、ずいぶん言い難そうだ。これも、サラの計画通り。

「所で王よ。余は腹が減っている。」

 アリスが、進み出た。うわぁ、出たよ……一番働いていない奴が、恩を着せてたかる気だ。

「そ〜いや俺も腹減っちまった!」

 ……お前もかよ。

「うむ、もてなしの準備は出来ておる!どうか、好きなだけ召し上がられるが良い。」

 こうして、宴が始まったのだった。

 

「ふむ、これがサバサフィッシュのムニエルか。レモンソースが味を引き立て、たまらんな……」

 アリスは、もりもりと料理を平らげている。何も働いていないくせに、よく食べるやつだ……

 ヴィクトリーは……なんと僕の隣で、ガツガツムシャムシャと料理を食いまくっている。皿や食器が、何枚も重なっていた。

「おかわり。」

「ひ、ひえぇ〜!」

 ヴィクトリーのせいで、コック達は大忙しだ。

 大量の料理を運び、山積みの皿を回収し……を繰り返してる。

「……所で御二方。」

 サバサ王は、僕達にそっと話しかけてきた。

「実際の所、我が娘との縁談はどう思っておるのだ……?」

「サラ王女様にも、想い人がおられるようですし……」

「報酬代わりにヨメさん貰うのも変な話だぜ。」

「そこを、少しばかり考え直しては貰えんだろうか。私にはサラ以外に子はいない以上、あの娘が次のサバサ女王となる。しかし、こう見えてサラは少しお転婆な点もあるのだ。」

 はい、それはよく知っています……などと言いそうになってしまった二人だった。

「サラの夫として、そしてサバサの副王として……どうか、二方のどちらかに色々と支えてもらいたいものだが。」

「い、いや……」

「俺は、そういうのは向いてねぇと思うんだ……」

 なんだか、王の中で婿入りの話が現実味を帯びてきている。

「ルカ、なっちまえよ。」

「そんなに言うんだったらお前がなってやれよ……」

 僕達はヒソヒソと、これの押しつけあいをした。

「……ありゃ?そいや、サラさんは?」

 ヴィクトリーが不意にあたりをキョロキョロして言った。宴だというのに、当の本人が全く姿を見せていない。まさか、また城を抜け出したんじゃないだろうな……

「サラなら、少し準備が手間取っているようだ。御二方よ、せっかくなので勇者達の手でここにエスコートしてくれんだろうか。」

「僕達がですか……?」

「行ってやろうぜ。エスコートぐらいはできるだろ。」

 これ以上、婿入りの話を続けられるのは簡便だ。僕達は宴の席を中座し、サラの部屋へと向かったのだった。

 ……思えば、あの時に尿意が押し寄せてきて助かった……

 

「ヴィクトリー、ちょっと僕トイレ行ってくるから……一人で何とか出来るかい?」

「ん?ションベか?いいぜ、俺が何とかしてやるからゆっくり行ってこい。」

「あ、ありがと!」

 ルカは廊下を逆走し、トイレへと向かう。

 ヴィクトリーは一人、王女の部屋に到着した。

「お〜い、サラさ〜ん、まぁ〜だ時間かかりそうか〜?」

 ヴィクトリーが無神経に、扉を開けながら言った。

「はぁ?準備なんてとっくに終わってるわよ。呼ばれるまで、この部屋にいろってお父様に言われたんだけど……?」

「え……?」

 なんだか、話が食い違っている。これは、どういう事なのか……そう思った時だった。

「ぬぅぅ……ふんっ!」

 扉の向こうで、めきゃりと何かが潰れた音がした。

「これは失敬……私としたことが、うっかりドアノブを握り潰してしまった。」

「この声……サバサ王様かっ!!どーゆーつもりだ!俺達をここに監禁するなんて!!」

「いやぁ、すまんすまん。しかし、この壊れようでは、修理するまでドアは開くまい。すぐに職人を連れてくるから、一時間ほど中で待っていてくれ。」

「いっ、一時間も中で何してろっていうんだ!俺、待てねぇぞ!」

 ヴィクトリーはドアノブをガチャガチャするが……全く開きそうにない。向こう側でドアノブが潰れており、回らないのだ。どうやら、サラと二人きりでここに監禁されたようだ。

「お、お父様……!何のつもりです……!?」

「もう一度言うが、職人が修理に来るまで一時間はかかる。若い男女が二人きり……これでは、過ちがあろうとも仕方がない。しかしヴィクトリー殿、責任をとらせる以外に咎めはせぬぞ。では、また一時間後にな!」

 そう言い残し、ドアの向こうでサバサ王が立ち去っていった。

 どうやら、ハメられてしまったようだ……

「過ちなんてあるか!!ラブコメじゃねぇんだぞこれは!!」

「ドアなり窓なり、ぶち破って脱出する?」

「い、いや……建前上はドアノブがぶっ壊れただけなんだ……修理に一時間使うっつってんのに、これ以上壊すわけにゃいかねぇ……」

 ヴィクトリーは、ベッドに腰掛ける。

「仕方ねぇ、一時間ぐれぇのんびり待つか……食いもんねぇか?」

「無いわよ。」

 きっぱりとそう言い切ると、ヴィクトリーはしょぼんとした顔をした。

「本当にごめんね、ヴィクトリー。お父様、あんたを随分と気に入っちゃったみたい……」

 サラも、彼の隣に座った。

「でも……このまま何もなかったら、あんたが恥かいちゃう事になるのよね?それも悪いし、口でヌいてあげようか?」

「結構だ。」

 ヴィクトリーは、サラの言葉をぶった切った。

「でも、いついかなる時も、殿方に恥をかかせるなかれ……って淑女養成の本に書いてあったけど……違うの?」

「ぜってぇちげぇ。」

 ……捉えようによっちゃただの痴女になっちまうぞそれじゃ。

「そもそも、おめぇはグランべリア一筋だろうが……」

「それとこれとは別の話でしょ。あんたには色々と世話になったし、口でヌいてあげるくらいなら、構わないわ。せっかくだから、恩返しもしたいしね……」

「恩返して……」

 ……こいつの貞操概念はちょっとおかしいらしい。ホントに一国の上に立つ王女様か?

「……ってか、ここで断られたら私の方が大恥なんだけど。ほら、おちんちん出しなさいよ!」

「嫌だっつってんだろ!!」

 サラの手を、華麗に避ける。

「こらっ!待ちなさい!」

「待ってたまるか!」

「待ちなさいってば!」

「かぁっ……気持ち悪ぃ……やだおめぇ……」

「まさか、あんたゲイだったり……!?」

「そんな訳ねぇだろ!」

「だったら言葉に甘えなさい!」

「だ〜めだぁ!だ〜めだぁ!伝説のスーパーだ〜めだぁ!」

 しばらくこんなやり取りを続けていたが……あえなくベッドに押し倒されてしまった。

「わぁ!やめろおめぇ!」

「いいからっ……!!」

 サラがヴィクトリーのズボンに手をかけ、無理矢理脱がしてくる。

「ひぃいいっ!!」

 ヴィクトリーはパンツのまま逃げ出そうとするが、今度はそのパンツが掴まれてしまう。

 顔面に膝蹴りするなり何なりして居れば、振りほどける気がするのだが……サラは王女様。そんな事したら、サバサ王にぶっ殺されてしまう。

「じゃあ、ヌかせてもらうわね……」

 サラはそう言いながら、ヴィクトリーのパンツを下ろす。そして、既に大きく屹立しているモノを、口で慰め始めた……

 

「あひぃいい……」

 数十分にも渡るサラの口淫により、ヴィクトリーも陵辱されてる時のルカと同じ喘ぎ声で絶頂した。しかも、それは勃起する度にされたのだから、もう大変。

 サラは口の周りを白濁で汚しながら、満足気な表情で彼を見下ろす。やはり、彼女も魔物の血が入った女性か──

「……じゃあ、私からあげてばっかじゃ不平等だから、君から何か教えて頂戴。」

「え、えぇ……」

 その言葉を聞き、ヴィクトリーは驚いたような表情を浮かべる。

「一つだけでいいわよ。あんたとの繋がりにしたいんだから。」

「ま、マジかよ……」

 ヴィクトリーは少し考えた後、力の抜けた腰を踏ん張らせ立ち上がる。そして、パンツとズボンを履き直した。

 やられたのは口淫だけなので、それなりに体力は余ってる。もしシテしまったら……今日一日、腰が動かなかっただろう。

「じゃあ、正拳のやり方とかそんなんでいいか?」

「いいわよ。」

 彼女の了承を聞いてから頷き、拳を握って腰を落とした。

「やっ!!」

 そして、バシッとその場で正拳突きをして見せた。

「……」

「おお……」

 サラは拳を握り、ヴィクトリーの真似をしてみせる。

 彼はサラに何度も正拳を見せ、彼女もそれを見て学んだ……そして……

「はっ!」

 バシッ、とサラの拳が正拳になる。

「……あはっ!」

「……そいつを毎日百本やりゃ、今よりずっと強くなるはずだぜ。」

「うん……守ってみせるわ!」

 ヴィクトリーは親指を立て、ニッと笑った。それから、時は過ぎた……

 

「……もうここを発つのか。名残惜しい事よ……」

「本当にお世話になりました、勇者一行様。その旅に、女神様の祝福があるように祈っております。」

 猫かぶりモードのサラが、優しく微笑みながら告げる。

「……ヴィクトリー、サラとは……」

「……正拳突き教えてやっただけだ。王様には「何も無かった」で押し通すつもりらしいぜ。」

 僕達は、ヒソヒソと話す。

「今回は、娘のわがままでずいぶんと迷惑をかけてしまったな。つくづく、申し訳ない事をした。」

「いえいえ、お気になさらず……」

「……」

 確かに、色々と大変ではあったが……まぁ、もはやそれも言うまい。

「また近くに来た際には、この城に立ち寄ってくれ。では、お主の冒険に幸福のあらんことを。その剣が、これからも多くの人を救うことを期待している。」

「ありがとうございます……では!」

「じゃあな!王様!」

 こうして僕達は、謁見の間を後にしたのである。

 

「……本当にありがとうね、二人とも。あんた達がいなかったら、試練を乗り越えられなかったわ。」

 城を出る際、サラがこっそりと声をかけてくれた。

「いいや、サラだって頑張ったよ。」

「これからまた、旅を続けるんでしょ?人間と魔物が共存できる世界のために……私も応援しているからね。」

「あぁ……」

「おめぇも頑張れよ!」

 片想いの相手は魔物で、かたや王女。決して差別するわけじゃないが、問題は山積みのはずだ。おまけに、相手が女だというからどうしようもない。

「今度サバサに来たときは、また寄ってね。旅の話とか、聞きたいし。」

「あぁ……」

「じゃ、またなっ!」

「さよなら〜!」

 

 こうして、僕達はサバサ城を後にしたのだった。

「ヴィクトリーよ……どうやら、あの王女と親しくなったらしいな。」

 アリスが急に、そんな事を言う。

「ぶっ!?」

「ヴィクトリーっ!?」

 ヴィクトリーは噴き出すも、笑って誤魔化した。

「親しくなったって……誤解を生む表現をしないでくれよ……互いに共感し合うものがあっただけさ……」

「ふむ……」

「……エッチな事、したのかい?」

 ルカがそう聞いた途端、アリス尻尾が彼を巻き上げた。

「うわっ!?ぎゃあああっ!何で僕がこんな目に!」

「ふむ……」

「あははははは!」

 ルカがアリスに巻き上げられ、ヴィクトリーはその様子を笑いながら見た。しばらくしてから、解放された。

「……でも、結果的にサバサ王を騙すことになっちゃったな……何だか悪いや……」

 おまけに、あの一件で僕はすっかり恩人扱いなのだ。騙して恩を売ったみたいで、ちょっと罪悪感がある。

「いや、そうでもねぇと思うぜ。」

「うむ、あの王はとっくに気付いておる……」

「え……?」

「だって、サバサ王様言ってたじゃねぇか!「娘のわがままで迷惑をかけた」って!」

「あ……!そうだ……!」

 僕はあくまで、王女を救出した勇者であるはず。わがままで迷惑をかけたってのは、裏に気付いていなければ出ない言葉だ。

「あの王は、決して凡庸な人間ではない。事の全貌は知らないにしろ、この一件は狂言に近い事を察したのだろう。サラのお転婆に貴様らが付き合わされた事も、どこかで気付いたのだろうな。その上で貴様らを勇者としてもてなすとは、なかなか度量の広い男だ。」

「本当の事に気づいていながら、僕達をサラの婿に迎え入れようと思ったのか……」

 アリスは息を吐き、腕を組んだ。

「……やれやれ、貴様らもずいぶんと見込まれたものだな。それも王の眼鏡違いか、あるいは……」

「あるいは……?」

「ふん、それはこれからの行動次第だ。さぁ、旅を続けるぞ!」

「そうだな……行くか!」

「おうっ!」

 こうして、僕達はサバサを後にしたのだった。本来の目的、ノームに会うことも決して忘れてはいけない。

 さて、次の目的地はどこにしようか……

流血表現

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