もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話   作:ジョーカー:ゼノ

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どこでも修行

「ごちそうさま〜!」

「ふ〜!食った食った〜!」

「ふむ、塩無しでも美味かったな。大したものだ。」

 今日の夕食はパン、味付けの薄い卵焼き、野草サラダだった。二人の満足そうな感想は、ちょっと嬉しかったりする。

「これで、剣の腕も良かったらな……」

「アリス、持ち上げた後に落としてやるなよ……」

 ははは、とルカは苦笑いする。

「……所で、そのへっぽこ剣技は何処で教わったのだ?あまりにも酷くて見ていられないのだが。」

 へっぽこ剣技……?毎日研鑽を重ねた僕の剣技が……?

「何を言うんだアリス……僕の五年も積み重ねてきた剣技を……」

「五年であの程度とは何事だ。おい、武闘家、貴様は何年武闘家をやってきた?」

 ヴィクトリーは水筒の水を飲んでる最中にいきなり質問を投げられたのでびっくりして水を吹きそうになった。口に含んだ水を飲み込み、答える。

「な、名前で呼んでくれよ……ざっと三年ぐらいか……?」

 ふむ、とアリスは頷き、ルカの方を見る。

「この脳みそ筋肉でも三年間で見事な体術と運動神経を習得しているのに、貴様ときたら何だ。いったいどんな修行をしてきた。」

「の、脳みそ筋肉……」

 ヴィクトリーはアリスの言葉に戸惑いながら僕達の会話を聞いていた。

「え、えっと……イリアス神殿に訪れる人達に剣術を教わって……それを自分流にミックスして、アレンジして……」

「ふむ、武闘家、お前はどうだ。」

「名前で呼んでくれっちゅーに……えと……基礎的な筋肉トレーニングと後は憧れの人の本を見ながら学んだ。」

 まぁ格闘の本とは言ってねぇけどな、と心の中で呟く

「ふむ、貴様の言う憧れの人とは相当な実力者なのだろうな……」

「俺達の世界を危機から……いや、別に今話すべき事じゃないな。」

 ヴィクトリーは言葉を濁らせる。やはりあっちの世界にも伝説の勇者というのは存在するのだろうか。

「だが、ルカ、お前が教わってきたのは雑魚同然の雑魚技ばかりだ。雑魚の技をどうアレンジしようがミックスしようが雑魚技だ。」

 雑魚雑魚うっせぇなと、ヴィクトリーはその言葉が出る寸前に飲み込む。

「……いいだろう。少しばかり余が稽古をつけてやろう。」

「いいよ、稽古なんて……それに、魔族に剣を教わるなんてのも……」

 その発言に、ヴィクトリーが口を挟んできた。

「いいだろルカ〜。受けておいて損はねぇと思うぜ?」

「で、でも……」

「それは魔族に対する差別か?」

 アリスが目を鋭くして言う。

「人と魔物の共存を口にする貴様が、魔族の剣など使いたくない、と?」

「いや、そんな事は……」

 確かにアリスの言う通りかも知れない。僕の心の中にもまだ魔物への偏見があったのだ。人と魔物が共存する世界を築く僕が心に壁を作ってはいけない、何より僕は強くなりたいのだ!

「決まりだなっ!」

 ヴィクトリーは拳をパンッと叩き立ち上がる。

「貴様も受けるか?魔族の格闘技なら余も心得てるぞ……?」

 ヴィクトリーは首を横に振った。

「いいや、アリスはルカに剣技を教える事だけに集中してくれ。俺は自分で引き出しがあるから、これ以上覚えてもしょうがねぇよ。俺は自分で独自に修行する!頑張ってくれ!」

 アリスはニヤニヤしながら言葉を返す。

「いいのか?こいつが貴様より遥かに強くなりすぎて旅についてこれなくなるかも知れないぞ?」

 ヴィクトリーは自信満々な顔で目を鋭くする。

「安心しろ。そうなってもぜってぇ追いついて見せるからな!」

 ヴィクトリーは拳を固め、僕達から離れる。修行の邪魔にならない所で自分の修行をするつもりらしい。

 アリスは僕に目線を送り、微笑みながら言う。

「余は決して貴様の敵でも味方でも無いがな、簡単に餌食にされたらつまらん。せいぜいモノになるように鍛え上げてやろう……」

「よ、よろしくお願いします……」

 僕達も修行を始めるのであった……

 

「うーん、やっぱりイチから基礎的な部分を徹底的に直さないとな……まずは腹筋、腕立て伏せ、スクワットを1000回、それが終わってから技に取り掛かろうか……今日か明日で気合砲か気功波のどっちかを使えるようにしねぇと……」

 地球人からしたらハードな修行かも知れないがこれがサイヤ人の一般的な修行なのだ……多分。

 ルカと共に野山を駆け抜ける修行は無駄という訳ではない。基礎体力はだいぶ戻ったのだ。

 あのハードすぎる筋肉トレーニングは約一時間で終わった。一秒一回、それを1000回やって、次の種目に移る時に十五秒ぐらい休憩、そしてまた1000回……と。

「はぁっ……はぁっ……」

 筋肉トレーニングをやり終え、息切れを起こし、体を横にする。そして改めてレベル1に戻された事を自覚する。

「き、きっついな〜……もうへばっちまうか〜……」

 流れる汗を拭い、体を起こし、立ち上がる。

「……よし、あれがいいな。」

 たまたま目についた草を見添える。目を鋭くし、全身に力を込める

「はあぁ……!!はっ!!」

 手に気合いを集中して、手を突き出す。

 ……が、手から突風のようなものが出て、草が揺れただけ。どう見ても実戦に使えるものじゃない。

「ダメだダメだ……もっと……気合いを込めて……」

 また放つ。……がこれもダメ。だが威力は確実に強くなっている。

「気合を一点に集中すんのか……?はぁっ!!」

 ドンッと衝撃が響く……もこれも草を揺らすのみ。

「おっ、いいセンいってるぞ……!!」

 気合砲を放つ修行は、長く続いた……

 

 ……気がつくといつの間にか二人とも、またあの夢の世界にやってきていた。そして目の前には、イリアスがいた。

「い、イリアス様……!」

「やいやいイリアス様ぁ!どういう事だよ!ここまできてドタキャン……」

 ルカに殴られ、言葉を止める。イリアスがちょっとイラっとした目で見てきたから、流石にこれ以上は口は慎んだ。

「ルカ、そしてヴィクトリー……あなたは洗礼を受けていない、祝福されざる勇者。しかし、己を決して卑下してはいけません。」

 ルカは口を開いた。

「イリアス様……それは一体どういう……」

 イリアスが暖かい声で、二人に語りかける。

「ルカ、ヴィクトリー……祝福されざる勇者達よ……私はいつでもあなた達を見守っていますよ……」

 その言葉が終わり、また暗闇に包まれる。そして眠りへと戻っていった……

 

 朝がきた。明るい日差しがルカ達を照らす。

「イリアス様ぁ……!」

 まるでバネ細工のように、僕は飛び起きていた。昨日のように、イリアス様が語りかけてくれたのだ。イリアス様は決して僕達を見捨ててはいない.

「よし、やるぞぉ!!」

 騒がしいルカの声でアリスは目が覚めた。木に絡みつきながら寝ぼけ目を擦る。

「何なんだ朝から騒がしいやつだ……」

「おっはよー!ようやく起きたんか?」

 ヴィクトリーはあの後、いつの間にか寝ててルカが目覚める三十分ぐらい前には起きてたらしく、しばらく空を眺めていた。そして彼の騒がしい声を聞きつけ、ここにやってきた。

「おめぇそうやって寝てんのか。」

「悪いか。」

 まずアリスを見て一言を交わす。そしてルカの方を見た。

「あいつ、何で朝からあんなテンション高ぇんだ。」

「そんな事、余が知るか……まぁいい、それよりとにかく食事にしてくれ。」

 こいつ、朝から飯の事ばっかだな……と二人は思った。

 

「ごちそうさまでした〜!」

「ごっつぁんで〜す!」

「ふむ、ごちそうさま。」

 こうして僕達は食事を終える。

 朝食はパンにサラダ、目玉焼き。

「晩飯と一緒じゃねぇか。」

「うっさい!」

 ともあれ、これで手持ちの食材は尽き、残りはほしにくのみ。

 今日の昼はほしにくで乗り切り、夕方にイリアスベルクに到着。そこで宿をとって一夜を過ごす。食材も買い入れ、問題なし。実に完璧な計画だ……

「イリアスヴィル出てから24時間も経過してねぇけどな。」

「うるさいっての!」

 ともかく、頭で計画を整理してから、僕は朝食後のお祈りをした。

「イリアス様……今日もお恵みをありがとうございます……」

 今日という素晴らしい日を、イリアス様に感謝だ。

「……いきなり何だ?辛気臭い奴だな……」

 アリスは、ルカを見て言った。

「何だも何もイリアス様に感謝をお伝えしているだけじゃないか……」

「『神に祈りを怠るなかれ』……イリアス五戒の一つだったな……俺全く守ってねぇけど……それにしてもイリアス様って面倒な事押し付けんの好きだよな〜。」

「あぁ、全くだな。だいたいそんなものを奉る人間も人間よ。そんなに神の奴隷でいたいのか?」

 アリスはともかく、ヴィクトリーがそういう事言うとまずくないか?とにかく、アリスはイリアス様の事が大嫌いらしい。ヴィクトリーは……よく分からない。

「……俺、思ったんだけどさ、おめぇの信念とイリアス様の教えは矛盾してねぇか?」

「ふむ、人と魔物が仲良くなる世界を築きたいのに肝心の貴様が信じる神が魔物嫌いだとな……」

 この二人は痛いところをドスドス突いてくる。確かにイリアス様は人間を愛している分、魔物をお嫌いになっている。

 例えば、イリアス五戒の『魔姦の禁』。これはイリアス五戒の中で二番目に重い罪で、イリアス様は魔物と姦淫した人間を決して許さない。恐らく、人間には分からない深い考えをお持ちなのだろう……

「だいたい、何だその魔姦の禁というのは。殆どの魔物は人間の男と交わらないと繁殖できん。」

「ふぇ?そうなのか?」

 ヴィクトリーが口を挟み、質問してくる。

「モンスターに男女は無くて、モンスターはみ〜んな女っちゅう訳か?」

「ふむ、例外はあるらしいが、基本的にはみんなそうだ。」

 ヴィクトリーは腕を組み、木に寄りかかりながら目を瞑り、考えを張り巡らせた。

 女にはロクな思い出がなかった。やり始めの頃、サイヤ人女にもボコボコにされたし人造人間のELにも辛酸を舐めさせられた。ついこの間は界王神アバターなるものにも苦戦したばっかではないか……これは勝ったけど。

 ……この旅が不安になってきたぞ。そう思いながら頭をかきむしった。

 アリスは、考えるヴィクトリーをしばらく眺めた後、言葉を続けた。

「まぁ、つまり、魔物の数だけ魔姦の禁を犯した奴が居るという事だな。」

「あっ、確かに……」

「今更気付いたのか。ドアホめ。」

 ここで、ヴィクトリーには思うことがあった。

「……そんなにたっくさん魔姦の禁犯してる人間がいるんなら、人間もろとも魔物を全部この星から消し飛ばしてもおかしくねぇ気が……」

「それは極論だドアホめ。」

「それは極論すぎるよ。」

 僕とアリスの突っ込みが重なった。

「極論にしても何にしてもイリアス様は神様なんだろ?魔物という魔物全てを消す事ぐれぇわけねぇハズだ。それなのにわざわざ魔物を消さずに、姦淫した人間を裁いてる……流石に、何かくさくねぇか?」

 ヴィクトリーが僕達の突っ込みをあしらい、無意識に真理を突いてくる。先に答えたのはアリスだった。

「ふん、奴にそんな力があるとは思えんがな……でも、時間をかければ可能だろうな。」

 ヴィクトリーは続いて口を開く。

「それに、さっき言ってた魔姦の禁だけどさ、魔物を増やすにあたっては必然的に魔姦の禁を破ることが横行する訳で……」

「逆を言えば、それをしないと魔物は増えなくなると言うことだな。ほら見ろ、貴様の言う人と魔物が共存する世界が実現できなくなったぞ。」

 二人は、ルカに視線を送る。

「……イリアス様にはきっと深い考えがあるんだよ……」

「やれやれ、思考停止か。ドアホにとって神はとても便利だな。」

 ……そこまで言わなくていいだろ。と二人の心の声が重なった。

「……まぁさ、今は真実は神のみぞ知るって事でいいんじゃねぇか?分かんねぇ事ばっか考えてもしょうがねぇよ。」

「そうだね、そろそろ行こうか。あんまりのんびりしていたらイリアスベルクに着くのが夜になるよ。」

「ふむ、それは困るな……」

 こうして僕達は野営の片付けをし、再び旅路を行くのだった……

 

「……所で、アリスに剣技教わって、技らしい技は覚えたか?」

「まぁね。君はどうなの?」

「へっへっへ……俺も一個だけだけど、何とかできたぞ!」

 道中で会話を交わしながら北へ進む。イリアスベルクまで歩いて約一日。この調子で行けば、予定通り夕方には到着する筈だ。

「……所で、イリアスベルクってどんなトコだ?この大陸で一番でけぇ町ってのは覚えてるけど……」

 ルカの方に向き、質問をする。

「僕も数年前に一回行ったことあるんだ。」

 その時が、僕の遠出記録でもある。あの時は馬車だったので、魔物にも襲われず済んだのだ。

「大通りには人がいっぱいで……商人や冒険者で賑わっていて、店には色んなものが売っているんだよ。」

「そりゃあ楽しみだ!早く着かねぇかな〜!」

「余も楽しみだ……くくっ……」

「楽しみなのか?アリスが……?」

 二人は意外そうな顔をしてアリスを見る。もしかして、また悪い事を企んでいるんじゃないだろうな……

「イリアスベルクの老舗宿、『サザーランド』には名物の「ハピネス蜜をたっぷり使った、『あまあま団子』があるという。いかなるグルメも舌鼓を打つという妙味、しかと味わおうではないか。」

「やっぱ食いもんの事かよ……」

 ヴィクトリーは、はははと笑いながら歩く。

「……その情報、五百年前の旅行ガイドの情報なんだけどね……」

 僕とアリスが修行している最中に、ちょっとした会話になった時にアリスが取り出した写本時代のこの世界の旅行ガイド。もう既にそれに書かれている半分の店は無くなっているが、それでも価値はある。ヴィクトリーにもその価値がすぐ分かったみたいだ。

「んぇ?そんなもん持ってんのか……古本屋に売ったら……」

「売らんと言っているだろう。ルカと同じ事を言うな、このドアホ。」

「あっそう。」

 この二人は、仲がいいのか悪いのか分からない……

「所でルカ、あれ何だ?」

「ん……?」

 ヴィクトリーが指さした先には何やら奇妙な植物があった。

「冬虫夏草?」

「違うよ。何だこりゃ……?」

 何処からどう見ても植物なのだが……何やらぴこぴこ動いていて気味が悪い。

「ねぇ、アリス、これ何だと……あれっ?」

 振り向くとアリスの姿は無かった。

「はぐれちゃったのかな……」

「どっかでションベンでもしてんじゃねぇのか?ションベンが出る奴かは知らねぇけど。それより今はこいつだ。」

 ヴィクトリーは、拾った棒で植物をぺんぺん叩く。

「引っこ抜いてみようか……」

 ルカはその植物の葉を掴み、引っこ抜こうとした時だった。

「い や ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !!!!」

 悲鳴のような声が周囲に響き渡る。それを聞いた瞬間、二人は麻痺してしまった。ルカは尻もちをつき、ヴィクトリーはひざまずく。

 そして彼らの引っこ抜いた植物が、正体を現した。

「もう〜!何するのよ〜!せっかくのんびり寝てたのにぃ〜!」

「ご、ごめんなさい……って体が動かない……なに……これ……」

「おめぇっ……マンドラゴラっちゅう奴か……!!」

 マンドラゴラ。自分の葉を抜こうとした相手を悲鳴で殺す魔物……というイメージがあった。さしずめこいつはマンドラゴラ娘と言ったところか。

 二人は妙な事に、今の体勢から動けない。

「うぐぐ……ヴィクトリー……!!」

「だ、ダメだ……!神経がマヒして……!」

「そりゃ、私の悲鳴を聞いちゃったからね。心臓の弱い人間なら死んじゃう事もあるのよ?」

 そう言いつつ、マンドラゴラ娘は僕達をまじまじと見る。

「じゃあ……またしばらく寝るとするわ……長く眠れるだけの栄養補給を済ませてね……」

「栄養補給……だと……!?」

 ひざまずくヴィクトリーがマンドラゴラを見据える。

「もちろん、あなた達の精液よ。たっぷり吸い取ってあげるから覚悟なさい。」

 有無を言わさず、マンドラゴラ娘は襲いかかる。二人を交互に見て、物色し始めた。

「ふふふ……どっちから吸い取ってあげようかな……」

「余裕かましやがってくそったれ……!!」

「うぐぐ……!!」

「決めたわ。」

 そう言うとマンドラゴラ娘はルカに接近し、そのズボンに手をかけた。その時、突然ヴィクトリーが体を起こし、おぼつかない足で走った。

「だっ!!」

「えっ!?」

 二人は驚き、ヴィクトリーの方を向く。そしてヴィクトリーはマンドラゴラの振り向き顔に蹴りを入れて吹っ飛ばした。

「お、お前……もう動けるのか?」

「……おめぇよりはマシな状態だ……」

 両腕をだらんと垂らし、足は震えていた……が、その状態もみるみる内に治っていく。

 マンドラゴラ娘が起き上がり、彼を見る。

「いったぁ〜……普通の人間なら10分はマヒ状態なのに……あなた何者……?」

「この星の人間じゃない……って事だけ言っておこうか。」

 ルカはヴィクトリーの素性を思い出す。確かサイヤ人とかいう、宇宙人の力を持った地球人……とか訳の分からない事を言っていた。おそらく、僕達とは体の作りが違うのだろう。

「へぇ……でも冗談に付き合ってる暇じゃないの……いいわ。抵抗できなくなるまで殴ってから骨しか残らないよう吸い取ってあげる……」

「やってみろよ。」

 ヴィクトリーはにやりと笑い、挑発的な態度をとる。

「強がっちゃって……」

 マンドラゴラ娘はヴィクトリーの頬に平手打ちを叩き込み、腹部にパンチする。

「くすぐってぇんだよ!!」

「えっ!?」

 ヴィクトリーはそのマンドラゴラ娘の顔面を殴り、腹部に連続でパンチを叩き込み、顎に膝蹴りをかまし、最後に後ろ廻し蹴りを放ち、また彼女を吹っ飛ばした。

 ……こいつ、女にも容赦ないな……と、ルカの心の声。

「いつまで寝てんだルカぁ!」

「あ、あぁ!」

 ヴィクトリーの言葉で体が動く事に気がついた。僕は剣をとり、彼の横につき、構える。

「さぁどうする!?俺達は全力になっちまったぞ!」

 彼女は、体を起こした。

「うぐぐ……もう、いいわよ!別の所で寝るんだから!」

 そう言うと彼女は逃げてしまった。

 戦士達は、マンドラゴラ娘を追い払ったのだった。

流血表現

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