もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話   作:ジョーカー:ゼノ

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妖艶な暴圧

 牙を剥いた貴婦人の村。

 戦士達と妖艶な魔物貴婦人達の戦いが今、開幕した……

「ルカ、先に行ってろ。こいつは俺が倒す。」

「……あぁ。」

 ルカはヴィクトリーにこの場を任せ、通りを駆けようとした。

「逃がすわけ無いでしょう!」

 しかし、変異した貴婦人がルカに飛びつく。

「おっと!」

 ヴィクトリーが飛び、彼女の背中を思いっきり蹴りつけた。蹴り飛ばされた彼女は民家の壁へとぶち当たる。

「くっ……!?」

 そして、二人は対峙した。

「俺はヴィクトリー、よろしくな。」

「ふ、ふふ……!」

 二人はぶつかり合い、それを確認したルカは進もうとしたが……日傘を差した貴婦人が、彼の前に立ちはだかった。

「待ちなさい、ここを通すわけ無いでしょう。」

「なっ……」

「カサンドラ様から仰せつかっております。このまま村を去るなら、アリスフィーズ様に免じて見逃せ、と。しかし、そうでないのなら──」

 日傘を差した貴婦人の傘が変異し、異様な触手がじゅるじゅると伸びた。その触手は貴婦人の全身を包み、一体のモンスターになった。

「な、なんだと……!?」

「うふふ……マダムアンブレラ、とでも言っておきましょうか。」

 マダムアンブレラ、なんて名乗った彼女はニヤケながら言う。

「くそっ!ヴィクトリーの言う通り、この村には人間は居ないみたいだな!」

 ルカはそう言いながら、剣を抜いて気を解放する。

「その通り……ここは迷い込んだオスを餌食にする、私達の餌場なのです……さぁ、あなたも餌食にしてしまいますわ……」

「そんな事、させないよっ!」

 いつもの構えを取り、突撃する。

「うおおおぉーっ!!」

「でりゃああぁーっ!!」

 戦士達は咆吼を上げ、貴婦人の村を進撃しながら彼女達と渡り合った。

「かめはめ波っ!!」

「ひゃおっ!」

 ヴィクトリーがかめはめ波を放つと、相手の魔物──マダムインセクトはそれを弾く。

「なにっ!?」

 そのかめはめ波は、ルカの所へ飛ぶ。

「うわっ!?」

 彼はそのかめはめ波を、マダムアンブレラの方へ弾いた。

「……えっ」

 かめはめ波が彼女に直撃し、大爆発を起こした。

「ぐ、ぐあぁっ……!」

  彼女は大ダメージで、よろめく。

 チャンスだと言わんばかりに、ルカは剣を寝かせ、突きの一閃を放つ体制をとる。

「……瞬剣・疾風迅雷っ!!」

 一閃。風を纏った剣で、自らもまた疾風のように速く、雷のように鋭く。

 技はマダムアンブレラを穿ち、剣の効果が彼女を小さな傘の姿へと封印した。

「くっ!」

「と、捕らえたわ……!」

 ヴィクトリーと対峙していたマダムインセクトは、変異した部位でヴィクトリーを捕らえていた。

「界王拳3倍っ!!」

 しかし、それは3倍界王拳によって弾かれてしまった。

「なっ……!?」

 凄まじい力で弾かれ、完全にボディが隙だらけになる。

「今だぁっ!」

 次の瞬間、彼女の腹にドズッと拳が埋まった。

「がっ……!」

 その一撃で、彼女は倒れた。いつも通り、失神させただけだ。

「よし……!」

「結局、二人で行くことになっちゃったな……」

 ルカはヴィクトリーの隣に来て、その背後にアリスが現れた。

「もう理解しただろう。ここがどういう所なのか……」

「あぁ……やっぱ俺の予想通りだ……」

「多分、領主カサンドラって奴が黒幕だ……!」

 ルカは、領主の館の方を睨んだ。

「こんな事、今すぐやめさせないと!行くぞ、ヴィクトリーっ!」

「おう!」

 二人の戦士は領主の館へ駆け出した。

「……貴様らなんかで、敵うものか……」

 残されたアリスはそう言い、溜息を吐いた……

 

 領主の屋敷の前では、メイドのランが静かに立っていた。

「主人に何の御用でしょう。申し訳ありませんが、今はお取り次ぎできません。」

「いいから通しな。じゃねぇとあんたをぶっ飛ばさなきゃならない。」

 喧嘩腰のヴィクトリーが、ルカより一歩前に出る。

 当然、このメイドから感じる気も人間のものじゃない。

「……あなた達はアリスフィーズ様に免じ、一度は見逃された身。しかし、二度も見逃す義理はない……そう、主人から申しつけられております。」

 ランの気が爆発し、スカートから極太の触手が出てきた。

「あんたも人間に危害を加える魔物なのか……!?じゃあ、容赦なく……」

 ヴィクトリーは拳を振りかぶり、地面に踏ん張る。

「私は、主人の命令を遂行するのみです。例えば、カサンドラ様のおめ」

「どりゃあっ!!」

 ランが話してる最中に地面を蹴り、飛ぶ。そして、彼女の顎に膝蹴りを叩き込んだ。

「っ……!!?」

 拳が飛んでくると思っていた彼女は油断し、直撃する。

「おらぁっ!!」

 右の拳で、頬に強烈な一撃を一発。

「でゃあっ!!」

 左の拳で、更にもう一発。

「あだだだだ……!!だりゃあぁっ!!」

 そして左右の拳でラッシュを叩き込んでから、思いっきりぶっ飛ばした。

「ルカ、先に行け。ここは俺がやってやる。」

「……分かった!」

 ルカはそう言って、領主の館へと突撃した。

「……」

 ランは服のホコリを払いながら立ち上がり、ヴィクトリーの前に立った。

「……今、何かしましたか?」

「あぁ、準備運動かな。」

「……へぇ……」

 ランは静かに構え、ヴィクトリーに突っ込んだ。

「やっ!」

「はぁっ!」

 やはりメイド。それなりに護身術の心得もあるのか、キレのある技を繰り出してくる。

「うわっ!?」

 何より、極太の触手の攻撃は凄まじかった。

 よし、これなら手加減はいらねぇ──

「界王拳10倍!!」

 ヴィクトリーの気が爆発し、凄まじい力が溢れた。

「行くぜ……!!」

「ふふ……」

 二人はぶつかり合い、凄まじい攻防が繰り広げられる。

「やぁっ!」

 ヴィクトリーは蹴りを放つが、ランはバックステップで避けた。

「ふふっ……」

 そして地面を蹴り、猛スピードでヴィクトリーに迫った。

「っ……!」

 ……と思いきや、ランはその横を通り過ぎる。

「は……?うわっ!?」

 次の瞬間には触手が足に巻きついていた。彼は足に巻き付けられた触手で、引っ張られる。

「はっ!」

 ランはそんな彼を持ち上げ、地面にぶん投げた。

「がはぁっ……!?」

 地面が粉砕し、ヴィクトリーの体がバウンドする。

「ふんっ!!」

 次の瞬間、筋肉の詰まった極太の触手がヴィクトリーの腹に叩きつけられた。

「ごはぁっ……!!」

 ヴィクトリーは弾丸のようなスピードで吹っ飛んで、壁に叩きつけられた。それで、倒れてしまう。

「い、いってぇ〜……!今の攻撃はちょっと効いたぞ……」

 すぐに立ち上がり、服のホコリを払う。

「終わりです……!」

 そこにランが突っ込み、触手でヴィクトリーを捕らえようとしたが、彼は瞬間移動で消えてしまう。

「なにっ!?」

「おりゃあっ!!」

 次の瞬間、ランのこめかみに回し蹴りが叩きつけられた。

「ぐっ!?」

 回し蹴りをまともにくらったランはぶっ飛んだ。そのぶっ飛んだ方向に、ヴィクトリーはまた現れた。

「もういっちょ!」

「うっ!?」

 今度は蹴り上げられ、上空へ飛ばされる。

「はぁあぁあああっ!」

 舞空術で飛び上がり、ランに凄まじいラッシュを叩き込む。

「そりゃあぁあっ!!」

 そこから触手を掴み、地面へと叩きつけた。

「かめはめ……!!」

「くっ……!」

 ランは立ち上がり、両手を突き出した。

 次に何が来るのかは予想できた。おそらく、魔法のようなものが飛んでくるに違いない。だったら、フルパワーで受け止めれば……!

 ──そう思っていた次の瞬間だった。

「ばぁ。」

「っ!?」

 なんと、ヴィクトリーはランの背後に瞬間移動した。

「波ぁっ!!」

 そのまま放ったかめはめ波が彼女の背に直撃し、凄まじい大爆発が起きた。

「申し訳ありません……カサンドラ様……」

 ランはボロボロのまま立ち尽くしながらそう呟いた後、失神して倒れた。

「……っふぅ……さて、俺も行くか。」

 ヴィクトリーも、領主の館に乗り込んだ……

 

 数分前……

「ふふっ……やっぱり、戻って来ちゃったんだ。たぶん、こうなると思っていたけどね……」

 屋敷の中では、エミリが待ち構えていた。屈託のない笑みを浮かべ、僕の前に立ちはだかったのだ。

「君も、魔物なのか……?」

「そうだよ……ほぉら、かかってきなさいよ。あんたがどれぐらい強いのか、エミリが確かめてあげる……」

 エミリは気を開放した。髪が変異し、タコの足のようになる。足も同様に変異し、触手が床を這った。

「君も、男達を餌食にしてきたのか……!?」

「あははっ、当然でしょ。今まで何人もの男の人をいたぶり尽くして、食べちゃったわ。この触手でちんちんを弄って、子種をぐちゅぐちゅに搾り尽くして……たっぷりとよがり狂わせた後でね。」

「……」

 屈託の無い態度のまま、男を嫐り殺しにする……やはりこの少女も、残酷で悪逆非道の魔物だったのだ。

「あたしねぇ、あんたにとっても興味が……」

「瞬剣・疾風迅雷っ!!」

 ルカはいきなりエミリに、不意打ちの突きの一閃をかました。まともにくらった彼女は、ぶっ飛んでしまう。

「……悪いね。あんまりにも隙だらけだったから……」

「……殺すっ!!」

 エミリは吹っ飛んでる最中に壁に足を向ける。そこを蹴り、矢のようなスピードでルカに迫った。

「シルフっ!!」

 その圧倒的なスピードを疾風の動きで回避し、その背中を撫で斬る。

「ぎゃっ!」

 エミリは倒れ伏してからすぐさま立ち上がり、ルカに突っ込んだ。

「またか……!」

 しかし、激突する寸前にその姿が消えた。

「なっ!?」

「やぁっ!」

 次の瞬間、エミリの飛び蹴りがルカの背中に入った.

「ぐぁっ!?」

 ルカはぶっ飛んでから着地し、大きく跳躍してからエミリに兜割りを放った。

「はいっ!」

 エミリは間一髪避け、ルカの顎を蹴り上げる。

「ぎゃっ!?」

 蹴り上げられ、宙に浮く。

「この……!やぁああああーっ!!」

 エミリが飛び上がって接近し、触手のラッシュを放った。筋肉の詰まった触手が、ルカを穿ちにかかる。

 彼はそれを見てから、空中で体を回してすべて受け流し、着地した。

「……」

「へぇ、やるじゃない……っ!?」

 エミリがそう呟きながら着地した次の瞬間、触手に多数の斬撃が走った。

「……受け流しながら斬らせてもらったよ。」

「くっ……!」

 ルカは腰に剣を構えながら、エミリに突進した。

「はぁっ!」

 繰り出したのは斬撃ではなく、蹴り。

「くぅっ!?」

「あだだだだ!!」

 凄まじい蹴りのラッシュがエミリに確実なダメージを刻んだ。

「がふっ……こ、このっ!!」

 エミリも、遂に触手で反撃した。

「そこだっ!」

 しかしルカの姿は消え、触手は彼の残像をすり抜けるのみであった。

「こっちだ!」

 ルカが、エミリの背後に現れる。

 次の瞬間、彼女の触手が切り刻まれた。

「きゃあっ!?」

「はぁっ!」

 そして、横一文字に剣を薙ぎ払い、エミリをぶっ飛ばした。

「く、くぅ……!」

 エミリは壁に叩きつけられた後、触手を再生しながらルカを睨んだ。しかし、そこに彼はいなかった。

「はっ!」

 ふと上を見上げたら、そこに居た。

 大きく剣を振り上げながら、渾身の力を込めた斬撃を放とうとして──

「天魔頭蓋斬ーっ!!」

 エミリの脳天に、重圧な兜割りが叩き込まれた。

「きゃあっ……!」

 エミリは頭を押さえて悶絶する。ルカはそんな彼女から距離を置き、剣の柄に握力を込めて気を開放した。

「これで終わりだ……っ!!」

 そして姿を消してから、エミリに背を向けるように現れる。

「……死剣・乱れ星。」

 そう言いながら剣を納めた。次の瞬間、エミリの体中に無数の斬撃が走った。

「あたしが、負けるなんて……」

 エミリの体が消散し、掌サイズのイカのような姿になった。

「あ、あたしをこんな姿にするなんて……!」

 小さな軟体生物の姿に封印され、エミリは叫ぶ。しかし、もはや僕の邪魔をするほどの力など無いはずだ。

「おっす。」

 ここで、ヴィクトリーも入ってきた。

「ヴィクトリー、終わったのか?」

「まぁな……で、こいつは?」

 ヴィクトリーは、這いずり回るエミリをつまみ上げた。

「きゃっ!何するのよっ!?」

「うわぁイカが喋った!」

「エミリだよ。僕が封印したんだ。」

 ヴィクトリーはエミリを掌に乗せ、ぷにぷにとつっつく。

「へぇ〜……こいつが、あのエミリねぇ……」

「む、むぅ〜……」

 ヴィクトリーはエミリを掌で弄りながら、ルカの方を向いた。

「とにかく、これで残るは……」

「あぁ……」

「私一人……という事ですね。」

 響く声。艶やかで妖しげな魔女の美声。カサンドラが登場したのは、想像にかたくない。

 二人は、そちらに向く。

「……っ!?」

 不意に、周囲の空間が不気味な重力で歪んだ気がした。カサンドラが姿を現しただけで、異様な圧迫感が襲ってきたのだ。

「す、すげぇ気だ……!」

「お前が、この村の黒幕で違いないな……!」

 プレッシャーを振り払うように、ルカは大声を上げた。それに対し、カサンドラは柔らかな笑みで彼の怒気を抑え込んだ。

「えぇ……この村は、私の一族がヒトに擬態して暮らす村。そして、訪れた人間のオスが我々の食餌なのです。もう、何百人のオスを食べたのか分かりませんわ……」

「なんて事を……」

「許せねぇ……!」

 こいつは、とんでもない妖魔だ。これだけ邪悪な魔物が、人間に化けていたなんて……

「それにしても、あなた達は美味しそうですね……アリスフィーズが目を掛けているだけあって、極上の獲物……」

 カサンドラの体から、じゅぷじゅぷと粘液が染み出した。纏っていたドレスが溶けだし、粘った肉状となる……

「はぁっ!」

 その咆哮で、カサンドラは粘液を身に纏う異様な姿へと変貌した。これが、妖魔カサンドラの本当の姿なのだ……

「お母様、その前に私を……!お母様の魔力で、私を元の姿に戻してよぉ!あたしも、一緒に戦うんだから!」

 ヴィクトリーの掌に居たエミリが、わめく。母である筈の妖魔は、そこに冷たい視線を向けた。

「……常々言って聞かせましたね、エミリ。この世は弱肉強食、敗者は勝者の糧になる定めと……」

 カサンドラが手を向けると、エミリはヴィクトリーの手を離れ、彼女の手に吸い寄せられてしまった。

「なっ……!?」

「お、お母様……!?」

 カサンドラはエミリを掴み、その頭を食いちぎった。

「……っ!」

「なんだと……!?」

 絶句する、二人。

「ひゃ……!?」

「……」

 カサンドラはそんな戦士達二人を見て、エミリを掴んでいる手に握力を込めた。

「い、いやぁ……!お母様……!」

 次の瞬間、エミリの体が握り潰れ、肉片やら血やらが床に散った。

「……ふふふ……」

 その肉片も、血も、全て粘液で啜り取る……

「な、何て奴だ……!自分の娘を……!」

「お前……!エミリは自分の娘だろう!」

「えぇ、分かっているではありませんか。私の体から生まれた娘ですから、我が体の一部に戻したまで。弱肉強食……弱き者は、強き者に貪られるが世の理。それを理解出来ていなかった、愚かな娘など必要ありません。」

 冷酷にもそう言うカサンドラに、最早母親としての慈悲は無いように見えた。そこに居るのは、とんでもない邪悪であった。

「外道が……!」

「お前だけは、絶対に許せない!」

 カサンドラは、戦士達を鼻で笑った。

「許せなくば、どうするというのです……?このカサンドラ・ネーレイドに、ヒトごときがどうしようと……?」

 次の瞬間カサンドラの気が膨張すると共に、カサンドラの粘液が周囲を満たした。それは床を満たし、壁にまで広がっていった……

「な……!?」

「ふふっ、ここはもはや、私の体内も同然。あなた達も、このまま取り込んで差し上げましょうか……?」

「くっ……!なんて力なんだ……!」

「すげぇ気だ……勝てるかどうか、分かんねぇぞ……!」

 壁も床も天井も、カサンドラの粘液で取り込まれてしまった。

 彼女の言った通り、ここはもうカサンドラの体内のようなものだ。

「……こりゃあ、マジでやべぇかもな……」

「でも、僕達がやらなきゃな!」

 二人は構え、現状なれる限りの最高状態になった。

「ふふふ……あなた達を、あなた達二人を、手も足もアソコも、まるごと頂いちゃいましょうか……」

 貴婦人の村の代表と、戦士達が激突する……

 カサンドラの強さは如何に……!?

流血表現

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