もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話 作:ジョーカー:ゼノ
戦士達の活躍により、領主カサンドラは滅ぼされた。配下の魔物も、みな逃げ去ってしまったようだ。
村はすっかり無人になり、事実上の廃村だ。しかし、これで犠牲になる男も居なくなるだろう。
小話を終え、村を出る。そしてまた僕達は旅を続けた……
「……じゃあ、ゴルド火山に行こう!」
「よし来たっ!」
こうして僕達は、いよいよゴルド火山に向かう。そこには、最後の精霊となるサラマンダーがいるのだ。
彼女に認めてもらえば、いよいよ四人の精霊が揃う事になる。そうなると、いったいどんな力が身につくのだろうか……
その夜、野営。
ここ数日は、心を水の流れに委ねるという特訓ばかりだ。
何か掴めそうな感覚に一喜一憂し……しかし何も掴めず、なんだか気が乗らなくなってきた。
「でも、いいセン行ってたぞ!頑張れば出来るって!」
ヴィクトリーがそう励ますも、ルカのやる気が上がるわけじゃないし。
「ほら、いつものように目をつぶって禅を組むのだ。余が攻撃するから、かわしてみせよ。」
アリスはいつものように、うるさく無理難題を指示してくる。
「う〜ん……本当に、これで強くなれるのか?」
「そう思うのなら、この修行は諦めるか?勇者ハインリヒの教えを疑って、何が真の勇者だか……」
「ぐっ……そう言われたら、やるしかない……!」
「扱いやすいなおめぇ。」
ヴィクトリーのツッコミもともかく、僕は静かに目を閉じていた。
「あぐっ!ぐふっ!ぎゃっ!うぐっ!ぬわーーーーっ!」
しかし、例によってボコボコにされてしまう……
「ふん、話にならんな……」
「最後、何か燃やされた気がするんだけど……」
ともかく、この修行は多大な精神力を消費する。少し続ければ、神経がすり減ってヘトヘトになってしまうのだ。
「なぁ、アリス。そろそろ新しい技とか教えてくれないかな……」
「ふむ……貴様も随分と、土の力を使えるようになった。ここはひとつ、土の剣技でも教えてやるとするか。」
「やったぁ!」
「俺も手伝うぜ!」
こうして、僕達で修行が始まった……
「こうだな……ていっ!」
「おっと!」
一通りの指導を受けて、実戦訓練も兼ねてやってみる。
土の剛力を全身に満たしながら、それを思いっきり叩きつける……つまりは、土の力を用いた天魔頭蓋斬だ。
「ふむ、飲み込みが早いと楽でいい。この技は、天魔頭蓋斬の発展系とも言えるな。天高く跳躍しながら、全身に土の力を巡らせ、その全てを敵にぶつける……それこそが、壊斧・大山鳴動よ。」
「壊斧って……」
ルカは自分の剣を見ながら、言う。
「この技、斧の技なのか……?」
横に居たヴィクトリーは、興味ありげにアリスに聞いた。
「これを編み出したミノタウロス娘は、斧使いだったのだ。だが、剣を用いても問題なく放つ事が出来るはず。伝説の魔斧戦士ミノータは、この技を使って巨山を粉砕したという話だ。」
「何か、ベジータみたいな名前だな……」
二文字違いだが、「○○ータ」と付けば何でもベジータ風に聞こえてしまうのは、ヴィクトリー特有であった。
「やっぱり魔物の技なのか。まぁ、粉砕したのが人間じゃないだけマシだな。」
まぁ、血なまぐさい話が無いだけマシ──
「何を言うか、ドアホめ。その山に住んでいた人間達も、まとめて粉々だぞ。」
「ひゃ〜……そりゃすげぇ……」
「……うえぇ……」
やっぱり、あんまり愉快じゃない話だ。とは言え、この技は戦力になる筈!
「この技は、天魔頭蓋斬みてぇにどっかに登らなくても使える技みてぇだな。」
「その通りだ。」
「そうか、それは便利だね。」
要するに、天魔頭蓋斬と違って不自由なく打てるらしい。これなら──
「それにしても、貴様はもう立派な魔剣士だな……」
「そうだね……って、魔剣士!?」
驚くルカに、ヴィクトリーは笑いかける。
「だっておめぇ、勇者のハズなのに技は魔物の技じゃねぇか。」
「今日からニセ勇者じゃなくて、魔剣士と名乗ったらどうだ?ニセ勇者よりはいい通り名だぞ。」
「あぁ……なんて事だ……イリアス様、お許しください……」
ルカは手を合わせ、天を仰いだのだった……
翌朝、ゴルド火山内……
「あ、あつい……」
「は、肺が焼けそうだ……」
暑いというより、熱い。ゴルド火山洞窟に入った瞬間、うんざりするような熱気が僕達を襲う。ヴィクトリーの言う通り、吸う空気も灼熱の如しだ。
しかし、その灼熱地獄と相反するような気を感じた。これまで精霊達が居た場所に、どこか雰囲気が似ているようだ。
「……最深部に、精霊の気を感じる……」
「じゃあそこに、サラマンダーがいるのか……」
「サラマンダーは、妖魔の間では猛者として名が知れているのだ。ゆえに、ここに住んでいるのも周知の事実。サラマンダーの元に、弟子入りに訪れる魔剣士も多いという。ほぼ全員、門前払いをくらうがな。」
「猛者……か。」
例によって、「力が欲しくば私を倒せ!」となる筈だ。その相手が猛者ならば、随分と厄介な話である。
「ルカ、このまんまだと俺達はサラマンダーに会う前に焼け死ぬぞ……」
「そうだな……早く、見つけ出さないと……」
「……ん?」
ヴィクトリーが目を瞬かせ、僕の背中に手を当てる。すると、僕の中に精霊が浮かんできた。
「サラマンダーちゃんの匂いがするよ〜!」
「……」
浮かんできたのは、シルフとノームだった。
「どこにいるのか分かるのか……?」
「奥の方……まっすぐ行けば、会えるよ!」
シルフが指した先──そこから、確かに精霊の気を感じた。
「間違いねぇみてぇだぜ……」
「そうか、ありがとう。所でウンディーネは?」
「あついから、とけちゃった!」
「……」
「そ、そんな馬鹿な……」
とけちゃったって……
「ノームちゃんも、熱くて元気が無いみたいね。」
「……」
ノームはシルフをひっぱたこうとしたが、シルフはひらりとかわした。
「……!?」
「わ〜い!」
「……」
「ははは……」
シルフは、何故こんなにも元気なのだろうか。
「よし、とにかく行くぞ!」
「れっつごー!」
こうして僕達は灼熱の中を進んでいく……
すると、モンスター達がかかってきた。
「そら来たっ!構えろルカ!」
「あぁっ!」
まずは、溶岩娘がルカに襲いかかってきた。
「私のマグマで……」
「やぁっ!!」
それを地面に叩き伏せ、そして胸の部分に剣を突き刺して封印する。
次にバジリスク娘がヴィクトリーに襲いかかってきた。
「私の石化能力で……」
「うるせぇ!!」
ヴィクトリーはかめはめ波で、彼女を火山の外へぶっ飛ばした。
「いぇいっ!」
ルカとヴィクトリーは、ハイタッチを交わす。
しかし、次の瞬間にはまた新手が来ようとしていた。
「ま、まだ来るのか……!?」
「そう来なくっちゃ……!」
身構える二人の背後には、いつの間にかアリスが居た。
「……このような場所、人が踏み込む事など滅多にない。魔物はみな、オスの味に飢えているのだろうな。さしずめ、ピラニアの群れの中に生肉を投げ込んだようなものだ。」
「僕は生肉じゃないよ……」
「例えばの話だ……」
アリスは、洞窟の奥を睨む。
「ともかく、次の相手は厄介だぞ。」
「みてぇだな……かなりでけぇ気が近づいてる……」
「……」
アリスは、ルカの肩を叩いた。
「水の力は、外に対して使うものではない。己の内に投影するもの……これが出来れば、貴様にも勝機はある。」
「勝機はあるって……できなければ?」
「……」
返答もなく、アリスは去ってしまった。あの助言をする為に、一旦戻ってきたのだろう。
そして洞窟の奥から猛々しいうなり声が響く。このうなり声の主は、相当の強者というわけだ……
そんな事を考えていたら……目の前に、ドラゴンが現れた。
「ど、ドラゴン……!!」
「遂に出たか……!!」
知らない人はいないであろう、伝説のモンスター。その牙はいかなる防具をも切り裂き、吐き出す炎は全てを灰に変える。またその鱗は、いかなる剣にも耐えるのだという……
ドラゴンは口を開ける。すると、その中に女の上半身があった。
「ほう、人間か……随分と活きの良さそうな獲物だな。」
そう言って口の中の女はじゅるり、と舌なめずりをした。
「ぐっ……!」
「へへへ……」
圧倒的な迫力に、ルカは思わず後ずさってしまう。一方でヴィクトリーは、小さくジャンプしながら臨戦態勢に入る。
「ふふっ……そう身構えずともいい。この爪で引き裂いたり、炎で焼き尽くしたりなどはせん。お前らのような小さな存在に、この私が本気で戦う事はないのだ。だから恐怖する事はない、私がたっぷり──」
「かめはめ波っ!!」
ヴィクトリーは不意打ちに、女体の顔面にかめはめ波を放った。
直撃し、ドカンと爆発する。
「ぐっ……!?」
「ベラベラベラベラうるせぇんだよ……ドラゴンならドラゴンらしくかかってこいっ!!」
ヴィクトリーは腕をクロスしてから、気を解放した。
「……その生意気な口が何時まで続くか、見物だな……!!」
「よ、よし……やるぞっ!!」
ルカも気を解放し、まずはシルフの力を使う。
「爪と炎を使えよ……じゃねぇと、俺達には勝てねぇぞ……」
「何を……!!」
ヴィクトリーはドラゴンの顎部分に飛び、その顎を思いっきりパンチした。
「ごっ!?」
ドラゴン娘はぶっ飛ぶ。ヴィクトリーはその尻尾を掴んだ。
「だりゃあぁーっ!!」
その尻尾を抱え込み、溶岩の海へと叩き落とした。
「い、一瞬……」
「いや……!」
溶岩から、何か飛び出してきた。それは、全く無傷のドラゴン娘だった。
溶岩程度の熱、竜の鱗には通用しないのだろう。
「……いいだろう、マトモに戦ってやろう……その後は言わずもがなだがな……」
「そう来なくっちゃ!」
「はぁっ!!」
ドラゴン娘は、灼熱の息をヴィクトリーに吐いた。
「っ!!」
ヴィクトリーは、その息に直撃してしまい、炎に飲まれた。
「壊斧・大山鳴動……!!」
ルカは、新技をドラゴン娘に叩きつけた。凄まじい衝撃が火山中に響き、衝撃が大地を割った。
「ぐぉっ!?」
ドラゴン娘は、そこに振り返る。すると、既にルカは眼前にまで飛び上がっていた。
「死剣・乱れ星っ!!」
そして、無数の斬撃をドラゴン娘に放った。
「ぐっ……!小賢しいわっ!」
ドラゴン娘は口内で炎をチャージし、火球をルカに吐き出した。
「おらぁっ!」
しかしヴィクトリーがルカの前に瞬間移動し、火球を蹴り弾いた。
「なにっ!?」
「はぁっ!」
その背中にルカを乗せ、ドラゴン娘に突進する。
「行くぞルカっ!!」
「あぁっ!!」
そしてドラゴン娘に当たる寸前で消え、ドラゴン娘の背後に着地した。
「死剣・乱れ星……」
「超龍撃拳……」
次の瞬間、ドラゴン娘の全身に無数の斬撃と打撃が叩き込まれた。
「ぐぅ……!?」
ドラゴン娘は揺らいだが……すぐに持ち直し、ヴィクトリーの方を向いた。
「うおおぉっ!」
「な、何っ!?」
ヴィクトリーが背後を振り返った瞬間、ドラゴンの口に食われてしまった。
「ヴィクトリーっ!!」
「なに?」
ヴィクトリーはルカの背後に居た。彼の名を叫んだルカは、思わずずっこけてしまった。
「なにっ!?」
「し、瞬間移動か……」
「そう。一歩遅れてたらやばかったかも……」
ドラゴン娘は、わなわなと震える。
「く、くそ……!この私が……人間如きに……!!」
「どうしたドラゴン!おめぇの力はそんなもんか!?」
更にそこに、ヴィクトリーが挑発を入れた。その挑発で、ドラゴン娘はキレた。
「なら見せてやる……!!真の実力をな……!!」
ドラゴン娘は腕をクロスし、気を解放した。その気の爆発で、火山が揺れ、大気がウネり、ビリビリとした気迫が戦士達を襲った。
「や、やっべぇ……!マジギレしやがった……!」
「こ、こんなの……まともに戦ったって……!」
その圧倒的な迫力を前に、僕は勝ち目が無いことを悟った。
しかし──
「……いや、勝てる!」
ヴィクトリーは、笑いながらそう言い切ってみせた。
「俺は強くなってるし……何より、おめぇには自分でもよく分かってねぇ実力を隠し持っていて……なおかつ、水の力をあと一歩で操れるんだ……」
「……!」
その言葉で、アリスとの特訓が頭によぎる。水の力を心に投影し、その流れを掴み取るという修行……
「行くぞっ!!」
「おぉっ!!」
ヴィクトリーとドラゴン娘がぶつかり合い、一進一退の攻防を繰り広げる。
「……」
僕は目を閉じ、心を水の流れに委ねる。すると、今までと違う澄んだ感覚が湧き上がってきた……
「……これは……」
周囲の『流れ』が、自分の中に感じる。空気の流れ、音の流れ、力の流れ……その全ての流れを、心という感受器で感じ取っているのだ。
それは、まるで自分が世界と一体となったかのような心地だった……
「……成功したか……!?」
「よそ見をしている場合かっ!」
ヴィクトリーに、竜の豪爪が迫る。
「うぉおおおりゃあああーっ!!」
それを気合でいなし、ルカの方へ受け流した。
「ならばこいつに当てるまでよ!」
「……」
じんわりと、大きな流れが近づいてきた。周囲を圧しながら、乱れた波が押し寄せてくる……
「……」
まるで、水と油が反発するように、ルカはその攻撃をひらりと避けた。
いや……避けたというより、水に流れる木の葉が、自然と障害物を避けた……そんな気分だ。
「見えるぞ……水の流れが……!」
「どうやら、成功したみてぇだな……」
ヴィクトリーが、ルカの横に降りる。
「水だと……何を言っている?恐怖のあまり、幻覚でも見えているのか……?」
二人に、竜の豪牙が迫ってきた。彼らは、全く同じように避ける。
「……見える。流れを乱しつつ迫ってくる攻撃が……目を使わなくても……!」
「……だろ?」
そして、流水のごとく敵の攻撃を自在に避けてしまうのだ。
「なんだと……!?私の攻撃を、こうも避けるとは……!」
「……」
「ほらほらぁ!どぉしたどぉした!」
二人はドラゴン娘の猛攻を、目を瞑って避けまくる。
「アリスとの修行で、あれだけ手こずったのが嘘みてぇだ……」
「いや……手こずったからこそ、こうして身についているんだよ。」
遂に、会話する余裕までも生まれる。
「どういう事だ、何故攻撃が当たらん……!?」
さらに振りまかれる、攻撃的な流れ。振り回される爪、鋭い牙……それを彼らは全て避けきっていた。
「……お前は何の流れに乗ってるんだ?」
「う〜ん……『気』?」
「……そうか……」
気と水の流れに乗りさえすれば、この身が勝手に攻撃をかわす。そして……その流れのままに、攻撃をすればいい!
ルカは流水の流れのままに、ヴィクトリーは気の流れのままにドラゴン娘を攻撃した。ルカの攻撃で鱗が切り裂かれ、ヴィクトリーの攻撃で鱗がグシャリと潰れ、ドラゴン娘は大きく揺らいだ。
「な、なんだと……!?」
「……よしっ!」
「……」
その一撃には、確かな手応えがあった。
「……馬鹿なっ!?我が鱗が、まるで紙のように……!紙細工のように……!!その細腕のどこに、それほどの力が……!?」
「力で切ったんじゃない、流れで切ったんだ。」
「……隣に同じ。」
「訳の分からぬことを……!!ならば、これはどうだ!?ギガンティックブレイズ!!」
ドラゴン娘は大きく息を吸って、凄まじい豪炎を吐き出した。
「……ヴィクトリー、僕の後ろへ。」
「分かった。」
唐突に、激しく乱れた波が周囲へと広がった……それも、流れのままに刃で斬ってしまう。
ギガンティックブレイズが、真っ二つに裂けた。
「馬鹿な……!炎を切っただと……!?」
「えっ!?今の炎だったの!?」
ルカはハッとして、現実に戻ってしまった。なんと彼は、ドラゴン娘の巨大な口の目前に居たのだ。
「このまま、丸呑みに……!」
「う、うわぁああっ!!」
「……」
ヴィクトリーが僕の前に瞬間移動し、中指と人差し指でドラゴン娘を指す。
「……終わりだっ!!」
ドラゴン娘の喉に、超龍閃撃が放たれた。
「がっ……!?」
彼女はぶっ飛び、壁に叩きつけられた。
「貸せっ!!」
「あっ!」
ヴィクトリーはルカの手からエンジェルハイロウをひったくり、ドラゴン娘の胸にぶん投げた。
ぶん投げたエンジェルハイロウが、ドラゴン娘の胸に深々と突き刺さり、彼女は壁に磔となった。
「こ、こんな馬鹿な……!!お前らは……いったい……!!」
ドラゴン娘の体が消散し、大きなトカゲの姿になって地面に落ちた。
ヴィクトリーはエンジェルハイロウを抜き、ルカに投げる。
「ふぅ、びっくりしたなぁ……」
ルカはそのエンジェルハイロウをキャッチし、納める。
「びっくりしたのは、こっちだ!ドアホめ!」
現れるなり、アリスは喚き立てた。
「自分の剣技に、自分で驚く馬鹿がいるか!あんなタイミングで、水の流れから心を離してしまうとは……ヴィクトリーが居なければ、どうする気だったのだ!見ているこっちの寿命が縮まったぞ!」
「いや、まさか無意識のうちに炎を斬ってるなんて思ってもみなくて。気分的には、水の流れの中でふわふわしている感じに……」
「ドアホめ!」
アリスは、再度確認するように毒を吐く。
確かに、さっきのは危なかった。これからは、気を付けなければ……
「でも、すげぇじゃねぇか!水の力をものにしちまったんだから!」
「うん……ドラゴン娘の攻撃が目を使わずに見えた……アリスと特訓している時とは大違いだよ。」
「あの特訓で攻撃役を買っていたのは、魔王たる余なのだぞ。こんな野良ドラゴンの攻撃など、比較になるものか。」
「……つまり、あの特訓は実戦より大変だったのか……!?」
道理で、面白いぐらい殴られっぱなしだったはず。僕は修行の身で、魔王に何度もどつき回されていたのだ。
「過酷な訓練を受けたからこそ、水の力に目覚めたのだろうが。余に感謝しろ、このドアホめ。」
「あぁ、アリスに感謝するよ……」
僕がそう呟いた時だった。
「……妙な気が近づいてくる……」
ヴィクトリーが、そんな事を言う。
「ん?」
またしても、奥の方から奇妙な気配を感じたのだ。
「また、モンスターか……!?」
「いや、こいつは……」
それは、僕達の前に姿を現した……
流血表現
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もっとする
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このままでいい
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しなくていい