もんむす・くえすと!の世界に降り立った1人のヒーローアバターの話   作:ジョーカー:ゼノ

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目覚めてゴルドポート

「……はっ!」

 ヴィクトリーはガバッと起き上がった。

「ヴィクトリーっ!」

「なんと、生き返ったか……」

「……?」

 とりあえず話を聞いてみる。

 グランべリアにやられた俺は死ぬ寸前だったらしい。そして、ルカが目覚めた次の瞬間に目覚めたという。

「……お前も、不思議な夢を……?」

「……まぁな。」

「何を寝ぼけた事を言っているか、ドアホどもめ。貴様ら、自分の怪我の程度を把握しているのか?裂傷、火傷、おまけに高熱……常人なら、とっくに死んでいたのだぞ。」

 アリスが呆れながら、言う。

「……まぁ、それだけ酷けりゃ冥府一歩手前まで行くわな……」

 二人はベッドから起き上がった。

「でも、一晩寝れば全快したみたいだな。」

「あぁ、おかげでピンピンしてるぜ!」

 二人はそう言いながら、ぴょんぴょん跳躍した。

「……んなわけあるか!動けるようになるまで数日、全快まで半月かかるわ!」

「でも……ほら。」

「俺達はこの通りピンピンしてるぜ。」

 二人は回復をアピールするように、体を動かす。体のキレもよく、昨日のダメージもすっかり全快しているようだ。

「な、治ってる……貴様ら、どういう体の構造をしているのだ……?」

「おいおい、人をバケモノみたいに言わないでくれよ……」

 魔王に、得体の知れないもの扱いされるのは心外である。

「俺はサイヤ人だけどな。」

 ……おっと、こいつは僕より得体が知れなかったか。

「ともかく、ようやく四精霊全員に力を借りる事が出来たな。これで、四天王とも互角に戦えるのか……?」

「焦るな、ドアホめ。それだけのポテンシャルを秘めている、というだけだ。その力を生かすも殺すも、貴様次第。まして今の貴様は、まだ火の力を使いこなせてはいまい。」

「火の力か……どう使えばいいのかな……」

 僕がそう呟いた時だった……心の中で、変な四人が形を成していく。ヴィクトリーはその僕の肩に手を置いた。

「わーい!みんな揃ったよー!」

「……」

「……」

 シルフが飛び回り、ノームとウンディーネは黙ったまんま。

 ここで腕を組んでいたサラマンダーが、目を開いた。

「私の力の使い方、今ここで教えてやろう。」

「あぁうん……頼むよ。」

 ルカとサラマンダーは二人になるが、シルフが飛び回っている。

「みんな揃うの、五百年ぶりだね!わーい!嬉しいなー!」

「シルフ、うっせぇぞ。」

 ヴィクトリーが、軽く注意した。

「闘争心を極限まで昂ぶらせ、灼熱の業火を生み出す。その炎を、お前の剣に宿すのだ。我が灼熱が宿った剣を振るえば……今のお前なら、ちょっとだけ通常攻撃の威力が上昇するだろう。」

「ちょっとだけ……?」

 ちょっとだけ、って……それ、大した効果じゃないんじゃ……

「みんなで、ピクニックに行こうよ!おべんとう作って、お山に登るの!」

「やかましいぞシルフ。」

 依然として飛び回っているシルフを、ヴィクトリーがまた注意する。

「しかも、火の力が発動している最中はデメリットがある。闘争心が昂っているため、瞑想が行えなくなるのだ。つまり……私を召喚している最中、お前は体力の回復が出来ん。」

「通常攻撃の威力がちょっとだけ上がるだけなのに、回復ができなくなるのか?それ、割に合うのか……?」

「みんなで、ヤッホーて叫ぶの!するとね、こだまが返ってくるんだよ!それでね、それでね……」

 シルフが飛び回っているので、ヴィクトリーが注意しようとしたら──

「……うるさい。」

 サラマンダーがシルフに指を差した。すると、彼女の髪が発火した。

「ふぎゃー!」

「あらら……」

 炎上するシルフを、ヴィクトリーは対岸の火事の気持ちで見るだけであった。

「つまりは……まだお前は、私の力を使いこなせんということだ。正直なところ、実践との使用は控えておくのが身のためだな。」

「わ、分かった……」

 ウンディーネも、最初は使いものにならなかった。サラマンダーの力も、今のところは実戦向きじゃないようだ。一刻も早く、使いこなせるようにならないと!

「……まぁ、そういう訳だ。私の真価を引き出せる日が来るよう祈っているぞ。」

 ここでウンディーネが、初めて表情を動かした。

「……あなたなら出来るはず。四属性で最も難解で高尚な水の力でさえ、あなたは会得できた。火の力なんていう単純で底の浅いもの、簡単に身につけられるはずよ。」

 そう言うウンディーネに、サラマンダーが目をつけた。

「……ほう?底の浅いものと言ったか?」

「闘争心に任せるがままの、粗野で野蛮な力。底が浅い以外の、何物でもないわ……」

 二人は睨み合い、目力をバチバチとぶつけあった。

「……」

「……」

「……」

「ちりちり……」

 シルフの頭の火が、燃え尽きたようだ。

「あはは……」

「おいおい、僕の中で喧嘩しないでくれよ!はい、みんな解散!かいさーん!!」

 四人の姿が、意識の底に消え失せる。なんだか、賑やかになってしまったものだ。

「……まぁ、たまには褒めてやろう。よくぞ明鏡止水を会得した。祝儀代わりに、剣技を教えてやろう。」

「もしかして、水の力を用いた技か……!?」

「……あぁ、その通り。明鏡止水を会得した今の貴様なら、使いこなすことができるだろう。」

 ルカは剣を抜いて、ヴィクトリーに向かった。

 ヴィクトリーも、ルカに向かう。

「いいか、まず剣を鞘に納めるのだ。そして心を水の流れに乗せ、神速で抜く……つまりは、明鏡止水の心持ちで放つ究極の居合切りだ。」

「ふむふむ……」

「意外とシンプルだな……」

 剣を鞘に納め、心を水の流れに乗せた。

「そして……こうかな?」

「……よしきたっ!」

 水の流れに乗りながら、剣を一閃させる……

「ぬおっ……!!」

 ヴィクトリーがバク転して避け、アリスがしゃがむと同時に、その背後の壁に、横一文字の断裂が走った。

「お〜すげぇ!」

「……何をする、余を殺すつもりか!」

「ご、ごめん……まさか、そんな距離まで届くなんて……」

 刃の届く範囲どころか、その何倍もの間合いにまで斬撃が達したのだ。技の間合いのみならず、威力も超一流である。

 宿の壁に、大きな断裂を刻んでしまったことに関しては……後で謝っておこう。

「その技があっさりと習得できたのは、今までの修行のおかげだな。明鏡止水の境地で放つ神速の間合い……それこそが、魔刀・明鏡止水なのだ。」

「魔刀・明鏡止水……」

 だいたいのコツは掴んだ。すでに充分、この技を使えるだけの下地は出来ていたのだ。

「……それで、恒例の忌まわしい話は?」

 ルカが汗混じりに聞くと、アリスは「ふむ」と応える。

「魔侍エリレーナは、周囲を囲む兵の集団を一振りで撫で切ったという……分断された上半身と下半身が、花のように舞い散ったとか……」

「そ、そりゃあすげぇ……」

「ひえぇ……」

 あまり、想像したくない光景だ。

「これも、使いどころが大切な技になるだろうな……」

「でも、これで三属性の剣技を覚えたよ。」

 風の力を使った瞬剣・疾風迅雷。土の力を使った壊斧・大山鳴動。

 そして、水の力を使った魔刀・明鏡止水……

「後は火属性の剣技……」

「……それは、余がわざわざ教えるまでもあるまい。炎を極めた魔剣士の奥義を、貴様はその目で見ているはずだ。」

「乱刃・気炎万丈って奴か……」

 乱刃・気炎万丈……グランべリアが放った、業火を帯びた乱撃。一撃で全てを斬るような火炎の斬撃を、数十回も連続で繰り出すのだ。

 そして何より、ヴィクトリーを半殺しにまで追い詰めた技……とても、真似できる技では無いが……

「天才魔剣士グランべリアが編み出した、紅蓮の奥義。残念ながら、この技には取り立てて逸話もない。なぜなら……奴が奥義を使うまでもなく、ほとんどの場合は勝負が決まるからな。」

「……」

 思えば、あの時グランべリアは奥義を使うまでもなく僕達を圧倒していたはず。それなのに奥義を見せたのは……

「俺達への挑戦状って奴かな……」

「これは、断じて負けられないな……」

 魔王城で僕達を待っているであろう、グランべリア……それを思うと、闘志がメラメラと湧いてくる。

「よし!それじゃあ『魔の大陸』とやらに船を出してもらおう!」

『レミナの虐殺』が起きる前までは、魔の大陸への船が往来していた。今は停止しているようだが、何とか頼んでみよう。この港町は色々といかがわしいだけに、密航屋なども存在するはずだ。

「よし、行くぞ!」

「おー!」

「……」

 こうして、一行は宿を出たのだった。

 

「あの……魔の大陸まで船を出してもらいたいんですけど……」

 ルカは船乗りに頭を下げる。

「馬鹿いうな。俺達に死ねってのかよ。」

 きっぱりと断られてしまった。

「まぁそうなるわな。」

「仕方がない、密航屋でも探すか……」

 ルカがそう言うも、船乗りは首を横に振った。

「如何に腕利きの密航屋でも、無理なものは無理さ。なにせ魔の大陸の周囲は断崖絶壁なんだ。どうしようもねぇよ。」

 それに、ヴィクトリーが疑問を覚える。

「……ちょい待て、じゃあ『レミナの虐殺』とやらの前はどうしてたってんだ?」

「ガルーダ娘の運び屋が手伝ってくれるのさ。魔の大陸への船に乗る奴は、みんなレミナ行きだろう?近くの岸壁まで船で行くと、迎えのガルーダ娘が飛んでくるのさ。それで乗客乗っけて、レミナへ運んでもらうってわけだ。」

「そのガルーダ娘は、どうしているんですか?」

「レミナが壊滅して以来、見なくなったって話だ。たぶん、あの虐殺の時に一緒に殺されて──」

「おい、馬鹿!そいつ、勇者だぞ!迂闊な事を言うんじゃない!」

 隣の船乗りが、血相を変えて話を止めてきた。

「え……?」

 すると彼も、慌てて口をつぐんだ。

「……い、いや、何でもないさ。俺達は何も知らないぜ。」

「ほら勇者一行さん、そろそろ行ってくれないか?俺達だって、ヒマじゃないんだから……」

「……だってよ、行こうぜルカ。」

「……」

 ヴィクトリーが呼びかけるも、彼は動かなかった。

 この不審な態度には、少しばかり心当たりがあった。意を決し、僕は言葉を切り出す。

「……僕達は洗礼を受けてないので、勇者じゃありません。それに『レミナの虐殺』に関して、一般に言われている事とは少し違うというのも聞いたことがあります。どうか、話してくれませんか……?」

 ヴィクトリーは「そう来たか」という目で立ち止まった。

 船乗りはしばらく黙り、そしてルカ達の方を見た。

「そうか……あんたらも聞いたことがあったのか。色々とまずい事だから、俺が言った事は他言しないでくれよ。『レミナの虐殺』は、魔物が人間を皆殺しにしたって言われているが……たぶん、違う。人間だけじゃなく、魔物も皆殺しにされているんだ。あの町にいた魔物は、たぶん全滅している。」

「……何でそいつが分かるんだ?」

「ここらでは有名な話さ……あの海域を渡っていた鳥妖も見なくなった。潮に乗って、魔物の死体が流れてきてる……あそこを襲ったのは魔物なんかじゃねえ。別の何かだ。」

 やはりレミナでは魔物も殺されていた……

 アリスの話だけじゃ半信半疑だったが、彼等の話で裏付けは取れた。やはり、レミナで何かあったのだろうか……

「さて、そろそろ船長にどやされるから話はここまでだ。魔の大陸行きに関しては、俺達じゃどうにもならねぇよ。」

「魔の大陸に行くには、船だけじゃ絶対に無理なんだ。まさか空を飛んでいくわけにもいかねぇし、諦めなよ……」

「そ、そうですか……」

 断崖絶壁を越えないと、魔王城には辿り着けない……

 港で得たのは、八方塞がりの情報だった。

 

「う〜ん……」

「どうしたもんか……」

 通りを歩きながら、二人は無い知恵を絞ってみる。

「島の近くまで行って、そこから徒歩で迎えてもらうとか……」

「いざとなったら島の岸壁にへばりついてロッククライミングするか?」

「ドアホか貴様ら。どっちも、間違いなく遭難するわ。」

 アリスの突っ込みで、戦士達はため息をつく。

「やっぱり、空が飛べないと無理か……それじゃあ、シルフの力で……」

「ドアホめ、風を起こして飛んでいく気か?体力も魔力も持たんわ。」

 かと言ってアリスに運んでもらう理由にもいかない。勇者が魔王城に乗り込むのに、魔王に運んでもらうなんて論外だ。

「同様の理由で、俺の背中にルカが乗るわけにもいかねぇだろうしな……先に俺が舞空術で飛んで、断崖をぶっ壊すか?」

「ドアホめ、その方法だと何年かかると思ってるのだ。」

 ヴィクトリーの提案も、流されてしまった。

 さて、どうするか……

「結局、ガルーダ娘に運んでもらうしかないだろうな。そこらのハーピーでは、とても体力が持つまい。」

「それが居りゃ苦労しねぇよ……」

「『レミナの虐殺』に巻き込まれたって話だろ……」

 言いながらガッカリ、する二人。そんな彼らに、アリスは人差し指を立てた。

「ここより少しばかり西に、『神鳥のほこら』がある。そこには、伝説の神鳥が卵のまま眠っているのだ。そいつならば、貴様や余を背に乗せたまま魔の大陸まで行けるだろう。」

「伝説の神鳥……」

「そいつに運んでもらうって訳か……でも、卵のまんま眠ってるってのはどういう事だ?」

「神鳥とは世界を自在に駆ける翼であり、巨大な力を持っている。だからこそ、その力がおいそれと人間に渡らないようにしているのだ。神鳥の復活には、世界中に散らばっている6つのオーブが必要。オーブを揃えし強者のみが、神鳥の力を手に出来るというわけだ。」

「……なんだか、ドラゴンボールみてぇだな……」

「オーブって……もしかして、これ……?」

 ルカは、道具袋から3つのオーブを取り出す。レットオーブにイエローオーブにグリーンオーブ……今まで使い道も分からないまま、道具袋の中で眠っていたのだ。

「その通り、偶然にもすでに半分揃っていることになるな。残り3つのオーブも揃えない限り、神鳥を蘇らせる事は出来んのだ。」

「じゃあ、残り3つか……ドラゴンボールより簡単だな……」

「ああ……7つ揃えると願いが叶うアレか……まぁ、そう考えると……」

 いずれにせよ、やるしかない。オーブを6つ揃えなければ、魔の大陸には渡れないのだ。

「それじゃあ、オーブの情報を集めてみるか……」

 ヴィクトリーは、何かに気付いたように通りを振り返った。

「……ここで、おめぇの出番ってわけか!」

「そうよ!ダーリン!」

 あの形容しがたい蛇娘の声が、応える。

「お、お前は……!!」

 なんと、勇者一行の前に謎のゴミ箱が転がってきた。

「……誰?」

「アミラだろうが。」

「ご名答。」

 ゴミ箱の中から、アミラの頭が「にゅっ」と出る。

「……何のつもりなんだ、それ?」

「ここは、イリアスクロイツの本拠地でしょ?見つからないよう、隠れているのよ。」

「よくその中に体が入ったな……」

「入ったはいいけど、出られないのよ……さて、オーブについての情報をご所望だったわね。」

「あぁ、教えてくれ。」

「世界を余すことなく這いずり回って集めた調査結果、あますことなく見せつけちゃうわ。レッドオーブは、イリアスベルクの豪商が持ってたみたいなんだけど……噂では、魔物の盗賊団に襲われたそうよ。」

「あの、赤と緑と黄色は俺達はもう押さえてんだ。それ以外を教えてくれ。」

「あらら……通りで、何処に行っても無かったのね……」

 アミラは、がっくりと肩を落とす。

「気にすんなよ。残りの情報、分かってんだろ?」

「まぁね……その前に……これを受け取って欲しいわ。」

 アミラは口から大きな宝玉を吐き出し、ヴィクトリーはそれをキャッチした。

「……これは……?」

「それは勝利の宝玉よ……オーブ集めをしている道中、偶然見つけたの。」

「そうか、あんがとよ。」

 そう言うとヴィクトリーは、自分の懐に勝利の宝玉をしまった。

「……珍しいな、自分で管理するのか……」

 何かを受け取る度に、ルカの道具袋に入れてきたヴィクトリー。珍しく彼は、自分の持ち物を持ったのだ。

「いやぁ、勝利(ヴィクトリー)って名前だから、愛着湧いてよ……だめ?」

「ううん、構わないよ。」

 二人はそう交わしてから、改めて向かい合った。

「さぁアミラ、どんどん来い!」

「オーケー!じゃあ残るオーブの話をどんどんするわ!」

 アミラの顔が、生き生きとし始めた。

「パープルオーブは、伝説の女海賊キャプテン・セレーネが持っていたそうよ。セレーネが手に入れた世界の宝の中でも、最も美しい秘宝として愛されていたみたい。」

「あのキャプテン・セレーネが……?」

 だとすると……イリアス大陸の財宝の洞窟が怪しそうだ。あの『海神の鈴』も、セレーネが残した秘宝としてそこに隠されていたのだ。

「じゃあ、パープルオーブもそこに……」

「残念ながら、その可能性は低いわね。セレーネは最後の旅立ちにそのオーブを持って出航したとされているの。その後、セレーネ号は謎の失踪を遂げた……だから、あの隠し宝庫にあるはずが無いわ。」

「じゃあ、海の藻屑になってるかも知れないのか……!?」

「そうかも知れないわね……」

「それじゃあ、どうしようも無いじゃないか……!」

 ヴィクトリーが、ルカの肩を叩いた。

「安心しろ。いざとなったら俺が泳いで取りに行く。」

「……頼りにするよ……」

「あと、ブルーオーブとシルバーオーブに関する情報は無いわ。その行方は、不明とされているのよ。」

「そうか……」

「ありがとう、アミラ。」

「それじゃあ、私は普通のゴミ箱に戻るわ。何か有益な情報があれば、教えてあげる。」

 そう言ってアミラはゴミ箱に引っ込んでしまった。いつまでもゴミ箱の前で立っているわけにもいかないので、僕達はあてもなく歩き出す。

「うーん、どうしよう。」

「紫は所在不明、青と銀はまだ情報すら無い……」

「……その青と銀、余は知っているぞ。」

 意外にも、アリスから情報が飛んできた。

「えっ……何処なんだ?」

「海底神殿だ。あの女王イカが、オーブがどうのこうの言っていたのを覚えているか?」

「……あぁ、オーブがどうだこうだ……」

 あの時、南海の女王は僕達がオーブを奪いに来たと勘違いして襲ってきたのだ。

「そうか、あのイカババアが……」

「よからぬ人間が、おいそれと神鳥を蘇らせては面倒だからな。青と銀は、魔王の責任で確保している。それゆえ、もっとも人の手が届きにくい海底に託してあるのだ。」

「青は、以前に行った南の海底神殿にある。しかし銀は別の場所……北の海底神殿にあるのだ。」

「海底神殿って……」

「北にもあるのか……?」

「この世界の大洋は南北に境界線が引かれ、それぞれ南海の女王と北海の女王が管理しているのだ。その北海女王がいるのが、北の海底神殿。そこに、シルバーオーブも安置されているのだ。」

「なるほど、分かったよ。」

「北の海にも行かなきゃなんねぇのか……面倒だけど、つえぇヤツがたくさん居そうでわくわくするぜ……」

 だが、問題は紫だ。

「せめて、セレーネ号の沈没地点が分かればなぁ……」

 キャプテン・セレーネの海賊団が根拠にしていたのは、ここゴルドポート。色々と調べれば、セレーネ号の最後の足取りが掴めるかもしれない。

 もう少し、この町で情報を集めてみるか……

 戦士達は、情報収集にかかった……

流血表現

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