機動戦士ガンダムDN   作:藤和木 士

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どうも皆様。引き続きご覧の方は改めまして、先週の投稿から挟んでディーバコラボブースター発売で一喜一憂した藤和木 士です。ジャンヌパラレルが当たらねぇ;つД`)

レイ「アシスタントのレイだよ!」

ジャンヌ「アシスタントのジャンヌです。それで珍しく行きつけの店で売られていたパラレルイラストのわたくしのカード買ってましたね」

だって!友人が言うんだもん!「これ逃がしたら買えないかもなぁ(煽り)(イメージです)」って!( ;∀;)幸い余裕はあったけどさ……。
さて、そんなことは置いて、エピローグ2です(`・ω・´)

レイ「絵を見て終わり!じゃないみたいだね。誰かと会うのかな?」

ジャンヌ「いくつか候補はありますが……誰と会うんでしょう?」

それではエピローグ2、始まります。


LEVEL1 EPILOUGE2 勝ち取りし平和、世界を超えて2

 

「やぁ、ドラグディアの皆様方。我がマキナスの美術館の展示、お気に召しましたでしょうか」

 

 美術館を出た直後、出迎えるように前に出てきた男性がそう言った。マキナス軍の制服を身に纏う男性と、その後方には3人の男女が待機していた。

 元達はまったくその人物の事を知らなかったが、グランツがその人物に向けて中での事を話し始める。

 

「あぁ、目的の物は拝見させてもらった。ガンダムのパイロットからの貴重な意見も聞けたことだしね」

 

「それはそれは。ドラグディア軍最高指揮官殿のお役に立てて光栄です」

 

 グランツとその人物は数年来の友人の様に語り合う。当然元達はその理由を知らない。話に夢中になるグランツにリリーがこちらを示す。

 

「総司令。彼らがまだ分かっていないようです」

 

 指摘を受けてグランツは思い出したように紹介をする

 

「おおっと、失礼。紹介しよう。彼はマキナス軍の最高指揮官である……」

 

「リヴィル・ゲート、階級はもちろん元帥だ」

 

「ま、マキナスの最高指揮官!?あ、さん……?」

 

 レヴが大きな声で真っ先に反応する。レヴほどではないものの、元も無論驚いていた。最高司令官がこんなところに来るなんて。こちらも最高司令官がいるものの、終戦直後にこんなことが実現するのは極めて異例なのではと思った。

 叫んだレヴの言葉遣いをリッドが慌てて窘める。

 

「ちょ、ちょっとレヴ!最高指揮官さんにいきなりそんな大声で……」

 

「ははっ、構わないさお嬢さん。何せ自分もいきなりこの座に収まることになったからね」

 

「と、言いますと……?」

 

 元が聞くと、ここまでの経緯を簡単にだが説明してくれた。実は戦争当時のマキナスの最高指揮官はマキナス皇帝ギルフォードの部隊に殺害されており、ギルフォードがその座を兼任する形になっていたという。皇帝の死亡により再び軍のトップ選出が必要になった。そこで彼が選出されたのであった。

 そこまでの経緯に肩を竦めて呆れ気味に語るリヴィル。

 

「まったく、穏健派の代表格とされていて気にしないことにしていたら、まさか自分がマキナス軍のトップになろうとは……」

 

「しかし、君の戦果はこの大戦において大きい。皇帝に反旗を翻し、ガンダムの救援を打診、こちらは断りこそしたが皇帝派に影響されない援軍出してくれた上、首都の皇帝派制圧……。皇帝派のほとんどを狩ってくれた君の功績は、今後のマキナスにとっても明るいもののはずだ。私はその功績をほんの少しばかり証明しただけに過ぎない」

 

「いや、私としてはあまり組織のトップに立ちたくないというのが本音でしてね。早く別の人に任せてしまいたい気分ですよ」

 

 話を聞く限り、どうもリヴィルという人物はこの件をあまり快く思っていないらしい。というより、面倒なようだ。それは英雄と呼ばれることを僻辞している元とも通じる考えであり、やはり上に立ちたくない、目立ちたくない人は一定数いるものなのだ。

 そんな会話の中でジャンヌがとあることに気づいて、それを指摘した。

 

「ガンダムの援軍……ひょっとして」

 

「あぁ、そろそろ彼らの事も紹介しないといけないかな。もっともそちらにいるガンダムのパイロット君は、1人は知っているだろうけど」

 

 最高指揮官の手招きに後ろで控えていた三人が前へと出る。その内1人はリヴィルの言う通り、元も十分面識のある人物であった。

 まず先に2人が挨拶していく。

 

「ハイド・エルセウルス。あの時も言ったがマキナスの象徴と共に戦う機械騎士だ」

 

「私は初めてだったわよね。フェルナ・ローリエ、そのパートナーの奏女官をやってます!ちょっとあの時は怪我をしていたんだけどね」

 

「怪我、ですか?もう大丈夫なんです?」

 

 怪我という言葉に合わせて、フェルナは服のわずかな隙間から包帯を覗かせていた。男性が見るにはきわどい位置に施されていたが、フェルナは恥じらうことなく胸元の包帯だけを少し見せて平気なことと事情を語ろうとした。

 

「大丈夫大丈夫。ちょっと皇帝派の人達に撃たれただけ。痛っ!?」

 

「馬鹿が……大丈夫でも何でもないだろ。起き上がるのだって大変でさっきまで車いすに座っていたっていうのに」

 

 しかし途中で傷と思われる胸元抑えて倒れそうになる。間一髪ハイドが支えて倒れはしなかったが、ハイドから心配とも取れる悪態をつかれるフェルナは恥ずかしそうに傷の具合を言わないよう懇願する。

 

「ちょ……人が傷隠して会いに来たんだから、言わないでよー!」

 

「恥を掻きたくないなら出なければいいのに……」

 

「あらあら、仲の良いことで♪」

 

 口喧嘩になるが、見ている側からすれば微笑ましさがあり、グリューネがすかさず指摘する。するとそれを足掛かりにフェルナは意地の悪い笑みを浮かべてハイドに反撃しようと試みる。

 

「えぇ、ハイドは私の事昔から気にしてたからね~」

 

「はぁ……単に幼馴染って言えばいいだろう。昔っから心配だったから、お前が奏女官候補になった時に機械騎士の採用試験に申し込んだっていうのに」

 

「それで、受かったんですね。竜騎士の採用試験も結構難しいとは言われているんですが、

きっと難しかったんでしょうね」

 

 ネアが気苦労を察する。リヴィルもそれを認めて、同時に彼がそれに見合った戦士であると絶賛する。

 

「そうだね。奏女官を護り、かつ象徴も護る。ドラグディアの竜騎士とやることは変わらない。彼も与えられた機体でこれまでに何度も戦場を乗り越えてきたエースだ。ガンダムとも対峙したこともある」

 

「ガンダムと!?」

 

「止してください。ガンダムのいた戦場で動いていたというだけです」

 

 ガンダムと対峙したという言葉にジャンヌが驚く。元も初耳の事実で興味を持つも、即座にハイドの言葉でそれが先程の戦闘かと思い、納得しようとした。が、ハイドの言葉を更にリヴィルは訂正する。

 

「何を言う。5月初旬、いや、中旬だったか。ガンダムが最後に紛争へ無差別介入した戦場で、ガンダムの動きを偵察してくれていたじゃないか。おまけにガンダムをドラグディアのMSが撤退させた直後に、命令違反を起こした我が艦隊も落としてくれた」

 

「リ、リヴィル隊長!それは言わない約束で……」

 

「あら……それってひょっとすると」

 

 すると、その話にクリエが反応した。思わぬところからの反応だった。

 

「どうしたの、お母さん」

 

「えぇ。そういえばうちの旦那がガンダムと戦った日にマキナスの艦艇にやられそうになったけど、マキナスのMSに助けられたって言ってたなぁ、って」

 

「!まさか……」

 

 クリエの話にもしやとハッとする。元自身は全くその時の事を覚えていない為、事実かどうかは分からない。だが話題を持ち出したリヴィルはその予想を肯定した。

 

「あぁ、その時のMSはマキナスにおいて驚異的とされたマキナ・ブレイカーと呼ばれる武器を2本携えていたという。グランツ司令にも確認を取ったよ」

 

 その話を聞いてジャンヌはハイドに顔を向ける。

 

「じゃあ、お父さんはあなたに助けられたんですね」

 

「そういうことに、なるか」

 

「それだけじゃない。俺もある意味それのおかげで救われた。感謝しきれないですよ」

 

 ジャンヌに続いて元もハイドに礼を言う。ハイドも先の大戦での礼と共にそれに返答する。

 

「それを言うなら、俺やフェルナもだ。ありがとう」

 

「もうマキナスもドラグディアも、戦争しなくていいからね。詩巫女ちゃんもこれからよろしくっ!」

 

「あ、は、はいっ」

 

 ハイドとフェルナ、それぞれが元とジャンヌへ握手を求める。2人もそれぞれ握手に応じ、これからの両国の未来を願う。その姿にどちらの国の者達も暖かく見守る。

 握手を終えると、リヴィルが残りの1人の紹介へと入る。が、その灰色の髪を前に向けて跳ねさせている本人は2人との握手で出づらくなっていた。

 

「さ、出番だぞ」

 

「俺はいいよ、兄さん」

 

「兄さん?リヴィルさんの弟さんですか?」

 

 その人物の事をほぼ知らないでいるジャンヌはそう訊いてしまう。それを聞いてリヴィルの弟は肩をがっくりとさせて項垂れる。見るからに分かる落胆に言った本人は戸惑う。

 

「……はぁ」

 

「え、えぇ!?」

 

「そういえばお嬢様は彼の顔を見ていませんでしたね。声で分かりませんか?」

 

 ジャンヌの戸惑いにアレクが笑いをこらえている。元は彼にフォローを掛けつつもジャンヌへヒントを出す。その言葉にジャンヌもしばしの間考え、答えにたどり着く。

 

「声?……そういえばどっかで……って、あ!もしかして、アルス・ゲート!?」

 

「……あぁ、そうだ。ガンダムのパイロットの方は顔合わせしていたから分かったようだな」

 

 ジャンヌの回答に頷く。そう、これまで幾度も元、ガンダムと戦い続けこの戦争で共に戦ったマキナート・シャイニングの搭乗者である、あのアルスである。

 5月下旬での対決以来の顔合わせではあったが、元としては何度も激突したこと、そして何より初めて元が自らの意志でMSを装依して戦い、そして負けた相手でもあったことも合わさって記憶に焼き付いていた。元もその時の事を話題に挙げる。

 

「まぁな。でもそれ以上に、あんたは特別だ。初めて戦った相手で、負けた相手だからな」

 

「えっ」

 

 ジャンヌが驚く。彼女以外にもレヴとリッドが大きく驚きを見せていた。アルスも当時の事を回想する。

 

「そうだったな。ガンダムじゃなかったが、アーマーの付いた機体で、一度負けていたな」

 

「あぁ。だから余計に覚えていた。戦場でも、知らずに熱くなってた」

 

 これまでの戦闘でアルスがガンダムにこだわっていたように、元も知らずの内にアルスとの対決に夢中になっていた。つい先日理解したことであり、元自身そこまで執着していたとは思っていなかったが、先日の共闘で相性の良さを実感して同時に理解したのだ。

 数々の激闘を繰り広げ、再び生身で相見える2人。先程のハイド達の様にこれからの未来を共に歩むように見えたが、アルスの口から繰り出されたのは、2人とは違う答えであった。

 

「だがそこの2人とは違って、俺はこれからもドラグディアと戦うつもりだ」

 

「っ!?」

 

「まだ戦争を続けるっていうのかよ……お前」

 

 その言葉にジャンヌやアレクが警戒心を露わにする。ローレインやリリーも普段の調子は崩すことなく、その眼をわずかに細くする。クリエやネアも不安がる中、ただリヴィルとリヴィルを見たグランツだけは表情を一切崩さない。

 元はどういうことなのか問う。すると彼の言った言葉の意味を理解することとなる。

 

「……本当に、戦うのか?」

 

「あぁ。マキナスを討とうとするのなら、また戦う。それがマキナスの、そして、ドラグディアの平和を望む者達の希望となるはずだ。お前達が、俺達の汚点たる皇帝と同じ道を取った時は、その時は俺達が討てるようにこれからも鍛錬は惜しまない」

 

「はぁ……相変わらず、真っすぐだ。そこがお前の良いところだがな」

 

 リヴィルがようやく口を開く。手の掛かる弟、と言ったところであろうか。元自身も妹がいるが、アルスのような立派な理想を持つわけではなく、兄に関心すら持たない可愛くない性格である。それでも大切な家族の一人であり、2人の間に同じ物があることを感じさせた。

 アルスの真意を知り、元は前へと歩み出る。そしてその手を向けた。

 

「なら、俺も協力しないとな。俺に勝てるくらいじゃなきゃ、今のドラグディアには勝てないだろうから」

 

 大見得切ったような発言。もちろん元もそれを理解していた。とはいえ今のガンダムの力にそれだけの力を元が感じているのも事実である。同時にそれはアルスへの挑発でもあった。

 これには元々言うつもりだったアルスも、目を丸くする。だが口元を緩めると、その手を払うように叩いてから思い切り握ってくる。腕相撲の時の握り方でアルスは宣言する。

 

「なら、そのための協力本気でお願いしようか?」

 

「あぁ……!」

 

 固く握った互いの手。好敵手との絆は今更なる高みへと至ったのであった。

 

 

 

 

 ハジメとアルスの交わした握手に、見ていたジャンヌ達の表情がほころんでいく。アルスの真意も決して戦乱を望むものでないことが分かり、むしろ心強さを感じられる物であったことも理由の1つだった。その光景にジャンヌとネイ、グリューネは口々に感想を言う。

 

「戦争で出会った二人が、分かり合ったんだ」

 

「暑苦しい男の友情ねー。これは演習に付き合わされるジャンヌが大変そう」

 

「確かに大変ですね……。ハジメにはこちらの気配りに目を向けて欲しいです」

 

 演習にやや消極的なジャンヌ。しかし忘れていたとはいえ自身もこの戦争で窮地を救われており、彼の性格や技量は信じている。その彼の理想の為に協力しないこともない。

 一方で2人の関係性に似たようなものを経験した身近な者達はその当時の事を思い返す。

 

「青春ねぇ。あなたとガンドもなんだかんだで決闘した後はあんな感じで主と従者って感じになったわね」

 

「クリエ、本当にあの時の事をいじるのはやめてくれ……お願いします」

 

 母の方は楽しく語っているが、フォーンの方は必死に懇願している。どれだけフォーンが当時の事を思い出したくないかが分かる。

 そして自分達の上司でもあるアレクとリリーは近いうちに彼らの模擬戦が実現することを予測していた。

 

「彼らの模擬戦は、今後の和平路線の象徴として組み込まれる可能性がある。その時には少佐も因縁の相手として戦うことになるかもな」

 

「それは冗談キツイですよ。ガンダムと渡り合った機体とやり合うなら、俺の機体も対ガンダム戦も考慮した新型機用意してもらいたいくらいです。そうじゃなくても、今後はガンダムを指揮する立場になりそうだから軍団指揮を勉強しないと」

 

「そうだな。これからは英雄を指揮する名指揮官として活躍しなければな」

 

「ゆくゆくは三竜将、いや、私の跡を継いでくれるのかな?ははっ」

 

 2人の話にグランツも今後を楽しみにする発言を行う。新しい時代が作られていくのだ。これから、私達の手で。

 握手を交わしこれからどうするかが楽しみなジャンヌ達であったが、それを邪魔する様に電子音が響く。場所は二か所からで1つはアレクの通信端末、そしてもう1つはハジメが携帯していたゼロ・スターターから発せられていた。

 

「ん?艦からの通信か」

 

「……?スタート、どうした」

 

 すぐに2人はそれぞれの声が邪魔にならないように離れて通信に出る。スターターからの通信で、スタートの声が聞こえてきた。

 

『ハジメ、ジャンヌ。マキナスから借りているマギア・マキナスの電脳で現状報告がしたい。いいか』

 

 スタートの言うマギア・マキナスの電脳は文字通り象徴であり空中戦艦であるあの艦の頭脳である。マギア・マキナス撃破後、しばしの間ドラグディアが賠償金代わりにその電脳を借り受ける約束を取り付けていたのだ。

 ただ、それを最初に指示したのはグランツではなかった。ガンダムのOSスタートが、グランツに要請したのである。借りて調べたいことがあるのだと。その内容についてはジャンヌ達も知らされてはいない。パイロット達にも秘密にする内容が気にならないはずがなかった。

 マギア・マキナスの電脳という単語を聞いて、マキナスの少年少女達も通信機となったハジメのスターターに集まってくる。

 

「へー、それがガンダムのOSなんだー」

 

「OSというAIか。マギア・マキナスのよりすごいな」

 

「実質的にこいつとも戦っていたわけか。それよりマギア・マキナスの電脳を借り受けていた理由は、こいつにあるのか?」

 

「そうそう!どうなの?」

 

「何か、皇帝のせいで問題があったのか?」

 

「まぁまぁ落ち着いて……こっちにも隠してたんだ。目的くらいは聞かせてほしいな、スタート?」

 

 マキナス勢の興奮を抑えながらも、ハジメがスターターに向かってスタートの真意を問う。そこから聞こえたのは、ジャンヌにとっては予想だにしていない朗報であった。

 

『あぁ。簡潔に結論から言おう。ヴァイスインフィニット……レイア・スターライトの居場所が分かった』

 

「………………え」

 

 レイア・スターライトの居場所。確かにスタートはそう言った。その報告にジャンヌが待ち望んでいないはずがない。茫然から一転、ジャンヌはハジメの手を掴んでスタートにレイアの居場所を聞き出そうとする。

 

「どこなのっ!レイアさんはどこなの!?」

 

「わわっ!ジャンヌ、落ち着いて……」

 

 距離を詰められたハジメが落ち着くよう説得してくるが、そんな言葉を冷静に聞いていられない。大切な友人の無事をこの戦争の間に気にしなかったジャンヌではない。

 

「どうしたの、彼女?」

 

「あー……簡単に言うと、大切な親友が、ヴァイスインフィニットっていう白いガンダムに乗せられたまま別の世界に飛ばされちゃってね……」

 

「白いガンダム……確かマキナス軍も一時期追っていた機体だ。友達がパイロットだったのか?」

 

「無理矢理、ですね。私達の学校の詩巫女候補で、私の友人でもある女の子をお嬢様達は救い出そうと戦ったんですが、不慮の事故で開いた超次元現象に呑みこまれて、そのまま……」

 

 事情を説明したグリューネ達の声が暗くトーンが落ちる。誰もが彼女の消失に影を落としていた。

 早く知りたい。レイアの居場所を。だがジャンヌの逸る気持ちをスタートが強制的に断ち切らせる。スターターを介して2人に電流が流れる。

 

「いづっ!?」

 

「ぐあっ!?っ~痛ってぇ……」

 

『ほら、これで落ち着いたろ。少しくらい話聞け。面倒くさい。お前らの為にわざわざ動いてたのによ』

 

 痛がる2人にため息を漏らすスタート。自分にまで流したことに元は悪態をつく。

 

「そりゃありがとよ……だからって俺まで流す必要なかっただろ」

 

『悪いな。電流はスターターからしか流れねぇ。今度からお前がジャンヌを止めな』

 

「スタート~……!」

 

「ううっ……それで、レイアさんはっ」

 

 痛みを堪えつつ涙目でレイアの事を訊く。するとスタートは答える。

 

『あぁ。レイア・スターライトの居場所だが、マギア・マキナスの電脳で行き先をトレースした結果、次元世界第10番にいることが分かった』

 

「次元世界、第10番」

 

「それは一体……」

 

 その名を、スタートは告げた。

 

『アース。またの名を、地球』

 

「!?」

 

「地球……?」

 

 ジャンヌは首をかしげる。聞いたことのない名前の世界。といってもジャンヌ達マキナ・ドランディアの人間でも、この次元世界にある世界の名前を知っているわけではない。だがその名前をただ1人だけが息を飲んで聞いていた。

 そして、スタートが明かす。

 

『そう。地球。MSの歴史が生まれつつある世界にして、ハジメ。お前の故郷、だな』

 

『!?』

 

 一斉にハジメに視線が向けられる。ハジメの顔は俯いたままだった。しかし、息を吸って覚悟を決めたようにハジメは話し始める。

 

「あぁ。俺は、地球で生まれた人間だ」

 

「ハジメ……!」

 

「なんと……ハジメ少尉の世界に転移していたとは」

 

 偶然なのだろうかと思うような運命の巡り合わせ。やがてハジメはこれからについて訊く。

 

「それで、どうやって俺の世界に行くんだ」

 

『それについては心配ない。シュバルトゼロとGワイバーン。この2機なら、世界の壁を越えられる』

 

「分かった、ありがとう。艦からの連絡はその2機の修理に関しての事みたいだ。すぐに始めていいか?」

 

「はい、お願いします」

 

 ガンダムの修理に関する確認に、ハジメがOKサインを出した。ガンダムの装備で世界を超えられる。それはジャンヌ達にとって朗報だ。ガンダムが直ればすぐにレイアを助けに向かえる。それどころかガンダムの力を解析したら、もっと多くの人を送り込める。そうすれば、すぐにレイアを探し出すことだってできる。

 提示された希望に笑みが零れる。すぐに行けるように準備を整えることを提案する。

 

「だったら早くガンダムを修理してその地球に行く準備をしなきゃ!それか、もっとみんなで行けるように―――」

 

「駄目だ」

 

「え……」

 

 ジャンヌの意見を、ハジメが否定した。振り返ったハジメは悲しそうに、だが冷徹にそれを告げた。

 

「お嬢様は、いや、この世界の人は、連れてはいけない」

 

 

NEXT EPISODE

 




エピローグ2はここまでです。続く最後のエピローグ3も引き続きお楽しみください。

レイ「新たな縁が結ばれたっ!でも元君また一人で背負おうとしているなぁ……」

ジャンヌ「次回ではわたくしとは違うジャンヌさんがどう言うのでしょうね」

次がLEVEL1最後の話っ!最後までフルスロットルです(*´ω`)

レイ「何がフルスロットルなの?」

ジャンヌ「何がなんです?」

それは……エピローグ3にて!
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