機動戦士ガンダムDN   作:藤和木 士

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どうも、皆様。エピローグを読み進めて頂いている方はありがとうございます。作者の藤和木 士です。

レイ(以下R)「アシスタントのレイ!」

ジャンヌ(以下J)「アシスタントのジャンヌです」

ネイ(以下N)「アシスタントのネイです」

グリーフィア(以下G)「アシスタントのグリーフィアよぉ。って、四人全員なのね」

そうっ!今回の投稿は3話分だから、4人全員入ってもらったよ( ゚Д゚)めっちゃ書くの辛いっ(なら書くなよ(セルフツッコミ))

R「あはは、私達の名前の所も省略されてるね」

N「でもみんな出られていいですね」

さぁ、そんなこんなでLEVEL1の最後の話、エピローグ3だ!( ゚Д゚)

G「作品の方のジャンヌが、拒む元に対してなんていうのかしらねぇ~♪」

J「これまでの話の中でジャンヌ・Fさんの気持ちが正しいのなら、言うのはきっと……」

さぁ、これでLEVEL1は決まりです(*´ω`)本編をどうぞ!


LEVEL1 EPILOUGE3 勝ち取りし平和、世界を超えて3

 

 

「なんで……なんでなんです!?」

 

 必死に、ハジメが拒絶する理由を問う。周りの者も困惑していたがハジメは落ち着いて、自身の考えを口にする。

 

「まず俺の世界ではまだMSが誕生した直後のような世界でした。ガンダムの性能を見ればきっと今より多くの者達が我欲のために狙ってくるはずです。もし大勢で行けばその力を巡って戦争が起きる。かつてのこの世界の様に。そんな世界に平和を勝ち取ったこの世界の人達を、お嬢様を連れて行きたくない」

 

「そんな危険な世界なの?だったら余計にレイアさんを放っておけないじゃない!」

 

「だったらこっちの気持ちも分かってください!俺の世界の醜悪さを、あなたまで無理に感じる必要は、ない……!」

 

「っ……!何よ、それ……」

 

 ハジメは声を荒げる。勝手すぎる言い分だ。だがジャンヌは知らなかった。ハジメがいた世界で、家族に起こりつつあった悲劇、この世界に来るまでの出来事を。

 さらにハジメは言う。

 

「それに、お嬢様はまだこの世界の、聖トゥインクル学園の生徒なんだ。せめて最後まで学校を卒業してほしいんです。俺は高校時代通って卒業したといっても、満足のいくような思い出もなく卒業しましたから……。平和な間に、俺がレイアを救い出します。だから!」

 

 自分が果たせなかったことを果たしてほしい。彼の言葉はそう聞こえた。それを言い訳にして、ジャンヌを戦闘から遠ざけようとしている。ハジメの懇願なのだ。しかしジャンヌは否定する。

 

「なんでよ。何でそんな自分で勝手に決めるのよ!失うことに臆病になって、知られたくないから本当の事を隠して!これじゃドラグディア政府の人と同じじゃない!!」

 

「そ、そんなこと……」

 

 すかさず否定しようとするハジメ。だがその前に言葉を遮る様にハジメの体に自身の体を押し付けた。押し付けて、離れないように両手をハジメの服を硬く握る。その行為にグリューネやフェルナが色めき立つが、今のジャンヌには関係ない。

 今の元の言葉はこれまでのジャンヌに対しての対応だ。これまで接してきた自分が怒らないようにするための。だけどもうそんなのは嫌だ。今までの自分とは違う。変わった事を自らの行動と言葉で証明する。

 

「私は!あなたと一緒に居たいの!レイアさんの事を愛していた時の私じゃない、今はあなたと一緒が良いの。でもそれはレイアさんの事が嫌いになったからじゃない。もちろんレイアさんがいることは必要よ。でも、レイアさんがいて、それにあなたがいなきゃダメなの!2人もいなくなるなんて……そんなの耐えられないっ!」

 

「お、お嬢様!離れ……」

 

「呼んでよ……名前で呼んでよ!この大戦で呼んだように!私の事を必要だって!お願いぃ…………私を、一人にしないでよ……うっ」

 

 離そうとするハジメに逆らって、その胸元で泣き付く。こんな気持ちを異性に向けたのは初めてだった。でも後悔なんてない。言わなければいけなかった。ヴァイスインフィニットとの戦いで芽生えたこの気持ちを伝えなければ。でないと彼は離れて行ってしまうから。そんなのは嫌だ。本音を吐露したジャンヌを擁護するレヴやリッドの声がハジメに向けられる。

 

「これはハジメ、お前の判断が悪い」

 

「責任取らなくちゃねぇ」

 

「図らずもレヴ君の発言が現実になった件について」

 

「うぐっ!?」

 

 グリューネの指摘通り、かつてのレヴが放った失言通りの展開だ。ハジメは助けを求めるようにローレイン、そしてフォーンへと言う。

 

「お、おいローレインかフォーン様も何か……」

 

 しかし、返ってきたのは予想通りの、そして意外な言葉であった。

 

「ノーコメント」

 

「招いたことはお前が処理しろ。お嬢様を泣かせることだけはするな」

 

「お嬢様とくっつくことはいいんですか!?」

 

「俺はふしだらなことや泣かせることはするなと言っていた。お嬢様が望むのなら、それは当てはまらない」

 

「うぐっ!……」

 

 思わぬ発言にハジメの言葉が止まる。それでもハジメは考えていたようだが、その前に母のクリエがトドメとも言うべき言葉を連続させた。

 

「ハジメ、ジャンヌを連れて行ってあげられないかしら。私からもお願いしたいの」

 

「お母さん……!」

 

「いくら、奥様の言葉でも……」

 

「ジャンヌは使命を背負ってから、ずっと心を閉ざしてきたの。でもレイアちゃん、そしてあなたと交流する様になってから、少しずつ変わっていった。特に男の人にそんな事言えるようになったのなんて、昔から比べたら大きな変化よ。あなたのおかげで成長できた。そしてまだ見たことのない世界に行こうとしている。どれだけの危険があろうともあなたの隣に居ようとしている。それを親として応援したい」

 

 ジャンヌの背中を後押しする発言。ちゃんと自分を見ていてくれて、今前へ出る娘に助力してくれる母の姿がそこにあった。母の言葉はやがて1つの提案をハジメに出した。

 

「でも、あなたの言い分は分かる。高等教育を出て欲しいっていう気持ちは、私にもある。だからね、待っていてあげられないかしら?ジャンヌが、そしてあなたが聖トゥインクル学園を卒業するまで1年半近く、この世界を出るのを待つ。そうしたらその問題は解決できるわ」

 

 時が来るのを待つ。時間は前に進み続けるからこそ慌てずにその日が来るのを待つ方策を、クリエは提示する。卒業を待って行くのであればあらかじめ準備が出来る。だがそれにより露見する欠点もある。ハジメはそれについて指摘した。

 

「でも、それじゃあレイアの両親に申し訳が……」

 

「それは私達大人の仕事よ。第一あなたも行くにしても危険がいっぱいって言っていたじゃない。なら丹念な準備のために時間は必要でしょう?何とかなるわ」

 

 が、それも母は完全に抑えていた。クリエの発言にグランツも頷く。ジャンヌは改めてハジメにお願いした。

 

「ハジメ、お願い。一緒に連れてって。私の事を待ってて」

 

 顔を見上げる。涙で視界は悪いが、ハジメの躊躇う顔が見えた。そこから藁にも縋る思いで再び顔をうずめた。

 懇願にハジメの口が動いた。

 

「ジャンヌ――――――」

 

 続いた言葉に、ハッと顔を上げた。

 

 

 

 

「……はぁ~答辞の言葉面倒だったわねぇ……」

 

「お疲れ様、姉さん。生徒会長ってことで選ばれて大変だったね」

 

 M.D.1430、3月3日、日曜日。この日の聖トゥインクル学園は高等部の卒業式を迎えた。この年の卒業生はネアを含めて全学科258名。その代表に自身の姉グリューネは選ばれたのだ。

 妹からの言葉に全面的に同意するグリューネは不満を漏らす。

 

「そーよ。別に生徒会長よりもっとすごい人が今回の卒業生にはいるわけだし~」

 

「あはは……それって多分ハジメさんとジャンヌ様だよね」

 

 ネアからの指摘にグリューネは大きく頷く。

 

「普通そうでしょ!戦争を終わらせたドラグディアの両雄のどっちかがした方が、学園のプロモーションとしても十分なのに。きっとハジメ君が裏工作したのよぉ~!」

 

「裏工作って、何……」

 

 姉の被害妄想(と言いきれなくないかもしれないが)に笑いがこみ上げる。けれど、本当にあの後の2人は色々な意味ですごかった。ドラグディア、マキナスの両国家における小競り合いなどに参戦し、瞬時に制圧。「ドラグディアの両雄」としてその実力を余すことなく発揮した。ハジメは昇進して現在は大尉となり士官学校への入学も検討されている。ジャンヌも今年度に行われた詩竜双極祭では最優秀者としてその栄冠に輝くほどの詩巫女に成長し、今年前年度に引き続いて名誉詩巫女としてノミネートされるなど立派に成長を見せた。

 そんな2人を差し置いて生徒会長である自分が選ばれたことに、姉は納得がいかないのだろう。けれど、それにも事情があるのだ。2人の今後の「ミッション」のために、時間がなかったことが姉の選ばれた理由だろう。学園の廊下を歩く2人の先に、学園中央の広場が見えてくる。

 

「あ、もうみんないるよ」

 

「そうね。主役もまだなのに……それにしてもここもすっかり綺麗になったわね」

 

 広場に集まる集団に向けて足を進める。ヴァイスインフィニットガンダムとの激突後、オベリスクは一応修復され以降の詩竜双極祭のために使われる様になった。その新製造後の第1回目の双極祭にジャンヌが参加し、最優秀者となったのである。

 そしてその場所は整備されて新たな名称を追加された。ガンダムによる激闘の地という、学園には似つかわしくない名称。廊下には当時の激闘の跡の写真が飾られている。そんな廊下を通って2人は広場に出る。広場にはオベリスク前で作業をする者とその護衛、更に離れたところで在校生と卒業生が観客の様に作業を見守っていた。グリューネらの登場で観客の生徒達が騒ぎ出す。

 

「グリューネ会長とネア書記だぁ!」

 

「会長ー、ネア書記ー!ご卒業おめでとうございまーす!!」

 

「あーはいはいありがとーありがとー」

 

「姉さん、もう少し感情込めよう?」

 

「いいのよー。それより……よっ」

 

 ツッコミをスルーしてグリューネは護衛の1人に抱き付く。抱き付いたのはもちろん姉の彼氏であるアレク・ケルツァートだ。アレク以外にもリリーそしてマキナスのアルスと言った面々が揃っている。それらの視線を気にすることなくグリューネは抱き付いたまま卒業を祝うようにせがむ。

 

「アレくーん♪卒業よー。ねぇねぇ、祝ってー」

 

「あぁ、グリューネ。おめでとう。ネアさんもおめでとう」

 

「いえいえ、ありがとうございますアレクさん。あ、もう義兄さんと呼んだ方がいいですか?」

 

「まだ結婚には早いよ……グリューネもここを出てから詩巫女歴史学を学ぶようだから、それからかな。とはいえ、そう言われると悪い気はしない……いや過去の事もあって複雑だぞこれ……」

 

 投げかけた冗談にタジタジとなり、悪い気はしないとしつつもかつての事が呼び起こされて反応に困るアレク。忘れがちになるが、2人の初対面時は容疑者と治安部隊という状況で、まったく義兄妹という感じではないのだ。

 ネア自身もそれを思い出すときはないわけではない。しかしそれも過去の話とグリューネがあっさりと言葉で切って捨て、話題を変える。

 

「もう、過去の事なんだから気にしない!それよりメインの2人は?」

 

「あぁ。もう来るとは思うんだが……」

 

 メインの2人が来ないことに不信感を抱いていると、空から嘶きが飛んでくる。

 

「グルゥゥゥゥゥゥン!!」

 

「ふぇ?」

 

「この鳴き声って……」

 

 空を見上げる。すると空から白銀の装甲と紅いラインの走った金属のドラゴンがこちらに向かって降りてきていた。その背中に待っていた2人を乗せて。ドラゴンが着地すると、その2人はこちらに遅れたことに対する謝罪を送る。

 

「すみません、遅れました」

 

「は、ハジメさん!?ジャンヌ様も……って、どうしてクリムゾン・ファフニール様が!?」

 

 ネアの困惑は他の者も抱いたものだった。象徴は現在、厳重な軍の庇護の下そうそう表に出るものではない。それがハジメとジャンヌを乗せて来たのはもっと混乱を呼ぶ。

 

「さ、流石竜騎士……!」

 

「詩巫女のジャンヌさんも乗せて颯爽搭乗なんて、すごい演出……」

 

 ギャラリーから絶賛される一方、アレクやリリー、そしてマキナス陣営のアルスから怒声とため息が漏れる。

 

「ハジメェ!!お前勝手に連れ出したのか!?」

 

「学園の外に待機させて見送りの際に来てもらう予定だったが……どうして貴君が?」

 

「いや、こっちに来るのも難しかったので、せっかくならと警備の人達にお願いして一緒に来ることにしたんです」

 

「お前ら……余計な話題を付けてくるのが好きだな、ガンダムは」

 

「でもクリムゾン・ファフニールも大分飛行するのが上手くなったんですっ。ね、ファフナー?」

 

 事情を話し、ジャンヌが象徴を愛称で呼ぶ。クリムゾン・ファフニールは首を振って払う動作をしてテレパシーで応答する。

 

『あぁ。当然だろう。もう1年以上経つ。2人のバランスはちゃんと私の中で記憶しているからな。ジャンヌがまだ飛んでいる間ギュッと太ももで必死に体勢を固定させているのも、以前の空を飛ぶのすら怖がっていた時よりはマシになったな』

 

「あうぅ……言わないでください……詩巫女なのにまだ竜に一人で乗れないの恥なんですから……ひゃあぁ!?ハジメッ!?」

 

 竜の騎乗に恐怖心を持っていると話すジャンヌを、ハジメはクリムゾン・ファフニールの背に立って手を引く。そして持ち上げてお姫様抱っこの姿勢にすると象徴の上から飛び降りた。遮ったジャンヌの言葉を、ハジメが擁護する。

 

「ジャンヌをまだ一人に出来ないからな。一人で乗れるようになるまでは、俺が傍にいないと」

 

「も、もぅ……は、恥ずかしいから、下ろしてっ」」

 

 2人の距離感の近さに羨望の目を向けてしまう。姉やジャンヌがそれぞれ彼氏持ちで、自分だけまだなのが少しだけ悔しかった。でも2人ともそれぞれ苦難の末にくっついたのだから、文句を言うのもおかしい。特に自身が関わったとなれば当然だ。

 ジャンヌの羞恥を露わにした声にハジメも優しく労わるように地面へと足を付けさせる。とはいえこれで役者は揃った。ハジメの作業を行う人物達への準備の確認が取られる。

 

「それより、ガンダムとGワイバーンの調整は終わりました?」

 

 すると準備に参加していたヴェールと機人族の機械っぽさが全体に残る老人が答えた。

 

「うん、テストは問題なし。ワルトさんのデータ通りだよ」

 

「うんうん、おまんさんがこの世界に来た時の超次元現象の数値と対応した値に設定できとる。このデータが残っておってよかったって」

 

「ありがとう、ワルトじいさん」

 

 グーサインを出す機人族の老人と、腕を打ち合わせるハジメ。話によるとあの老人は初めてハジメをこの世界で見つけた人物であり、これまでに色々確執がありつつも機竜大戦にて協力した仲だという。皇帝にも協力していたことから当初は投獄されかけたものの、ハジメと協力して達成した功績とガンダムの次元移動協力を取り付けて監視の下解放されたらしい。

 これから行うのはその次元移動の実践。次元世界第10番「地球」への移動だ。その見送りのためにネアや様々な人物達がこうしてここに集まってきたのである。出発前にリヴァイ兄妹やローレイン、更にジャンヌの姉であるジーナとその夫テュートがそれぞれに言葉を送る。

 

「じゃあなハジメ、ジャンヌ。お前らが行ってる間に、俺も軍の学校で頑張ってるぜ」

 

「レヴが心配だろうけど、それより自分達の身を考えるのよ?いい、ハジメ君?」

 

「一応荷物には竜人族の体調管理マニュアルを用意しておいた。ジャンヌの体調不良とかレイア救出後の治療に役立ててくれ」

 

「分かってる。ありがとうローレイン。レヴも頑張れよ」

 

「何かあったらハジメ君に頼りなさい。無理は禁物よ?お姉ちゃんとの約束だからね?」

 

「ジーナ、心配しすぎだよ。ハジメ君ならきっとやり遂げる。僕が言えた義理じゃないけど、そう信じている。きっと君をレイア君のもとへと導いてくれるはずだ。そのために君がハジメ君を支える。助け合いの精神だよ」

 

「はい、姉さん。ありがとうございます」

 

 2人の関係者達が別れの挨拶を交わしていく。みんな2人の無事を心から願っていた。しかし、その中に1人、納得の出来ていない者もいた。

 

「姉様……」

 

「エターナ、あなたも……」

 

「考え直してください、姉様!姉様がこんな男と一緒に行く必要なんて……」

 

「こらっ、エターナ!」

 

 エターナの暴言をクリエが咄嗟に止めさせる。ジャンヌもその言葉に反論を口にする。

 

「エターナ、まだ分かってくれないんですか?私はハジメがいいって……」

 

「違うっ!姉様はおかしくなってる!異性を好きになった姉様なんて、姉さまじゃない!別れなきゃいけない!」

 

「っ!エターナっ……!」

 

「ジャンヌ様、待って……」

 

 なだめようとしたジャンヌも妹の罵声で反射的に手が動く。平手打ちをしようとするもそれをハジメが手首を掴んで止めた。

 

「ハジメっ!?」

 

「くっ、姉様を奪ったクソ男が……」

 

 ジャンヌが動揺し、エターナが舌打ちをする。それに動ずることなくハジメは言う。

 

「喧嘩をするのは別に構いはしない。でも自分の妹にはどんな事があっても手を出しちゃいけない。手を上げるくらいなら、俺はその矢面に立つ」

 

「ハジメ……」

 

「クソ男が……なら姉様を連れていくのを止めなさいよ!」

 

「それも出来ない」

 

「!?このっ……」

 

 返答したハジメの言葉に逆上するエターナ。だがハジメは更に返答した。

 

「決めたから。俺は、彼女と共に行くと。そのためにみんなここに来てくれた。それを無駄にはしない。君がどう思っていたって良い。だけどジャンヌの無事だけは祈っていてくれ」

 

「っ……」

 

 言いたげな様子であったものの、彼女は口を閉ざす。そんな彼女に一礼してから、2人は揃って準備の終わった広場中央へと向かった。ヴェールが案内する先に見えたのは、ハジメとジャンヌの機体「シュバルトゼロガンダム[Repair-Ⅱ FafnirⅡ]と修復されたGワイバーン、それらを挟んで機器に設置されたゼロ・スターターだ。

 スターターを手に取り、コードの接続を解除するとハジメは腰にスターターを当てる。スターターから名称と共にベルトが展開する。ベルトが接続されて腰に巻き付くと続いてロックリリーサー、そしてセレクトスーツカードを装填していく。最後にスターターのボタンを押し込み、装依を宣言する。

 

「装依」

 

『ガンダム・ザ・ネクストジェネレーション! シュバルトゼロガンダム[Repair-Ⅱ FafnirⅡ]!』

 

 光の扉が2人を挟み込む。1人の影へと集約されて上へと移動した光の壁がガンダムを接続していた危機の前からその場に移動させた。現れたドラグディアの英雄の機体に、周囲の観客の興奮が高まる。そのままガンダムは機器から外れたGワイバーンの背中にまたがる。

 

「では……開始します!」

 

『Dトラベルコントローラー、アクティブ。次元空間への干渉開始』

 

 両機体の力が発揮されていく。オベリスク前の空間が徐々に歪み、やがてかつてレイアを飲み込んだものと同じ次元世界への入り口が生成される。

 以前のような吸い込みはない。だが各警備が周囲を見張っている。不意の事故を防ぐためにだ。ヴェール達も空間をモニターする。入り口が安定したのを確認して、Gワイバーンが飛び立つ。

 

『では行きます!』

 

「二人とも、気を付けてね!」

 

『はい、お母さん!ネア、グリューネ!』

 

「お嬢様も、お元気で!!」

 

「絶対、連れて帰ってくるのよーっ!!」

 

 見送りの声を受けて2人のガンダムは次元空間の穴へと飛び込んでいく。だが、そこでエターナが叫ぶ。

 

「姉様っ!!」

 

 既に機体が飛び込もうとする中で届くとは思えない叫び。しかし、直前に機器を通してジャンヌの声が聞こえてくる。

 

『……エターナ、私がいなくても、強く生きてね』

 

 それはエターナの未来を願っての言葉。姉としての言葉だった。その言葉を残して、ハジメとジャンヌは次元世界の穴へと姿を消した。異次元の穴が閉じた。

 

 

 

 

 次元世界の狭間へと突入した2人の視界の前に、光の世界が広がった。まるで宝石箱の中身を解放したように高純度DNがあちこちに放出されている。それだけではなく、天体のような球体がその面に別世界の風景を映し出していた。

 

「これが、次元世界」

 

『すごい……ハジメはこの中を飛んできたんだ』

 

 ジャンヌもため息を漏らす。覚えてはいないが、間違いなくハジメはこの中を通って来たのだ。

 幻想的な世界に見惚れつつもルート通りに進むGワイバーンの背で、2人は会話する。

 

『ハジメ、ありがとう。私の事を選んでくれて』

 

「いや、まだ悩んでいるよ。連れてきて良かったのかって。でもこの2年で分かったんだ。ジャンヌとなら、いいって」

 

 思い出すこの2年間。様々なことを経験して理解した。自分のパートナーはジャンヌしかいない。ジャンヌとならこれから来るだろう激戦を乗り切れる。そう思えるのだ。

 その言葉にジャンヌは気分を躍らせて返答する。

 

『ふふっ。でしたらもっとその先を言って欲しいですっ』

 

「……それは流石に、ちゃんと任務を終わらせてから、かな」

 

『むー……変なところで真面目なんですから……もう付き合って1年半なのに……』

 

 煮え切らない態度にジャンヌは不満を口にする。しかしハジメも、そこだけはまだ迷っているのだ。その答えが、この使命を終わらせた先にあるのだと信じて、もとの世界へ向かう。

 Gワイバーンの背の上で様々な会話をする内に、目的地が近づく。ジャンヌにその事実を伝える。

 

「ジャンヌ、そろそろだ」

 

『機体各部正常。問題なしです』

 

 機体を次元世界突入状態へと移行させる。と、その時だった。

 

 

 

 

「――――――え」

 

 

 

 

 視界の端に映る機影。それに目を奪われた。漆黒のMSが横をすうっと横切っていく。ジャンヌもそれに気づき、絶句する。

 

『え……何です、あれ』

 

 すぐさまその機体に頭部の視界を向けた。こちらの機体と似ているが、背後には3対の大きな天使の翼のようなものを背負っていた。その機体がこちらに気づき振り向く。姿を確認したその機体はこちらに対し親指を立てる。まるで旅路を祝うように。

 通信回線を開こうとする。だがその前に視界が暗転する。光と共に現れたのは、漆黒の夜の帳が下りた風景。下には元も見覚えのある、しかし知っている土地ではない街が見えた。

 

「っ……着いたのか」

 

『ここが、ハジメの世界……』

 

 懐かしさのある風景にため息が出る。もう直前の機体の事は頭の隅に仕舞い、眼下の風景を焼き付ける。確かに元は地球に帰ってきたのだ。

 もとの世界への帰還に感心していると、下の異変に気づく。街の中の街灯とは別に光が瞬く。爆音なども聞こえてきており、異常さが伝わってくる。ジャンヌがすぐに情報を出す。

 

『下方にて戦闘です。……未確認のMS数機と、これは、ガンダム!?』

 

「ガンダム、か。俺の世界にも、生まれたんだな。ジャンヌ、行けるか?」

 

『ふぅ。いきなり大変ですね。いつでも行けますっ』

 

 行動開始にジャンヌも頷く。ガンダムはGワイバーンから降り一気に地上へと降下する。迫る地面。やがて着地体勢に入り、ビームライフル・ゼロでけん制しつつその地に降り立つ。

 頭巾をかぶったように頭頂部の尖ったパーツにゴーグル、モノアイを1基配置した機体数機とガンダム顔をした赤と蒼の機体2機、更にそれに味方する目元をゴーグルセンサーで覆った灰色のMS達の視線が一気に降り立った元達へ注がれる。そんな中で元はオープン回線で告げた。

 

 

 

 

「シュバルトゼロガンダム[Repair-Ⅱ FafnirⅡ]、これよりこの戦闘に武力を以って介入する!」

 

 

 

 

 これは次元を超えた英雄の物語である。

 

 

LEVEL1 END

 

NEXT LEVEL……Standby OK?

 




今回も最後までお読みいただきありがとうございます。ガンダムDN、LEVEL1完結であります!

R「元君と遂に結ばれたんだぁ!」

G「んーいやいや、まだゴールインしてないから」

N「でも実質それって感じは……あ、でも元さんが迷いそう」

J「元さんがまたジャンヌ・Fさんを困らせそうですよね」

(´・ω・`)元君そんなに心配されるんか……

N「なんていうか、捨てるっていうより護るためにとかで自分を犠牲に先に死にそうです」

G「未亡人にしそうよねぇ」

J「それでまた病んでいきそうです」

R「原因はレイアちゃんを救うために、とかね」

(´・ω・`)元君、憐れ。とまぁ異世界マキナ・ドランディアの戦いはひとまず終わり、黒の館DNを挟んだ次回からは元君の世界での戦いです。

R「あ、そういえばさ、元君あの世界から事実上消えたけどどうなってるの?」

それは……まぁ、関わってきますよ?(;・∀・)

N「これそれなりに深いから詳しく言えないやつですね」

G「死亡扱いになってそう」

J「お金とかに苦労しそうですね……」

まぁ、そこは元君が頭を働かせますよ(;・∀・)というわけで今回はここまでです。

R「次回は黒の館DN!」

J「異世界戦争編の最終回になりますね」

G「最後を飾るのはやっぱりあの機体よね!」

N「そのほか第3章と合わせた設定用語集も出てくるそうです」

R.J.G.N『次回もよろしく(お願いします)!』
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