ネイ「アシスタントのネイです」
グリーフィア「アシスタントのグリーフィアよ~。ってあら、今回って黒の館DNじゃなかったかしら?」
それがですね、前にバレンタイン回作るとか言ってたの忘れて今の今まで作成してたんですよ(;´・ω・)というわけで番外編のバレンタイン回です(゚∀゚)
ネイ「すっごいタイムリーな話ですね」
グリーフィア「前回のクリスマスの番外編もクリスマスだったからまぁねぇ」
というわけで、マキナ・ドランディア、というかドラグディアのバレンタインデーはどうなるのか?本編どうぞ(*´ω`)
2月14日。マキナ・ドランディアにもバレンタインの日がやってきていた。好きな異性にチョコを贈る風習。戦争が終わって初めてのバレンタインはその影響を少なからず受けていた。ドラグディア・マキナス両国家間交流で思いを寄せていた異種族への求婚という形で、だ。長年そう言った例はそれらの国以外の、両種族中立を表明した外国家に住んで暮らすしかなかったが、戦争の終結によりもう人目を気にすることなく異種族間で愛をはぐくめるようになったのだ。
それを果たしたドラグディアの両雄、彼らもまた今や互いを気に掛けるパートナー。この日の為に詩巫女の少女はパートナーたるガンダムパイロットに、これまでの感謝も込めて手作りのチョコを作っていた。
「……ふぅ。出来ましたぁ」
オーブンから取り出した角皿の上に乗せられたパウンドケーキを見てほっと一安心する。焦げは少なく、チョコレートの匂いがキッチンに広がる。
完成したのを見て同じく厨房にいたネアも出来を称賛する。
「上手くできてますね。味の方はどうです?」
「えぇ。今切り分けます」
ケーキ用のナイフでパウンドケーキの内1つを切り分ける。ネア、そしてグリューネと「見張り」の使用人達の分を切り分けると皆厨房の席に着く。席に着くと皿に取り置かれたケーキをフォークで欠片として各々口に入れていく。緊張の一瞬だ。
「……うん、ちゃんと出来てますね」
「本当に!?良かった……」
ネアの評価、そして使用人達の頷きで憑き物が取れたように安堵する。何とか間に合った。明日のバレンタインでハジメに渡すチョコは完成できた。丁度同じくパートナーにチョコを渡すグリューネと、元うちの使用人だったネアにも来てもらい買い出しから手伝ってもらった甲斐があったものだ。
改めて2人に感謝の言葉を贈る。
「ありがとう2人とも。メイドさん達も」
「気になさらないでください。お嬢様がバレンタインのチョコを贈る、それを見届けたかったので」
「私としてはアレ君と同じ勤め先だったから、丁度いいと思っただけに過ぎないわぁ♪こういう広い厨房を使わせていただけたわけだし。監視役の方たちもお疲れ様っ」
「いえいえ。お三方の楽しい秘め事、何人たりとも邪魔させるわけにはいきませんから」
3人の企みに喜んで乗った使用人達。彼女達には男性陣もといハジメがこちら方面に来ないかどうか見張る役目を帯びていた。サプライズの為、決して悟られてはいけない。
その本人であるハジメだが今日は基地にて自主トレと次の作戦確認のために基地へと出向いている。一応今日はネア達と予定があると断ったが、気づかれていないだろうか……。ハジメの場合気を使ってと言うこともあり得る。グリューネの方もアレクには今日の用件は伝えていない、誤魔化していると言っていた。その筋からバレる可能性は少ないはず。
大丈夫だと自身に言い聞かせて、明日への意気込みを語る。
「明日はしっかり、ハジメに受け取ってもらいます!」
「受け取ってもらうだけじゃあダメね。2人には思いっきり鼻の下伸ばしてもらわなくちゃ!」
「ハジメさん、滅多にそういうデレた顔見せませんから見てみたいです。お嬢様がどこで渡すかにもよりますが……」
明日はバレンタイン。乙女の勝負所だ。
◆
迎えたバレンタイン当日。いつもより男女ともに活気が溢れる通学路を元はジャンヌと共に歩いていた。ネアも既にサランディーネ家に引き取られ、通学路で会うか学校で会うくらいになった。少し寂しくも思うのはやはり数か月程度でも家族のように接したからか。それに加え季節は春先に近づいているとはいえ寒さが厳しい。マフラーとコートは外せない。早く春が来てほしいと思う。
それを同じく感じているのかと思えば、そうではないジャンヌ。カバンを大事そうに抱えての登校。大体は見当がついているが、敢えて気づいていないふりをして周囲の色めき立つ様子について話題を振る。
「そういえば、今日はみんな活気づいていますね」
「え、えぇ。なにせ今日はバレンタインですから。みんな意中の相手に早くチョコを贈りたいと思っているのでしょうから」
笑顔でそう答えるジャンヌ。声音などはやや抑えているが表情が隠せていない。にやけている。おそらくジャンヌもまたその中の1人なのだろう。もう半年にもなるこの関係、未だにむず痒さが残るがそれでも悪い気はしない。
そうして通学路を過ぎていき、学校の校門をくぐっていく。道中もそうだったが女子生徒の視線がやたら熱い。とはいえ今までなかったわけではない。戦争終結直後の学園通学時から元とジャンヌの2人が学園で注目されるようになった。理由は無論ドラグディアの両雄である2人への人気だ。男女問わず、憧れ嫉妬含めた注目を2人は学園中から受けていたのだ。最初の内は特に酷く、休み時間にドラグディア軍が出動して規制を掛けるほどだった。今は大分落ち着きを見せていたが、今日のこれは普段よりも注目は多いと思う。
(やっぱりジャンヌからチョコを、それか俺に対しての……まったく、英雄なんて気が楽じゃねぇ)
何度目かの英雄扱いへのため息を心の中で吐く。だが、それが2人で成した証。厄介と思っても失くしたくはない。隣で歩くジャンヌが訊いてくる。
「ねぇハジメ。今日の放課後……その、いつもの場所に来てくれる?」
「あぁ。あそこだな」
いつもの場所、という単語で理解する。2人にとって忘れられない場所、あそこなら邪魔が入るのも少ないだろうと考えたのだ。
放課後の約束を取り決め、昇降口へと入っていく。が、そこで妙なざわつきが起こっていた。中心にいたローレインがこちらに気づく。
「あ、ハジメ!と、ジャンヌ……」
2人、特にジャンヌを見て声のしまりが早かったように感じる。いつも飄々としているローレインがそんなあからさまに声の調子を落とすなど軍関連以外ではあり得ない。それに思い当たる出来事があった。
「どうした?まさか下駄箱にまた……」
また、というのはこの戦争終結後、活動を開始したガンダム排斥団体「ノット・ア・ジー」による嫌がらせ。ガンダムパイロットとそのパートナーが学生なのをいいことに学校に侵入して威力妨害をここ最近行っていた。教員の1人がそれらに参加していたことで一度ジャンヌが標的にされた。寸前でハジメが異変に気づき事なきを得たが、もしあのままだったらジャンヌは大けがを負っていた。最悪……。
ともかくそれを予感させる空気をローレインの表情から察したハジメはすぐに意識を下駄箱方面へと向けた。DNLとしての感覚を研ぎ澄ませる。敵意はどこからか、どのような仕掛けを施したのか。見た目では一見普通でも、物に残ったDNまではそうごまかせない……。ところがローレインは首を振って制止する。
「あーいや、前のケースじゃないんだ。てか予想できたけど忘れてたっつーかさ……」
「忘れていた?前にもあっただろう?」
「いや、その可能性もあるんだけど、場合によっちゃジャンヌは見ない方がいいっていうか……」
「私が?何を言って……」
制止するローレインをよそ眼に2人で人混みへと入っていく。一体何を言っているのか。その答えは意外な、いや、困惑するものだった。
「―――――あぁ」
人だかりの中心は元のクラスの下駄箱、というより元の下駄箱の前が異変の中心だ。その真ん前に床から積み上げられた包装物の数々……。その裏の下駄箱自体にもラッピングされた箱がいくつか散見できる。
このような光景をテレビで見たことがある。平次に勧められて見たアニメ、丁度今の時期の話でそのような事態に陥ったキャラクターの数々。所謂アニメのお約束、と言うものだった。
「おーうすげぇ人だかり……っと、ハジメ……って何だこれ!?」
「うはっ、ハジメ君凄い量だねぇこれ全部チョコ?」
丁度やってきたリヴァイ兄妹が事態に気づく。流石に全部を見たわけではないが、信じるならこのすべてがバレンタインのチョコだろう。
「みたい……だな」
ちらりとローレインの方を向く。だが彼女の方も全てを把握しきれていない為、直ぐには返答が来ない。その一方レヴはありきたりな反応を示す。
「おいおい……英雄だからってこんなにかよ!?女子のハート鷲掴みにしてぇ!」
「変な誤解作るな。そんなに欲しいなら少し分けるし」
「余裕ぶりやがって!畜生!」
「お約束をどうも。というか本当にこれ全部食べ切れないし……」
冗談抜きでこれ全部は無理だ。誰かに協力してもらわないことには……。一つ一つ最低でもひとかけらは食べるつもりだ。もしかするとドラグディア軍の人にも協力してもらう必要が……。そう思ったところでローレインが言いづらそうに声を掛けてくる。
「あ、あのハジメさん?ちょっといいかな?」
「どうした、急に改まって」
「あー、そのですね……後ろ」
「ん?ってあ」
言われて振り向く。そして気付く。というより気づかされる。それらのチョコを見て何やらいけないオーラを漂わせているパートナーの姿に。
「……あらぁ」
「お、おいジャンヌ?」
呼びかける。するとジャンヌはオーラをそのままに笑みを向けて答える。
「大丈夫、ハジメは悪くないんです。仕方のないことですから……」
「え、あ、そう……」
「ハジメは何もしなくていいですから……私が、こんなものを送ってきた娘全員始末して」
「駄目です」
流石に不味い。狂うほどにこちらを想うジャンヌを外へと連れていく。最終的にチョコは毒物混入がないかどうか調べるためローレイン達に基地へと引き取られた。ついでに処理もとい食べるかどうか聞いたが、その答えは苦笑いで済まされた。
放課後になりようやく一息つく。朝っぱらから疲れてしまったが、今日もまた学生の日々は終わった。後は基地の方へ、と思ったところで思い出す。
(そういやジャンヌに言われていたんだった。「あそこ」だったよな)
約束を思い出し、一緒に帰るかどうか聴いたレヴに外せない用事があると断り教室を出る。途中朝の返事を聞きたいのだろう女子生徒達が何人かこっそり付いて来ていたが、階段でそれらを撒いた。来る途中教員室を見たが既に目的地のカギはないのを確認している。既にいるのだろうと真っ直ぐ目的地まで向かった。そこは学園の校舎隅に近い、ほとんど近づかないような一角。熱心な詩巫女候補生位しか知らないと思われた場所だ。
その部屋の入口を開ける。予想通り鍵はかかっていない。室内にはやはり彼女がいた。パートナーにして主、ジャンヌ・ファーフニルが。
「遅いですよ。何していたんです?」
やや不機嫌そうに訊いてくる。朝の件もあって疑惑を向けられるのは仕方がない。何か言われるのは覚悟で理由を話す。
「ごめん、少し厄介ごとを撒いてた」
「厄介ごと……まぁいいです。来てくれたので」
「当り前だろ、ここの部屋使うのはそういう大事な時なんだから」
言って辺りを見渡す。2人がいるのは学園の詩巫女資料室。かつて元がジャンヌに詩竜双極祭に参加しない理由を問い詰めた場所である。2人にとっては思い出したくない記憶だ。
そんな場所を大事な集合場所にしたのは戒めも込めてだった。もうお互いを傷つけないよう、いつでも大事なことを思い出せるように。
しばしの沈黙が2人の間に流れる。先に沈黙を破ったのはジャンヌだ。後ろに回していた手をこちらに向けた。その手には朝方見たような綺麗にラッピングされた箱状の物体。
「……こういうの異性に渡すの、初めてなんですからね?」
「あぁ、だろうと思った」
「だろうと思ったって……何です?その言い方っ」
「フフッ、悪い。来る途中やけに嬉しそうにしてたから」
嬉しそうにしていたと言われ、視線をずらす。分かりやすい反応だ。自分では気づいていなかったようだ。けれどその恥じらいのまま元が一歩前に出て抱きしめる。
「は、ハジメっ」
「ありがとう。ここ数年、異性からのチョコなんて身内の残り物位だった。凄く嬉しいよ」
「ぅぅ……///」
抱きしめられ、嬉しいと言われた恥ずかしさからか顔を埋めてくる。だがその言葉は同時に居なくなってしまった幼馴染とのやり取りも意味していた。抱き合う2人は呟く。
「もう、朝みたいな気持ちにさせないでくださいね?」
「努力する」
やはり、朝のあれはまだ気にしているようだった。何か考えなくてはと思いつつ、抱き合っていた。
◆
後程、基地にて……
「おーう、ハジメ……って何、このチョコ!?」
「あぁ、アレク隊長。学校でもらったんですが食べきれなくて……もらいます?」
「いや俺だってグリューネからもらった分あるし!なんで学校の友人とかにあげなかったんだよ。もしくは家の人に」
「あーその手がありましたね。というかちょっといいです」
「なんだ?」
「異性からの注目を浴びている人間が、バレンタインで目的の1人だけからチョコを偶然もらえる方法ありませんか。できれば来年の今頃までに」
「どういう状況だよ、それ!」
EX EPISODE END
AND
FOLLOWING THE NEXT VALENTINE DAY…?
今回もお読みいただきありがとうございます。
グリーフィア「なんというか、予想通りの甘々回ねぇ」
ネイ「作者さんの欲望も出てそうですよね」
(;´・ω・)そもそもバレンタインというとSEEDの血のバレンタインが思い付いてしまうんですけどね私。一応SEEDとか00の世代なので。
グリューネ「そこらへんはちょっとわかんないわねぇ~。だけど……最後の終わり方って何ー?」
ネイ「ANDで区切られていましたが……どういう意味で?」
次のバレンタインデーに続く(゚∀゚)(意訳)
ネイ「あっ」
グリューネ「まさかの最後の方の発言のことね~。来年書くの?」
その通りだよ(゚∀゚)その前に今回の分のホワイトデーまた来月書くんですけどね。というわけで今回はここまでです。
ネイ「次回の黒の館DNよろしくお願いします」