機動戦士ガンダムDN   作:藤和木 士

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どうも皆様。引き続きご覧の方は改めまして、作者の藤和木 士です。

レイ「アシスタントのレイだよー。いよいよ2019年も最後!」

ジャンヌ「アシスタントのジャンヌです。ガンダムDN、二回目の年越しですね」

流石にまた番外編盛り込む気はなかったよ……(´・ω・`)バレンタイン辺りにまた番外編投稿するつもりだけども。さて続くEPISODE6も更新です。

レイ「無事話を信じてもらえたね。てことは後は……」

ジャンヌ「協力の取り付け、でしょうかね?」

そうです。お互い条件を呑んで協力態勢を取れるのでしょうか?それでは本編へ!


EPISODE6 オーダーズ・ネスト2

 

 

 何とか事情を理解してもらうことが出来たことで。話し合いは次に移る。MSオーダーズの総司令、レイトからハジメに要請される。

 

「それじゃあ本題に入ろう。君達の力、君達のMS、シュバルトゼロガンダムの力を我々に貸してもらいたい。技術的なものに加えて、そのMSを扱う君達の腕を見込んでの事だ」

 

 頼み込まれたのはこの世界の戦いに協力してほしいとのことだった。シュバルトゼロガンダムの性能を高く買っている証拠だ。ミツキが協力に関する詳細、レイトの補足を行う。

 

「協力してくれる見返りとしては、ここに連れてこられた理由の1つ、MS所持法違反の特例による取り消しね。でもさっきの話で、そっちは白いガンダム、ヴァイスインフィニットだったかしら。その機体を探して、人質を救出したいってことだったわね?」

 

「あぁ、そうだ」

 

 ミツキからの問いにハジメは頷く。自分達は宿敵ヴァイスインフィニットを追いかけてここまで来た。最愛の友人レイアを取り戻すために、ジャンヌはハジメにせがんで1年半待ってもらったのだ。レイアの両親には悪いことをしてしまった。あぁなってしまったことを、レイアは怒るかもしれない。

 それを表に出さず、ジャンヌはミツキ達の決定を聞く。

 

「おそらく次元崩壊が絡んでいるのは間違いない。この5年で次元崩壊の発生が多数検知されている。そのうちの1つがヴァイスインフィニットを招き入れたというのは充分にあり得る」

 

「それで、協力して頂けますか?」

 

 レイア捜索への協力、果たして取り付けることが出来るだろうか。不安が過る中、レイトとミツキは見合って頷く。

 

「あぁ、協力しよう。いや、協力させてほしい」

 

「本当ですか!ありがとうございます!!」

 

 待望にしていた言葉を聞き、飛び跳ねるように喜ぶジャンヌ。先程の流れとは随分違う即決が少しばかり気になったが、それでも今は喜びの方が重要だ。目的を果たせることに歓喜する一方、ハジメはその理由について問う。

 

「随分さっきまでとは違うな。何か理由があるのか?」

 

 するとミツキ達が答える。

 

「先程までの話を信じると、そうならざるを得ない」

 

「ヴァイスインフィニットってガンダムが本当にいるなら、あなたのガンダムと同じ力を持つ。もし次元覇院に取られていたら……いいえ、最悪取られていることを考慮しなければいけないから」

 

「!」

 

 その発言を耳にして、ジャンヌも気付いた。次元覇院がその力を手にしていたら、敵になっていたとしたら最悪の事態になる。それを回避するにも、あるいは突破する為にはガンダムとMSオーダーズ両方が協力しなければならない。それを想定して彼らは自分達の要求を呑むというのだ。

 信じたくない予感。だがそんな可能性がわずかにあることをハジメが過去の事例と照らし合わせて語る。

 

「そうか。そういうことか」

 

「にぃ、どうしたの?」

 

「ハジメ?」

 

 カホとジャンヌ、2人が注目する。ハジメはレイト達にスターターからとあるデータを見せながらそれを語った。

 

「次元覇院のMS、マキインと言ったか。あの機体をこっちのガンダムが捕捉した時、俺達の世界にいたとあるMSと間違えて認識していた。マキナートと呼ばれる、機人族の国家が使用する機体だ」

 

「……!そうです。マキナートと間違えて認識していました!顔が全く違うのにおかしいなってことで一から登録し直しています」

 

 ジャンヌも思い出す。最初は故障かそもそも次元を超えれていないのかと思ったが、そんなこともなく機体データをインプットする羽目になった。

 

「それで、これがどういうことを示すんだ?」

 

 データを指して言葉を返すレイト。ハジメはその驚くべき結論を説明する。

 

「観測したところ、マキインってあの機体は、パーツの7割がマキナートと同じ機体だったんだ。ヴァイスインフィニットは一度マキナートの開発国マキナスの軍事施設を襲っている。その時に機体データと武装が盗まれていた」

 

「そうか。つまりもう、ヴァイスインフィニットは次元覇院の手にある可能性が高いと」

 

 ツィーラン博士が気づく。ハジメも頷いた。ヴァイスインフィニットが既に敵の手に落ちていたとしたら、データの誤認識も納得できる。聴いていたミツキ達の表情が苦しいものとなる。ジャンヌも初めて聞いた可能性に緊張感が高まる。本当なら次元覇院との対決は避けられない。

 重くなる空気の中でレイトが結論を出す。

 

「つまりだ。僕らは君達の力が何としても必要だ。君達はどうだ?」

 

「……いくらシュバルトゼロガンダムが救世主と同一視されていたとはいえ、探し出すのは難しいし、何度も戦闘を繰り返すことを考えると持ってきた武装でも足りない」

 

「じゃあ、道は互いに1つね」

 

 ミツキの指摘はもっともだ。ハジメもレイトも頷きその手を交わす。

 

「君達の事は全力でサポートしよう」

 

「俺達も協力できることには答える」

 

 互いの利害が一致した。ミエが言った。

 

「うん、これで2人はMSオーダーズ所属決定だね!」

 

「そういうことになるな。よろしく頼む」

 

「この世界に来て、まだよく分からないことも多いので、よろしくお願いします」

 

 ハジメに続いてジャンヌも頭を下げる。協力体制が決定したところでレイトが立ち上がる。協力することを決めた2人にこの後について告げる。

 

「よし、なら今日はここまでだ。君達2人の部屋を用意させよう。それから明日、2人には身体検査を受けてもらう」

 

「し、身体検査って?」

 

 ジャンヌの表情が強張る。反応を見てレイトは首をかしげる。

 

「体調に異常がないかと、後は竜人族の体組織について調べるためだが……それがどうし」

 

「っ!!」

 

 咄嗟にハジメに抱き付く。ハジメはすぐにジャンヌの気持ちを察し、もう1つの条件について明示する。

 

「一応、もう1つ条件としてジャンヌに対しての被検体扱いはやめてほしいと言ったはずだが?」

 

「それは承知している。だが政府へ上げる特例許可のための報告書と今後疾患を患った時の対策を考慮せねばならん。大丈夫だ、実験体なんて胸糞悪い事はさせない。それにあくまでサンプルを採取するだけだ」

 

 レイトは心配ないと語る。おそらくそれに偽りはないのだろう。だがジャンヌはそれを由としない理由を明かす。

 

「でも……ハジメ以外の男の人に、身体の隅々まで見られるなんて!」

 

「え?」

 

「あーそういうことね」

 

 ジャンヌの嫌悪する理由にレイトが呆然とする。対してミツキ以下女性陣はその意図を理解していた。ジャンヌも乙女であり、好意を抱く男性以外に自分の体を見て欲しくなかった。故に体を弄られるのも嫌なため、それを条件に出したのだった。

 そんなジャンヌの気持ちを思ってか、ミツキやミエもレイトにサンプル採取に意見する。

 

「レイト、いくら科学者のあなたでも他の女の子に熱心になるのはどうかと思うんだけど?」

 

「い、いや、そんなやましいことは何も……」

 

「それでも多少は考えた方がいいかな。仮にも君は光姫ちゃんの……」

 

「だぁぁ!……分かった。検診は女性に、あと光姫と深絵君が付き添う形で行ってもらう。ただしデータのまとめは僕がやる。それでいいか!?」

 

 2人の圧に負ける形でそう提案するレイト。それならばまだ多少は気恥ずかしさもない。頷き、了解を行うジャンヌ。

 

「えぇ。それなら構いませんよ」

 

 ようやく得られた了解にレイトは疲れ気味にため息を吐く。どれだけ迷惑が掛かっても、これは自身の気持ちだ。自分の身は自身を変えてしまったハジメにだけ真っすぐ見てもらいたい。それがまだいざとなると凄んでしまう、少女のポリシーなのであった。

 

 

 

 

「ママー、おわったー?」

 

 取り決めが終わり、施設案内をしてもらうべく席を立ったところで部屋に1人の少女が入ってくる。まだ小学生にも満たないような身長の少女で、母親を探しに来たようだった。続けて入ってきた世話係と思われる女性隊員が呼び止める。

 

「こら、光巴ちゃん勝手に入っちゃダメよ?」

 

「あぁ、もう大丈夫だから気にしないで」

 

 光姫が構わないと言い、その少女を抱く。おそらく基地の隊員の子どもだろう。一体誰の子どもだろうかと元が思っていると、思わぬ事実が判明する。

 

「はいはい、終わったわよ光巴~。もう寝なきゃダメでしょ?」

 

「えへへ~、パパとママのことまってたのー」

 

「…………は?」

 

 呆ける元。ジャンヌはその状況を飲み込み、光姫にその事実を確かめた。

 

「あら、もしかしてミツキさんとレイトさんのお子さんですか?」

 

「えぇ。そうよ」

 

「光巴という。僕らの第1子だよ」

 

 唐突に判明する事実。あまりにも衝撃的で元は叫ぶ。

 

「はぁ!?結婚してるのは分かるけど、子ども出来てたのか!?いつ!?」

 

「にぃ、落ち着いて。驚くのも無理ないけど」

 

 妹に驚きを宥められる。だがこんな事実驚かないという方が無理な話だ。声に驚く愛娘を抱き抱えながら、光姫が元の質問に答えた。

 

「実は成人式の時点で妊娠はしてたみたいなの。あなたの事件でばたばたしている間に分かって、すぐに結婚式挙げたのよ」

 

「あの時点でか……。大体いつ行為に及んだのかは想像できるが……何というかその……お熱いことで」

 

 元の本音が漏れる。直球な感想に光姫も嫌悪感を示す。

 

「ちょっと、どういう意味よ?」

 

「いやごめん。ちょっと冷静に判断できていなかった。ともかく子どもいるのに前線出ないといけないのって大変じゃないか?」

 

 話を逸らす意味で疑問をぶつける。すると深絵がそれを凄い勢いで肯定する。

 

「そうだよそうだよ!最近光姫ちゃんも光巴ちゃんが心配なのか集中力切れることあるし、MSオーダーズも安定軌道に乗ってきたんだから引退して子育てに集中してもらいたいんだけどね」

 

「まだ降りないわよ、私は。安定するようになってもまだ平和じゃない。光巴達の世代が安心して暮らせるように、戦い続けなきゃ。それより光巴がMSに興味を持つようになってるのが気掛かりよ……」

 

 深絵の言葉を否定し、我が子の頭を撫でる光姫。抱えているものがある限り、光姫の戦いは終わらないようだ。深絵の心配も納得できる。

 そんなことも知らず、光巴は目に入った新しい者達に声を掛けていた。

 

「ねー、おねーちゃんとおにーちゃんはパパとママのあたらしいおなかまさんなのー?」

 

「こら、光巴!」

 

「え?えぇ。ジャンヌ・ファーフニルと言います。よろしくお願いします」

 

 唐突な声掛けに戸惑うも、以前から随分と様変わりした素直な笑みで自己紹介するジャンヌ。出会ったころとは大きく違うと思いながらも元も光姫の娘に挨拶する。

 

「黒和元。そこにいる黒和華穂のお兄ちゃんだ」

 

「あーかほおねーちゃんのおにーさんなんだ!わたしはじげんみつはだよ。じゃんぬおねーちゃん、はじめおにーちゃん!」

 

 幼いながらも律義に挨拶をする光巴。しっかりとした子どもという印象を感じる。親が司令官ということで躾がきちんとされているのかもしれない。光姫も我が子を褒める。

 

「よしよし、ちゃんと挨拶してえらいわよ。でももう寝ましょうね?話すのはまた明日」

 

「うー、はーいママ」

 

「じゃ、私は寝かしつけてくるから。深絵と華穂は2人の部屋の案内よろしくね」

 

「了解~」

 

「任せておいてください」

 

 そう言って光姫は世話係と共に部屋を出る。同じタイミングでツィーラン博士も帰ることを伝える。

 

「それじゃあ、私も帰ることにしよう飛行機がそろそろなのでな」

 

「でしたら護衛を付けましょう。先生は次元覇院に狙われかねない人物ですから」

 

「そうかい?すまないね。では元君、ジャンヌ君。また会う時に」

 

 元達に別れを告げてツィーランもその場を後にした。そして元達もまた部屋を出ることになる。黎人が深絵と華穂に、光姫が言っていたように2人の案内を要請する。

 

「それじゃあ、深絵君、華穂君。彼らの案内を頼んだ」

 

「了解です」

 

「分かりました。にぃ、ジャンヌさん行くよ」

 

「あぁ」

 

「はい」

 

 深絵達の後に続いて元達は司令官室から退室する。どっとため息が出る。ようやくこの世界での足掛かりは出来たと言えるだろう。当初の予定とは違ったが、いい流れであることには違いない。むしろその当初の流れよりスムーズかもしれない。だがいずれにせよ考えなければならないことはあった。

 それでも安心したのは華穂が元気にやっているということだ。MSのパイロットとなっていたことには思う所はあるが。華穂の後ろ姿を見て呟く。

 

「……大人になったな」

 

「ん?何か言った?」

 

「いや、何でも」

 

「?何かセクハラっぽいこと言われたような気もするけど……」

 

 疑い深く睨む妹。これも懐かしい。それに決してそんなやましさを前面に出したわけではなく、簡単に言うと綺麗になったという意味だった。昔の面影を残しつつも女性らしい魅力を持つようになった。昔から思っていたが華穂は美少女という部類にあたった。ある一部分を除いても十分だろう。元自身は気にしない。

 そんな妹に感づかれないよう、元は先を行くように言う。

 

「さ、そんなこと思ってないで部屋に案内頼むよ。華穂に聞きたいこととかもあるからな」

 

「むー……なんか怪しい」

 

「怪しくない」

 

 2年以来となるやり取りに懐かしさを感じながら部屋へと向かった。

 

 

 

 

 最悪だ。東響の街の廃ビルでデータを見ていた男は思う。先程の戦闘で男の抱える部隊の半数が壊滅した。原因は無論、あの黒いガンダムだ。MSオーダーズより先に手に入れろと本部から通達され、上手く行けば東日本支部代表に上り詰められる大きな仕事に男は全力で当たった。だが結果はどうだろうか。半数を失い、大損害を受けた。このままでは男の組織における評価が落ちるのは目に見えている。

 

(そもそも私の部隊だけでやること自体バカげているのだ……!もっと早くあの場所に黒のガンダムのパイロットが居ることをスパイが伝えていれば!)

 

 MSオーダーズに潜入させていたスパイからの情報で黒のガンダムを捕らえようとしていた男は、既に展開するMSオーダーズのMSを確認して殲滅へと切り替えた。その結果があの惨状だ。

 作戦を達成できなかった自身の不甲斐なさを部隊の情けなさに転嫁し、自棄になってアルコール類に手を伸ばす。するとそのタイミングで通信が入る。通話画面に映ったのは話していたスパイの女だった。

 

『支部長』

 

「貴様……よく顔を出せるな、ええ?おかげで私の支部の戦力はズタボロだ!貴様のせいだぞ!どう責任を取るつもりだ」

 

 怒りのままにスパイへ罪を着せる。がスパイは動じることなく冷徹な口調で支部長に命令する。

 

『責任?貴方が指揮する貴方の部隊の失態を、なぜ本部からの指示で直々に入り込んでいる私が取らねばならない。下請けの組織末端風情が調子に乗るな。それよりも機体を出せ』

 

「生意気なことを言うんじゃない!そんなバカげた話があるか!私は……」

 

『ほう、その挽回のチャンスがあると聞いてもか?』

 

 降りることを伝えようとした矢先、スパイは気になることを口にした。どういうことかと冷静さを戻して問い詰める。

 

「……どのような用件だ」

 

『簡単だ。オーダーズの要人を1人「護送」する。派手にやるつもりだが迎えが欲しい』

 

「要人?一体誰だ」

 

 作戦目標を聞く。スパイは笑みと共に目標を語る。

 

 

 

 

『―――――ターゲットはMSオーダーズ司令官夫妻の息女、次元光巴だ。彼女を人質にして、ガンダムを明け渡してもらう。人質交換、というわけさ』

 

 スパイの悪魔的考えに、次元覇院の男はほくそ笑む。まさにそれは神が与えた大逆転劇、というものだったと感じ、すぐさま準備に取り掛かるのであった。

 

 

NEXT EPISODE

 




今年も最後までお読みいただきありがとうございます。来年も引き続き投稿できるといいなと思っております。

レイ「ジャンヌ・Fちゃん率直だねー」

ジャンヌ「モデル元のわたくしも、同じですからっ」

あはは、アシスタント設定の際に少し変更しているけどね……。

ジャンヌ「ふふっ。でもここで初登場の光姫さん達のお子さんの光巴さん、いきなり狙われそうですね」

レイ「そうだよそうだよー!まだ騒ぎは終わりにならなさそう!次元覇院に対して、元君の怒りもマックスになること間違いなし!だろうし」

そんな気になる展開を残して、今年はこれにて終了となります。

ジャンヌ「次回も、そして来年もよろしくお願いしますっ」
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