ネイ「アシスタントのネイです」
グリーフィア「アシスタントのグリーフィアよぉ~。言ってもこっちも大事件勃発じゃない?」
そっすね(´Д`)今回はEPISODE8と9の公開になります。まずEPISODE8からです。
ネイ「光巴ちゃんが誘拐された前回……MSオーダーズはどのような手を打つのでしょうか」
グリーフィア「んー、せっかくなんだし、元君のガンダム使えばあっという間のような気もするけどねぇ」
そんな「もうあいつ1人でいいんじゃないかな」的な発言止めましょうよ(;・∀・)この作品それになりがちな一面もありますが……
ともかく、そんなEPISODE8本編をどうぞ!
「光巴ちゃんが!?」
施設内放送から流れた内容に、深絵は驚きを隠せなかった。いや、その知らせにMSオーダーズの人間は隠せないだろう。なぜならそれは想定されうる状況でありながら、そうさせまいと徹底して注意を払っていたはずの事案だったのだから。
起こってしまった事態、それに対し光姫と黎人も気付いているのか。緊急放送が今起きている現状と、要請を告げた。
『現在光姫隊長が一部基地隊員と共に先行して逃走中の次元覇院スパイのMSを追跡中。蒼梨 深絵、および黒和 華穂両名はMS射出デッキへ!他隊長格はそれぞれの持ち場へ――――』
「深絵さん、私達も!」
「そうだね……光姫ちゃんに追いつかなきゃ!」
2人は示し合わせると元達に一言断ってから向かおうとする。
「それじゃあ、2人は部屋で待機を……」
『え?……すみません、1件訂正です。深絵、華穂両名は、黒和元、ジャンヌ
・ファーフニル両名を作戦指揮室まで連れてきてください!」
放送から告げられる命令訂正。待機を指示しようとしていた2人に作戦指令室へと連れてくるようにと伝えられる。深絵は一瞬戸惑う。今彼らを呼ぶ理由は何なのか。しかし彼らもMSパイロットであることを考慮すると、現場を見せておいた方がいいのだと解釈した。
元達がこちらに言ってくる。
「だそうだが?」
「……みたいだね。とりあえず付いて来て」
「分かりました」
一足早く部屋を出た閃の後を追うように深絵達も宿舎を出る。前の時だって救出できた。だから今回も救出して見せる。そんな意気込みを心の中で強く誓った。
「失礼します。蒼梨深絵、黒和華穂。黒和元とジャンヌ・ファーフニル両名を連れて参りました!」
作戦指令室へと入り、指揮官席にて映像とにらめっこしていた黎人へと到着したことを報告する。4人の到着に、閃と話していた黎人が向き直り応答する。
「あぁ、ありがとう」
「それより、状況は?」
すぐに状況の把握のための情報提供を要求する。黎人は首を縦に振り、指揮官席前方に現状の情報を投影させて犯人について話す。
「やられた。まさか世話係がスパイだったとは……光姫が後を頼んだ直後に、連れ去られた」
「世話係……経歴は確認したんだよね?」
「あぁ。だが社会へと出るまでの経歴を調べたら……こうだ」
黎人の出した資料に見えた身辺調査。確かに彼女の名前がある。だが横には同じ顔、そして同じ苗字の人物が映る。黎人は推測を打ち立てる。
「今も調べているが、彼女達は双子だ。だが片方が死んでいる。そのもう片方、姉が今回の世話係だった。姉は宗教などには一切関わっていなかったが、妹は次元覇院に入信していた。妹はうちの突撃隊との戦闘で死亡している。だがその死後直後から周囲の話によれば姉の様子が以前と変わったという。この意味わかるか?」
「まさか……姉と妹が入れ替わったってこと!?潜入を怪しまれないように、姉を妹自身ってことにして?手が込んでる……」
妹と姉のすり替わり。双子という点を利用し、工作員を送り込んできたのだ。今までそんな素振りを見せても来なかった彼女に、深絵は苦虫を潰したように気づけなかった自身に対し落ち込む。
深絵が失態を重く受け止める傍らで、華穂は現状について訊き出す。
「それも一大事ですけど、光姫さんは追跡中なんですよね?どっち方面に行っているんです?」
MSオーダーズの基地は人工島を1つの橋とで本土に繋がっている。次元覇院の逃げ場所としては東響都のどこか、あるいは次元覇院の本拠点である三枝となる。とはいえ流石に三枝は遠く、MS単独で向かうのには厳しいだろう。おそらく東響都方面だ。黎人もその見方を示す。
「光姫達の追跡報告からして、東響方面だ。だが、気になる報告が都の警察庁から上がっている」
気になる報告というものに違和感を抱く。すぐにその違和感が重大な事態へと結びつく。
「東響湾上空に次元覇院と思われるMS部隊が出現したらしい。その部隊は真っ直ぐこちら方向に向かっている。そしてその延長線上に光姫達と逃走するスパイがいる。つまり」
「それって、まさか!?」
たどり着いた考え。そして管制官達から報告が飛ぶ。
「通達、光姫さんの追っていたスパイが次元覇院MSと接触!停止しました!」
「停止?」
閃が次元覇院の動きを怪しむ。華穂、そしてもちろん深絵も同じだ。止まったところでいったい何をする気なのか。更にオペレーターが叫んだ。
「敵機体から声明です!」
「犯行声明……回せ」
黎人の要請で回線が回される。声の主はあの世話係、しかしこれまでのそれとはまったく違う口調で話す。
『我々次元覇院は要求する!逆賊の娘次元光巴の命を返してほしくば、漆黒のガンダムを我らに引き渡せ!でなければ次元光巴の命は保証できない!これは悪ではない。神の慈悲なのだ!』
「っ!あいつら~!!」
華穂が怒りを露わにした。深絵も同じだ。人質を取っておきながら、それを神の善性などに置き換えるそれは慈悲ではない。ただのテロリズムだ。
それを否定するのは黎人や光姫も同じだった。しかし、人質を取られていては手出しが出来ない。
「こんな要求、呑めるわけがない」
黎人が硬く口を閉ざす。回線から光姫の対応を乞う声が届く。
『分かってる。でも!光巴をどうやって助ければ……!』
光姫のロートケーニギンから映されたカメラ映像では、光巴がマキインの性能向上型「マキイン・魁」の持つアサルトナイフを頬に突きつけられていた。光巴は死の恐怖か、それとも世話係の変貌の為か泣き叫ぶ。
『パパー!ママー!』
その光景を見せつけられる形で、深絵達は沈黙する。機体を渡すべきなのか否か。それを更に迫るかのように別のところから回線が接続される。
「司令!晴宮防衛大臣と斉田自衛軍東響湾防衛基地司令からです」
晴宮冬馬。政府の防衛大臣を務める人物で、MSオーダーズ結成の後ろ盾となった人物だ。そして斉田明は東響都の自衛軍を取りまとめる司令官である。晴宮防衛大臣は私達MSオーダーズに親身になって対応してくれる人達の1人で、しっかりと話を聞いてくれる人格者だ。一方の斉田司令官はかなり自己中心的な人物で、それを指摘しても危険な人物だ。華穂は一度その逆ギレとも呼べる逆鱗に触れて、以来嫌っている。
そんな対照的な人物が黎人へ事態の対応を協議する。
『黎人君、大変な事態になったようだね』
『やはり余計なものまで引き連れて、飛んだ疫病神だな』
「っ!」
華穂がわずかに苛立ちを募らせる。いつもは穏やかながらも冷静な晴宮防衛大臣も、真剣さを含ませた表情で黎人に聞いていた。
娘を人質に取られていて、精細さを欠いていた黎人も顔を引き締めて対応にあたる。
「はい。ですがMSオーダーズの威信にかけて、私達のMSで人質を救出して敵を撃滅します」
以前の様に取り返す。深絵達もその気でいた。しかし斉田司令はそれを撃ち砕いた。
『何を得意気になっておるか、この甘ちゃんどもが!そんな言葉上は信用せんわ!』
「っ!何であんたがそんな事言えんのよ!」
『喚き散らすな、口を慎めこの下賤兵もどきが!そうでしょう?晴宮防衛大臣殿?』
食って掛かった華穂を必要以上に口撃する斉田司令。上が信用しないというのを信じたくはなかった深絵達だったが、しかし彼の言葉が事実であることを晴宮防衛大臣は言った。
『そうだ。この件を受けて政府は特例の無理な対応をするよりも、機体データをコピーして外装のみを与えて自爆させるべきではという考えが出ている』
「そんなっ!?」
「っ!」
「………………」
あまりにも非情すぎる、かつ自分勝手な考えだ。自分達に何の実害もないと思っての発言に深絵の中で憤りが生まれる。
到底呑めない判断。黎人も考え込んでしまう。しかし話を聞いていた閃が同意の反応を見せた。
「いいんじゃないか?」
「閃さん!」
閃の発言に叫ぶ華穂。黎人が慎重にその意見を聞く。
「……閃君、正気か?」
「正気も何も、こいつは犯罪者だ。それを無下にすることくらい」
どうでもいい。そう言い切る前に深絵は言い放った。
「どうして……どうしてそんなこと言うの!」
元々はモバイルスーツの暴走事故で死亡扱いとなってしまった被害者、それ以上に深絵にとっては命の恩人でもある元を何も知らない人に推し量ってほしくない。
深絵はその気持ちを人目もはばからず涙ながらに露わにした。
「元君はモバイルスーツの暴走事件でいなくなって、それが無事に帰ってきたっていうのにみんなして一緒に来たMSが危険だとかそんな話ばっかりで!5年間の事何も知らないのに自分なりに調べたっていうのに、私達がその努力を無に帰してどうするの!」
「華穂さん……」
『………………』
作戦指令室に声が響く。きっとみっともないと思っている人もいるだろう。それでも言わずにはいられなかった。あの時の事件でどれだけ後悔しても叶わなかった元への感謝、それに報いたい。
深絵の渾身の叫びに閃は気圧される。見ていた晴宮防衛大臣も表情を崩さず、見返していた。ただ1人斉田司令だけはその発言に無礼であると指摘する。
『恥ずかしくないのか、そんな犯罪者の男を庇って!貴君なぞすぐに除隊させてやる!』
「っ!!」
除隊という脅しに屈する様子は見せない。その眼に力を入れて対抗する。その眼を気に入らなかった斉田は晴宮防衛大臣に進言する。
『防衛大臣、このような危険な輩を置いておくのは危険です!今すぐに除隊しましょう、いえ、除隊させてやりま……』
「そんな必要、ねぇよアホ司令」
突如響いたのは元の声。壁にもたれかけて怒りを爆発させようとしていたジャンヌと共に静観していた元が、その口を開いた。そんな彼から出たのは自分達の不甲斐なさを嘲笑う毒舌であった。
「お前ら全員バカだろ」
◆
『バカ、だと……?バカは貴様だろう!特例でもそんな名誉棄損ですぐに犯罪者へ逆戻りだわ!』
「本当のこと言うのもダメってか?言論統制も過ぎるぞ。まぁもっとも、先に他人を貶めてるあんたが言えることじゃ、絶対にないけどな」
『どこが名誉棄損だ!本当の事だろうが!』
「あーそういう無駄な話いいから」
名誉棄損と言う斉田とやらの話を軽く受け流す。この男は次元覇院と同じ、自分がすることは何をしても正しいと思っている人物の範疇だ。名誉棄損はあるとはいえ、今それにかまけている暇はない。それでも彼の言葉に付き合ったのは、大事な妹を蔑んだことに対する報復だが。
そんな元に対し、礼節さを持って話すようにと晴宮防衛大臣は戒める。
『元君だったね。もう少し言葉遣いをきちんとしてほしい』
「あぁ、すみませんね。先程どこかの自己中心的な司令が妹を恫喝していたので、つい力が入りまして」
『ど、恫喝など私はしていない!』
元の言葉を真っ先に否定する斉田。しかしそれが仇となる。
「おや、自分は誰も斉田司令とは言っていませんが?ここには黎人司令もいらっしゃるというのに、恫喝したという自覚がおありで?」
『グッ!』
与えてしまった隙を歯ぎしりする鬼の形相で睨み付ける斉田を気に留めず、先程の話を続けた。
「なんでお前らだけで解決しようとしているんだよ。最大戦力がここにあるっていうのに」
自分を指さして示す。そう、彼らの頭からはすっかり元のガンダムの力を使うという発想が抜け落ちている。それもMS所持法という特例で控除すると言っていたにも関わらず、既に決まったことを解除しようというのだ。むしろ決定を解除する方が無理な対応だろう。それを同じく指摘した。
「それにMS所持法の特例控除も、決定はしても施行はされていない。なら今回のも特例に入れちまえばいい」
「簡単に言ってくれる。そんな考えが」
「通らないって?今までならそうだろう。でも別世界の圧倒的な性能を持つMSがいる。しかしそのMSパイロットは法律のせいで力を発揮できない。これは今までにあったことか?あり得なかったことに柔軟に対応しろよ」
元が言いたかったのは思考の柔軟さだ。こんな危機的状況で体裁を大事にしている場合ではないのは明らか。使えるものは全て使う。汚い手以外は。それがドラグディアの戦い方だ。そしてドラグディアで学んだことはもう1つある。
柔軟性という元の発言を晴宮防衛大臣は肯定した。
『確かに、今までにない事態にはその現場での迅速な対応変更が求められる。だが君を信じて成功するという保証はあるのかね?』
成功する保証という言葉に斉田が反応した。
『そうだ!素人にそんな保証……』
「素人じゃないさ。向こうで戦い続けて来た」
素人ではない。元は確かに戦い続けて来たのだ。あの戦争以降も様々な敵と戦った。ジャンヌと共に、そしてドラグディア、マキナスのMS部隊と共に。
そんなことを知る余地もない斉田は意にも介さず妄想であると中傷する。
『妄想のことを言うんじゃない!』
「じゃあ俺の機体は妄想か?あんた達の世界のMSは1機でも俺の機体を止められたか?この世界よりMS技術の進んだ世界の機体とそれを経験したパイロットが今ここにいる。それが証明できる時代にある。それを何の根拠で妄想だと否定できる?自分が知らないから妄想だとか別世界だからなんていう言い訳こそむしろ時代遅れだ」
『ぐっ!生意気な!!』
今ここにいる人間を一体どうして否定できるのかと問う。既に次元粒子、DNの力を知り、別世界の存在を知っている人々が外の可能性を否定する。それが通じる時代ではない、そんな事では時代遅れな世界であると認識しなければならない。
そしてこの状況におけるもっともなことについて触れた。
「第一、テロリスト相手に交渉なんてするなよ。強力な機体やその情報を得体のしれない武力しか持たないやつらに渡す。その考え方自体がおかしいだろ」
『ぬぅぅぅ!!』
正論を返され、なお食い下がろうとする斉田だったが、その斉田に対し晴宮は咎める。
『斉田君、君は下がっていてくれ』
『晴宮防衛大臣!?なぜこんな不敬の塊のような……』
『それだけかどうかを確かめたい。それとも君は彼の言う通りの人物像の人物だと自覚が?』
『なっ!クソッ!』
図星を突かれ、斉田は大臣相手に舌打ちをして通信を切った。残った晴宮は斉田の発言に謝罪すると共に発言通り元に対し質疑の言葉を掛ける。
『……すまないね。あの司令官は頭が固い』
「でしょうね。苦労察します」
『だが、君もまた扱いづらい人材ではあると思う。この状況を突破できると、そう思う根拠、あるいは勝算は何だね』
当然の問いだろう。救い出せる確かな力を証明する、こちらに作戦成功をもたらせる絶対的なものを見せてほしいというのだ。無論元も勝算はある。頭の中に浮かぶ作戦成功のビジョンがあった。それを告げる。
「まだ俺のガンダムには隠された姿がある。その力とMSオーダーズと対峙した時に見た青のガンダムの狙撃があれば、行ける」
「元君……」
『ほう』
「けどそれ以上に、今のただ手をこまねいている状況で、何も動かないのはもっとも最悪の一手でしかない。動かなきゃ勝算なんて初めからゼロだ。それを前提に動いて初めて勝算が生まれる。作戦はこうだ」
そうして元は作戦プランを提示した。指揮官席のコンピューターにスターターを通して画面に表示したその内容に、大小のどよめきが生まれていった。
NEXT EPISODE
EPISODE8はここまでとなります。
グリーフィア「元君大胆ねぇ~。絶対現実でやったらダメなやつでしょ」
(^ω^)そっすね。みんなは目上の人とかにこういう言い方しちゃだめだぞ?ちゃんと筋を通した言い方しようね!
ネイ「じゃあ何で作者さんこういう流れにしたんですか……」
前も言った気がするけど作中時間が足りねぇ!あとは現場判断優先でいくとこうなる気はする(´・ω・`)元君もそもそも言ってるけど、まずテロリストに甘えだったり交渉したりするのは最悪手だからね。それをあの分からず屋に説明するのも面倒だと判断した結果となります。
ネイ「この作品そういう分からず屋キャラクターが多いですよね」
そんなことないですよ(´ρ`)多分。そもそも末端はそういうキャラも多めでしょうし。
グリーフィア「んーけど別作品で言う所のル○ーシュみたいなキャラ欲しいわよねぇー」
それはめっちゃ考えてる(´ρ`)けど出せない理由とかもあるからねぇ。さてでは次のEPISODE9に続きます。